有価証券報告書-第18期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
(提出日現在)
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は当社およびJFEグループが、持続的な成長および中長期的な企業価値の向上を実現し、企業理念を実践するために最良のコーポレートガバナンスを追及しその更なる充実を図ることを目的として、「コーポレートガバナンス基本方針」を制定し、ホームページに掲載しております。(https://www.jfe-holdings.co.jp/company/governance/index.html)
(1) 当社は、常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組みます。
(2) 当社は、JFEグループの持続的な成長および中長期的な企業価値の向上を図る観点から、次の基本的な考え方に沿って、公正・公平・透明なコーポレートガバナンスの充実に取り組みます。
①株主の権利を尊重し、株主が権利を適切に行使することができる環境の整備と株主の実質的な平等性の確保に取り組む。
②株主のほか、従業員、お客様、取引先、債権者、地域社会をはじめとした様々なステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーと適切に協働する。
③会社情報を適切に開示し、透明性を確保する。
④JFEグループの中核たる持株会社として取締役会による業務執行の監督機能の実効性確保に努める。
⑤持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、株主との間で建設的な対話を行う。
(3)当社はJFEグループのすべての役員・社員が共有し、あらゆる活動の拠り所となる経営の基本原則として、以下のとおり当グループの「企業理念」、「行動規範」、「企業行動指針」を定め、開示します。
② 経営体制および内部統制体制の関係図

③ 経営体制・内部統制体制
a.会社の機関
当社は純粋持株会社であり、多様な事業を展開する3つの事業会社を傘下に置く経営体制となっております。また、当社および事業会社は監査役設置会社であり、取締役による業務執行の監督、監査役による監査の二重の監督機能を有しております。さらに経営の意思決定と業務執行の分離による権限・責任の明確化、および執行の迅速化を図るため、執行役員制を採用しております。当社においては、取締役会(議長:社長)が経営効率の維持・向上に努めつつ、法定事項の決議、重要な経営方針・戦略の策定、業務執行に対する監督を行うとともに、監査役会が経営を監視し、その健全性強化に努めております。
経営の公正性・客観性・透明性を高めることにより、企業価値および株主共同の利益を持続的に向上させることを目的として、これまでガバナンス体制の強化に取り組んできました。2007年6月から社外取締役2名を招聘するとともに、最適な経営を機動的に構築しつつ、経営に対する責任を明確化するために、取締役の任期を2年から1年に短縮しました。
さらに、当社は、2015年10月より取締役等の人事および報酬について公正性、客観性および透明性を担保すべく、取締役会の諮問機関として、指名委員会および報酬委員会を設置しております。
指名委員会および報酬委員会は、それぞれ委員の過半数を社外役員で構成し、委員長は社外役員の中から決定しております。各委員会の構成および委員長は以下のとおりであります。
指名委員会
委員長 山本 正已 取締役(社外)
委員 安藤よし子 取締役(社外)
委員 大八木成男 監査役(社外)
委員 沼上 幹 監査役(社外)
委員 柿木 厚司 取締役(社内)
委員 北野 嘉久 取締役(社内)
報酬委員会
委員長 家守 伸正 取締役(社外)
委員 山本 正已 取締役(社外)
委員 佐長 功 監査役(社外)
委員 沼上 幹 監査役(社外)
委員 柿木 厚司 取締役(社内)
委員 寺畑 雅史 取締役(社内)
指名委員会においては、当社社長の選解任に関する基本方針、当社社長候補者の選任の原案、当社社長の後継者計画ならびに当社の社外取締役候補者および社外監査役候補者の指名に関する事項等について審議し、取締役会に答申・報告しております。
また、報酬委員会においては、当社および各事業会社の役員報酬の基本方針に関する事項等について審議し、取締役会に答申しております。
なお、当社は、2015年度より取締役会全体の実効性についての分析および評価を実施しております。その結果をふまえた取り組みとして、当社グループにおいては、鉄鋼事業に加え、エンジニアリング事業および商社事業も積極的に事業を拡大しつつあり、両事業の経営管理の重要性が増していることから、コーポレートガバナンス体制の更なる充実と、グループ経営体制の一層の強化を図ることを目的として、当社取締役会の構成を見直すこととし、社外取締役1名を含む取締役3名を増員しました。また、監査役会においては、監査体制およびその機能の中立性、独立性をより高めるために、社外監査役を1名増員しました。この結果、当社の取締役会は、引き続き3分の1以上(8名中3名)が、当社の社外役員独立性基準を満たす独立社外取締役となり、監査役会はその過半数(5名中3名)が、当社の社外役員独立性基準を満たす独立社外監査役となっております。取締役会および監査役会の構成は「(2)役員の状況①役員一覧」に記載しております。
b.重要事項の決定
グループを構成する各社の重要事項につきましては、各社規程により明確な決定手続きを定めており、グループとしての経営に関わる重要事項につきましては、JFEホールディングス㈱におきまして、最終的に審議・決定を行う体制としております。
具体的には、各事業会社では、自社および傘下グループ会社の重要事項につき、経営会議等での審議および取締役会での決定を行っております。JFEホールディングス㈱では、グループ全般の経営戦略事項をグループ経営戦略会議で審議、自社・事業会社およびグループ会社の重要個別事項を経営会議で審議しております。その上で取締役会規則に基づき重要事項につき、取締役会での決定を行っております。
