有価証券報告書-第90期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営方針について
当社は2023年10月に2030年に向けてのありたい姿である長期ビジョン「MARUICHI 2030 Vision」及び、そのファーストステージとなる 2024年度から2026年度までを対象とした第7次中期経営計画(3ヵ年)を2024年4月に公表しており、その内容は以下の通りです。
長期ビジョン『MARUICHI 2030 VISION』


第7次中期経営計画(2024-2026年度)
(2)経営環境及び対処すべき課題等について
今後の見通しにつきましては、日本経済の持ち直しの力強さが欠ける先行き不透明感、米国の更なるインフレや利上げ影響への懸念は若干和らいだものの、地政学リスクなどの種々の景気後退懸念リスクもあり、引き続き厳しい状況が見込まれます。日本国内では、足元では需要が盛り上がりに欠ける中で販売数量の確保が難しい状況となっています。米国では、(決算期が3ケ月ズレており)米国のHRC価格は、年初1月の1,200$台から3月には830$台まで下がりましたが、足元900$台半ばに反転しております。アジアも同様に、コイル価格は底打ちから回復しております。
このような情勢のもと、当社といたしましては、先般公表しました第7次中期経営計画のスタート年度として主要施策の着実な実行の為、各地域での状況変化を的確に把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。セグメント別には以下の通りとなっております。
(日本)
国内単体事業につきましては、中小建築分野を始め需要回復は期待薄で、年間の販売予定数量は前年度比横ばいに止まる見通しとしております。コイル仕入価格は国内材が高値で張り付いた状態のままにあると共に、輸入材は円安を背景に値上げ圧力も強く、販売数量の増加が見込めないため、前年度までの値上げ価格を維持しスプレッドの確保を最優先に取り組んでまいります。更には、電力等のエネルギーコストや副資材等の製造コストやパイプの切断加工賃等の外注コスト等に加え、2024年問題からの物流費の上昇もあり、コスト上昇分の製品販価への転嫁を継続しますが、単体利益は厳しい見通しとならざるを得ない状況です。丸一ステンレス鋼管㈱は、ステンレス管が管種構成比変動や原材料他コストアップ等から前年度比で減益となる見通しであり、またBA管は半導体不況の煽りで客先での在庫調整の為、年後半の回復を待たざるを得ない状況です。
設備投資関連では、女性も扱える次世代造管機をコンセプトとして造管機メーカーと共同で開発を進め、名古屋工場3号機(6インチミル)の老朽化更新への採用を進めております。また、工場の現場作業の環境対策の一環として、昨年夏に東京工場の一部ラインでエアコンを設置し効果もあることから、今後は全工場展開を予定しております。更には、先般公表しましたとおり、ステンレス鋼管事業の拡大のために丸一ステンレス鋼管㈱に隣接する中国電力の土地32.6万㎡を取得することとしましたので、この事業拡大に向けた取組み・検討を進めております。
(北米)
北米事業につきましては、米国の更なるインフレや利上げ影響への懸念もあり、問屋の在庫補充もスローとなってきました。米国のHRC価格は、足元は900$台に反転しており、数量とスプレッドの確保による利益確保に努めております。また、米国の半導体需要拡大に伴いテキサス州に新規設立したBA管製造子会社マルイチ・ステンレス・チューブ・テキサス・コーポレーション(MST-X社)では、建屋建設も完了し稼働に向けて鋭意進めておりますが、2024年度は初期立上げ費用や受注量からの固定費負担が重く、赤字見通しとしております。メキシコMaruichimex社では、モントレーの第2工場用の土地取得を終え、工場建設準備に取り組んでおります。
(アジア)
アジア事業につきましては、中国の輸出コイル価格の影響はあるものの、足元は横這い傾向にあります。ベトナムSUNSCO社では、中期的にはベトナム国内の販売比率拡大や日系家電メーカーへの鋼板拡販を目指すものの、国内建築需要の回復遅れへの対応として、短期的には輸出に注力しております。ベトナムSUNSCO(HNI)社では、バイク販売台数の落ち込みが見込まれ、販売数量予想は前年度割れとしています。インドKUMA社では、四輪市場の需要が急回復しており、加えて環境規制強化から商用車向け大径排気管需要が増加しており、グジャラート工場に新ライン建設を決定しました。今年度は更なる販売数量の増加を見込んでおります。フィリピンのMPST社では、足元二輪メーカーの現地生産の拡大を背景に受注を確実に取込み販売数量は前年度比の1.5倍の伸長を見込んでおります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は2023年10月に2030年に向けてのありたい姿である長期ビジョン「MARUICHI 2030 Vision」及び、そのファーストステージとなる 2024年度から2026年度までを対象とした第7次中期経営計画(3ヵ年)を2024年4月に公表しており、その内容は以下の通りです。
