有価証券報告書-第17期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営方針、経営環境および対処すべき課題
⦅事業環境⦆
JFEグループを取り巻く事業環境は、国内では輸出や設備投資の増加に支えられ緩やかに回復したものの、今後、消費税率の引き上げ、輸出の減速等により、成長率の鈍化が懸念されています。一方、海外については、米国を中心として緩やかな回復基調でありましたが、中国を中心に成長スピードが弱まっており、動向を注視していく必要があります。
こうしたなか、JFEグループは第6次中期経営計画(2018~2020年度)において掲げたグループ共通施策に着実に取り組んでおります。最先端技術により社会ニーズに同期化し、成長戦略を推進するための研究や技術開発については、ほぼ計画通りに実行しております。
国内収益基盤整備の継続と製造実力の強化については、鉄鋼事業を中心に操業安定化や設備更新のための最優先で行うべき投資に加え、拡販や増産等を目的とした戦略的投資案件を着実に実施しております。
また、海外事業の推進と収益拡大については、第5次中期経営計画までに投資したプロジェクトからの収益拡大に重点を置いた活動を展開しております。加えて、自動車、インフラ建材、エネルギー等の重点分野、東南アジア等の戦略地域への事業投資も計画通りに実施しております。
さらに、持続的な成長を支える企業体質強化として、ESG課題への取り組みを拡充しております。具体的には、重要業績評価指標(KPI)の目標達成に向けた活動の推進、統合報告書の発行による開示情報の拡充、環境に関連する長期ビジョン・メッセージの発信等を通じ、社会的課題の解決に貢献してまいります。
なお、JFEグループは、当連結会計年度より従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(以下、IFRS)を適用しております。これに伴い、中期経営計画の財務・収益指標とその数値の読み替えを実施しております。
■第6次中期経営計画 主要財務・収益目標
(注)1 IFRS適用に伴い、当社連結業績の指標として経常利益に替え事業利益を用いております。事業利益は税引前利益から金融損益および金額に重要性のある一過性の項目を除いた利益であります。また、各セグメント業績の指標として経常利益に替えセグメント利益を用いております。セグメント利益は事業利益に金融損益を含めた利益であります。
2 IFRSでのDebtは、日本基準での社債および借入金にリース債務を加えた有利子負債残高であり、EBITDAは事業利益に減価償却費および償却費を加えたものであります。
3 設備投資における目標数値の差異は、IFRSの適用に伴う1年超使用予定貯蔵品の固定資産への科目振替、リース設備の固定資産計上および連結範囲の変更によるものであります。
〈各事業会社の取り組み〉
JFEスチール㈱におきましては、「常に新たな価値を創造し、お客様とともに成長するグローバル鉄鋼サプライヤー」を目指してまいります。
喫緊の課題として、高炉の操業トラブルの再発防止に取り組んでおります。当連結会計年度において、東日本製鉄所、西日本製鉄所の高炉3基で操業トラブルが発生いたしました。既に補修や対策が完了し全ての高炉が通常操業に復旧しておりますが、こうした事態を受け、高炉トラブル対策チームを発足させ、異常時の対応や設備点検基準の見直し、また異常を早期に検知し対応するための設備導入といった恒久対策を着実に実行し、トラブルの再発防止に努めてまいります。
その上で将来にわたり持続的に成長するため、特に製鉄所の競争力強化にとって重要な上工程について、連続鋳造設備や焼結機の建設等、能力増強やパフォーマンスの最大化を図ってまいります。なお、これらの投資は基幹製鉄所である西日本製鉄所を中心に実行いたします。
また、重点分野を中心に商品開発やソリューション提供を行い、最先端技術による成長戦略を推進してまいります。例えば、自動車分野においては軽量化やEV化等の技術革新に対応し、ハイテン材を主軸とした技術開発を加速し進化させてまいります。さらに、AI、IoT等の先端IT(データサイエンスやロボティクス等)を導入し、こうした技術開発に対応すると同時に、製鉄所の操業や安全管理など様々な分野でも積極的に活用してまいります。
海外では、これまで、地域や市場毎の成長ステージに応じてグローバルに生産体制を拡充してきた分野を中心に、収益拡大の取り組みをグループ一体で推進いたします。また、成長の著しいアジア諸国において、従来型の垂直分業に加えて、海外製鉄会社との提携等により海外鉄源の更なる活用を推進いたします。
JFEエンジニアリング㈱におきましては、くらしの礎を「創り」さらに「担う」企業として、ソリューション提案から運営まで一貫して関わるビジネスモデルを推進してまいります。