JFEホールディングス㈱・JFEスチール㈱・JFEエンジニアリング㈱・JFE商事㈱では、経営会議を1~2回/月開催、取締役会を1~2回/月開催しております。
JFEホールディングス㈱におけるグループ経営戦略会議(議長:社長/事務局:企画部)は、事業会社社長3名を含む社内取締役全員と執行役員で構成され、監査役が出席しており、2~4回/四半期開催しております。経営会議(議長:社長/事務局:企画部)は、2名の常勤社内取締役全員と執行役員で構成され、監査役が出席しております。
また、JFEスチール㈱・JFEエンジニアリング㈱・JFE商事㈱における経営会議(議長:各社社長/事務局:各社経営企画部)は、取締役全員と主要な執行役員、監査役が出席しております。
当社グループにおいては、品種・事業ごとの戦略策定と収益管理の一元化による最適な品種・事業運営を狙いとして、JFEスチール㈱ではセンター・セクター・事業部制を、JFEエンジニアリング㈱では事業部制を、JFE商事㈱では品種・地域別に区分した営業本部制を採用しております。一方、グループ共通の施策として、技術開発に関しては、グループ経営戦略会議で基本方針および重要事項を審議しております。また、グループ情報セキュリティ委員会を設け、情報セキュリティに関する重要課題を審議しております。更に、高度化するサイバー攻撃や情報漏えいリスクから、グループ内の情報資産を守ることを目的に情報セキュリティ・インシデント対応チーム「JFE-SIRT(JFE-Security Integration and Response Team)」を設けております。
c.内部統制体制・リスク管理体制の整備の状況
リスク管理体制を含む当社の内部統制に関する体制につきましては、下記「内部統制体制構築の基本方針」に従って、取締役会規則、グループ経営戦略会議規程、経営会議規程、JFEグループ内部統制委員会規程、JFEグループCSR会議規程、JFEグループコンプライアンス委員会規程、開示検討委員会規程等の各種会議規程、組織・業務規程、および情報保存管理規程を制定すること、ならびに企業倫理ホットラインを設置すること等により整備・運用されております。
④ コンプライアンス体制
JFEグループは、社会を構成する一員としての企業の責任を自覚し、よりよい社会の構築に向けた企業の社会的責任(CSR)を経営の根幹に据え、その取り組みを一層強化してまいります。2005年10月、JFEホールディングス㈱に「JFEグループCSR会議」(議長:社長、1回/3ヶ月程度の開催)を設置し、コンプライアンス、環境、人事労働、安全・防災、社会貢献など多岐にわたる範囲を対象としまして、JFEグループ全体のCSRへの取り組みを監督・指導する体制を構築しております。また、「JFEグループCSR会議」ならびにそのもとに設置される、「グループコンプライアンス委員会」、「グループ環境委員会」、および「グループ内部統制委員会」の各委員会において、コンプライアンス、環境、人事労働、安全・防災、内部統制など多岐にわたる範囲を対象として、JFEグループのCSRへの取り組みについて審議、監督、情報共有等を行っております。
各事業会社においても、CSRへの取り組みを継続しております。JFEスチール㈱では、2005年4月にCSR室を設置したことに続きまして、2005年7月に「CSR会議」(議長:社長)を設置いたしました。「CSR会議」のなかに、コンプライアンス、地球環境、リスクマネジメント、安全・防災、顧客満足、社会貢献などの委員会・部会を設けまして、対象分野ごとの積極的な活動を展開するとともに、グループ会社を含めCSR意識の浸透を図る活動を進めております。JFEエンジニアリング㈱およびJFE商事㈱におきましても、コンプライアンス委員会等を主体に活動し、CSRに取り組んでいます。
なお、各事業会社では、環境に対する取り組みを強化するため、独立した環境管理組織を設置するとともに、内部監査部門による環境監査の体制を整備しております。品質管理についてもより一層の徹底に取り組んでおり、品質保証に関する不正の発生を防止するため、設計・製造部門から独立した品質保証管理組織を有し、グループ会社含め品質保証に関する監査を実施しております。
また、JFEホールディングス㈱では、JFEグループが取り組むCSR活動を、マネジメント、環境、社会性の3つの側面から紹介した「JFEグループCSR報告書2019」を作成しております。
⑤ 取締役(業務執行取締役等であるものを除く)および監査役との責任限定契約の内容の概要
当社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)3名および監査役5名と会社法第427条第1項の規定により、同法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しております。なお、当該契約に基づく賠償責任の限度額は法令が規定する額であります。
⑥ 会社の支配に関する基本方針
a.基本方針
当社は、経営支配権の異動は、企業活動・経済の活性化にとって有効な手段の一つであり、当社株式の大規模買付行為が開始された場合において、これを受け入れるかどうかは、原則として、株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。
しかしながら、大規模買付行為またはこれに関する提案につきましては、株主の皆様が、当該大規模買付行為または提案の企業価値および株主共同の利益への影響を的確に判断する必要があると認識しております。そのために、大規模買付者および当社取締役会の双方から、株主の皆様に迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案等の提供と、それらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することといたします。
b.基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社グループは、企業理念である「常に世界最高の技術をもって社会に貢献する」ことを通じて、長期的な観点に立って、企業価値および株主共同の利益の向上に誠実に努めることを経営の基本姿勢としております。
