訂正有価証券報告書-第98期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、個人消費の持ち直しや設備投資の増加の動きがみられ、企業収益や雇用情勢が改善するなど、緩やかな回復基調が続いております。また海外においては、米国の景気は堅調を維持しており、アジア地域においては中国の景気は鈍化傾向にあるものの、インドでは景気は概ね堅調に推移しました。一方で、景気の先行きについては、燃料価格の上昇や相次ぐ日本での自然災害の影響、米国の通商問題等による世界経済への懸念もあり、依然不透明な状況が続いております。
このような環境の中で、当連結会計年度の売上高はアジアセグメントを中心に受注量の増加等により増収となった一方で、利益面については、燃料価格の上昇等によるコストアップ要因に加え、減価償却費の増加等も収益圧迫要因となりました。また、米国工場においては、改善プロジェクトを2018年より継続しており生産性の改善の兆しはありますが、収益面の改善が遅れていることから減損損失が発生した影響等により減益となりました。
当社グループでは2016年度からスタートした1618中期経営計画に基づく施策展開を着実に進めるとともに、生産性や収益性の改善に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は128,222百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,529百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の負債は66,928百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,383百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の純資産は61,293百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,146百万円の減少となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高145,428百万円(前期比0.2%増)、営業利益3,228百万円(前期比31.6%減)、経常利益2,905百万円(前期比34.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益421百万円(前期比87.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
ダイカスト事業 日本は、売上高67,998百万円(前期比1.8%増)、セグメント利益871百万円(前期比40.3%減)となりました。ダイカスト事業 北米は、売上高39,801百万円(前期比0.3%減)、セグメント利益123百万円(前期比57.5%減)となりました。ダイカスト事業 アジアは、売上高29,971百万円(前期比1.5%減)、セグメント利益1,841百万円(前期比22.6%減)となりました。
アルミニウム事業は、売上高4,679百万円(前期比1.8%増)、セグメント利益112百万円(前期比47.5%減)となりました。
完成品事業は、売上高2,976百万円(前期比11.7%減)、セグメント利益314百万円(前期比19.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて270百万円増加し2,901百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、16,018百万円(前期は16,908百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,745百万円、売上債権の減少額1,586百万円、減価償却費16,011百万円及び減損損失3,293百万円等の資金増加要因に対し、仕入債務の減少額2,382百万円、投資有価証券売却益2,194百万円及び法人税等の支払額2,594百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、14,150百万円(前期は16,795百万円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入2,901百万円の資金増加要因に対し、有形固定資産の取得による支出15,490百万円及び定期預金の預け入れによる支出1,113百万円の資金減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、1,392百万円(前期は1,391百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入れによる収入60,861百万円及び長期借入れによる収入14,318百万円の資金増加要因に対し、短期借入金の返済による支出60,380百万円、長期借入金の返済による支出15,510百万円及び配当金の支払額619百万円の資金減少要因があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間取引の相殺消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社事業の大部分は、顧客からの受注内示に基づいた見込み生産を行い、納入指示日の数日前に確定する受注に基づいて出荷(売上計上)する形態であるため、受注実績の記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当社グループでは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。
以下、当社グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明いたします。
(投資有価証券及び投資)
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する少数持分を所有しております。これらの投資有価証券には価格変動性が高い公開会社の株式と株価決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。
