有価証券報告書-第107期(2025/01/01-2025/12/31)

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2026/03/26 9:10
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185項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、《日本電気硝子 企業理念体系》の下、世界一の特殊ガラスメーカーを目指し、材料設計、溶融、成形、加工といった技術により様々な特性や機能を持つガラス製品を開発、生産し、市場に潤沢に供給することにより、社会のニーズに対応していくことを経営の基本においています。
同時に、事業活動を行うにあたり重要と認識するサステナビリティのマテリアリティ(重点課題)を設定し活動を推進することにより、「環境」「社会」「経済」の調和を図った事業活動を行い、持続的な成長を実現し、企業価値の向上を図ってまいります。
《日本電気硝子 企業理念体系》
わたくしたちは、“文明の産物”の創造を通して社会に貢献するという創業の精神を、企業理念の底流をなすものと位置付けています。
(企業理念)
ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。
(スローガン)
GLASS FOR FUTURE
(目指すべき企業像)
世界一の特殊ガラスメーカー
(大切にしている価値観)
・お得意先第一お得意先のご要望を理解し、そのご要望にどこまでもお応えすること。
・達成への執念執念をもって、課題を為し遂げること。
・自由闊達前例にとらわれない自由な発想と、部門や世代にとらわれない自由な発言を尊重すること。
・高い倫理観いかなる局面においても、常に高い倫理観を持って誠実に行動すること。
・自然との共生自然と共存することを常に意識し、環境負荷の低減に努めること。

(2)サステナビリティの取り組み
(基本的な考え方)
当社グループは、「環境」「社会」「経済」の調和を図った事業活動を行い、持続的な成長を実現し、企業価値の向上を図ります。
これらの取り組みを支えるため、「人材」「資金」「モノ」「技術」「情報」といった経営資源を有効に活用し、コーポレート・ガバナンスの強化を通じて、サステナビリティ経営の実行力を高めていきます。
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(マテリアリティ(重点課題))
環境
マテリアリティ背景と課題
気候変動への対応溶融に多くのエネルギーを使用するガラス製造においては、溶融炉から排出される温室効果ガス量の削減は重要な課題です。また、気候変動に関するリスクの低減と機会の獲得を通じて、事業活動の強化に努めます。
資源の有効活用大量の天然資源を使用するガラス製造業にとって、資源の使用を最小化し、生産効率を最大化することで廃棄物の発生を最小化することは最重要課題のひとつです。
自然との共生琵琶湖の周辺に複数の製造拠点を持ち事業展開をしてきた当社は、「世界一のモノづくり」による環境負荷の低減により、持続可能な発展や生物多様性の保全に努めます。

社会
マテリアリティ背景と課題
多様性多様な人材の総合力が企業成長の原動力と考えています。多様な人材の採用と、従業員がお互いの人権を尊重し、モチベーションをもって働ける仕組みづくりを行います。
人材目指す人材像「あらゆるステージで世界一のパフォーマンスを発揮できる人」の実現に向けて、人材のレベルアップを図ります。
安全と健康個々人がいきいきと、安全で健康に働ける職場づくりや、作業リスクの継続的な改善を図ることで、従業員のモチベーションや定着率の向上、ひいては企業全体の生産性・創造性の向上につなげます。
責任調達環境、人権等に関してサプライチェーン全体で社会的責任を果たします。
地域社会との共生事業活動の継続には、地域社会との良好な関係が不可欠です。地域社会との信頼関係を築き、教育、福祉、環境等の支援を通して、地域社会の発展に貢献します。
ガラス科学の発展当社の持続的成長には基盤技術であるガラスの基礎研究と人材育成への支援が不可欠と考えています。当社は高等教育機関との連携や教育支援を通して、ガラス科学の発展に貢献します。

ガバナンス
マテリアリティ背景と課題
コンプライアンス海外での製造及び販売比率が高い企業として、国際ルール、法令を遵守し、常に高い倫理観をもって誠実に行動します。
コーポレート・
ガバナンス
取締役会の多様性を確保することで監督機能を強化し、事業活動の競争力を高めます。
機密情報管理情報漏洩やサイバー攻撃による企業活動停止のリスクを最小限に抑え、重大な影響を及ぼす事象の発生がない状態を目指します。
情報開示各ステークホルダーとの良好な関係を構築するため、必要な情報を適時、適切に開示します。

