有価証券報告書-第105期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
以下の記述のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在における当社グループの判断に基づくものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、“社会からの信頼”、“お客様からの信頼”、“人と人の信頼”を確立することを目指す「信頼の経営」を経営理念としております。
この経営理念のもと、当社は、「高信頼性鋼の山陽」のブランド力のさらなる強化とともに、地球環境対策の確実な実行や企業倫理の徹底など、社会を構成する一員として求められる責任を果たすことにより経済性と社会性の両立を図ります。これらの取組みを通じて企業価値を高め、株主の皆様、需要家、従業員、社会など、全てのステークホルダーからの一層の信頼を得られる企業を目指してまいります。
(2) 中期経営計画
当社グループは、平成29~31年度を実行期間とする第10次中期経営計画を平成29年4月28日に策定いたしました。その内容は以下のとおりであります。
① 経営基本方針
経営理念「信頼の経営」のもと、生産構造改革を実行し事業基盤を強化することで、安定的な収益を確保できる盤石な企業体質を確立する。また、技術先進性を更に追求し、「高信頼性鋼の山陽」のグローバルブランド化を推進することで、競合激化、原料・エネルギー価格の上昇等厳しい環境の中でも持続的成長(人・技術・利益)を追求していくことを基本的な考え方とする。
② 連結経営数値目標
(注) 1 ROS・・・売上高経常利益率
2 ROE・・・自己資本利益率
3 ROA・・・総資産経常利益率
4 D/Eレシオ・・・純資産残高に対する有利子負債残高(現預金残高控除後)の割合
5 連結経営数値目標の主要前提は次のとおりであります。
③ 重点施策
◆事業基盤の強化を通じた盤石な企業体質の確立
・生産構造改革(Sanyo Factory Renovation)の実行による競争力強化
従来の省エネ・原価低減・省力への取り組みに加え、本社工場の物流の整流化・直結化や第二棒線工場をはじめとするボトルネックの解消、AI、IoTの活用による自動化・効率化等を進めることでコスト競争力・納期対応力の強化を図る。
・安定的な収益の確保
1. 鋼材事業
伸長する特殊鋼外需を的確に捕捉するとともに、原料・エネルギー価格上昇をコストダウンおよび販売価格で吸収し、品種構成の改善も図ることで、外部環境に左右され難い安定的な収益を確保できる盤石な企業体質を目指す。
2. 非鋼材事業
第9次中期(平成26~28年度)において実行した素形材事業におけるタイ(Siam Sanyo Special Steel Product Co., Ltd.)・メキシコ(Sanyo Special Steel Manufacturing de México, S.A. de C.V.)事業および特殊材事業における第2粉末工場を着実に立上げ、成長市場を捕捉することで非鋼材事業規模の拡大を図り(売上規模 平成28年度比1.5倍)、全社収益安定性を高める。
・経営基盤の強化
1. 迅速・透明な経営の推進
安全・防災・環境・コンプライアンスについては、会社経営の根幹であるとの認識のもと引き続き取り組みを強化し、執行役員制度(平成29年6月導入)の定着を通じて、迅速・透明な経営を推進する。
2. 人材の確保・育成
長期安定的な人材の確保に向け定期採用を強化(採用規模 第9次中期比2.7倍)し、国際化対応人材の育成や技能伝承への取り組みを進める。また、人材の確保の観点からも、再雇用制度改善、女性活躍支援等のダイバーシティの取り組みやワークライフバランスに配慮した働き方改革を引き続き実施する。
3. 株主還元の強化
一定の財務体質に到達したことを踏まえ、今後の戦略資金ニーズはあるものの株主還元の強化として、連結配当性向の下限を25%とし、第10次中期最終年度には30%の連結配当性向を目指す。
◆研究開発・品質競争力の強化による技術先進性の更なる追求
・軸受鋼をコアとする品質競争力の強化
当社のコア技術「高清浄度鋼製造技術」をベースとした内部品質の優位性を堅持するとともにそれに見合う外観品質を工程改善や品質保証の高度化を図ることで実現し、「内部品質・外観品質グローバルNo.1」の達成を目指す。
・研究開発の推進