当社グループは公開会社株式については市場価格などの時価をもって連結貸借対照表に計上し、評価差額は税効果会計適用後の金額を全額純資産の部に計上しております。しかし、時価が著しく下落した場合(50%以上下落した場合)に下落した額について、原則として減損を認識しております。また30%以上~50%未満下落している銘柄については、3年間の時価の推移を捉え時価が回復しない場合に減損を計上しております。
また、非公開会社株式については、投資先の純資産価額の当社持分と、当社グループの帳簿価額とを比較することにより減損の判断を行っております。減損の判断にあたっては、下落幅及び当該投資先会社の財政状態及び将来の業績見通し等を考慮しております。
(貸倒引当金)
当社グループは将来の顧客の支払不能時に発生する損失に備えるため、債権を一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権に分類し、一般債権については過去3年間の貸倒実績率に基づいた貸倒見積高、貸倒懸念債権及び破産更生債権については回収可能額を控除した全額を貸倒見積額として引当計上しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(平成15年10月31日)に基づく固定資産の減損会計を適用しております。有形固定資産等、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。
その資産の市場価額及びその資産を使用した営業活動から生ずる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額となりますが、正味売却価額につきましては不動産鑑定評価額を合理的に調整した価格とし、使用価値については見積将来キャッシュ・フローの現在価値とすることを会計方針としております。今後、事業計画や市場環境の変化等によりこれらの見積りが変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損損失認識の可能性があります。
(繰延税金資産)
企業会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率に基づいて繰延税金資産又は繰延税金負債を計上しております。
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり連結グループ内の個々の会社について今後5年間の利益計画をもとに将来の課税所得の十分性、タックスプランニングの存在の有無及び将来加算一時差異の十分性により繰延税金資産の回収可能性を判断しております。繰延税金資産のうち、将来において実現が不確実であると考えられる部分に対して評価性引当金を計上して繰延税金資産を減額しておりますが、将来の課税所得の見込額の変化や、その他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の減額部分の増減変更により法人税等調整額が増減し親会社株主に帰属する当期純利益(又は親会社株主に帰属する当期純損失)が増減する可能性があります。
(退職給付に係る負債)
当社グループは、将来の従業員の退職金の支払に備え、確定給付型の制度として退職一時金制度及び確定給付企業年金制度、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を採用しております。一部の連結子会社においては、従業員が少ないため高い信頼性をもって数理計算上の見積りを行うことが困難であるため簡便法による処理を行っております。簡便法では決算日における従業員の自己都合退職によった場合における要支給額より年金資産額を控除した額を引当計上しております。当社及び一部の連結子会社においては、原則法により数理計算上の見積りを行っております。原則法によった場合、従業員の退職給付費用及び債務は数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されます。これらの前提条件には、割引率、将来の昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれております。割引率は主に日本の国債の市場利回りを基礎に算出しております。長期期待運用収益率は年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響額は累積され将来にわたって規則的に認識されていくため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
資産は、128,222百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,529百万円の減少となりました。流動資産は42,267百万円で、前連結会計年度末に比べ457百万円減少となり、その主な要因は、現金及び預金が1,397百万円増加した一方、売上債権が2,053百万円減少したことによるものです。固定資産は85,954百万円で、前連結会計年度末に比べ9,072百万円減少となり、その主な要因は、有形固定資産が5,482百万円、投資有価証券が4,033百万円減少したことによるものです。
(負債合計)
負債は、66,928百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,383百万円の減少となりました。流動負債は46,490百万円で、前連結会計年度末に比べ2,485百万円減少となり、その主な要因は、短期借入金が433百万円増加した一方、仕入債務が2,611百万円減少したことによるものです。固定負債は20,438百万円で、前連結会計年度末に比べ2,897百万円の減少となり、その主な要因は、長期借入金が1,338百万円、繰延税金負債が1,396百万円減少したことによるものです。
(純資産合計)
