有価証券報告書-第163期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 10:10
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戦略

①人財基本方針
当社グループは、住友の事業精神に則り、企業の競争力の大きな源泉である「人財」を最重要の資本と捉えています。2024年度に成長エンジンである人財の可能性を最大限に引き出し、企業価値を向上させるためのポリシーを明確化させるため、「人財基本方針」を策定しました。
「人財基本方針」は、当社グループの企業理念・行動指針を踏まえた、人財に対する考え方の中核をなす概念です。社員一人ひとりを大切にする原則のもと、当社が求める社員像と社員への約束の原則をうたったもので、この方針をベースに当社の人事施策が実行され、個々の成長と当社の発展を目指します。
人財基本方針に基づく「求める社員像」は、「SOC Vision2035」の実現に向けた経営戦略と直接的に紐づいており、以下の3つのキーワードで定義しております。
求める社員像会社からの約束
チェンジ&チャレンジ現状に満足せず、変化を楽しみ、新しい発想・推進力を持った人
・変化の激しい時代において、前例にとらわれず柔軟な発想で、変革に前向きに挑戦し続ける人
・新たな挑戦に、誠実さ、実直さを持ちながらリーダーシップを発揮する人
変革に挑む社員を支援し、挑戦する姿勢を評価します。
・変革に向け自律的に考え行動する社員に対し、挑戦できる機会・職場環境を提供します。
・一歩踏み出す勇気と挑戦する姿勢を称賛し、評価します。
チームワーク互いを認め合い高め合いながら、組織とともに成長し続ける人
・全ての人を尊重し、目標を達成する為に互いに高め合いながら、自らの成長を通じて組織の成長に貢献する人
・様々な立場・役割の人と協働することで個人では成しえない価値を創造する人
多様な人々が自身の力を発揮する為、互いを尊重し支援し合える会社を目指します。
・自由に考えを発信し、仲間の意見を受け止め、明るく建設的な議論ができる心理的安全性の高い環境を提供します。
・知識や技術を伝え合い与え合う風土を醸成するため、仲間を積極的に支援する社員を評価します。
プロフェッショナル自身の役割に誇りと情熱を抱き、自らを磨く向上心を持つ人
・社会からの期待に応えるために知恵・技術・心を磨き、周囲と切磋琢磨する人
・自ら高い目標を設定し、最後までやり遂げる人
自ら学ぶことを応援し、成長の機会を提供することで、プロフェッショナル人財を育成します。
・全ての社員の成長を促すため、様々な教育機会・経験機会の場を提供します。
・自ら積極的に学び成長し、成果をあげる社員を評価します。


②経営戦略と人財戦略の連動
当社グループは、中長期ビジョン「SOC Vision2035」のもと、カーボンニュートラルの実現(SOCN2050)、高機能品事業の拡大、新規事業立ち上げ(カーボンビジネス)、海外事業展開を通じた事業拡大及び事業ポートフォリオ変革を目指しております。
これらの経営戦略の実現には、各分野における「高度専門人財」及び製造現場を支える「技能職人財」の確保・育成・定着が不可欠であると認識しております。
事業環境が急速に変化する中、各分野の専門人財及び技能職人財を獲得・定着させられない場合、事業拡大の遅延や競争力低下を招く重大なリスクがあると認識する一方で、優秀な新規人財の獲得や積極的な人的資本投資による従業員エンゲージメント向上など、人的資本の質と量を高めることができれば、「SOC Vision2035」で掲げる事業ポートフォリオ変革と企業価値創造を加速させる強力な機会となります。
こうしたリスクと機会を踏まえた人財戦略として、当社グループは人事制度の改定やベースアップ等をはじめとした諸施策を実行しており、社員の処遇改善による就労意欲の向上や採用競争力の強化、新卒・キャリア採用の拡大、教育研修の拡充などを通じた企業価値の向上に取り組んでおります。
③人財の育成及び社内環境整備に関する方針
1)人財の育成・ダイバーシティの推進
当社はものづくりだけでなく、成長エンジンとなる人財の育成に積極的に投資を行っております。研修をはじめとした様々な教育・経験の機会を提供し、環境解決企業の一員として事業の発展に持続的に貢献していく市場価値の高いプロフェッショナル人財の育成と、チームワークで互いの得意分野の知識や技能を認め合い、伝え合い、与え合う風土を高めていくことが当社の目指す人財育成です。階層別研修をはじめとする各種研修・支援制度を通じて、能力や適性を生かし、リーダーシップを発揮する社員の育成を図っております。
人財育成においては、特に「若手社員育成」「マネージャー育成」「次世代リーダー育成」「デジタル人財育成」の4領域を重点育成分野と定めており、各教育研修の機会の拡充を図っております。なお、自己啓発支援として公的資格取得報奨金制度・通信教育講座補助・通学講座補助を整備し、社員の自律的なキャリア形成をしております。