純粋持株会社である当社は、グループの一元的なガバナンスの中心にあって、全グループの戦略策定機能を担うとともに、リスク管理と対外説明責任を果たすなどグループの中核としての業務を遂行しています。透明性の高い経営をめざして、取締役のうち3分の1以上を独立した社外取締役とする方針の下、取締役8名のうち3名を独立した社外取締役としております。また、監査役5名のうち3名を社外監査役としております。さらに監査役1名と第18回定時株主総会で新たに選任された取締役1名が女性であるなど、独立性の向上に加えて多様性の向上にも取り組んでおります。コーポレートガバナンス基本方針の制定、指名委員会・報酬委員会の設置、取締役会の実効性評価、中長期業績に連動した役員株式報酬制度の導入、当社社長の選解任の基本方針やそのプロセスの制定などを通じ、ガバナンスの強化にも取り組んできました。
当社の傘下には、世界トップクラスの銑鋼一貫メーカーであるJFEスチール㈱をはじめ、JFEエンジニアリング㈱、JFE商事㈱の3つの事業会社がそれぞれの事業特性に鑑み最適な事業運営を行い、競争力の強化と収益力の拡大を図っています。鉄鋼業における世界最高水準の製造実力やコスト競争力、グループ全体のシナジーを活かした開発、優れた人的資本など、長年の経営努力と継続的な投資によって蓄積された企業価値の源泉を最大限に活かし、地球環境保全に役立つ技術開発等を含め長期的な視野に立った様々な施策を地道に継続していくことが当社の企業価値の向上と持続的な成長に資するものと考えます。国内製造実力の強靭化や海外事業の推進、ESG課題への取り組み等も着実に実行していきます。
さらに、お客様・株主の皆様・取引先・従業員・地域社会等、全てのステークホルダーの皆様からご支持とご協力がいただけるよう努力してまいります。
c.基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2007年3月1日開催の取締役会において、「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針」(以下「対応方針」という。)の導入を決定し、同年およびその後の対応方針の有効期限である2年ごとの定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき継続しておりましたが、2017年6月23日開催の定時株主総会、さらには2019年6月21日開催の定時株主総会において、対応方針を一部変更(以下、変更後の当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針を「本方針」という。)のうえ継続することについて株主の皆様のご承認をいただきました。
本方針により、具体的には、議決権割合20%以上の当社株式を取得しようとする大規模買付者に対し、大規模買付行為完了後の経営方針および事業計画等の提示を事前に求めます。その後一定期間、当社取締役会は、大規模買付者が本方針に基づくルールを遵守したか否か、あるいは、当該提案内容が当社に回復しがたい損害をもたらすことがないか、企業価値、株主共同の利益を著しく損なうことがないか、という観点から評価、検討を行ない、取締役会としての意見を開示するとともに、大規模買付者と交渉したり、取締役会として株主の皆様へ代替案を提示したりすることがあります。当社は、対抗措置としての新株予約権の無償割当ての実施の是非につき株主の意思を確認する手続きを行い、その承認が得られた場合にのみ当該措置を発動いたします。ただし、大規模買付者が上記の大規模買付ルールを遵守しない場合、あるいは所定の要件(いわゆる高裁四類型)に該当するときに限り、株主意思確認手続きを経ることなく、当社取締役会として対抗措置を発動することがあります。なお、当社取締役会は、対抗措置発動の是非を決定するときは、社外取締役等を中心とする特別委員会に対し諮問し、 特別委員会の勧告を受けるものといたします。取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断にあたっては、特別委員会の勧告を最大限尊重するものといたします。
本方針の詳細については、当社ウェブサイトに掲載しております。
d.上記の取り組みが、上記基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでなく、かつ、会社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
本方針は、当社株式の大規模買付行為が開始された場合において、株主の皆様に迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案等の提供と、それらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することにより、株主の皆様が、当該大規模買付行為の企業価値および株主共同の利益への影響を的確に判断することを担保するためのものです。また、当該大規模買付行為に関する当社取締役会の判断における透明性、客観性、公正性および合理性を担保するため、取締役会から独立した組織として、社外取締役および社外監査役計3名から構成される特別委員会を設置しております。さらに、本方針においては、ルール違反の場合およびいわゆる高裁四類型に該当する場合を除く全ての場合に、対抗措置発動に際し株主の皆様の意思確認手続きを行うこととしており、当社取締役会はその決定に従った対応をとり、経営陣が自己保身のため恣意的に本方針を運用することは不可能な仕組みとなっております。加えて、本方針の継続については2019年6月の定時株主総会で株主の皆様のご承認をいただいております。
従って、上記基本方針に沿った内容であり、株主共同の利益を損なうものではなく、会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
⑦ 取締役の定数および取締役選任の決議要件
当社の取締役は、12名以内とする旨定款に定めております。
また、当社は、取締役の選任決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席することを要し、累積投票によらない旨定款に定めております。