純資産は、61,293百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,146百万円の減少となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が2,320百万円、為替換算調整勘定が1,684百万円減少したことによるものです。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末47.4%から47.7%となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、アジア地域を除き受注量が減少傾向であったものの、地金市況が上昇したことにより、前連結会計年度から260百万円増加し、145,428百万円(前期比0.2%増)となりました。
そのうち、国内売上高は75,655百万円(前期比867百万円増)、海外売上高は69,773百万円(前期比606百万円減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
売上原価は、燃料費の上昇や一過性の減価償却費の増加等により、前連結会計年度から1,802百万円増加し、130,613百万円(前期比1.4%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、労務費の減少等により、前連結会計年度から51百万円減少し、11,586百万円(前期比0.4%減)となりました。
以上の結果、営業利益は3,228百万円(前期比31.6%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益は前連結会計年度から96百万円増加し、571百万円(前期比20.2%増)となりました。
営業外費用は前連結会計年度から137百万円増加し、894百万円(前期比18.1%増)となりました。これは主に為替差損が255百万円増加したこと及び支払利息が110百万円減少したことによるものです。
以上の結果、経常利益は2,905百万円(前期比34.5%減)となりました。
(特別利益)
特別利益は前連結会計年度から2,506百万円増加し、2,600百万円(前期は特別利益94百万円)となりました。これは投資有価証券売却益が2,194百万円発生したことによるものです。
(特別損失)
特別損失は前連結会計年度から3,383百万円増加して3,760百万円(前期比898.1%増)になりました。これは米国及び日本で減損損失が3,293百万円発生したことによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は421百万円(前期比87.8%減)となりました。この結果、当連結会計年度の1株当たり当期純利益は16円26銭(前期は1株当たり当期純利益133円40銭)となりました。
(EBITDA)
当連結会計年度のEBITDA(営業利益+減価償却費)は19,239百万円(前期比1.9%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッ
シュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主要事業であるダイカスト事業を取り巻く全世界の自動車需要については、今後も中国・新興国を中心に成長が続くと予測されております。一方で環境規制が各国・地域で強化されていくため、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車が増加し、更には電気自動車や燃料電池車という全く内燃機関を使わない車へのシフトも予測されますが、電池の蓄電能力や大きさと価格の改善、充電時間や充電インフラの整備、燃料電池車では価格に加えて水素ステーションのインフラ整備など課題は多く、少なくとも2030年ごろまでは従来型とハイブリッド車やプラグインハイブリッド車などの内燃系エンジン搭載車も引き続き需要の拡大が見込まれます。
しかしながら、長期的にはエネルギーの電気シフトは必至と考えられ、小型化や車体構造の変更の他、軽量化材料への転換が進むものと考えられておりますが、当社グループでは軽量でリサイクル性に優れ、設計自由度や生産性に優れるアルミダイカストが車の軽量化分野で大きく貢献できると考えております。
また、エンジンやトランスミッション以外の車体や足回りなどの軽量化ニーズにも応えるために、専門チームを立ち上げ営業活動と市場調査をおこなっており、顧客の求める軽量化対象部品やその要求機能を理解し、それらに対応するものづくり力の強化に繋げ、当社グループの専門分野の拡大と将来の需要構造変化への準備を進めております。
なお、その他経営成績に影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載しております。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要及び財務政策
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び事業拡大のための設備投資資金、配当金の支払等であります。これらの資金需要に対して当社グループでは、主として金融機関からの借入金と自己資金(手元資金と営業活動によって獲得した資金)により事業活動に必要な運転資金や将来の設備投資等に向けた充分な資金を確保しております。
資金調達手段としては、金融機関からの短期借入金、長期借入金で行っており、短期借入金については、月次の売上高の2分の1程度を運転資金として借入を行っております。長期借入金については、設備投資に3年~5年の借入期間で調達を行っております。また、短期借入金については、月次の資金繰り状況に応じ当座借越限度額の範囲内で反復利用を行い、長期借入金については、新規調達を行う一方で約定計画に基づき返済を行っております。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は下記のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
資金の流動性