国内では、従来型のEPC(設計・調達・建設)に加え、O&M(運転・維持管理)やリサイクル・発電事業などの運営型事業を強化、拡大してまいります。
海外では、近年、積極的に増強したグローバルエンジニアリング体制を最大限活用し、受注済プロジェクトを着実に遂行するとともに、事業規模の拡大と収益力の強化を進めてまいります。
加えて、運営事業で蓄積した運転データなどの情報資源の活用やAI、IoT技術を駆使することにより、従来以上に各商品の機能強化や他社に先駆けた新たな製品・サービスの提供を目指してまいります。
JFE商事㈱におきましては、JFEグループの中核商社として提案力・発信力を高め、お客様と共に持続的に成長する存在感のある企業を目指してまいります。鋼材販売数量の拡大等によりトレード収益を維持・拡大しながら、鋼材加工等による事業収益の拡大を図ってまいります。成長する海外市場において需要を着実に捕捉するため、日本に加え、米州、中国、アセアンを主要戦略拠点とする「グローバル4極体制」のマネジメント強化を進め、環境変化に左右されにくい安定的な収益基盤の構築を目指してまいります。
国内では、引き続き需要を捕捉するための、加工・流通拠点の機能強化や、再編等を通じた体質強化を推進いたします。
海外では、JFEグループのリソースを最大限活用し、更なる鋼材販売数量の拡大に努めます。また、より最終製品に近い2次・3次加工の機能を強化するとともに、優良なパートナーとの提携による新たなビジネスモデルの構築や活動領域の拡大を図ってまいります。
当社はグループの経営課題を着実に実行していくために、株主利益に適うグループ経営および健全なコーポレートガバナンスの要としてその機能を充実していくとともに、さらに効率的な運営を図ってまいります。
(注)上記の記載には、2019年5月14日の決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれております。
(2) 会社の支配に関する基本方針
① 基本方針
当社は、経営支配権の異動は、企業活動・経済の活性化にとって有効な手段の一つであり、当社株式の大規模買付行為が開始された場合において、これを受け入れるかどうかは、原則として、株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。
しかしながら、大規模買付行為またはこれに関する提案につきましては、株主の皆様が、当該大規模買付行為または提案の企業価値および株主共同の利益への影響を的確に判断する必要があると認識しております。そのために、大規模買付者および当社取締役会の双方から、株主の皆様に迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案等の提供と、それらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することといたします。
② 基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社グループは、企業理念である「常に世界最高の技術をもって社会に貢献する」ことを通じて、長期的な観点に立って、企業価値および株主共同の利益の向上に誠実に努めることを経営の基本姿勢としております。
純粋持株会社である当社は、グループの一元的なガバナンスの中心にあって、全グループの戦略策定機能を担うとともに、リスク管理と対外説明責任を果たすなどグループの中核としての業務を遂行しています。透明性の高い経営をめざして、取締役のうち3分の1以上を独立した社外取締役とする方針の下、取締役8名のうち3名を独立した社外取締役としております。また、監査役5名のうち3名を社外監査役としております。コーポレートガバナンス基本方針の制定、指名委員会・報酬委員会の設置、取締役会の実効性評価、中長期業績に連動した役員株式報酬制度の導入などを通じ、ガバナンスの強化にも取り組んできました。
当社の傘下には、世界トップクラスの銑鋼一貫メーカーであるJFEスチール㈱をはじめ、JFEエンジニアリング㈱、JFE商事㈱の3つの事業会社がそれぞれの事業特性に鑑み最適な事業運営を行い、競争力の強化と収益力の拡大を図っています。鉄鋼業における世界最高水準の製造実力やコスト競争力、グループ全体のシナジーを活かした開発、優れた人的資本など、長年の経営努力と継続的な投資によって蓄積された企業価値の源泉を最大限に活かし、地球環境保全に役立つ技術開発等を含め長期的な視野に立った様々な施策を地道に継続していくことが当社の企業価値の向上と持続的な成長に資するものと考えます。2018年4月に公表した「JFEグループ第6次中期経営計画」で掲げた国内製造実力の強靭化や海外事業の推進、ESG課題への取り組み等も着実に実行していきます。