長期ビジョン『MARUICHI 2030 VISION』

| 1 | 財務目標(2030年度) |
| 売上高(億円) | 4,000 | 営業利益(億円) | 500 | ROE | 10% | 連結配当性向 | 50% |
| 2 | ビジョン実現に向けた基本方針 |

第7次中期経営計画(2024-2026年度)
| 1 | 財務目標 |
| 第7次中計期間 | |||||||
| 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 | 2030 VISION | |||
| 売上高(億円) | 2,713 | 2,710 | 2,850 | 3,000 | 4,000 | ||
| 国内コア事業 | 1,347 | 1,350 | 1,350 | 1,350 | |||
| 海外コア事業 | 1,087 | 1,075 | 1,125 | 1,200 | |||
| 成長事業 | 279 | 285 | 375 | 450 | |||
| 営業利益(億円) | 348 | 350 | 375 | 400 | 500 | ||
| 国内コア事業 | 212 | 210 | 210 | 210 | 350 | ||
| 海外コア事業 | 99 | 113 | 115 | 125 | |||
| 成長事業 | 37 | 27 | 50 | 65 | 150 | ||
| ROE | 7.9% | 8.0% | 10.0% | ||||
| 連結配当性向 | 40% (131.0円/株) | 41% | 43% | 45% | 50% | ||
| 2 | 事業別目標・基本方針 |
| 事業区分 | 財務目標 | 基本方針 | |
| 国内コア事業 | 売上高: 営業利益: | 1,350億円210億円 | ・サプライチェーン強化やグループ間シナジーを活用し数量より収益性を重視 |
| ・M&Aも活用し営業利益210億円を目指す | |||
| ・カーボンニュートラル社会に向けての取り組み強化 | |||
| 海外コア事業 | 売上高: 営業利益: | 1,200億円 125億円 | ・需要拡大地域での設備投資 |
| ・収益安定化に向けての基盤整備(設備投資、購買・販売戦略、在庫管理) | |||
| ・M&Aも活用し営業利益25%増を目指す | |||
| 成長事業 | 売上高: 営業利益: | 450億円 65億円 | ・稼働予定の増産設備投資による収益最大化 |
| ・海外シェア拡大に向けた施策の実施 | |||
| ・新規需要のニーズに対応するための積極投資の実施 | |||
| ・脱炭素社会実現に貢献する研究開発、新商品開発 |
| 3 | 主要投資 |
| 国内コア事業(305億円) | 成長事業(520億円) | ▶ | 3年間で 1,300億円の 投資を計画 | |
| 国内工場エアコン導入:90億円 | ステンレス事業拡大:500億円 | |||
| 名古屋工場 次世代ミル(6インチミル):35億円 | BA炉能力拡大:5億円 | |||
| 丸一鋼販/平野パイプセンター:10億円 | 外観検査・工程自動化による省人化:1.5億円 | |||
| 堺工場作業環境改善:25億円 | 丸一ステンレス鋼管 研究開発費:2億円(3年間) | |||
| 詫間工場冷延ミル生産効率向上:20億円 | ||||
| 社内基幹システム開発(2029年稼働開始):本中計期間20億円 | ||||
| 海外コア事業(75億円) | M&A(400億円) | |||
| MNTスリッター導入:5百万ドル | 国内外において能動的に検討 | |||
| Maruichimexモンテレー工場新設:25百万ドル | ||||
| MPST 高速切断機導入・造管ミル増設:10百万ドル | ||||
| KUMA 造管ミル増設:3百万ドル |
| 4 | 非財務関連目標 |