当社及び国内連結子会社はCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、国内のグループ内資金を当社が一元管理しております。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っており、余剰資金が生じた場合には有利子負債の返済に充てる方針であります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、中長期的な事業発展・企業成長のための財務体質と経営基盤の強化のため、ものづくりを極める施策による原価低減や生産性向上とあわせ、収益管理の質を高め収益力の改善を進めております。当連結会計年度においては、グループ会社間の資金調達や配当により余剰資金を有効活用し、財務力の向上にも努めました。売上高は受注の増加に伴い増収となりましたが、北米の減速等に伴い営業利益、営業利益率及び親会社株主に帰属する当期純利益の各項目は計画未達となりました。当社では2018年1月より北米の改善プロジェクトをスタートし、組織・管理体制の強化、作業員・技術員の教育等を実施し、生産性の改善、安定を図り収益力の増強に努めてまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ダイカスト事業 日本)
日本自動車市場では、国内販売、輸出向け生産共に前期比で概ね横ばいでの推移となっております。当社受注量は、第3四半期まではほぼ前年並みで推移しましたが、一部取引先の生産調整の影響を受けて、前期比減少となりました。売上高はアルミ地金市況の上昇や金型売上等の増加もあり67,998百万円(前期比1.8%増)となりました。収益面においては、燃料費の上昇や減価償却費の増加等の影響を受けセグメント利益は871百万円(前期比40.3%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ308百万円増加し54,834百万円となりました。
(ダイカスト事業 北米)
北米自動車市場は、主要顧客である自動車メーカーの販売がピークアウトを迎える中、普通車がシェアを縮小する一方で、小型トラックやSUVのシェア拡大が続いています。当社米国工場においても、小型トラックやSUVに搭載される部品の受注は好調であり、一昨年の一部部品の生産終了の影響を補い、前期とほぼ同じ受注量となりました。一方のメキシコ工場では、新規部品の量産本格化による受注拡大があったものの、主要顧客である自動車メーカーの北米市場での販売影響を受け受注の減少が見られました。この結果、北米セグメントでの売上高は39,801百万円(前期比0.3%減)となりました。収益面においては、第2四半期での減価償却費の一時的増加や米国工場での改善プロジェクトの収益貢献の遅れ等の影響を受けセグメント利益は123百万円(前期比57.5%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ5,219百万円減少し32,954百万円となりました。
(ダイカスト事業 アジア)
中国では、主要顧客である自動車メーカーにおける販売が下期より減少に転じ、当社の受注量にも影響しています。一方、インドでは、好調であった自動車販売にやや陰りが見えてきたものの、新規部品の量産本格化等により、当社の受注量は増加しております。こうした受注増やアルミ地金市況上昇の一方で、インドルピーに対して円高方向に為替が推移した影響もあり、アジアでの売上高は29,971百万円(前期比1.5%減)となりました。収益面においては、主に中国における労務費等が増加した影響等によりセグメント利益は1,841百万円(前期比22.6%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1,328百万円減少し37,943百万円となりました。
(アルミニウム事業)
アルミニウム事業においては、販売量は前期に比べ減少しましたが、販売単価が前期より高い水準であったこと等により、売上高は4,679百万円(前期比1.8%増)となりました。収益面においては、アルミ相場が高い水準で推移したことによる原材料価格の影響等を受け、セグメント利益は112百万円(前期比47.5%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ324百万円減少し3,019百万円となりました。
(完成品事業)
完成品事業においては、主要販売先である半導体関連企業のクリーンルーム物件や通信会社のデータセンター向け物件等の受注が減少し、売上高は2,976百万円(前期比11.7%減)となりました。収益面においては、主に受注減による影響等により、セグメント利益は314百万円(前期比19.8%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ196百万円増加し2,194百万円となりました。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、個人消費の持ち直しや設備投資の増加の動きがみられ、企業収益や雇用情勢が改善するなど、緩やかな回復基調が続いております。また海外においては、米国の景気は堅調を維持しており、アジア地域においては中国の景気は鈍化傾向にあるものの、インドでは景気は概ね堅調に推移しました。一方で、景気の先行きについては、燃料価格の上昇や相次ぐ日本での自然災害の影響、米国の通商問題等による世界経済への懸念もあり、依然不透明な状況が続いております。
このような環境の中で、当連結会計年度の売上高はアジアセグメントを中心に受注量の増加等により増収となった一方で、利益面については、燃料価格の上昇等によるコストアップ要因に加え、減価償却費の増加等も収益圧迫要因となりました。また、米国工場においては、改善プロジェクトを2018年より継続しており生産性の改善の兆しはありますが、収益面の改善が遅れていることから減損損失が発生した影響等により減益となりました。