さらに、お客様・株主の皆様・取引先・従業員・地域社会等、全てのステークホルダーの皆様からご支持とご協力がいただけるよう努力してまいります。
③基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2007年3月1日開催の取締役会において、「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針」(以下「本対応方針」という。)の導入を決定し、同年およびその後の有効期限である2年ごとの定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただいた上で、本対応方針を継続しております。
本対応方針により、具体的には、議決権割合20%以上の当社株式を取得しようとする大規模買付者に対し、大規模買付行為完了後の経営方針および事業計画等の提示を事前に求めます。その後一定期間、当社取締役会は、大規模買付者が本対応方針に基づくルールを遵守したか否か、あるいは、当該提案内容が当社に回復しがたい損害をもたらすことがないか、企業価値、株主共同の利益を著しく損なうことがないか、という観点から評価、検討を行ない、取締役会としての意見を開示するとともに、大規模買付者と交渉したり、取締役会として株主の皆様へ代替案を提示したりすることがあります。また、社外取締役および社外監査役計3名から構成される特別委員会を設置し、特別委員会が大規模買付行為を抑止するための措置の発動を勧告した場合には、それを最大限尊重した上で、外部専門家の意見も参考にしつつ、当社取締役会は、企業価値および株主共同の利益の保護を目的として、新株予約権の無償割当ての方法により、大規模買付行為に対抗することがあります。さらに、本方針所定の場合には、対抗措置の発動の是非について株主の皆様の意思を確認する手続きを行ないます。
なお、2019年6月21日開催の定時株主総会において、本対応方針を一部変更の上継続することについて、株主の皆様のご承認が得られました。資本市場からの更なる要請等を踏まえ、より株主の皆様の意思を重視し、更に客観性を高める内容にするため、主に以下の点を変更しております。
・株主意思確認手続きを経ずに対抗措置を発動できる場合を、大規模買付者が本方針の定めるルールを遵守しない場合およびいわゆる高裁四類型に該当する場合に限定しました。
・対抗措置を新株予約権の無償割当てに限定しました。
本対応方針の詳細については、当社ウェブサイトに掲載しております。
④上記の取り組みが、上記基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでなく、かつ、会社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
本対応方針は、当社株式の大規模買付行為が開始された場合において、株主の皆様に迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案等の提供と、それらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することにより、株主の皆様が、当該大規模買付行為の企業価値および株主共同の利益への影響を的確に判断することを担保するためのものです。また、当該大規模買付行為に関する当社取締役会の判断における透明性、客観性、公正性および合理性を担保するため、取締役会から独立した組織として、社外取締役および社外監査役計3名から構成される特別委員会を設置しております。さらに、本方針所定の場合には大規模買付行為に対する対抗措置の発動是非について株主意思確認手続きを実施し、株主の皆様の意思を確認させていただくことができるものとしていることに加え、本対応方針の継続については本年の定時株主総会でご承認をいただいております。
従って、上記基本方針に沿った内容であり、株主共同の利益を損なうものではなく、会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
⦅事業環境⦆
JFEグループを取り巻く事業環境は、国内では輸出や設備投資の増加に支えられ緩やかに回復したものの、今後、消費税率の引き上げ、輸出の減速等により、成長率の鈍化が懸念されています。一方、海外については、米国を中心として緩やかな回復基調でありましたが、中国を中心に成長スピードが弱まっており、動向を注視していく必要があります。
こうしたなか、JFEグループは第6次中期経営計画(2018~2020年度)において掲げたグループ共通施策に着実に取り組んでおります。最先端技術により社会ニーズに同期化し、成長戦略を推進するための研究や技術開発については、ほぼ計画通りに実行しております。