基盤研究と商品開発の機能を明確化するとともに、中長期の研究開発企画機能を強化することで、グローバル展開を見据えた高信頼性商品と新技術の迅速かつ継続的な創出を図る。研究開発費については、第10次中期3年間で第9次中期比1.1倍となる50億円/3年を投入する。
◆「高信頼性鋼の山陽」のグローバルブランド化の推進
・グローバルブランド化の施策の推進
当社ブランド力の源泉であるお客様の満足を目指したQCDD(品質・コスト・納期・研究開発)力の更なる強化を図り、グローバルブランド化のために海外地域別・顧客別戦略を検討し、海外拠点の役割強化、素形材事業での世界6極体制の確立、グローバルサプライチェーンの構築等を進める。また、海外拠点・取引の拡大に伴い為替変動対策やグローバルCMSを検討する。
・認知度の更なる向上に向けた取組みの推進
技術企画機能を強化することで、国内外のお客様との技術交流を加速し、グローバル市場における高い信頼獲得とブランドの浸透を図る。また、PR活動やIR活動など、国内外への情報発信を強化することで当社の認知度の更なる向上を図る。
◆ 投資
戦略投資枠(生産構造改革、M&A等)として250億円/3年、一般投資枠(省エネ等コスト削減投資、省力化投資、品質対応、老朽更新等)として250億円/3年、合計500億円/3年を目途とし、具体的な計画化を図る。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果を背景として、企業収益や雇用・所得環境の改善が続くなど、緩やかな回復基調で推移しました。一方、景気の先行きにつきましては、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念に加え、英国のEU離脱問題や米国新政権の政策動向に対する懸念などによる、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動などから不透明な状況にあります。
特殊鋼業界におきましては、主要需要業界である自動車業界向けが引き続き堅調に推移したことなどにより、特殊鋼熱間圧延鋼材の生産量は、前連結会計年度を上回る水準となりました。
今後につきましては、わが国の景気が緩やかな回復を続けていくことが期待される一方で、新興国経済の減速や海外経済の不確実性の高まり、特殊鋼業界における国際競争の激化などもあり、当社グループをとりまく事業環境は、引き続き楽観を許さない状況で推移するとみられます。
こうした中、当社グループといたしましては、非価格競争力の強化に向けた取り組みに一層注力いたしますとともに、需要動向に即した生産の実施やコストダウンの徹底など内部努力を重ね、需要家ニーズに的確に対応した高品質の特殊鋼を安定的かつグローバルに供給できる事業体制の構築へ向けてグループの総力を挙げて取り組んでまいります。
(4) 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、株式会社の支配に関する基本方針を次のとおり定めております。
① 基本方針の内容の概要
当社は、「社会からの信頼」、「お客様からの信頼」、「人と人との信頼」の3つを柱とする「信頼の経営」を経営理念に掲げ、当社の企業価値および株主共同の利益の確保と向上に取り組んでおります。高品質の特殊鋼づくりを通じて、豊かで文化的な社会の実現に貢献するとともに、社会を構成する一員としての責任を果たすこと、お客様のニーズを迅速・的確にとらえ、高品質の特殊鋼製品を適切に提供すること、あらゆるステークホルダーの皆様とのコミュニケーションに努め、社会規範に則り自律的に行動することは、企業としての社会的責任であると同時に、当社の企業価値および株主共同の利益の確保と向上につながるものであるとの認識であります。
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、上記の考え方を十分に理解し、将来にわたって当社の企業価値および株主共同の利益の確保と向上を指向する者でなければならないと考えております。
従って、当社は、第三者による当社株式の大量買付け行為等により当社の企業価値および株主共同の利益が損なわれることを防ぐため、当該第三者が順守すべき大量買付け行為等に係る適正なルールを事前に定めておく必要があると考えます。すなわち、当社は、第三者から当社株式の大量買付け行為等の提案(買収提案)がなされた場合には、これを受け入れるか否かの最終的な判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきと考えており、株主の皆様が買収提案について必要な情報と相当な検討期間に基づいた適切な判断を行えるようにすることが、当社の企業価値および株主共同の利益の確保と向上のために必要であると考えております。