当社グループでは2016年度からスタートした1618中期経営計画に基づく施策展開を着実に進めるとともに、生産性や収益性の改善に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は128,222百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,529百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の負債は66,928百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,383百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の純資産は61,293百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,146百万円の減少となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高145,428百万円(前期比0.2%増)、営業利益3,228百万円(前期比31.6%減)、経常利益2,905百万円(前期比34.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益421百万円(前期比87.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
ダイカスト事業 日本は、売上高67,998百万円(前期比1.8%増)、セグメント利益871百万円(前期比40.3%減)となりました。ダイカスト事業 北米は、売上高39,801百万円(前期比0.3%減)、セグメント利益123百万円(前期比57.5%減)となりました。ダイカスト事業 アジアは、売上高29,971百万円(前期比1.5%減)、セグメント利益1,841百万円(前期比22.6%減)となりました。
アルミニウム事業は、売上高4,679百万円(前期比1.8%増)、セグメント利益112百万円(前期比47.5%減)となりました。
完成品事業は、売上高2,976百万円(前期比11.7%減)、セグメント利益314百万円(前期比19.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて270百万円増加し2,901百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、16,018百万円(前期は16,908百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,745百万円、売上債権の減少額1,586百万円、減価償却費16,011百万円及び減損損失3,293百万円等の資金増加要因に対し、仕入債務の減少額2,382百万円、投資有価証券売却益2,194百万円及び法人税等の支払額2,594百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、14,150百万円(前期は16,795百万円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入2,901百万円の資金増加要因に対し、有形固定資産の取得による支出15,490百万円及び定期預金の預け入れによる支出1,113百万円の資金減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、1,392百万円(前期は1,391百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入れによる収入60,861百万円及び長期借入れによる収入14,318百万円の資金増加要因に対し、短期借入金の返済による支出60,380百万円、長期借入金の返済による支出15,510百万円及び配当金の支払額619百万円の資金減少要因があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ダイカスト事業 日本(百万円) | 63,705 | 101.9 |
| ダイカスト事業 北米(百万円) | 37,998 | 99.3 |
| ダイカスト事業 アジア(百万円) | 28,031 | 100.6 |
| アルミニウム事業(百万円) | 8,048 | 99.3 |
| 完成品事業(百万円) | 1,352 | 124.7 |
| 合計(百万円) | 139,136 | 100.9 |
(注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間取引の相殺消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社事業の大部分は、顧客からの受注内示に基づいた見込み生産を行い、納入指示日の数日前に確定する受注に基づいて出荷(売上計上)する形態であるため、受注実績の記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ダイカスト事業 日本(百万円) | 67,998 | 101.8 |
| ダイカスト事業 北米(百万円) | 39,801 | 99.7 |
| ダイカスト事業 アジア(百万円) | 29,971 | 98.5 |
| アルミニウム事業(百万円) | 4,679 | 101.8 |
| 完成品事業(百万円) | 2,976 | 88.3 |
| 合計(百万円) | 145,428 | 100.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社SUBARU | 20,132 | 13.9 | 19,406 | 13.3 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当社グループでは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。
以下、当社グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明いたします。
(投資有価証券及び投資)
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する少数持分を所有しております。これらの投資有価証券には価格変動性が高い公開会社の株式と株価決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。
