有価証券報告書-第105期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 11:44
【資料】
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【項目】
115項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果を背景として、企業収益や雇用・所得環境の改善が続くなど、緩やかな回復基調で推移しました。一方、景気の先行きにつきましては、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念に加え、英国のEU離脱問題や米国新政権の政策動向に対する懸念などによる、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動などから不透明な状況にあります。
特殊鋼業界におきましては、主要需要業界である自動車業界向けが引き続き堅調に推移したことなどにより、特殊鋼熱間圧延鋼材の生産量は、前連結会計年度を上回る水準となりました。
このような中、当社グループの当連結会計年度の売上高は、販売数量は前連結会計年度に比べ増加したものの、鉄スクラップサーチャージ制度の適用に伴う販売価格の低下、販売構成の変化などにより、前連結会計年度比104億67百万円減の1,386億80百万円となりました。利益面では、円高等の影響による販売価格の低下、株安による退職給付費用の増加、連結子会社の利益減などの減益要因がありましたが、販売数量の増加、原燃料価格の低下、コストダウンの実施などの増益要因により、経常利益は、前連結会計年度比1億96百万円増の117億36百万円、ROS(売上高経常利益率)は8.5%(前連結会計年度は7.7%)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比3億67百万円増の77億84百万円、ROE(自己資本利益率)は6.6%(前連結会計年度は6.6%)となりました。
セグメント別の売上高および営業損益の状況は、次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高につきましては、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。
(鋼材事業)
当連結会計年度の売上高は、鉄スクラップサーチャージ制度の適用に伴う販売価格の低下や販売構成の変化などにより、前連結会計年度比89億55百万円減の1,246億85百万円となりました。営業利益は、円高等による販売価格への影響、販売構成の変化、固定費の増加などはありましたが、原燃料価格の低下、コストダウンの実施などにより、前連結会計年度比11億62百万円増の99億39百万円となりました。
(特殊材事業)
電子部品分野やプラント向けの需要低迷などによる販売数量の減少、円高による影響などにより、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比14億81百万円減の57億16百万円、営業利益は前連結会計年度比5億26百万円減の8億59百万円となりました。
(素形材事業)
当連結会計年度の売上高は、鉄スクラップサーチャージ制度の適用に伴う販売価格の低下などにより、前連結会計年度比3億52百万円減の157億89百万円となりました。営業利益は、円高等による販売価格への影響、中国子会社の賃金アップによる人件費の増加、タイ・メキシコ子会社における立上げ費用等の一過性コストの増加などにより、前連結会計年度比5億39百万円減の7億49百万円となりました。
(その他)
子会社を通じて情報処理サービス等を行っており、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比1百万円減の16億78百万円、営業利益は前連結会計年度比0百万円減の57百万円となりました。
(注) 金額に消費税等は含まれておりません。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動で150億90百万円の収入、投資活動で111億41百万円の支出、財務活動で107億75百万円の支出となりました。
これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、135億42百万円(前連結会計年度末比70億86百万円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益(114億58百万円)、減価償却費(90億98百万円)に対し、売上債権の増加(△23億77百万円)、たな卸資産の増加(△22億91百万円)、仕入債務の増加(30億13百万円)、法人税等の支払(△39億78百万円)などにより、150億90百万円の収入(前連結会計年度比136億80百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
原価低減、既存設備の更新などを目的とする有形固定資産の取得による支出(△107億円)などにより、111億41百万円の支出(前連結会計年度比26億30百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
借入金の減少(△99億84百万円)などにより、107億75百万円の支出(前連結会計年度比80億32百万円の支出減)となりました。