② 取組みの具体的な内容の概要
(イ) 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、当社グループ全体の企業価値および株主共同の利益の確保と向上のため、3ヶ年毎に中期連結経営計画を策定し、その達成に向けて、グループ一体となって諸施策に取り組んでおります。
また、当社は、社会から常に必要とされる企業であり続けるため、中期連結経営計画に基づく施策の実行に際しては、企業市民の一人としての社会的責任を自覚し、着実にそれを果たしていくことにより、企業としての経済性と社会性を両立させてまいりたいと考えております。
(ロ) 基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取組み
当社は、上記基本方針に基づき、平成19年4月27日開催の取締役会の決議により、当社の買収を試みる者が具体的買付行為を行う前に経るべき手続きを明確かつ具体的に示した「株式の大量買付けに関する適正ルール(買収防衛策)」(以下「適正ルール」といいます)を導入し、適正ルールの更新条項に基づき、平成25年3月28日開催の取締役会において、適正ルールを平成25年4月27日付で更新することを決議しております。その後、適正ルールの見直し検討条項に基づき、平成28年3月30日開催の取締役会において、適正ルールを平成28年4月27日付で修正することを決議しております。
適正ルールは、当社取締役会が代替案を含め、買収提案の妥当性を検討するために必要な情報と相当な期間を確保することにより、株主の皆様が買収提案の内容とこれに対する当社取締役会による代替案等との比較を行い、それぞれにより実現される当社の企業価値および株主共同の利益を十分に理解したうえで適切な判断(インフォームド・ジャッジメント)を行えるようにすること、加えて、当社の企業価値および株主共同の利益を損なうこととなる悪質な株券等の大量買付けを阻止することを目的としたものであります。
具体的には、当社の株券等を15%以上取得しようとする者(買収提案者)がいる場合に、買収提案が適正ルールに定める要件(必要情報および検討期間)を満たすときは、その時点における株主の皆様が、対抗措置である新株予約権の無償割当ての可否に関し直接判断を下す仕組みとなっております。新株予約権の無償割当ては、①買収提案者が適正ルールに定める手続きを無視した場合、②買収提案者が裁判例上悪質と特定された4類型のいずれかに該当し、その買収提案が株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるものと判断される(国際的評価を得ている法律事務所および投資銀行の助言等に基づく)場合、③株主の皆様が新株予約権の無償割当てに賛同した場合に限られます。
適正ルールは、当社ウェブサイト(http://www.sanyo-steel.co.jp/)に掲載しております。
③ 上記取組みについての取締役会の判断およびその判断に係る理由
上記②(イ)の取組みは、当社グループ全体の企業価値および株主共同の利益を確保し、向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。
また、上記②(ロ)の適正ルールは、買収提案がなされた場合に、対抗措置(新株予約権の無償割当て)を発動するか否かについて、必要な情報と相当な検討期間に基づいて株主の皆様に判断していただくためのルールおよび手続きを定めたものであります。この適正ルールは、買収提案を受け入れるか否かの最終的な判断を株主の皆様に委ねることにより、当社の企業価値および株主共同の利益の確保と向上を図るものです。
以上のことから、当社取締役会は、上記②の取組みが上記①の基本方針に沿うものであり、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
(1) 経営方針
当社グループは、“社会からの信頼”、“お客様からの信頼”、“人と人の信頼”を確立することを目指す「信頼の経営」を経営理念としております。
この経営理念のもと、当社は、「高信頼性鋼の山陽」のブランド力のさらなる強化とともに、地球環境対策の確実な実行や企業倫理の徹底など、社会を構成する一員として求められる責任を果たすことにより経済性と社会性の両立を図ります。これらの取組みを通じて企業価値を高め、株主の皆様、需要家、従業員、社会など、全てのステークホルダーからの一層の信頼を得られる企業を目指してまいります。