国内収益基盤整備の継続と製造実力の強化については、鉄鋼事業を中心に操業安定化や設備更新のための最優先で行うべき投資に加え、拡販や増産等を目的とした戦略的投資案件を着実に実施しております。
また、海外事業の推進と収益拡大については、第5次中期経営計画までに投資したプロジェクトからの収益拡大に重点を置いた活動を展開しております。加えて、自動車、インフラ建材、エネルギー等の重点分野、東南アジア等の戦略地域への事業投資も計画通りに実施しております。
さらに、持続的な成長を支える企業体質強化として、ESG課題への取り組みを拡充しております。具体的には、重要業績評価指標(KPI)の目標達成に向けた活動の推進、統合報告書の発行による開示情報の拡充、環境に関連する長期ビジョン・メッセージの発信等を通じ、社会的課題の解決に貢献してまいります。
なお、JFEグループは、当連結会計年度より従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(以下、IFRS)を適用しております。これに伴い、中期経営計画の財務・収益指標とその数値の読み替えを実施しております。
■第6次中期経営計画 主要財務・収益目標
| (旧)日本基準 | (新)IFRS | |||
| 当社連結 | 連結経常利益 | 2,800億円/年 | 事業利益 | 2,900億円/年 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 2,000億円/年 | 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 2,000億円/年 | |
| Debt/EBITDA倍率 | 3倍程度 | Debt/EBITDA倍率 | 3倍程度 | |
| 事業会社 連結 | 連結経常利益 | セグメント利益 | ||
| 鉄鋼事業 | 2,200億円/年 | 鉄鋼事業 | 2,200億円/年 | |
| エンジニアリング事業 | 300億円/年 | エンジニアリング事業 | 300億円/年 | |
| 商社事業 | 350億円/年 | 商社事業 | 350億円/年 | |
| 設備投資 | グループ全体 総投資額 | 1兆円規模 /3ヵ年 | グループ全体 総投資額 | 1.2兆円規模 /3ヵ年 |
| 鉄鋼事業 国内設備投資 | 8,500億円規模 /3ヵ年 | 鉄鋼事業 国内設備投資 | 1兆円規模 /3ヵ年 | |
(注)1 IFRS適用に伴い、当社連結業績の指標として経常利益に替え事業利益を用いております。事業利益は税引前利益から金融損益および金額に重要性のある一過性の項目を除いた利益であります。また、各セグメント業績の指標として経常利益に替えセグメント利益を用いております。セグメント利益は事業利益に金融損益を含めた利益であります。
2 IFRSでのDebtは、日本基準での社債および借入金にリース債務を加えた有利子負債残高であり、EBITDAは事業利益に減価償却費および償却費を加えたものであります。
3 設備投資における目標数値の差異は、IFRSの適用に伴う1年超使用予定貯蔵品の固定資産への科目振替、リース設備の固定資産計上および連結範囲の変更によるものであります。
〈各事業会社の取り組み〉
JFEスチール㈱におきましては、「常に新たな価値を創造し、お客様とともに成長するグローバル鉄鋼サプライヤー」を目指してまいります。
喫緊の課題として、高炉の操業トラブルの再発防止に取り組んでおります。当連結会計年度において、東日本製鉄所、西日本製鉄所の高炉3基で操業トラブルが発生いたしました。既に補修や対策が完了し全ての高炉が通常操業に復旧しておりますが、こうした事態を受け、高炉トラブル対策チームを発足させ、異常時の対応や設備点検基準の見直し、また異常を早期に検知し対応するための設備導入といった恒久対策を着実に実行し、トラブルの再発防止に努めてまいります。
その上で将来にわたり持続的に成長するため、特に製鉄所の競争力強化にとって重要な上工程について、連続鋳造設備や焼結機の建設等、能力増強やパフォーマンスの最大化を図ってまいります。なお、これらの投資は基幹製鉄所である西日本製鉄所を中心に実行いたします。
また、重点分野を中心に商品開発やソリューション提供を行い、最先端技術による成長戦略を推進してまいります。例えば、自動車分野においては軽量化やEV化等の技術革新に対応し、ハイテン材を主軸とした技術開発を加速し進化させてまいります。さらに、AI、IoT等の先端IT(データサイエンスやロボティクス等)を導入し、こうした技術開発に対応すると同時に、製鉄所の操業や安全管理など様々な分野でも積極的に活用してまいります。
