有価証券報告書-第18期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/19 15:20
【資料】
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【項目】
91項目
⑥ 会社の支配に関する基本方針
a.基本方針
当社は、経営支配権の異動は、企業活動・経済の活性化にとって有効な手段の一つであり、当社株式の大規模買付行為が開始された場合において、これを受け入れるかどうかは、原則として、株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。
しかしながら、大規模買付行為またはこれに関する提案につきましては、株主の皆様が、当該大規模買付行為または提案の企業価値および株主共同の利益への影響を的確に判断する必要があると認識しております。そのために、大規模買付者および当社取締役会の双方から、株主の皆様に迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案等の提供と、それらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することといたします。
b.基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社グループは、企業理念である「常に世界最高の技術をもって社会に貢献する」ことを通じて、長期的な観点に立って、企業価値および株主共同の利益の向上に誠実に努めることを経営の基本姿勢としております。
純粋持株会社である当社は、グループの一元的なガバナンスの中心にあって、全グループの戦略策定機能を担うとともに、リスク管理と対外説明責任を果たすなどグループの中核としての業務を遂行しています。透明性の高い経営をめざして、取締役のうち3分の1以上を独立した社外取締役とする方針の下、取締役8名のうち3名を独立した社外取締役としております。また、監査役5名のうち3名を社外監査役としております。さらに監査役1名と第18回定時株主総会で新たに選任された取締役1名が女性であるなど、独立性の向上に加えて多様性の向上にも取り組んでおります。コーポレートガバナンス基本方針の制定、指名委員会・報酬委員会の設置、取締役会の実効性評価、中長期業績に連動した役員株式報酬制度の導入、当社社長の選解任の基本方針やそのプロセスの制定などを通じ、ガバナンスの強化にも取り組んできました。
当社の傘下には、世界トップクラスの銑鋼一貫メーカーであるJFEスチール㈱をはじめ、JFEエンジニアリング㈱、JFE商事㈱の3つの事業会社がそれぞれの事業特性に鑑み最適な事業運営を行い、競争力の強化と収益力の拡大を図っています。鉄鋼業における世界最高水準の製造実力やコスト競争力、グループ全体のシナジーを活かした開発、優れた人的資本など、長年の経営努力と継続的な投資によって蓄積された企業価値の源泉を最大限に活かし、地球環境保全に役立つ技術開発等を含め長期的な視野に立った様々な施策を地道に継続していくことが当社の企業価値の向上と持続的な成長に資するものと考えます。国内製造実力の強靭化や海外事業の推進、ESG課題への取り組み等も着実に実行していきます。
さらに、お客様・株主の皆様・取引先・従業員・地域社会等、全てのステークホルダーの皆様からご支持とご協力がいただけるよう努力してまいります。
c.基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2007年3月1日開催の取締役会において、「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針」(以下「対応方針」という。)の導入を決定し、同年およびその後の対応方針の有効期限である2年ごとの定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき継続しておりましたが、2017年6月23日開催の定時株主総会、さらには2019年6月21日開催の定時株主総会において、対応方針を一部変更(以下、変更後の当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針を「本方針」という。)のうえ継続することについて株主の皆様のご承認をいただきました。
本方針により、具体的には、議決権割合20%以上の当社株式を取得しようとする大規模買付者に対し、大規模買付行為完了後の経営方針および事業計画等の提示を事前に求めます。その後一定期間、当社取締役会は、大規模買付者が本方針に基づくルールを遵守したか否か、あるいは、当該提案内容が当社に回復しがたい損害をもたらすことがないか、企業価値、株主共同の利益を著しく損なうことがないか、という観点から評価、検討を行ない、取締役会としての意見を開示するとともに、大規模買付者と交渉したり、取締役会として株主の皆様へ代替案を提示したりすることがあります。当社は、対抗措置としての新株予約権の無償割当ての実施の是非につき株主の意思を確認する手続きを行い、その承認が得られた場合にのみ当該措置を発動いたします。ただし、大規模買付者が上記の大規模買付ルールを遵守しない場合、あるいは所定の要件(いわゆる高裁四類型)に該当するときに限り、株主意思確認手続きを経ることなく、当社取締役会として対抗措置を発動することがあります。なお、当社取締役会は、対抗措置発動の是非を決定するときは、社外取締役等を中心とする特別委員会に対し諮問し、 特別委員会の勧告を受けるものといたします。取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断にあたっては、特別委員会の勧告を最大限尊重するものといたします。
本方針の詳細については、当社ウェブサイトに掲載しております。
d.上記の取り組みが、上記基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでなく、かつ、会社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
本方針は、当社株式の大規模買付行為が開始された場合において、株主の皆様に迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案等の提供と、それらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することにより、株主の皆様が、当該大規模買付行為の企業価値および株主共同の利益への影響を的確に判断することを担保するためのものです。また、当該大規模買付行為に関する当社取締役会の判断における透明性、客観性、公正性および合理性を担保するため、取締役会から独立した組織として、社外取締役および社外監査役計3名から構成される特別委員会を設置しております。さらに、本方針においては、ルール違反の場合およびいわゆる高裁四類型に該当する場合を除く全ての場合に、対抗措置発動に際し株主の皆様の意思確認手続きを行うこととしており、当社取締役会はその決定に従った対応をとり、経営陣が自己保身のため恣意的に本方針を運用することは不可能な仕組みとなっております。加えて、本方針の継続については2019年6月の定時株主総会で株主の皆様のご承認をいただいております。
従って、上記基本方針に沿った内容であり、株主共同の利益を損なうものではなく、会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。