(2) 中期経営計画
当社グループは、平成29~31年度を実行期間とする第10次中期経営計画を平成29年4月28日に策定いたしました。その内容は以下のとおりであります。
① 経営基本方針
| 「Sanyo Global Action 2019」 ~山陽ブランドのグローバル化による持続的成長の追求~ | |
| ◇ 事業基盤の強化を通じた盤石な企業体質の確立 | |
| ◇ 研究開発・品質競争力の強化による技術先進性の更なる追求 | |
| ◇ 「高信頼性鋼の山陽」のグローバルブランド化の推進 |
経営理念「信頼の経営」のもと、生産構造改革を実行し事業基盤を強化することで、安定的な収益を確保できる盤石な企業体質を確立する。また、技術先進性を更に追求し、「高信頼性鋼の山陽」のグローバルブランド化を推進することで、競合激化、原料・エネルギー価格の上昇等厳しい環境の中でも持続的成長(人・技術・利益)を追求していくことを基本的な考え方とする。
② 連結経営数値目標
| 平成28年度 (実績) | 平成31年度 (計画) | 増減 | |||
| 売上高 (億円) | 1,387 | 1,500 | 113 | ||
| 経常利益 (億円) | 117 | 135 | 18 | ||
| ROS (%) | 8.5 | 9.0 | 0.5 | ||
| ROE (%) | 6.6 | 7.0 | 0.4 | ||
| ROA (%) | 6.5 | 7.0 | 0.5 | ||
| D/Eレシオ (倍) | 0.1 | 0.2 | 0.1 | ||
| 投資(3年) (億円) | 353 | 500 | 約1.4倍 | ||
| 研究開発費(3年) (億円) | 46 | 50 | 約1.1倍 | ||
| 採用(単独、3年) (人) | 56 | 150 | 約2.7倍 | ||
| 連結配当性向 (%) | 25.9 | 30.0 | 4.1 |
(注) 1 ROS・・・売上高経常利益率
2 ROE・・・自己資本利益率
3 ROA・・・総資産経常利益率
4 D/Eレシオ・・・純資産残高に対する有利子負債残高(現預金残高控除後)の割合
5 連結経営数値目標の主要前提は次のとおりであります。
| 平成28年度 (実績) | 平成31年度 (前提) | |||
| 鉄スクラップ 市況価格 (千円/t) | 22 | 32 | ||
| 為替 (円/米ドル) | 109 | 100 | ||
| ドバイ原油 (米ドル/BL) | 47 | 60 |
③ 重点施策
◆事業基盤の強化を通じた盤石な企業体質の確立
・生産構造改革(Sanyo Factory Renovation)の実行による競争力強化
従来の省エネ・原価低減・省力への取り組みに加え、本社工場の物流の整流化・直結化や第二棒線工場をはじめとするボトルネックの解消、AI、IoTの活用による自動化・効率化等を進めることでコスト競争力・納期対応力の強化を図る。
・安定的な収益の確保
1. 鋼材事業
伸長する特殊鋼外需を的確に捕捉するとともに、原料・エネルギー価格上昇をコストダウンおよび販売価格で吸収し、品種構成の改善も図ることで、外部環境に左右され難い安定的な収益を確保できる盤石な企業体質を目指す。
2. 非鋼材事業
第9次中期(平成26~28年度)において実行した素形材事業におけるタイ(Siam Sanyo Special Steel Product Co., Ltd.)・メキシコ(Sanyo Special Steel Manufacturing de México, S.A. de C.V.)事業および特殊材事業における第2粉末工場を着実に立上げ、成長市場を捕捉することで非鋼材事業規模の拡大を図り(売上規模 平成28年度比1.5倍)、全社収益安定性を高める。
・経営基盤の強化
1. 迅速・透明な経営の推進
安全・防災・環境・コンプライアンスについては、会社経営の根幹であるとの認識のもと引き続き取り組みを強化し、執行役員制度(平成29年6月導入)の定着を通じて、迅速・透明な経営を推進する。
2. 人材の確保・育成
長期安定的な人材の確保に向け定期採用を強化(採用規模 第9次中期比2.7倍)し、国際化対応人材の育成や技能伝承への取り組みを進める。また、人材の確保の観点からも、再雇用制度改善、女性活躍支援等のダイバーシティの取り組みやワークライフバランスに配慮した働き方改革を引き続き実施する。
3. 株主還元の強化
一定の財務体質に到達したことを踏まえ、今後の戦略資金ニーズはあるものの株主還元の強化として、連結配当性向の下限を25%とし、第10次中期最終年度には30%の連結配当性向を目指す。