⑧ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができることと定めた事項
当社は、以下の株主総会決議事項につき取締役会で決議することができる旨、定款に定めております。
・機動的な資本政策を遂行できることを目的として、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって、自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。
・株主への機動的な利益還元を行うため、取締役会の決議によって、毎年9月30日の最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録株式質権者に対し、会社法第454条第5項による剰余金の配当(中間配当)をすることができる旨定款に定めております。
・取締役および監査役が期待される役割を十分に発揮できることを目的として、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、同法第423条第1項の取締役および監査役(取締役および監査役であった者を含む)の責任を法令の限度において免除することができる旨定款に定めております。
⑨ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を目的として、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもってこれを行う旨定款に定めております。
(提出日現在)
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は当社およびJFEグループが、持続的な成長および中長期的な企業価値の向上を実現し、企業理念を実践するために最良のコーポレートガバナンスを追及しその更なる充実を図ることを目的として、「コーポレートガバナンス基本方針」を制定し、ホームページに掲載しております。(https://www.jfe-holdings.co.jp/company/governance/index.html)
(1) 当社は、常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組みます。
(2) 当社は、JFEグループの持続的な成長および中長期的な企業価値の向上を図る観点から、次の基本的な考え方に沿って、公正・公平・透明なコーポレートガバナンスの充実に取り組みます。
①株主の権利を尊重し、株主が権利を適切に行使することができる環境の整備と株主の実質的な平等性の確保に取り組む。
②株主のほか、従業員、お客様、取引先、債権者、地域社会をはじめとした様々なステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーと適切に協働する。
③会社情報を適切に開示し、透明性を確保する。
④JFEグループの中核たる持株会社として取締役会による業務執行の監督機能の実効性確保に努める。
⑤持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、株主との間で建設的な対話を行う。
(3)当社はJFEグループのすべての役員・社員が共有し、あらゆる活動の拠り所となる経営の基本原則として、以下のとおり当グループの「企業理念」、「行動規範」、「企業行動指針」を定め、開示します。
「企業理念」JFEグループは、常に世界最高の技術をもって社会に貢献します。 「行動規範」挑戦。柔軟。誠実。 「企業行動指針」JFEグループの役員および社員は、「企業理念」の実現に向けたあらゆる企業活動の実践において、「行動規範」の精神に則るとともに以下の「行動指針」を遵守する。経営トップは自ら率先垂範の上、社内への周知徹底と実効ある体制整備を行い、企業倫理の徹底を図るとともに、サプライチェーンにもこれを促す。本行動指針に反する事態には、経営トップ自らが解決にあたり再発防止に努める。また、社内外への迅速かつ的確な情報公開を行い、権限と責任を明確にした上で厳正な処分を行う。 1.良質な商品・サービスの提供優れた技術に基づいた安全で高品質の商品とサービスの提供に努めるとともに、個人情報・顧客情報の保護に十分配慮し、お客様から高い評価と信頼を得る。また技術に立脚した事業の展開により、グループの持続的な成長と持続可能な社会の実現への貢献を目指す。 2.社会に開かれた企業企業情報についての積極的な公開に加え、幅広いステークホルダーと建設的な対話を行い、企業価値の向上を図る。 3.社会との連携と協調良き企業市民として、社会との連携と協調を図り、積極的な社会貢献に努める。 |
4.グローバル化グローバルな視点をもち、各種の国際規範はもとよりそれぞれの文化や習慣を尊重し、世界の様々な人々との相互理解に努める。 5.地球環境との共存地球環境との共存を図るとともに、快適な暮らしやすい社会の構築に向けて主体的に行動する。 6.政治や行政との関係政治や行政との健全かつ正常な関係の維持・構築に努める。 7.危機管理の徹底市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは、一切の関係を遮断し、違法・不当な要求には応じない。またテロ、サイバー攻撃、自然災害等に備え、組織的な危機管理を徹底し、製品・サービスの安定供給により、市民社会の秩序や安全の維持に貢献する。 8.人権の尊重社会の人々、従業員を個として尊重し、企業活動において一切の差別を行わない。 9.働きがいのある職場環境従業員にとって魅力に富み、安全と健康に配慮した働きがいのある職場を提供する。 10.法令の遵守法令を遵守し、公正で自由な競争に心がけ、適法な事業活動を行うとともに、健全な商慣習に則り、誠実に行動する。 |
② 経営体制および内部統制体制の関係図

③ 経営体制・内部統制体制
a.会社の機関