(3)目標とする経営指標
将来に亘る事業の存続と発展を期するためには、継続的な研究開発と設備投資並びにこれらの活動を支える売上と利益が不可欠であると考えています。また、企業価値を高めるためには、効率的な事業運営や資本の効率的な活用が重要になります。このため、当社グループでは、売上高、営業利益、営業利益率、ROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)を重要な経営指標と位置付けています。
(4)経営環境、中長期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
<経営環境>○事業内容
当社グループは、電子・情報の分野におけるガラスをはじめとする特殊ガラス製品及びガラス製造機械類の製造、販売を行っています。「電子・情報」の分野ではディスプレイ事業、電子デバイス事業などのビジネスを、また、「機能材料」の分野では複合材事業、医療事業、耐熱事業、建築事業などのビジネスを展開しています。中期経営計画の推進を通して、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築していきます。
(主要製品)
区 分製 品 分 類主 要 製 品 名
電子・情報ディスプレイ液晶ディスプレイ用ガラス
有機ELディスプレイ用ガラス
超薄板ガラス G-Leaf®
化学強化専用超薄板ガラス Dinorex UTG®
紫外線遮蔽超薄板ガラス
電子デバイス半導体プロセス用ガラス
LTCC製品
機能性粉末ガラス
イメージセンサ用板ガラス
小型電子部品用管ガラス
光エレクトロニクス用ガラス
蛍光体ガラス ルミファス®
機能材料複合材機能樹脂強化用チョップドストランド
建築材料用ウェットチョップドストランド
樹脂強化用ロービング
セメント強化用耐アルカリ性ガラスファイバ WizARG®
電子材料用低誘電ガラスファイバ
医療医薬用管ガラス
放射線遮蔽用ガラス LXプレミアム
耐熱超耐熱結晶化ガラス ネオセラム®
調理器トッププレート用超耐熱結晶化ガラス StellaShine®
建築防火設備用ガラス ファイアライト®
ガラスブロック
結晶化ガラス建材 ネオパリエ®
その他照明用ガラス
ガラスエンジニアリング

○当連結会計年度の経営環境
当連結会計年度においては、米国の関税政策の動向や中国経済の減速、中東地域での地政学的緊張の一層の高まり等、世界経済は不透明な状況が続きました。
このような環境ではありましたが、当社グループにおいては、ディスプレイ事業の堅調な需要が継続したほか電子デバイス事業が好調に推移したことから、売上高は前連結会計年度(2024年1月1日~12月31日)を上回りました。営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、生産性の改善や高付加価値製品の拡販等により、前連結会計年度を大きく上回りました。
<展開する市場分野>
自動車:軽量化材料、照明、ディスプレイ、自動運転(カメラ・センサ等)、各種電子機器
エネルギー:二次電池、再生可能エネルギーシステム
医療:先進医薬容器、先端医療機器・設備
半導体:次世代半導体材料(小型高精細・高機能)、半導体製造プロセス
ディスプレイ:高機能ディスプレイ(高精細・薄型軽量・フレキシブル)
情報通信:光通信デバイス(次世代高速通信対応)
社会インフラ:高機能防火設備、高性能構造材料(安全・耐久・軽量)
家電・住設:高機能家電・住設材料、多機能壁材