海外では、これまで、地域や市場毎の成長ステージに応じてグローバルに生産体制を拡充してきた分野を中心に、収益拡大の取り組みをグループ一体で推進いたします。また、成長の著しいアジア諸国において、従来型の垂直分業に加えて、海外製鉄会社との提携等により海外鉄源の更なる活用を推進いたします。
JFEエンジニアリング㈱におきましては、くらしの礎を「創り」さらに「担う」企業として、ソリューション提案から運営まで一貫して関わるビジネスモデルを推進してまいります。
国内では、従来型のEPC(設計・調達・建設)に加え、O&M(運転・維持管理)やリサイクル・発電事業などの運営型事業を強化、拡大してまいります。
海外では、近年、積極的に増強したグローバルエンジニアリング体制を最大限活用し、受注済プロジェクトを着実に遂行するとともに、事業規模の拡大と収益力の強化を進めてまいります。
加えて、運営事業で蓄積した運転データなどの情報資源の活用やAI、IoT技術を駆使することにより、従来以上に各商品の機能強化や他社に先駆けた新たな製品・サービスの提供を目指してまいります。
JFE商事㈱におきましては、JFEグループの中核商社として提案力・発信力を高め、お客様と共に持続的に成長する存在感のある企業を目指してまいります。鋼材販売数量の拡大等によりトレード収益を維持・拡大しながら、鋼材加工等による事業収益の拡大を図ってまいります。成長する海外市場において需要を着実に捕捉するため、日本に加え、米州、中国、アセアンを主要戦略拠点とする「グローバル4極体制」のマネジメント強化を進め、環境変化に左右されにくい安定的な収益基盤の構築を目指してまいります。
国内では、引き続き需要を捕捉するための、加工・流通拠点の機能強化や、再編等を通じた体質強化を推進いたします。
海外では、JFEグループのリソースを最大限活用し、更なる鋼材販売数量の拡大に努めます。また、より最終製品に近い2次・3次加工の機能を強化するとともに、優良なパートナーとの提携による新たなビジネスモデルの構築や活動領域の拡大を図ってまいります。
当社はグループの経営課題を着実に実行していくために、株主利益に適うグループ経営および健全なコーポレートガバナンスの要としてその機能を充実していくとともに、さらに効率的な運営を図ってまいります。
(注)上記の記載には、2019年5月14日の決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれております。
(2) 会社の支配に関する基本方針
① 基本方針
当社は、経営支配権の異動は、企業活動・経済の活性化にとって有効な手段の一つであり、当社株式の大規模買付行為が開始された場合において、これを受け入れるかどうかは、原則として、株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。
しかしながら、大規模買付行為またはこれに関する提案につきましては、株主の皆様が、当該大規模買付行為または提案の企業価値および株主共同の利益への影響を的確に判断する必要があると認識しております。そのために、大規模買付者および当社取締役会の双方から、株主の皆様に迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案等の提供と、それらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することといたします。
② 基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社グループは、企業理念である「常に世界最高の技術をもって社会に貢献する」ことを通じて、長期的な観点に立って、企業価値および株主共同の利益の向上に誠実に努めることを経営の基本姿勢としております。
純粋持株会社である当社は、グループの一元的なガバナンスの中心にあって、全グループの戦略策定機能を担うとともに、リスク管理と対外説明責任を果たすなどグループの中核としての業務を遂行しています。透明性の高い経営をめざして、取締役のうち3分の1以上を独立した社外取締役とする方針の下、取締役8名のうち3名を独立した社外取締役としております。また、監査役5名のうち3名を社外監査役としております。コーポレートガバナンス基本方針の制定、指名委員会・報酬委員会の設置、取締役会の実効性評価、中長期業績に連動した役員株式報酬制度の導入などを通じ、ガバナンスの強化にも取り組んできました。