当社は純粋持株会社であり、多様な事業を展開する3つの事業会社を傘下に置く経営体制となっております。また、当社および事業会社は監査役設置会社であり、取締役による業務執行の監督、監査役による監査の二重の監督機能を有しております。さらに経営の意思決定と業務執行の分離による権限・責任の明確化、および執行の迅速化を図るため、執行役員制を採用しております。当社においては、取締役会(議長:社長)が経営効率の維持・向上に努めつつ、法定事項の決議、重要な経営方針・戦略の策定、業務執行に対する監督を行うとともに、監査役会が経営を監視し、その健全性強化に努めております。
経営の公正性・客観性・透明性を高めることにより、企業価値および株主共同の利益を持続的に向上させることを目的として、これまでガバナンス体制の強化に取り組んできました。2007年6月から社外取締役2名を招聘するとともに、最適な経営を機動的に構築しつつ、経営に対する責任を明確化するために、取締役の任期を2年から1年に短縮しました。
さらに、当社は、2015年10月より取締役等の人事および報酬について公正性、客観性および透明性を担保すべく、取締役会の諮問機関として、指名委員会および報酬委員会を設置しております。
指名委員会および報酬委員会は、それぞれ委員の過半数を社外役員で構成し、委員長は社外役員の中から決定しております。各委員会の構成および委員長は以下のとおりであります。
指名委員会
委員長 山本 正已 取締役(社外)
委員 安藤よし子 取締役(社外)
委員 大八木成男 監査役(社外)
委員 沼上 幹 監査役(社外)
委員 柿木 厚司 取締役(社内)
委員 北野 嘉久 取締役(社内)
報酬委員会
委員長 家守 伸正 取締役(社外)
委員 山本 正已 取締役(社外)
委員 佐長 功 監査役(社外)
委員 沼上 幹 監査役(社外)
委員 柿木 厚司 取締役(社内)
委員 寺畑 雅史 取締役(社内)
指名委員会においては、当社社長の選解任に関する基本方針、当社社長候補者の選任の原案、当社社長の後継者計画ならびに当社の社外取締役候補者および社外監査役候補者の指名に関する事項等について審議し、取締役会に答申・報告しております。
また、報酬委員会においては、当社および各事業会社の役員報酬の基本方針に関する事項等について審議し、取締役会に答申しております。
なお、当社は、2015年度より取締役会全体の実効性についての分析および評価を実施しております。その結果をふまえた取り組みとして、当社グループにおいては、鉄鋼事業に加え、エンジニアリング事業および商社事業も積極的に事業を拡大しつつあり、両事業の経営管理の重要性が増していることから、コーポレートガバナンス体制の更なる充実と、グループ経営体制の一層の強化を図ることを目的として、当社取締役会の構成を見直すこととし、社外取締役1名を含む取締役3名を増員しました。また、監査役会においては、監査体制およびその機能の中立性、独立性をより高めるために、社外監査役を1名増員しました。この結果、当社の取締役会は、引き続き3分の1以上(8名中3名)が、当社の社外役員独立性基準を満たす独立社外取締役となり、監査役会はその過半数(5名中3名)が、当社の社外役員独立性基準を満たす独立社外監査役となっております。取締役会および監査役会の構成は「(2)役員の状況①役員一覧」に記載しております。
b.重要事項の決定
グループを構成する各社の重要事項につきましては、各社規程により明確な決定手続きを定めており、グループとしての経営に関わる重要事項につきましては、JFEホールディングス㈱におきまして、最終的に審議・決定を行う体制としております。
具体的には、各事業会社では、自社および傘下グループ会社の重要事項につき、経営会議等での審議および取締役会での決定を行っております。JFEホールディングス㈱では、グループ全般の経営戦略事項をグループ経営戦略会議で審議、自社・事業会社およびグループ会社の重要個別事項を経営会議で審議しております。その上で取締役会規則に基づき重要事項につき、取締役会での決定を行っております。
JFEホールディングス㈱・JFEスチール㈱・JFEエンジニアリング㈱・JFE商事㈱では、経営会議を1~2回/月開催、取締役会を1~2回/月開催しております。
JFEホールディングス㈱におけるグループ経営戦略会議(議長:社長/事務局:企画部)は、事業会社社長3名を含む社内取締役全員と執行役員で構成され、監査役が出席しており、2~4回/四半期開催しております。経営会議(議長:社長/事務局:企画部)は、2名の常勤社内取締役全員と執行役員で構成され、監査役が出席しております。
また、JFEスチール㈱・JFEエンジニアリング㈱・JFE商事㈱における経営会議(議長:各社社長/事務局:各社経営企画部)は、取締役全員と主要な執行役員、監査役が出席しております。
当社グループにおいては、品種・事業ごとの戦略策定と収益管理の一元化による最適な品種・事業運営を狙いとして、JFEスチール㈱ではセンター・セクター・事業部制を、JFEエンジニアリング㈱では事業部制を、JFE商事㈱では品種・地域別に区分した営業本部制を採用しております。一方、グループ共通の施策として、技術開発に関しては、グループ経営戦略会議で基本方針および重要事項を審議しております。また、グループ情報セキュリティ委員会を設け、情報セキュリティに関する重要課題を審議しております。更に、高度化するサイバー攻撃や情報漏えいリスクから、グループ内の情報資産を守ることを目的に情報セキュリティ・インシデント対応チーム「JFE-SIRT(JFE-Security Integration and Response Team)」を設けております。
c.内部統制体制・リスク管理体制の整備の状況
リスク管理体制を含む当社の内部統制に関する体制につきましては、下記「内部統制体制構築の基本方針」に従って、取締役会規則、グループ経営戦略会議規程、経営会議規程、JFEグループ内部統制委員会規程、JFEグループCSR会議規程、JFEグループコンプライアンス委員会規程、開示検討委員会規程等の各種会議規程、組織・業務規程、および情報保存管理規程を制定すること、ならびに企業倫理ホットラインを設置すること等により整備・運用されております。