当社グループは公開会社株式については市場価格などの時価をもって連結貸借対照表に計上し、評価差額は税効果会計適用後の金額を全額純資産の部に計上しております。しかし、時価が著しく下落した場合(50%以上下落した場合)に下落した額について、原則として減損を認識しております。また30%以上~50%未満下落している銘柄については、3年間の時価の推移を捉え時価が回復しない場合に減損を計上しております。
また、非公開会社株式については、投資先の純資産価額の当社持分と、当社グループの帳簿価額とを比較することにより減損の判断を行っております。減損の判断にあたっては、下落幅及び当該投資先会社の財政状態及び将来の業績見通し等を考慮しております。
(貸倒引当金)
当社グループは将来の顧客の支払不能時に発生する損失に備えるため、債権を一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権に分類し、一般債権については過去3年間の貸倒実績率に基づいた貸倒見積高、貸倒懸念債権及び破産更生債権については回収可能額を控除した全額を貸倒見積額として引当計上しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(平成15年10月31日)に基づく固定資産の減損会計を適用しております。有形固定資産等、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。
その資産の市場価額及びその資産を使用した営業活動から生ずる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額となりますが、正味売却価額につきましては不動産鑑定評価額を合理的に調整した価格とし、使用価値については見積将来キャッシュ・フローの現在価値とすることを会計方針としております。今後、事業計画や市場環境の変化等によりこれらの見積りが変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損損失認識の可能性があります。
(繰延税金資産)
企業会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率に基づいて繰延税金資産又は繰延税金負債を計上しております。
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり連結グループ内の個々の会社について今後5年間の利益計画をもとに将来の課税所得の十分性、タックスプランニングの存在の有無及び将来加算一時差異の十分性により繰延税金資産の回収可能性を判断しております。繰延税金資産のうち、将来において実現が不確実であると考えられる部分に対して評価性引当金を計上して繰延税金資産を減額しておりますが、将来の課税所得の見込額の変化や、その他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の減額部分の増減変更により法人税等調整額が増減し親会社株主に帰属する当期純利益(又は親会社株主に帰属する当期純損失)が増減する可能性があります。
(退職給付に係る負債)
当社グループは、将来の従業員の退職金の支払に備え、確定給付型の制度として退職一時金制度及び確定給付企業年金制度、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を採用しております。一部の連結子会社においては、従業員が少ないため高い信頼性をもって数理計算上の見積りを行うことが困難であるため簡便法による処理を行っております。簡便法では決算日における従業員の自己都合退職によった場合における要支給額より年金資産額を控除した額を引当計上しております。当社及び一部の連結子会社においては、原則法により数理計算上の見積りを行っております。原則法によった場合、従業員の退職給付費用及び債務は数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されます。これらの前提条件には、割引率、将来の昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれております。割引率は主に日本の国債の市場利回りを基礎に算出しております。長期期待運用収益率は年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響額は累積され将来にわたって規則的に認識されていくため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
資産は、128,222百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,529百万円の減少となりました。流動資産は42,267百万円で、前連結会計年度末に比べ457百万円減少となり、その主な要因は、現金及び預金が1,397百万円増加した一方、売上債権が2,053百万円減少したことによるものです。固定資産は85,954百万円で、前連結会計年度末に比べ9,072百万円減少となり、その主な要因は、有形固定資産が5,482百万円、投資有価証券が4,033百万円減少したことによるものです。
(負債合計)
負債は、66,928百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,383百万円の減少となりました。流動負債は46,490百万円で、前連結会計年度末に比べ2,485百万円減少となり、その主な要因は、短期借入金が433百万円増加した一方、仕入債務が2,611百万円減少したことによるものです。固定負債は20,438百万円で、前連結会計年度末に比べ2,897百万円の減少となり、その主な要因は、長期借入金が1,338百万円、繰延税金負債が1,396百万円減少したことによるものです。
(純資産合計)