また、多様な人財がいきいきと働ける企業を目指し、女性の積極採用並びに活躍の場の拡充に加え、育児・介護などとの仕事の両立支援に関する諸制度の拡充など様々な取組を行っております。
障がい者雇用にも積極的に取り組み、定着に向けた取組を進めています。加えて、定年退職者を知識・技能経験を保有した貴重な人財と位置づけ、若年世代への着実な技術継承を行う為、希望者全員が65歳まで更新できる再雇用制度を導入しております。キャリアを振り返り、自身の強みを活かした新たな役割を創造するため、57歳と59歳、定年後の60歳にキャリア研修を実施しております。
2)健康経営(well-being)への取組
社員の健康保持増進に取り組むため、健康宣言「住友大阪セメントグループは、すべての社員がノビノビ・イキイキと心身ともに健康で、元気よく働くことができる、活気あふれる会社を目指します。」を制定し、2022年度の初回認定以降、健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定を継続して取得しております。(健康経営優良法人2026(大規模法人部門)の認定を取得)
男女とも仕事と生活を両立させながら意欲高く働き続けられる職場環境づくりを推進するため、法定を上回る育児・介護休業制度及び短時間勤務制度の整備や、一事業年度のうち、年次有給休暇取得奨励日を計画的に配置する事で年次有給休暇取得率の向上を図っております。また、テレワーク制度・フレックス制度を整備することで、社員の多様で柔軟な働き方を実現しております。
健康に関する施策として女性特有の健康課題や運動機会増進・コミュニケーション活性化等を主軸として多様な取組を進めており、今後も明確な目標設定と具体的な取組を実施しながらPDCAサイクルを繰り返し、社員の健康増進に向けて取り組んでまいります。
3)安全衛生への取組
社員の安全衛生は企業存立の基盤をなすものであり、安全衛生の確保は企業として重要な責務であると考えております。当社グループは安全に厳しい企業として、災害ゼロを目指しており、職場単位の安全教育や、階層別安全教育、安全体感装置を用いた安全体感教育等を通じ、「安全に厳しい風土づくり」の醸成に努めております。
また、当社グループでは、全社の安全衛生・保安対策本部を設置し、事務局を中心とした定期的な連絡会の実施等、安全に対する一層の取組強化を行っております。
不安全行動と不安全状態の解消を徹底し、安全衛生水準の更なる向上と快適な作業環境の形成を図ります。
4)人権への取組
住友大阪セメントグループは、住友の事業精神と当社グループの企業理念に基づき、高い社会規範の意識と企業倫理を持って事業活動を行うことを基本としており、人権尊重が経営の根幹であり、最も重要な課題の一つと認識し、サステナビリティ委員会 労働・社会部会と取締役会の審議を経て2023年8月に「住友大阪セメントグループ人権方針」を策定しました。
この人権方針の理解浸透を図るため、毎年12月の国際人権デーに合わせ、全社員を対象としてビジネスと人権に関するセミナーを実施しています。また、リスクの洗い出しとマッピング実施により、当社の課題抽出を行い、重点課題への活動を継続していきます。今後、当社グループ及びサプライチェーン全体で人権デュー・ディリジェンスを進めるなど、人権尊重のための継続的な取組をグループ全体で推進していきます。
5)従業員エンゲージメント向上の取組
社員のエンゲージメントが高まることにより、人財の定着や生産性の向上につながることが期待されます。当社では、2024年度に初めて「エンゲージメント調査」を実施しました。調査の結果、総合共感度は64.78(2024年度の同一調査企業全体の平均値は63.9、うち製造業平均値は63.4)と良好な数値であり、「経営・職場ビジョンへの賛同」、「職場の目標達成への貢献」、「職場メンバーからの学習意欲」、「社会的倫理観に基づく行動・コンプライアンス遵守」への共感度が高いことが当社の強みです。一方、「職務を通じたキャリアビジョン実現」、「会社への所属感や上司からメンバーへの動機付け」、「人事制度(給与、昇進昇格評価基準、勤務ロケーションなど)」が当社の課題であることが明らかとなりました。これらの課題への対策として、役職者を対象とした「人財マネジメント研修」や2026年4月の人事制度改定等、エンゲージメント向上の施策に取り組んでおります。2026年度以降も継続的に調査を実施し、調査結果の分析と各組織へフィードバックなどを通じて全社及び各組織における改善に向けた取組につなげていく予定です。今後も従業員エンゲージメントの向上に向けて、課題発見、対策立案、実行、モニタリング、対策の見直しのサイクルを着実かつスピード感をもって循環させ改善を図っていきます。
④従業員給与等の決定方針
当社における従業員給与等の決定は、上記の人財戦略と一体的に設計されており、「SOC Vision2035の実現に必要な人財を確保・定着・動機付けすること」を基本的な考え方として、「チェンジ&チャレンジ」「チームワーク」「プロフェッショナル」という求める社員像の実践に向けて、短期・中期・長期それぞれの時間軸で社員の動機付けと生活安定を支える設計となっております。
1)給与水準の基本方針
同業・同規模企業との比較を踏まえた競争力ある給与水準を維持することで、優秀な人財の採用力と社員の定着率を確保しております。特に採用競争が激しい理工系専門人財獲得のため、労働市場の動向を継続的にモニタリングし、適切な水準の維持に努めております。
賃上げについては、物価上昇への対応と社員の生活水準維持・向上に加え、採用市場における給与競争力の確保を重要な観点として位置づけております。2023年度以降、世間水準に見合うベースアップを実施しており、社員の実質的な所得向上と採用競争力の強化を両立しております。今後も経営目標の達成状況と社会水準の動向を踏まえながら、持続的な賃上げを通じて人財への投資姿勢を継続的に示してまいります。また、採用競争力の観点から初任給水準についても適宜見直しを実施し、採用力の強化を図っております。
2)給与等の決定方法
当社は、金銭報酬(基本給・賞与・諸手当)、資産形成支援(持株会・株式報酬・確定給付企業年金・確定拠出企業年金)、福利厚生を体系的に組み合わせた処遇制度を設計し、社員の採用・定着・動機付けを総合的に支えております。
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