(内部統制体制構築の基本方針) 当社は、「JFEグループは、常に世界最高の技術をもって社会に貢献します。」との企業理念の実現と持続性の高い企業体質の確立をめざして、法令および定款を遵守し企業価値の最大化を図るため、以下のとおり内部統制体制を構築する。また、本基本方針およびそれにしたがい構築された内部統制体制については、継続的な見直し、改善に努める。 1.当社および子会社からなる企業集団の業務の適正を確保するために必要な体制 (1)取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制 (ア)取締役、執行役員および使用人の職務権限を組織権限・業務規程等により明確にし、それらに則って職務を執行する。 (イ)コンプライアンス委員会を設置し、倫理法令遵守に関する基本方針および重要事項の審議・決定を行い、施策の実施状況を監督する。 (ウ)倫理法令遵守に関する重要な情報が現場から経営トップに直接伝わる制度(企業倫理ホットライン)を整備し、適切に運用する。 (エ)内部監査部署が法令および定款の遵守状況について監査する。 (2)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 (ア)取締役会、グループ経営戦略会議、経営会議における審議の充実を図るとともに、必要に応じ適切な会議体において審議をつくし決定する。 (イ)内部監査部署が業務の有効性・効率性について監査する。 (3)取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制 (ア)取締役会における決議事項および報告事項に関する情報については、法令にしたがい取締役会議事録を作成し、適切に保存・管理する。 (イ)グループ経営戦略会議、経営会議等、経営の重要事項を審議する会議体に関する情報については、適切に記録、保存・管理する。 (ウ)決裁書等、職務の執行に係る重要な文書等については、適切に作成、保存・管理する。 (4)損失の危険の管理に関する規程その他の体制 (ア)事業活動、倫理法令遵守、財務報告・情報開示等に関するリスク管理については、担当執行役員等がリスクの認識に努め、必要に応じ適切な会議体において確認・評価し、その対処方針を審議・決定する。 (イ)経営の重要事項については、取締役会規則等により決定手続を定め、審議・決定する。 |
(5)企業集団における業務の適正を確保するための体制 (ア)JFEグループに属する会社は、会社の規模、事業の性質、機関の設計、その他会社の個性および特質を踏まえ、必要に応じ本基本方針に定める事項について体制を整備する。 (イ)当社は、グループ経営に関する重要事項ならびに事業会社(当社がその株式を直接保有する重要な事業子会社)および事業会社傘下のグループ会社の重要事項(損失の危険の管理に関する事項を含む。)について、取締役会規則等により決定手続等を定め、適切な会議体等において審議・決定し、または報告を受ける。事業会社は、自社および傘下のグループ会社の重要事項について、取締役会規則等により決定手続等を定め、適切な会議体等において審議・決定し、または報告を受ける。 (ウ)当社は、JFEグループコンプライアンス委員会を設置し、グループの倫理法令遵守に関する基本方針および重要事項の審議・決定を行い、施策の実施状況を監督するとともに、事業会社コンプライアンス委員会と連携し、倫理法令遵守の経営を推進する。 事業会社は、コンプライアンス委員会を設置し、自社および傘下のグループ会社の倫理法令遵守に関する基本方針および重要事項の審議・決定を行い、施策の実施状況を監督する。 また、当社は、企業倫理ホットラインについて、JFEグループ全体の倫理法令遵守に関する重要な情報が現場から経営トップに直接伝わる制度として整備し、適切に運用する。 (エ)当社の内部監査部署は、事業会社の業務の有効性・効率性ならびに法令および定款の遵守状況について、監査し、または事業会社の内部監査部署から報告を受ける。事業会社の内部監査部署は、事業会社傘下のグループ会社の業務の有効性・効率性ならびに法令および定款の遵守状況について、監査し、またはグループ会社の内部監査部署から報告を受ける。 (オ)JFEグループに属する会社は、財務報告の信頼性を確保するために必要な体制、適時適切な情報開示のために必要な体制を整備する。 2.当社監査役の職務の執行のために必要な体制 (1)監査役の職務を補助する使用人に関する事項 監査役の職務を補助する使用人を監査役事務局に置く。 (2)監査役の職務を補助する使用人の取締役からの独立性に関する事項 当該使用人の人事については、監査役と協議する。 (3)監査役の職務を補助する使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項 当該使用人は、監査役の指揮命令下で監査役の職務を補助する業務を行う。 (4)監査役への報告に関する体制 (ア)監査役は、取締役会、グループ経営戦略会議、経営会議およびその他の重要な会議に出席し、報告を受ける。 (イ)取締役、執行役員および使用人は、必要に応じまたは監査役会、監査役の要請に応じ、監査役会、監査役に対して職務の執行状況(事業会社および事業会社傘下のグループ会社に関する重要事項を含む。)を報告する。事業会社または事業会社傘下のグループ会社の取締役、執行役員および使用人は、必要に応じまたは監査役会、監査役の要請に応じ、監査役会、監査役に対して職務の執行状況を報告する。 (ウ)当社は、企業倫理ホットラインについて、監査役に対して直接通報または相談を行うことができる制度として整備する。また、企業倫理ホットライン担当部署が受けた通報または相談された法令違反行為等については、その都度監査役会、監査役に対して、内容を報告する。 |
(5)監査役に報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制 当社は、企業倫理ホットラインについて、監査役に法令違反行為等を通報または相談した者および通報または相談された法令違反行為等を監査役会、監査役に報告した者が不利な取扱いを受けないことを規程に定め適切に運用する。 (6)監査役の職務の執行について生ずる費用の前払または償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項 当社は、監査役の職務執行に必要な費用について請求があった場合、速やかに前払いまたは償還に応じる。 (7)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制 (ア)取締役、執行役員および使用人は、監査役の監査に必要な重要書類の閲覧、実地調査、取締役等との意見交換、子会社調査、子会社監査役との連携等の監査役の活動が円滑に行われるよう、監査環境の整備に協力する。 (イ)監査役は、会計監査人、内部監査部署の監査結果(事業会社または事業会社傘下のグループ会社に関する重要事項を含む。)について適宜報告を受け、それぞれと緊密な連携を図る。 |