◆研究開発・品質競争力の強化による技術先進性の更なる追求
・軸受鋼をコアとする品質競争力の強化
当社のコア技術「高清浄度鋼製造技術」をベースとした内部品質の優位性を堅持するとともにそれに見合う外観品質を工程改善や品質保証の高度化を図ることで実現し、「内部品質・外観品質グローバルNo.1」の達成を目指す。
・研究開発の推進
基盤研究と商品開発の機能を明確化するとともに、中長期の研究開発企画機能を強化することで、グローバル展開を見据えた高信頼性商品と新技術の迅速かつ継続的な創出を図る。研究開発費については、第10次中期3年間で第9次中期比1.1倍となる50億円/3年を投入する。
◆「高信頼性鋼の山陽」のグローバルブランド化の推進
・グローバルブランド化の施策の推進
当社ブランド力の源泉であるお客様の満足を目指したQCDD(品質・コスト・納期・研究開発)力の更なる強化を図り、グローバルブランド化のために海外地域別・顧客別戦略を検討し、海外拠点の役割強化、素形材事業での世界6極体制の確立、グローバルサプライチェーンの構築等を進める。また、海外拠点・取引の拡大に伴い為替変動対策やグローバルCMSを検討する。
・認知度の更なる向上に向けた取組みの推進
技術企画機能を強化することで、国内外のお客様との技術交流を加速し、グローバル市場における高い信頼獲得とブランドの浸透を図る。また、PR活動やIR活動など、国内外への情報発信を強化することで当社の認知度の更なる向上を図る。
◆ 投資
戦略投資枠(生産構造改革、M&A等)として250億円/3年、一般投資枠(省エネ等コスト削減投資、省力化投資、品質対応、老朽更新等)として250億円/3年、合計500億円/3年を目途とし、具体的な計画化を図る。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果を背景として、企業収益や雇用・所得環境の改善が続くなど、緩やかな回復基調で推移しました。一方、景気の先行きにつきましては、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念に加え、英国のEU離脱問題や米国新政権の政策動向に対する懸念などによる、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動などから不透明な状況にあります。
特殊鋼業界におきましては、主要需要業界である自動車業界向けが引き続き堅調に推移したことなどにより、特殊鋼熱間圧延鋼材の生産量は、前連結会計年度を上回る水準となりました。
今後につきましては、わが国の景気が緩やかな回復を続けていくことが期待される一方で、新興国経済の減速や海外経済の不確実性の高まり、特殊鋼業界における国際競争の激化などもあり、当社グループをとりまく事業環境は、引き続き楽観を許さない状況で推移するとみられます。
こうした中、当社グループといたしましては、非価格競争力の強化に向けた取り組みに一層注力いたしますとともに、需要動向に即した生産の実施やコストダウンの徹底など内部努力を重ね、需要家ニーズに的確に対応した高品質の特殊鋼を安定的かつグローバルに供給できる事業体制の構築へ向けてグループの総力を挙げて取り組んでまいります。
(4) 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、株式会社の支配に関する基本方針を次のとおり定めております。
① 基本方針の内容の概要
当社は、「社会からの信頼」、「お客様からの信頼」、「人と人との信頼」の3つを柱とする「信頼の経営」を経営理念に掲げ、当社の企業価値および株主共同の利益の確保と向上に取り組んでおります。高品質の特殊鋼づくりを通じて、豊かで文化的な社会の実現に貢献するとともに、社会を構成する一員としての責任を果たすこと、お客様のニーズを迅速・的確にとらえ、高品質の特殊鋼製品を適切に提供すること、あらゆるステークホルダーの皆様とのコミュニケーションに努め、社会規範に則り自律的に行動することは、企業としての社会的責任であると同時に、当社の企業価値および株主共同の利益の確保と向上につながるものであるとの認識であります。
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、上記の考え方を十分に理解し、将来にわたって当社の企業価値および株主共同の利益の確保と向上を指向する者でなければならないと考えております。