<中期経営計画EGP2028>当社グループは、2024年度から2028年度までの5か年を対象期間とする中期経営計画EGP2028を策定しています。
(スローガン)
STRONG GROWTH
(基本方針)
既存事業の収益基盤強化と成長分野への積極的なリソース投入を推進し、持続的成長と企業価値向上を実現する。
(期間)
2024年1月1日~2028年12月31日(5か年)
(経営目標)
売上高 4,000億円(電子・情報1,900億円、機能材料1,600億円、新規事業500億円)
営業利益 500億円
営業利益率 12.5%
ROE 8%
目標達成年度 2028年度
(事業戦略)
①既存事業の強化(競争力向上による収益基盤強化)
・高付加価値製品の開発、事業化を強化する。
・全電気溶融技術を活用し、生産性・品質の向上を図る。
・強固な事業基盤を構築する(リソースの効率的な運用、DXの推進、調達の見直し、業務/製造プロセス改革等)。
・事業収益性の分析を徹底し、投資や縮小、撤退を判断する。
②戦略事業の拡大(成長分野へのリソース拡充)
・自社の強みを活かし、成長が期待できる分野へリソースを積極的に投入し戦略事業を拡大する。
・ガラスの付加価値を高めるデバイス事業を拡大する。
・エネルギー、医療、環境、食料分野を中心に、研究開発のリソースを拡充するとともに、大学や研究機関、ベンチャー企業等との連携を積極的に活用する。
・戦略的投資枠(5年間で500億円)を設定し、M&Aや戦略的提携、事業投資等を積極的に行う。
③調達リスクマネジメント
・経済情勢や物流の混乱等による調達リスクへ対応する(調達先・物流ルートの複数化、取引先との戦略的提携等)。
(財務戦略)
①政策保有株式の縮減
事業環境の変化等を考慮し、資本コストを踏まえた定量面と経営戦略等の定性面から保有の適否を検証し一層の縮減を進める。
②資産の圧縮
EGP2028や事業改革等の過程で生じたノンコア資産については、適宜、処分し資産効率の向上を図る。
③バランスシートの管理と株主還元の充実
財務の安定性と資本効率性を考慮してバランスシートを管理するとともに、将来の成長に期した内部留保を確保しながら、株主還元の充実を図る。
- 自己株式の取得
資本効率向上に向けて、2023年11月から2028年12月末までの間(約5年間)、総額1,000億円の自己株式の取得を計画
- 継続的な配当の拡大:目標DOE3%
安定配当を基本とし、業績、財務状況、成長投資等を踏まえ配当を拡充
(サステナビリティ戦略)
①カーボンニュートラルの推進
全電気溶融技術をはじめとする技術開発等を推進し、地球温暖化防止に貢献するとともに、持続的な成長と企業価値の向上を図る。
・全プロセスの電化を進める
・再生可能エネルギーへの投資と調達
・CO2フリーエネルギー(水素等)の技術開発
②人材戦略
経営の基盤となる人材への投資を拡大するとともに、多様な人材が十分に能力を発揮できる職場環境を確保し、競争力の向上を図る。
・高度な知識や技術を持つ人材の採用と育成
・多様な人材の登用
・多様な人材が働きやすく、働きがいを感じる職場の整備
③サプライチェーンマネジメント
サプライチェーン全体で、環境、生物多様性、人権等に関して社会的責任を果たす取り組みを推進し、持続的な成長と企業価値の向上を図る。
<中期経営計画EGP2028の進捗>(事業戦略)
・既存事業
ディスプレイ事業・生産性改善による収益基盤の強化
・全電気溶融技術の活用(導入比率7割弱。2025年12月末現在)
・高耐熱性低熱収縮ガラス基板の生産拡大
・超薄板ガラスの用途拡大
フォルダブルスマートフォン用カバーガラス
スピーカー振動板(ダイヤフラム)
人工衛星ソーラーパネル用カバーガラス
・中国市場でのシェア拡大(第10.5世代等の大型基板)
・オーバーフロー技術を活用した新製品の開発
・薄膜技術を活用した事業育成(フッ素フリーコーティング技術等)
電子デバイス事業・半導体関連製品の販売拡大(半導体用サポートガラス、プローブカード用基板等)
・無機コア基板(GCコア®、ガラスコア基板)の開発
・成長分野での製品開発と早期の事業化(パネルタイプの半導体用サポートガラス、無機コア基板等)
・M&Aを含めた高付加価値事業の拡大
複合材事業・各拠点(マレーシア、米国、日本)での収益改善取り組み
・電気溶融技術の導入推進
・低誘電ガラスファイバ D2ファイバの開発・販売開始
・高付加価値製品の開発(低膨張ガラスファイバ等)
医療・耐熱・建築事業・医薬用管ガラスの全電気溶融炉導入による高品質・高効率プロセスの確立及び海外市場での拡販・新規顧客開拓
・放射線遮蔽用ガラスの拡販
・トッププレート用耐熱ガラスにおける独自の印刷技術を生かした高付加価値製品の開発・拡販(StellaShine® Mono)
・防火設備用ガラス ファイアライト®の拡販

・戦略事業
当連結会計年度においては、世界各国で重要な環境問題として認識されているPFAS規制に対応したフッ素フリーコーティング技術を開発し、販売を開始しました。高い撥水・撥油性能に加えて、「可視光透過性」「耐熱性」に優れており、半導体、医療、電気・電子、自動車など様々な分野で高い関心を得ています。
また、新たな事業領域の探索や見極め、ベンチャー企業とのオープンイノベーションによる革新的な技術開発を目的にベンチャーキャピタルファンドへの出資を行いました。このほか、エネルギー、環境、食料等の分野において研究開発を進めています。
(財務戦略)
政策保有株式については、この2年間で6銘柄の株式を全数売却するとともに、1銘柄は継続的に株式の売却を進めており、連結純資産に占める政策保有株式の割合は、7.3%の水準まで低下しています。また、藤沢事業場跡地の売却や事業改革に伴い不要となった固定資産の売却等ノンコア資産の圧縮も進めています。
株主還元については、前連結会計年度及び当連結会計年度と継続して増配を行うとともに、自己株式の取得も実施しました(2023年11月~2025年12月の間で約600億円を実施)。また、当連結会計年度に一部の自己株式を消却しました。
今後もバランスシートの管理と株主還元の充実を図っていきます。

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