④ コンプライアンス体制
JFEグループは、社会を構成する一員としての企業の責任を自覚し、よりよい社会の構築に向けた企業の社会的責任(CSR)を経営の根幹に据え、その取り組みを一層強化してまいります。2005年10月、JFEホールディングス㈱に「JFEグループCSR会議」(議長:社長、1回/3ヶ月程度の開催)を設置し、コンプライアンス、環境、人事労働、安全・防災、社会貢献など多岐にわたる範囲を対象としまして、JFEグループ全体のCSRへの取り組みを監督・指導する体制を構築しております。また、「JFEグループCSR会議」ならびにそのもとに設置される、「グループコンプライアンス委員会」、「グループ環境委員会」、および「グループ内部統制委員会」の各委員会において、コンプライアンス、環境、人事労働、安全・防災、内部統制など多岐にわたる範囲を対象として、JFEグループのCSRへの取り組みについて審議、監督、情報共有等を行っております。
各事業会社においても、CSRへの取り組みを継続しております。JFEスチール㈱では、2005年4月にCSR室を設置したことに続きまして、2005年7月に「CSR会議」(議長:社長)を設置いたしました。「CSR会議」のなかに、コンプライアンス、地球環境、リスクマネジメント、安全・防災、顧客満足、社会貢献などの委員会・部会を設けまして、対象分野ごとの積極的な活動を展開するとともに、グループ会社を含めCSR意識の浸透を図る活動を進めております。JFEエンジニアリング㈱およびJFE商事㈱におきましても、コンプライアンス委員会等を主体に活動し、CSRに取り組んでいます。
なお、各事業会社では、環境に対する取り組みを強化するため、独立した環境管理組織を設置するとともに、内部監査部門による環境監査の体制を整備しております。品質管理についてもより一層の徹底に取り組んでおり、品質保証に関する不正の発生を防止するため、設計・製造部門から独立した品質保証管理組織を有し、グループ会社含め品質保証に関する監査を実施しております。
また、JFEホールディングス㈱では、JFEグループが取り組むCSR活動を、マネジメント、環境、社会性の3つの側面から紹介した「JFEグループCSR報告書2019」を作成しております。
⑤ 取締役(業務執行取締役等であるものを除く)および監査役との責任限定契約の内容の概要
当社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)3名および監査役5名と会社法第427条第1項の規定により、同法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しております。なお、当該契約に基づく賠償責任の限度額は法令が規定する額であります。
⑥ 会社の支配に関する基本方針
a.基本方針
当社は、経営支配権の異動は、企業活動・経済の活性化にとって有効な手段の一つであり、当社株式の大規模買付行為が開始された場合において、これを受け入れるかどうかは、原則として、株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。
しかしながら、大規模買付行為またはこれに関する提案につきましては、株主の皆様が、当該大規模買付行為または提案の企業価値および株主共同の利益への影響を的確に判断する必要があると認識しております。そのために、大規模買付者および当社取締役会の双方から、株主の皆様に迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案等の提供と、それらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することといたします。
b.基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社グループは、企業理念である「常に世界最高の技術をもって社会に貢献する」ことを通じて、長期的な観点に立って、企業価値および株主共同の利益の向上に誠実に努めることを経営の基本姿勢としております。
純粋持株会社である当社は、グループの一元的なガバナンスの中心にあって、全グループの戦略策定機能を担うとともに、リスク管理と対外説明責任を果たすなどグループの中核としての業務を遂行しています。透明性の高い経営をめざして、取締役のうち3分の1以上を独立した社外取締役とする方針の下、取締役8名のうち3名を独立した社外取締役としております。また、監査役5名のうち3名を社外監査役としております。さらに監査役1名と第18回定時株主総会で新たに選任された取締役1名が女性であるなど、独立性の向上に加えて多様性の向上にも取り組んでおります。コーポレートガバナンス基本方針の制定、指名委員会・報酬委員会の設置、取締役会の実効性評価、中長期業績に連動した役員株式報酬制度の導入、当社社長の選解任の基本方針やそのプロセスの制定などを通じ、ガバナンスの強化にも取り組んできました。
当社の傘下には、世界トップクラスの銑鋼一貫メーカーであるJFEスチール㈱をはじめ、JFEエンジニアリング㈱、JFE商事㈱の3つの事業会社がそれぞれの事業特性に鑑み最適な事業運営を行い、競争力の強化と収益力の拡大を図っています。鉄鋼業における世界最高水準の製造実力やコスト競争力、グループ全体のシナジーを活かした開発、優れた人的資本など、長年の経営努力と継続的な投資によって蓄積された企業価値の源泉を最大限に活かし、地球環境保全に役立つ技術開発等を含め長期的な視野に立った様々な施策を地道に継続していくことが当社の企業価値の向上と持続的な成長に資するものと考えます。国内製造実力の強靭化や海外事業の推進、ESG課題への取り組み等も着実に実行していきます。