純資産は、61,293百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,146百万円の減少となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が2,320百万円、為替換算調整勘定が1,684百万円減少したことによるものです。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末47.4%から47.7%となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、アジア地域を除き受注量が減少傾向であったものの、地金市況が上昇したことにより、前連結会計年度から260百万円増加し、145,428百万円(前期比0.2%増)となりました。
そのうち、国内売上高は75,655百万円(前期比867百万円増)、海外売上高は69,773百万円(前期比606百万円減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
売上原価は、燃料費の上昇や一過性の減価償却費の増加等により、前連結会計年度から1,802百万円増加し、130,613百万円(前期比1.4%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、労務費の減少等により、前連結会計年度から51百万円減少し、11,586百万円(前期比0.4%減)となりました。
以上の結果、営業利益は3,228百万円(前期比31.6%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益は前連結会計年度から96百万円増加し、571百万円(前期比20.2%増)となりました。
営業外費用は前連結会計年度から137百万円増加し、894百万円(前期比18.1%増)となりました。これは主に為替差損が255百万円増加したこと及び支払利息が110百万円減少したことによるものです。
以上の結果、経常利益は2,905百万円(前期比34.5%減)となりました。
(特別利益)
特別利益は前連結会計年度から2,506百万円増加し、2,600百万円(前期は特別利益94百万円)となりました。これは投資有価証券売却益が2,194百万円発生したことによるものです。
(特別損失)
特別損失は前連結会計年度から3,383百万円増加して3,760百万円(前期比898.1%増)になりました。これは米国及び日本で減損損失が3,293百万円発生したことによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は421百万円(前期比87.8%減)となりました。この結果、当連結会計年度の1株当たり当期純利益は16円26銭(前期は1株当たり当期純利益133円40銭)となりました。
(EBITDA)
当連結会計年度のEBITDA(営業利益+減価償却費)は19,239百万円(前期比1.9%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッ
シュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主要事業であるダイカスト事業を取り巻く全世界の自動車需要については、今後も中国・新興国を中心に成長が続くと予測されております。一方で環境規制が各国・地域で強化されていくため、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車が増加し、更には電気自動車や燃料電池車という全く内燃機関を使わない車へのシフトも予測されますが、電池の蓄電能力や大きさと価格の改善、充電時間や充電インフラの整備、燃料電池車では価格に加えて水素ステーションのインフラ整備など課題は多く、少なくとも2030年ごろまでは従来型とハイブリッド車やプラグインハイブリッド車などの内燃系エンジン搭載車も引き続き需要の拡大が見込まれます。
しかしながら、長期的にはエネルギーの電気シフトは必至と考えられ、小型化や車体構造の変更の他、軽量化材料への転換が進むものと考えられておりますが、当社グループでは軽量でリサイクル性に優れ、設計自由度や生産性に優れるアルミダイカストが車の軽量化分野で大きく貢献できると考えております。
また、エンジンやトランスミッション以外の車体や足回りなどの軽量化ニーズにも応えるために、専門チームを立ち上げ営業活動と市場調査をおこなっており、顧客の求める軽量化対象部品やその要求機能を理解し、それらに対応するものづくり力の強化に繋げ、当社グループの専門分野の拡大と将来の需要構造変化への準備を進めております。
なお、その他経営成績に影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載しております。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要及び財務政策
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び事業拡大のための設備投資資金、配当金の支払等であります。これらの資金需要に対して当社グループでは、主として金融機関からの借入金と自己資金(手元資金と営業活動によって獲得した資金)により事業活動に必要な運転資金や将来の設備投資等に向けた充分な資金を確保しております。
資金調達手段としては、金融機関からの短期借入金、長期借入金で行っており、短期借入金については、月次の売上高の2分の1程度を運転資金として借入を行っております。長期借入金については、設備投資に3年~5年の借入期間で調達を行っております。また、短期借入金については、月次の資金繰り状況に応じ当座借越限度額の範囲内で反復利用を行い、長期借入金については、新規調達を行う一方で約定計画に基づき返済を行っております。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は下記のとおりであります。
