有価証券報告書-第69期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/24 11:19
【資料】
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【項目】
130項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、パウダー&サーフェス分野で世界最高技術を提供し、私たちが理想とする「エクセレントカンパニー」を目指します。
企業理念としては以下を掲げ、創業以来一貫して製品の高品質化と安定供給に努めております。
1.企業使命
・高度産業社会の期待に新技術で応え、地球に優しく、人々が快適に暮らせる未来の創造に貢献します。
2.経営姿勢
・お客様の視点に立って独自のソリューションを提案します。
・一人ひとりが「働きがい」と「働きやすさ」を実感できる会社を目指します。
・経営環境の変化に対応するため、何事にも積極果敢にチャレンジし、変革し続けます。
・技術と経営の質を高め、法令を遵守し、ステークホルダーの信頼に応えます。
3.行動規範
・お客様の満足を常に考え行動します。
・問題の本質を追求し、迅速かつ確実に解決します。
・夢の実現に向け、熱意、誠意、創意を持ってチャレンジします。
・一人ひとりのアイデアを尊重し、それをカタチにします。
・良き市民・良き国際人として高い倫理観をもって行動します。
ますます多様化する顧客ニーズや技術水準の高度化に対して、当社は迅速かつ的確に対応し「お客様目線の実践」に取組むことにより、企業価値を高めてまいります。
(2) 経営戦略
当社は、パウダー&サーフェス分野で、お客様のニーズにより早くより正しく対応するために、周辺技術を取り込んだ先進技術と最高の品質を継続的に提供し、お客様から真っ先に依頼がくる信頼関係をつくり上げ、ニッチ市場におけるトップシェアを獲得します。
(3) 経営環境
当社が主に事業展開している半導体市場は好不況の波が激しい産業構造にあり、当社においては、その波から受ける影響を緩和させ、売上の安定化と更なる拡大を目指し、事業領域の拡大に努めてまいりました。しかしながら、近年、半導体の堅調な需要に支えられ、シリコン事業及びCMP事業の売上が大きく伸長したことに加え、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための「STAY HOME」に伴うデータセンター及びPC向けの需要増加により、市況は堅調に推移したこと、更に、米中貿易摩擦の激化に対する懸念から在庫積み上げの動きがあったことから、当社の半導体向け製品の売上が大きく伸びたことにより、半導体市場への依存度が益々高まる状況となっております。
(4) 企業価値向上のための課題
当社の事業展開において依存度が高まっている半導体市場に対して、中長期的にはかつてのように前年比二桁成長が続くことを期待することは困難であると考えております。このため、新規事業本部及び先端技術研究所においては引き続き短期及び中長期視点での研究開発と新規事業の探索・育成による事業領域の拡大に努めるとともに、機能材事業本部を中心に非半導体領域及び非研磨分野での用途拡大を進めていくことが当社の企業価値向上のための課題であると認識しております。
(5) 課題に対する取組み
① 当社の企業価値の源泉について
当社の創業以来蓄積されたノウハウと研究開発力から生まれた当社製品の数々は、シリコンウェハーに代表される半導体基板の鏡面研磨、半導体チップの多層配線に必要なCMP(化学的機械的平坦化)、ハードディスクの研磨等、高精度な表面加工が求められる先端産業に欠かせぬものとなっております。なかでも、主力事業分野である半導体基板向け超精密研磨材では世界ナンバーワンのマーケットシェアを維持しており、超精密研磨のリーディングカンパニーとして、市場優位性を維持しております。
当社は、超精密研磨分野において長年にわたってお客様の要求に応え続けるとともに、開発・製造技術の向上・蓄積に努めてまいりました。その過程において、お客様との信頼関係を築き上げ、柱となる3つのコア技術「ろ過・分級・精製技術」「パウダー技術」「ケミカル技術」を確立しました。「ろ過・分級・精製技術」は、砥粒の粒度分布を制御し、研磨対象物の品質に悪影響を及ぼす粗大粒子や不純物を除去する技術、「パウダー技術」は、粒子の形状を制御し、異なる粒子を均一に混ぜ合わせ造粒する技術、「ケミカル技術」は、研磨材の性能向上に寄与する分散・溶解・表面保護作用を発現させる添加剤を適切に選定する技術です。
当社のコーポレートスローガン「技術を磨き、心をつなぐ」には、先端技術を通してより良い製品づくりに貢献し、人々の心をつなぎ、生活を豊かにするという意味が込められており、人を尊重し地球環境に配慮した製品づくりが当社の「ものづくり」の根底に流れております。当社はこうした「ものづくりの精神」と従業員一人ひとりが変化に果敢に挑戦するという企業風土により、企業競争力を高めてまいりました。
当社の企業価値の源泉は、こうした製造現場と一体となった高い技術力・開発力、長い歴史のなかで培われたお客様との信頼関係、労使間の健全かつ一体感のある企業風土にあると考えております。今後の技術革新をリードし業績の拡大を目指していくためにも、お客様の信頼度の更なる向上、従業員の士気向上を図っていくことが重要と考えており、当社はこうした方針のもと、引き続き企業価値の向上にグループを挙げ取組んでまいります。
② 企業価値向上のための取組み(中長期経営計画)
2016年11月に策定した現行の中長期経営計画では、「私たちは一人ひとりの前向きなアイデアとチャレンジを応援します」を中長期企業ビジョンに据えました。これは、社員一人ひとりから自発的なアイデアとチャレンジが次々と生まれ、それを育む土壌を整えることで、環境の変化に対応し、目指すべき最終ゴールである企業文化ビジョンに掲げた「強く、やさしく、面白い」会社に向かっていくことを意図したものです。
