有価証券報告書-第173期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/18 16:45
【資料】
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【項目】
203項目
①人材戦略を実行するためのガバナンス
当社では、経営審議会の補佐機関であるサステナビリティ推進委員会の傘下に「人材戦略推進部会」を設置し、当社グループの人材戦略の立案、施策の検討及び推進状況のモニタリングを行っております。施策の実行は、人事労政部等の各施策の担当部門及びグループ各社が担い、部会は担当部門・グループ各社からの進捗報告を集約した上で、重要な人材戦略上の施策についてサステナビリティ推進委員会及び経営審議会において報告・審議を行うことで、経営層による意思決定への関与とガバナンスを確保しております。
また、社外取締役を含む全取締役から構成されるサステナビリティ経営会議において人材戦略を重要テーマの一つとして位置付け、定期的に認識共有、意見交換を行うことで、取締役会のモニタリング機能を強化しております。
②変革(KOBELCO-X)を支える人材戦略
0102010_017.png当社グループは、中期経営計画(2024~2026年度)において、最重要課題である「稼ぐ力の強化と成長追求」及び「カーボンニュートラル(CN)への挑戦」を掲げ、2030年度に向け「未来に挑戦できる事業体」を目指しております。これらを実現・加速させる手段・ドライバーとして、「KOBELCO-X」による変革に取り組んでおります。
「KOBELCO-X」とは、AX(稼ぐ力の強化と成長追求)・GX(CNへの挑戦)を事業戦略の両輪とし、これらを実現するための変革(BX・CX²・DX・EX・FX)を体系化した枠組みであり、このうちEX(人材戦略・従業員体験向上)は、KOBELCO-Xを前進させるための人材・組織の実行力を高める領域として位置付けております。
1)経営戦略の実現に必要となる人材(重点人材)
この変革を継続的に推進するためには、各領域で求められる専門性、経験を有する人材を計画的に確保し、その人材が適所で力を発揮できる状態を整えることが不可欠です。そこでKOBELCO-Xの各領域の推進に必要となる重点人材の整理を進めております。
事業戦略AX
(両利きの経営)
素材系の事業基盤再構築、グローバル競争力維持、企業価値向上に向けてROIC経営の深化を推進する人材
GX
(グリーン・トランス・フォーメーション)
製鉄・電力の生産・発電プロセスにおけるCO₂削減、低炭素鉄源・エネルギー転換関連ビジネスを担う人材
事業戦略を実現するための変革BX
(業務変革)
業務プロセスの抜本的な見直しや
生産性向上を推進する人材
CX²
(お客様対応変革)
お客様の課題に対し、グループ横断での
ソリューションを提案・実現する人材
DX
(デジタル・トランスフォーメーション)
DXテーマを企画実行し、業務変革、価値創造を
牽引する人材
FX
(ものづくり・工場変革)
スマートファクトリー化、少人化・自動化を
牽引する人材

2)重点人材の確保・育成・配置・定着につなげるための人材戦略(3つのアプローチ)
重点人材の確保・育成・配置・定着に向けては、多様な知見・経験を有する人材を組織に取り込めること、必要な能力を獲得し挑戦できること、安心して能力を発揮し続けられる環境を整えることが重要です。そこで当社グループでは、人材に関する取組みを「組織の多様性を高める」「一人ひとりの成長・挑戦を促す」「活躍できる環境を整備する」の3つのアプローチに沿って推進しております。3つのアプローチに基づく、2025年度における当社の主な施策は以下のとおりです。
(ⅰ)組織の多様性を高める
<人権・D&I月間>当社では、D&Iに関する理解浸透に向け、社内コミュニケーション施策を継続的に実施しております。2023年度よりD&Iフォーラムを開始し、2024年度はフォーラム開催日を含む1週間を「D&I Week」として、D&Iに接する機会の拡大を図りました。
2025年度は、人権やD&Iに関連する国際デー等が集中する12月(世界人権デー、国際障がい者デー、障がい者週間等)に、従来の取組みを拡充して「人権・D&I月間」とし、障がいに関する合理的配慮をまとめた社内向けガイドブックの周知、VRを用いたオンライン体験会(介護を抱える人の視点の体験)、キャリアトライ制度利用者の体験談を共有する座談会、役員メッセージの発信等を実施いたしました。
こうした取組みを通じて、属性のみならず、価値観や文化的背景等も含む多様性への相互理解を促進し、社員一人ひとりが安心して能力を発揮できる職場環境の実現を目指しております。
<神戸ものづくり3社技術系女性交流会>2023年より川崎重工業(株)及び住友ゴム工業(株)とともに、女性エンジニアを対象とした「神戸モノづくり企業 技術系女性交流会」を共同開催しております。3社でD&Iに関する情報共有を行う中で、女性エンジニアから、仕事と私生活を充実させるための情報提供やロールモデルが少ないとの共通の声があったことを踏まえ、交流の場を継続的に設けております。2025年度の開催では、外部講師を招いたセッションや参加者同士の意見交換を通じ、相互の学びと横のつながりづくりの機会を提供いたしました。今後も参加者の意見を取り入れながら、女性エンジニアの活躍支援を継続してまいります。
(ⅱ)一人ひとりの成長・挑戦を促す