| 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 41.2 | 42.4 | 45.8 | 47.4 | 47.7 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 13.5 | 13.6 | 21.8 | 17.7 | 12.8 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | 374.6 | 235.0 | 150.6 | 186.6 | 191.9 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 10.2 | 14.4 | 25.0 | 26.0 | 29.4 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
資金の流動性
当社及び国内連結子会社はCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、国内のグループ内資金を当社が一元管理しております。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っており、余剰資金が生じた場合には有利子負債の返済に充てる方針であります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、中長期的な事業発展・企業成長のための財務体質と経営基盤の強化のため、ものづくりを極める施策による原価低減や生産性向上とあわせ、収益管理の質を高め収益力の改善を進めております。当連結会計年度においては、グループ会社間の資金調達や配当により余剰資金を有効活用し、財務力の向上にも努めました。売上高は受注の増加に伴い増収となりましたが、北米の減速等に伴い営業利益、営業利益率及び親会社株主に帰属する当期純利益の各項目は計画未達となりました。当社では2018年1月より北米の改善プロジェクトをスタートし、組織・管理体制の強化、作業員・技術員の教育等を実施し、生産性の改善、安定を図り収益力の増強に努めてまいります。
| 2019年3月期 (当初計画) | 2019年3月期 (実績) | 2020年3月期 (計画) | |
| 売上高(百万円) | 152,000 | 145,428 | 134,000 |
| 営業利益(百万円) | 5,800 | 3,228 | 2,700 |
| 営業利益率(%) | 3.8 | 2.2 | 2.0 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 3,600 | 421 | 1,700 |
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ダイカスト事業 日本)
日本自動車市場では、国内販売、輸出向け生産共に前期比で概ね横ばいでの推移となっております。当社受注量は、第3四半期まではほぼ前年並みで推移しましたが、一部取引先の生産調整の影響を受けて、前期比減少となりました。売上高はアルミ地金市況の上昇や金型売上等の増加もあり67,998百万円(前期比1.8%増)となりました。収益面においては、燃料費の上昇や減価償却費の増加等の影響を受けセグメント利益は871百万円(前期比40.3%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ308百万円増加し54,834百万円となりました。
(ダイカスト事業 北米)
北米自動車市場は、主要顧客である自動車メーカーの販売がピークアウトを迎える中、普通車がシェアを縮小する一方で、小型トラックやSUVのシェア拡大が続いています。当社米国工場においても、小型トラックやSUVに搭載される部品の受注は好調であり、一昨年の一部部品の生産終了の影響を補い、前期とほぼ同じ受注量となりました。一方のメキシコ工場では、新規部品の量産本格化による受注拡大があったものの、主要顧客である自動車メーカーの北米市場での販売影響を受け受注の減少が見られました。この結果、北米セグメントでの売上高は39,801百万円(前期比0.3%減)となりました。収益面においては、第2四半期での減価償却費の一時的増加や米国工場での改善プロジェクトの収益貢献の遅れ等の影響を受けセグメント利益は123百万円(前期比57.5%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ5,219百万円減少し32,954百万円となりました。
(ダイカスト事業 アジア)
中国では、主要顧客である自動車メーカーにおける販売が下期より減少に転じ、当社の受注量にも影響しています。一方、インドでは、好調であった自動車販売にやや陰りが見えてきたものの、新規部品の量産本格化等により、当社の受注量は増加しております。こうした受注増やアルミ地金市況上昇の一方で、インドルピーに対して円高方向に為替が推移した影響もあり、アジアでの売上高は29,971百万円(前期比1.5%減)となりました。収益面においては、主に中国における労務費等が増加した影響等によりセグメント利益は1,841百万円(前期比22.6%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1,328百万円減少し37,943百万円となりました。
(アルミニウム事業)
アルミニウム事業においては、販売量は前期に比べ減少しましたが、販売単価が前期より高い水準であったこと等により、売上高は4,679百万円(前期比1.8%増)となりました。収益面においては、アルミ相場が高い水準で推移したことによる原材料価格の影響等を受け、セグメント利益は112百万円(前期比47.5%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ324百万円減少し3,019百万円となりました。
(完成品事業)
完成品事業においては、主要販売先である半導体関連企業のクリーンルーム物件や通信会社のデータセンター向け物件等の受注が減少し、売上高は2,976百万円(前期比11.7%減)となりました。収益面においては、主に受注減による影響等により、セグメント利益は314百万円(前期比19.8%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ196百万円増加し2,194百万円となりました。