従って、当社は、第三者による当社株式の大量買付け行為等により当社の企業価値および株主共同の利益が損なわれることを防ぐため、当該第三者が順守すべき大量買付け行為等に係る適正なルールを事前に定めておく必要があると考えます。すなわち、当社は、第三者から当社株式の大量買付け行為等の提案(買収提案)がなされた場合には、これを受け入れるか否かの最終的な判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきと考えており、株主の皆様が買収提案について必要な情報と相当な検討期間に基づいた適切な判断を行えるようにすることが、当社の企業価値および株主共同の利益の確保と向上のために必要であると考えております。
② 取組みの具体的な内容の概要
(イ) 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、当社グループ全体の企業価値および株主共同の利益の確保と向上のため、3ヶ年毎に中期連結経営計画を策定し、その達成に向けて、グループ一体となって諸施策に取り組んでおります。
また、当社は、社会から常に必要とされる企業であり続けるため、中期連結経営計画に基づく施策の実行に際しては、企業市民の一人としての社会的責任を自覚し、着実にそれを果たしていくことにより、企業としての経済性と社会性を両立させてまいりたいと考えております。
(ロ) 基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取組み
当社は、上記基本方針に基づき、平成19年4月27日開催の取締役会の決議により、当社の買収を試みる者が具体的買付行為を行う前に経るべき手続きを明確かつ具体的に示した「株式の大量買付けに関する適正ルール(買収防衛策)」(以下「適正ルール」といいます)を導入し、適正ルールの更新条項に基づき、平成25年3月28日開催の取締役会において、適正ルールを平成25年4月27日付で更新することを決議しております。その後、適正ルールの見直し検討条項に基づき、平成28年3月30日開催の取締役会において、適正ルールを平成28年4月27日付で修正することを決議しております。
適正ルールは、当社取締役会が代替案を含め、買収提案の妥当性を検討するために必要な情報と相当な期間を確保することにより、株主の皆様が買収提案の内容とこれに対する当社取締役会による代替案等との比較を行い、それぞれにより実現される当社の企業価値および株主共同の利益を十分に理解したうえで適切な判断(インフォームド・ジャッジメント)を行えるようにすること、加えて、当社の企業価値および株主共同の利益を損なうこととなる悪質な株券等の大量買付けを阻止することを目的としたものであります。
具体的には、当社の株券等を15%以上取得しようとする者(買収提案者)がいる場合に、買収提案が適正ルールに定める要件(必要情報および検討期間)を満たすときは、その時点における株主の皆様が、対抗措置である新株予約権の無償割当ての可否に関し直接判断を下す仕組みとなっております。新株予約権の無償割当ては、①買収提案者が適正ルールに定める手続きを無視した場合、②買収提案者が裁判例上悪質と特定された4類型のいずれかに該当し、その買収提案が株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるものと判断される(国際的評価を得ている法律事務所および投資銀行の助言等に基づく)場合、③株主の皆様が新株予約権の無償割当てに賛同した場合に限られます。
適正ルールは、当社ウェブサイト(http://www.sanyo-steel.co.jp/)に掲載しております。
③ 上記取組みについての取締役会の判断およびその判断に係る理由
上記②(イ)の取組みは、当社グループ全体の企業価値および株主共同の利益を確保し、向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。
また、上記②(ロ)の適正ルールは、買収提案がなされた場合に、対抗措置(新株予約権の無償割当て)を発動するか否かについて、必要な情報と相当な検討期間に基づいて株主の皆様に判断していただくためのルールおよび手続きを定めたものであります。この適正ルールは、買収提案を受け入れるか否かの最終的な判断を株主の皆様に委ねることにより、当社の企業価値および株主共同の利益の確保と向上を図るものです。
以上のことから、当社取締役会は、上記②の取組みが上記①の基本方針に沿うものであり、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。