<キャリアトライ制度>当社は、経営戦略の実行に必要な人材が職種や事業部門の枠を超えて活躍できる成長・挑戦機会を拡充しております。この一環として、社内公募制度であるキャリアトライ制度を通じて、社員の自律的なキャリア形成と、事業環境の変化に応じた機動的な人材配置を進めてまいりました。これまで、応募要件の緩和や形式の拡充、広報PR等に継続して取り組んできましたが、制度の活用をさらに広げるため、毎期の上司との面談の中で、各人がキャリア志向にあわせて制度利用意向を表明できる仕組みを新設いたしました。これにより、挑戦・成長に向けた行動を促すと同時に、各人の経験・適性を踏まえて助言・対話する機会を増やすことで、新たな領域や難易度の高い業務への挑戦機会の創出や適材適所の配置を後押ししております。
<資格取得応援制度>従業員の自発的な学びや挑戦を後押しし、能力・スキル・技能の伸長を通じて職場での能力発揮につなげることを目的として、「自律・自走型教育」の推進に取り組んでおります。その一環として、2025年10月より、会社が定める公的資格を取得した社員に応援金を支給する「資格取得応援制度」を新設いたしました。対象資格には200種類以上が設定されており、業務の基本スキルに関するものから高度な専門性が求められるものまで幅広い資格が含まれております。本制度では、学習を始める前に上司との面談を通じて取得計画をすり合わせることを推奨しており、日々の業務と両立しながら学びを継続しやすいよう、挑戦を後押しする運用としております。これにより、必要な知識・スキルを継続的に高め、次の挑戦へとつなげていける環境づくりを進めております。
(ⅲ)活躍できる環境を整備する
<従業員向け株式報奨制度>従業員の経営参画意識及び企業価値向上への意識の高揚を通じた従業員エンゲージメントの向上を目的として、従業員向け株式報奨制度「KOBELCO STOCK PLAN」を導入いたしました。本制度は、従業員持株会に加入する従業員に対して当社株式取得のための特別奨励金を支給するもので、毎年30株相当の特別奨励金を支給する計画としており、初回は2026年2月に特別奨励金の支給を行っております。制度導入前の従業員持株会への加入率は約23%でしたが、その後の制度周知を通じて、2026年4月時点で加入率は約60%まで上昇しており、今後も加入促進に向けた取り組みを推進してまいります。
<人権尊重>当社グループは、人権の尊重が企業にとって重要な社会的責任であるとの認識に立ち、グローバルに事業展開する企業グループとして、国連で採択された人権保護の「世界人権宣言」「国際人権章典」「ILO中核的労働基準」を最大限尊重し、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」等の国際規範を踏まえた人権尊重の取り組み姿勢を明確に示すため、「KOBELCOグループ人権基本方針」を制定しております。また、「国連グローバル・コンパクト」に参加し、人権の保護や不当な労働の排除等の原則に賛同する企業として、その実現に向けて努力を継続し、人権侵害問題を発生させない取組みを強化しております。
・人権デューディリジェンス
事業活動に伴う人権への負の影響を特定・評価し、その防止・軽減を図るため、人権デューディリジェンスを継続的に実施しております。その実効性を高める観点から、外部専門家の知見も活用しつつ、評価結果を踏まえた改善(予防・是正措置の検討等)につなげております。人権デューディリジェンスにおけるリスクアセスメント評価については、当社単体を対象として実施した後、国内外のグループ会社へ対象を段階的に拡大しており、2026年度中に全対象会社への実施を完了する予定です。評価結果を各社へフィードバックした上で、管理体制の整備状況や予防・是正措置の強化に向けたフォローを継続しております。
・グループ人権研修
人権尊重の理解浸透を図るため、動画教材の展開等を通じた教育・啓発を継続して実施しており、2025年度は、リスクアセスメントで重点人権リスクとして特定された「ハラスメント」の防止をテーマとした研修を、当社及び国内グループ会社の社員を対象に実施いたしました。
<安全・衛生・健康>「安全・衛生・健康は経営の基盤であり、全ての事業活動に優先する」という基本理念のもと、安全で安心して働くことのできる活気あふれた職場の実現に向けて、関係法令の遵守は当然のこと、様々な安全衛生活動を行っております。
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・コベルコメディカルチェック
「安全・衛生・健康は経営の基盤であり、全ての事業活動に優先する」という基本理念の下、健康経営を推進しています。健康経営の疾病対策の取組みの一つとして、社員及びその配偶者等に人間ドック受診機会「コベルコメディカルチェック」を提供しており、2026年からは従来の50歳、60歳到達時に加えて、40歳到達時も受診対象に追加する制度拡充を実施いたしました。これにより、健康リスクが顕在化しやすい節目での受診機会を広げ、疾病の早期発見・重症化予防を通じた健康保持増進につなげております。
こうした健康経営に関する取組みは外部からも評価され、「健康経営優良法人2026」に認定されております。
③人材戦略推進におけるリスクとその対応
当社グループは、人材獲得競争の激化等に伴う必要人員の不足や必要な専門性の不足により、重点施策の推進が遅延し、事業戦略の遂行に影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、全社リスク管理上のトップリスクの一つとして「人材確保に関するリスク」を位置づけております。トップリスクに対しては、リスクオーナーの下でリスク対策実行計画を策定し、その実行状況をモニタリングするとともに、中間・期末の評価を含む年間の管理サイクルを通じて実効性を検証し、リスクマネジメント委員会を通じて経営に報告しております。これらのプロセスと整合させつつ、人材の確保・育成・定着に向けた取組みを継続的に見直し、人材戦略の実行に反映しております。

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