当社が主たる事業領域としている半導体市場の環境変化は激しさを増しており、売上高の8割以上を半導体関連分野が占める当社への影響も小さくありません。長らく半導体市場の主役であったパソコンに代わり、市場を牽引してきたスマートフォンも既に成長率は大きく鈍化し、ポストスマートフォンとしてAI、IoT、自動運転等業界の動きが活発化しております。こうした事業環境下、安定的かつ持続的な成長を遂げるためには、特定の市場や用途に偏ることがない事業構造が必要であると考え、非半導体関連売上構成比の向上を目指してまいりました。一方で、当社は2012年に事業ドメインを「パウダー&サーフェス」と定めましたが、実際のところは従前同様に研磨材を中心にした事業活動が軸となっておりました。
中長期経営計画では、成長の方向性として目指す事業ドメインを改めて「パウダー&サーフェス」と再認識するとともに「表面加工ソリューション」を新たに掲げ、新規事業売上構成比、非半導体向け売上構成比及び非研磨分野売上構成比の向上に向けた取組みを進めております。また、新規用途の拡充及び新規事業の育成・獲得も中長期経営計画の一つの柱としており、短期的には既存事業での深掘りと周辺領域の新規用途開拓を進め、中期的には「パウダー&サーフェス」を意識した非研磨用途・事業を拡充し、更に長期視点では新規事業・新技術育成を進めております。
なお、長期視点では、2015年4月に先端技術研究所を設置し、既存事業の基盤強化と中長期視点での研究開発、新規事業機会の探索と創出活動及び当社技術の強みを体系化・全社共有化・伝播することに取組んでおります。その取組みの一環として当社事業の強化と新規事業創出のスピードアップを目的として、同年11月にコーポレート・ベンチャー・キャピタルファンドを設立し、独自技術を有する複数のベンチャー企業に対して出資を行っております。
上記取組み成果を測る指標として、新規事業売上構成比、非半導体向け売上構成比及び非研磨分野売上構成比について目標を定め、定期的に進捗の確認を行い、安定的かつ持続的な成長に繋げてまいります。また、成長分野への積極投資と併せ株主の皆様への還元についても目標とする連結配当性向を50%以上とし強化しております。
CSR活動においては、これまでの活動に加え、両立支援、女性活躍推進等にもより一層力を注ぎ、持続的な企業価値増大を目指してまいります。
具体的な各事業毎の施策は以下のとおりであります。
[シリコン事業]
半導体基板となるシリコンウェハーを高精度に平坦・鏡面化する研磨工程で用いられる研磨材を研究開発し製造販売する事業です。切断から仕上げ研磨までトータルソリューションを可能とする高品質な製品・サービスを揃えております。益々高度化するお客様の要求に応えるべく、引き続き新技術に支えられた独自性の高い新製品を提供し、「最も信頼されるパートナー」を目指してまいります。また、近年、電気自動車、ハイブリッド自動車の普及が進む中で、注目度が高まっているパワーデバイス基板向け製品開発にも注力し、一部上市しております。
[CMP事業]
半導体デバイスの製造工程で用いられる研磨材を研究開発し製造販売する事業です。半導体デバイスは高性能化、高密度化、高集積化に伴い、CMPが適用される工程は増加傾向にあります。お客様の製造・開発拠点に近い、日本、米国、台湾に製造・開発拠点を設け、お客様とより密接な関係を構築し、お客様のロードマップに沿った新製品を開発しております。
[ディスク事業]
デジタルデータの記録媒体であるハードディスクドライブ用ディスク基板の製造工程に用いられる研磨材を研究開発し製造販売する事業です。お客様の生産拠点が集中するマレーシアに製造拠点を置くとともに技術スタッフを配置し、技術サポートを実施することでお客様との信頼関係を構築しております。クラウドサービスや5Gにより送受信されるデータ容量の増加が見込まれており、データセンター向けのハードディスク需要が高まっている中で、次世代ディスク基板への要求を早期に入手し具現化するため基礎開発の拡充も図り、お客様の要求に合った新製品をタイムリーに提供してまいります。
[機能材事業]
電子部品、自動車、レンズ等の製造工程で使用される精密砥石、研磨布紙及びラッピング・ポリシング・ブラスト向けの研磨材と充填剤等として使用される機能性材を研究開発し製造販売する事業です。粒子形状・粒度分布制御及び造粒技術を始めとするパウダー技術を活かし、お客様のご要望に的確な対応をすることにより潜在的なニーズまでも引き出し、更に信頼を高めてまいります。また、パウダーの新たな用途についても技術力を強化し、探索を進めております。
[溶射材事業]
半導体装置、航空機及び鉄鋼等様々な業界の機械部材の長寿命化、高機能化を実現するために、環境に優しい表面処理として使用される溶射用途向けに、主にサーメット、セラミックス等の溶射材を研究開発し製造販売する事業です。独自の粉末造粒技術を一層強化し、タイムリーなソリューション提案を行うとともに、新規市場として期待される3Dプリンター用超硬材料等の開発にも注力し、売上拡大を目指してまいります。
[新規事業]
既存事業以外の様々な新規用途で用いられる、多種多様な材料(金属、樹脂、セラミック、複合材料等)や形状(2次元、3次元形状)に対応した研磨材等を研究開発し製造販売する事業です。世界の様々な業界のお客様から寄せられる、新たな表面創成のご要望に、研磨材のみならず用途に応じた周辺消耗材や装置、加工プロセスまでを含めたトータルソリューションでお応えしてまいります。

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