| 環 境 | 国内CO2排出量(スコープ1+2)2013年度比 35%減(2023年度 30.8%減) |
| 人的資本 | ワクワクしながらイキイキと働ける職場づくりと成長に向けての人材確保 |
| 安 全 | 全従業員の安全と健康を確保した快適な職場づくり |
(2)経営環境及び対処すべき課題等について
今後の見通しにつきましては、日本経済の持ち直しの力強さが欠ける先行き不透明感、米国の更なるインフレや利上げ影響への懸念は若干和らいだものの、地政学リスクなどの種々の景気後退懸念リスクもあり、引き続き厳しい状況が見込まれます。日本国内では、足元では需要が盛り上がりに欠ける中で販売数量の確保が難しい状況となっています。米国では、(決算期が3ケ月ズレており)米国のHRC価格は、年初1月の1,200$台から3月には830$台まで下がりましたが、足元900$台半ばに反転しております。アジアも同様に、コイル価格は底打ちから回復しております。
このような情勢のもと、当社といたしましては、先般公表しました第7次中期経営計画のスタート年度として主要施策の着実な実行の為、各地域での状況変化を的確に把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。セグメント別には以下の通りとなっております。
(日本)
国内単体事業につきましては、中小建築分野を始め需要回復は期待薄で、年間の販売予定数量は前年度比横ばいに止まる見通しとしております。コイル仕入価格は国内材が高値で張り付いた状態のままにあると共に、輸入材は円安を背景に値上げ圧力も強く、販売数量の増加が見込めないため、前年度までの値上げ価格を維持しスプレッドの確保を最優先に取り組んでまいります。更には、電力等のエネルギーコストや副資材等の製造コストやパイプの切断加工賃等の外注コスト等に加え、2024年問題からの物流費の上昇もあり、コスト上昇分の製品販価への転嫁を継続しますが、単体利益は厳しい見通しとならざるを得ない状況です。丸一ステンレス鋼管㈱は、ステンレス管が管種構成比変動や原材料他コストアップ等から前年度比で減益となる見通しであり、またBA管は半導体不況の煽りで客先での在庫調整の為、年後半の回復を待たざるを得ない状況です。
設備投資関連では、女性も扱える次世代造管機をコンセプトとして造管機メーカーと共同で開発を進め、名古屋工場3号機(6インチミル)の老朽化更新への採用を進めております。また、工場の現場作業の環境対策の一環として、昨年夏に東京工場の一部ラインでエアコンを設置し効果もあることから、今後は全工場展開を予定しております。更には、先般公表しましたとおり、ステンレス鋼管事業の拡大のために丸一ステンレス鋼管㈱に隣接する中国電力の土地32.6万㎡を取得することとしましたので、この事業拡大に向けた取組み・検討を進めております。
(北米)
北米事業につきましては、米国の更なるインフレや利上げ影響への懸念もあり、問屋の在庫補充もスローとなってきました。米国のHRC価格は、足元は900$台に反転しており、数量とスプレッドの確保による利益確保に努めております。また、米国の半導体需要拡大に伴いテキサス州に新規設立したBA管製造子会社マルイチ・ステンレス・チューブ・テキサス・コーポレーション(MST-X社)では、建屋建設も完了し稼働に向けて鋭意進めておりますが、2024年度は初期立上げ費用や受注量からの固定費負担が重く、赤字見通しとしております。メキシコMaruichimex社では、モントレーの第2工場用の土地取得を終え、工場建設準備に取り組んでおります。
(アジア)
アジア事業につきましては、中国の輸出コイル価格の影響はあるものの、足元は横這い傾向にあります。ベトナムSUNSCO社では、中期的にはベトナム国内の販売比率拡大や日系家電メーカーへの鋼板拡販を目指すものの、国内建築需要の回復遅れへの対応として、短期的には輸出に注力しております。ベトナムSUNSCO(HNI)社では、バイク販売台数の落ち込みが見込まれ、販売数量予想は前年度割れとしています。インドKUMA社では、四輪市場の需要が急回復しており、加えて環境規制強化から商用車向け大径排気管需要が増加しており、グジャラート工場に新ライン建設を決定しました。今年度は更なる販売数量の増加を見込んでおります。フィリピンのMPST社では、足元二輪メーカーの現地生産の拡大を背景に受注を確実に取込み販売数量は前年度比の1.5倍の伸長を見込んでおります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。