さらに、お客様・株主の皆様・取引先・従業員・地域社会等、全てのステークホルダーの皆様からご支持とご協力がいただけるよう努力してまいります。
c.基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2007年3月1日開催の取締役会において、「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針」(以下「対応方針」という。)の導入を決定し、同年およびその後の対応方針の有効期限である2年ごとの定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき継続しておりましたが、2017年6月23日開催の定時株主総会、さらには2019年6月21日開催の定時株主総会において、対応方針を一部変更(以下、変更後の当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針を「本方針」という。)のうえ継続することについて株主の皆様のご承認をいただきました。
本方針により、具体的には、議決権割合20%以上の当社株式を取得しようとする大規模買付者に対し、大規模買付行為完了後の経営方針および事業計画等の提示を事前に求めます。その後一定期間、当社取締役会は、大規模買付者が本方針に基づくルールを遵守したか否か、あるいは、当該提案内容が当社に回復しがたい損害をもたらすことがないか、企業価値、株主共同の利益を著しく損なうことがないか、という観点から評価、検討を行ない、取締役会としての意見を開示するとともに、大規模買付者と交渉したり、取締役会として株主の皆様へ代替案を提示したりすることがあります。当社は、対抗措置としての新株予約権の無償割当ての実施の是非につき株主の意思を確認する手続きを行い、その承認が得られた場合にのみ当該措置を発動いたします。ただし、大規模買付者が上記の大規模買付ルールを遵守しない場合、あるいは所定の要件(いわゆる高裁四類型)に該当するときに限り、株主意思確認手続きを経ることなく、当社取締役会として対抗措置を発動することがあります。なお、当社取締役会は、対抗措置発動の是非を決定するときは、社外取締役等を中心とする特別委員会に対し諮問し、 特別委員会の勧告を受けるものといたします。取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断にあたっては、特別委員会の勧告を最大限尊重するものといたします。
本方針の詳細については、当社ウェブサイトに掲載しております。
d.上記の取り組みが、上記基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでなく、かつ、会社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
本方針は、当社株式の大規模買付行為が開始された場合において、株主の皆様に迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案等の提供と、それらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することにより、株主の皆様が、当該大規模買付行為の企業価値および株主共同の利益への影響を的確に判断することを担保するためのものです。また、当該大規模買付行為に関する当社取締役会の判断における透明性、客観性、公正性および合理性を担保するため、取締役会から独立した組織として、社外取締役および社外監査役計3名から構成される特別委員会を設置しております。さらに、本方針においては、ルール違反の場合およびいわゆる高裁四類型に該当する場合を除く全ての場合に、対抗措置発動に際し株主の皆様の意思確認手続きを行うこととしており、当社取締役会はその決定に従った対応をとり、経営陣が自己保身のため恣意的に本方針を運用することは不可能な仕組みとなっております。加えて、本方針の継続については2019年6月の定時株主総会で株主の皆様のご承認をいただいております。
従って、上記基本方針に沿った内容であり、株主共同の利益を損なうものではなく、会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
⑦ 取締役の定数および取締役選任の決議要件
当社の取締役は、12名以内とする旨定款に定めております。
また、当社は、取締役の選任決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席することを要し、累積投票によらない旨定款に定めております。
⑧ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができることと定めた事項
当社は、以下の株主総会決議事項につき取締役会で決議することができる旨、定款に定めております。
・機動的な資本政策を遂行できることを目的として、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって、自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。
・株主への機動的な利益還元を行うため、取締役会の決議によって、毎年9月30日の最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録株式質権者に対し、会社法第454条第5項による剰余金の配当(中間配当)をすることができる旨定款に定めております。
・取締役および監査役が期待される役割を十分に発揮できることを目的として、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、同法第423条第1項の取締役および監査役(取締役および監査役であった者を含む)の責任を法令の限度において免除することができる旨定款に定めております。
⑨ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を目的として、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもってこれを行う旨定款に定めております。