有価証券報告書-第184期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 11:25
【資料】
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【項目】
122項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。各種引当金につきましては、見込額を計上しており、たな卸資産につきましては原価法 (収益性の低下による簿価切下げの方法) を採用しております。また、繰延税金資産の認識につきましては、将来の回収可能性を検討し評価性引当額を計上しております。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は、紳士のビジネスシューズが好調であったことなどにより、前連結会計年度に比べ 305百万円増加し、36,336百万円となりました。しかしながら、原材料価格の高騰や新規店舗出店に伴う費用の増加などにより、営業利益は前連結会計年度に比べ 87百万円減少し、1,990百万円となりました。
また、貸倒引当金戻入額の計上や借入金の返済による支払利息の減少などにより、経常利益は前連結会計年度に比べ 7百万円増加し、2,152百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、移転関連損失引当金戻入額などがありました前連結会計年度からの特別利益の減少や、固定資産除却損などの特別損失の増加がありましたが、法人税等合計が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ 40百万円増加し、1,377百万円となりました。
(3) 財政状態の分析
①流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は 19,886百万円と、前連結会計年度末に比べ 234百万円増加しております。
これは、受取手形及び売掛金が 224百万円減少したものの、商品及び製品が 566百万円増加したことなどが主な要因であります。
②固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は 10,162百万円と、前連結会計年度末に比べ 427百万円減少しております。
これは、建物及び構築物の取得などにより、有形固定資産が 99百万円、のれんが 55百万円増加したものの、株価の下落によるその他有価証券評価差額金の減少などにより、投資有価証券が 746百万円減少したことなどが主な要因であります。
③流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は 11,495百万円と、前連結会計年度末に比べ 308百万円減少しております。
これは、支払手形及び買掛金が 231百万円減少したことなどが主な要因であります。
④固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は 3,785百万円と、前連結会計年度末に比べ 68百万円減少しております。
これは、退職給付に係る負債が 118百万円増加したものの、借入金の返済により長期借入金が 92百万円減少したことや未払金の返済により長期未払金など固定負債のその他が 146百万円減少したことなどが主な要因であります。
⑤純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は 14,767百万円と、前連結会計年度末に比べ 183百万円増加しております。
これは、その他有価証券評価差額金が 692百万円、退職給付に係る調整累計額が 270百万円それぞれ減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益 1,377百万円を計上したことなどにより利益剰余金が 1,187百万円増加したことなどが主な要因であります。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
今後、関税割当制度が廃止され、革靴輸入の完全自由化が実施されることになりますと当社グループのみならず、わが国の靴産業に多大な影響をもたらす可能性があります。
(6) 戦略的現状と見通し
当社グループは、革靴輸入の完全自由化後に予想される海外ブランドの流入やブランドショップの出店に対処し、主力である「リーガル」のブランド価値を維持・向上するための商品戦略や販売戦略を展開しております。
また、ブランド戦略や社内組織の見直しなどを含む経営全般の効率化・合理化に取り組んでまいります。さらに、引き続き靴小売事業の強化を図ってまいります。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度は、税金等調整前当期純利益の計上などにより、営業活動によるキャッシュ・フローが 291百万円増加しましたが、店舗の新規出店や改装などにより、投資活動によるキャッシュ・フローは 298百万円の減少となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済などにより、439百万円の減少となりましたが、それにより有利子負債は減少しております。
(8) 経営者の問題認識と今後の方針について
近年、特恵受益国、FTA及びEPA締結国等のTQ枠外での輸入が増加しており、今後完全自由化が実施されますと、わが国の靴産業に多大な影響をもたらす可能性があります。さらに、近年におけるライフスタイルや消費マインドの変化、景気の不透明感から、売上は依然として厳しい状況で推移するものと思われます。
今後とも主力である「リーガル」は「信頼・信用」の代表ブランドとして広く認知されるために、競争力と付加価値の高い商品を開発、提案してまいります。
また、靴小売事業を強化するとともに、全部門がお客さまを第一に考え、期待に添うべく顧客満足を追求してまいります。