当社の傘下には、世界トップクラスの銑鋼一貫メーカーであるJFEスチール㈱をはじめ、JFEエンジニアリング㈱、JFE商事㈱の3つの事業会社がそれぞれの事業特性に鑑み最適な事業運営を行い、競争力の強化と収益力の拡大を図っています。鉄鋼業における世界最高水準の製造実力やコスト競争力、グループ全体のシナジーを活かした開発、優れた人的資本など、長年の経営努力と継続的な投資によって蓄積された企業価値の源泉を最大限に活かし、地球環境保全に役立つ技術開発等を含め長期的な視野に立った様々な施策を地道に継続していくことが当社の企業価値の向上と持続的な成長に資するものと考えます。2018年4月に公表した「JFEグループ第6次中期経営計画」で掲げた国内製造実力の強靭化や海外事業の推進、ESG課題への取り組み等も着実に実行していきます。
さらに、お客様・株主の皆様・取引先・従業員・地域社会等、全てのステークホルダーの皆様からご支持とご協力がいただけるよう努力してまいります。
③基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2007年3月1日開催の取締役会において、「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針」(以下「本対応方針」という。)の導入を決定し、同年およびその後の有効期限である2年ごとの定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただいた上で、本対応方針を継続しております。
本対応方針により、具体的には、議決権割合20%以上の当社株式を取得しようとする大規模買付者に対し、大規模買付行為完了後の経営方針および事業計画等の提示を事前に求めます。その後一定期間、当社取締役会は、大規模買付者が本対応方針に基づくルールを遵守したか否か、あるいは、当該提案内容が当社に回復しがたい損害をもたらすことがないか、企業価値、株主共同の利益を著しく損なうことがないか、という観点から評価、検討を行ない、取締役会としての意見を開示するとともに、大規模買付者と交渉したり、取締役会として株主の皆様へ代替案を提示したりすることがあります。また、社外取締役および社外監査役計3名から構成される特別委員会を設置し、特別委員会が大規模買付行為を抑止するための措置の発動を勧告した場合には、それを最大限尊重した上で、外部専門家の意見も参考にしつつ、当社取締役会は、企業価値および株主共同の利益の保護を目的として、新株予約権の無償割当ての方法により、大規模買付行為に対抗することがあります。さらに、本方針所定の場合には、対抗措置の発動の是非について株主の皆様の意思を確認する手続きを行ないます。
なお、2019年6月21日開催の定時株主総会において、本対応方針を一部変更の上継続することについて、株主の皆様のご承認が得られました。資本市場からの更なる要請等を踏まえ、より株主の皆様の意思を重視し、更に客観性を高める内容にするため、主に以下の点を変更しております。
・株主意思確認手続きを経ずに対抗措置を発動できる場合を、大規模買付者が本方針の定めるルールを遵守しない場合およびいわゆる高裁四類型に該当する場合に限定しました。
・対抗措置を新株予約権の無償割当てに限定しました。
本対応方針の詳細については、当社ウェブサイトに掲載しております。
④上記の取り組みが、上記基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでなく、かつ、会社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
本対応方針は、当社株式の大規模買付行為が開始された場合において、株主の皆様に迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案等の提供と、それらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することにより、株主の皆様が、当該大規模買付行為の企業価値および株主共同の利益への影響を的確に判断することを担保するためのものです。また、当該大規模買付行為に関する当社取締役会の判断における透明性、客観性、公正性および合理性を担保するため、取締役会から独立した組織として、社外取締役および社外監査役計3名から構成される特別委員会を設置しております。さらに、本方針所定の場合には大規模買付行為に対する対抗措置の発動是非について株主意思確認手続きを実施し、株主の皆様の意思を確認させていただくことができるものとしていることに加え、本対応方針の継続については本年の定時株主総会でご承認をいただいております。
従って、上記基本方針に沿った内容であり、株主共同の利益を損なうものではなく、会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。