有価証券報告書-第99期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、当初、先進国を中心とした堅調な雇用情勢により全体としては底堅さを維持していましたが、米中貿易摩擦の動向などの先行き懸念要因に加え、2020年1月以降の世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、年度後半に急激に悪化する結果となりました。我が国経済も、これらの影響を色濃く受け、外需の減少や輸出鈍化を余儀なくされた他、国内における相次ぐ自然災害などによる内需の減少、年度末の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、大きく悪化することとなりました。
当社の主要顧客である自動車業界を取り巻く環境も、米中貿易摩擦の長期化による世界経済への影響、中国やインド経済の先行き懸念などに加え、12月決算の中国、メキシコ以外のダイカスト拠点では第4四半期以降の新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、自動車販売は大きな減速となりました。当社のダイカスト事業の販売量も、こうした自動車販売の大きな減速を受け国内・海外ともに前年を下回る状況になっています。
こうした厳しい事業環境の中、当社グループでは今年度からスタートした1921中期経営計画に基づく施策展開を着実に進め、原価低減・経費削減や生産性改善による収益性の改善に努めてまいる所存です。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた急速な販売量減少に対処するため、販売量に対応した生産体制の見直し、設備投資の抑制、経費削減等の緊急施策にも取り組み、収益性の改善に努めてまいります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は123,054百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,167百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の負債は65,689百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,239百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の純資産は57,364百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,928百万円の減少となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高120,577百万円(前期比17.1%減)、営業利益764百万円(前期比76.3%減)、経常利益406百万円(前期比86.0%減)となりました。また、繰延税金資産の取崩しによる税金費用の発生等により、親会社株主に帰属する当期純損失は685百万円(前期は421百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
ダイカスト事業 日本は、売上高59,500百万円(前期比12.5%減)、セグメント損失444百万円(前期はセグメント利益871百万円)となりました。ダイカスト事業 北米は、売上高30,633百万円(前期比23.0%減)、セグメント利益635百万円(前期比416.3%増)となりました。ダイカスト事業 アジアは、売上高23,846百万円(前期比20.4%減)、セグメント利益3百万円(前期比99.8%減)となりました。
アルミニウム事業は、売上高3,993百万円(前期比14.7%減)、セグメント利益169百万円(前期比50.9%増)となりました。
完成品事業は、売上高2,603百万円(前期比12.5%減)、セグメント利益277百万円(前期比11.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて831百万円増加し3,732百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、16,474百万円(前期は16,018百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益586百万円、売上債権の減少額4,827百万円、減価償却費14,329百万円及び減損損失60百万円等の資金増加要因に対し、仕入債務の減少額3,284百万円、法人税等の支払額1,501百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、17,691百万円(前期は14,150百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入1,078百万円の資金増加要因に対し、有形固定資産の取得による支出18,374百万円及び定期預金の預け入れによる支出462百万円の資金減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は、2,162百万円(前期は1,392百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入れによる収入67,362百万円及び長期借入れによる収入9,094百万円の資金増加要因に対し、短期借入金の返済による支出62,761百万円、長期借入金の返済による支出10,503百万円及び配当金の支払額513百万円の資金減少要因があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間取引の相殺消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社事業の大部分は、顧客からの受注内示に基づいた見込み生産を行い、納入指示日の数日前に確定する受注に基づいて出荷(売上計上)する形態であるため、受注実績の記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当社グループでは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しておりますが、見積り特有の不確実性があることから、実際の結果と異なる可能性があります。
以下、当社グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明いたします。
なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定における新型コロナウイルスの感染症拡大による影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
(投資有価証券及び投資)
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する少数持分を所有しております。これらの投資有価証券には価格変動性が高い公開会社の株式と株価決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。
当社グループは、公開会社株式については市場価格などの時価をもって連結貸借対照表に計上し、評価差額は税効果会計適用後の金額を全額純資産の部に計上しております。しかし、時価が著しく下落した場合(50%以上下落した場合)に下落した額について、原則として減損を認識しております。また30%以上~50%未満下落している銘柄については、3年間の時価の推移を捉え時価が回復しない場合に減損を計上しております。
また、非公開会社株式については、投資先の純資産価額の当社持分と、当社グループの帳簿価額とを比較することにより減損の判断を行っております。減損の判断にあたっては、下落幅及び当該投資先会社の財政状態及び将来の業績見通し等を考慮しております。
(貸倒引当金)
当社グループは、将来の顧客の支払不能時に発生する損失に備えるため、債権を一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権に分類し、一般債権については過去3年間の貸倒実績率に基づいた貸倒見積高、貸倒懸念債権及び破産更生債権については回収可能額を控除した全額を貸倒見積額として引当計上しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(平成15年10月31日)に基づく固定資産の減損会計を適用しております。有形固定資産等、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。
その資産の市場価額及びその資産を使用した営業活動から生ずる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額となりますが、正味売却価額につきましては不動産鑑定評価額を合理的に調整した価格とし、使用価値については見積将来キャッシュ・フローの現在価値とすることを会計方針としております。今後、事業計画や市場環境の変化等によりこれらの見積りが変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損損失認識の可能性があります。
(繰延税金資産)
企業会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率に基づいて繰延税金資産又は繰延税金負債を計上しております。
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり連結グループ内の個々の会社について今後5年間の利益計画をもとに将来の課税所得の十分性、タックスプランニングの存在の有無及び将来加算一時差異の十分性により繰延税金資産の回収可能性を判断しております。繰延税金資産のうち、将来において実現が不確実であると考えられる部分に対して評価性引当金を計上して繰延税金資産を減額しておりますが、将来の課税所得の見込額の変化や、その他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の減額部分の増減変更により法人税等調整額が増減し親会社株主に帰属する当期純利益(又は親会社株主に帰属する当期純損失)が増減する可能性があります。
(退職給付に係る負債)
当社グループは、将来の従業員の退職金の支払に備え、確定給付型の制度として退職一時金制度及び確定給付企業年金制度、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を採用しております。一部の連結子会社においては、従業員が少ないため高い信頼性をもって数理計算上の見積りを行うことが困難であるため簡便法による処理を行っております。簡便法では決算日における従業員の自己都合退職によった場合における要支給額より年金資産額を控除した額を引当計上しております。当社及び一部の連結子会社においては、原則法により数理計算上の見積りを行っております。原則法によった場合、従業員の退職給付費用及び債務は数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されます。これらの前提条件には、割引率、将来の昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれております。割引率は主に日本の国債の市場利回りを基礎に算出しております。長期期待運用収益率は年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響額は累積され将来にわたって規則的に認識されていくため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
資産は、123,054百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,167百万円の減少となりました。流動資産は35,247百万円で、前連結会計年度末に比べ7,020百万円減少となり、その主な要因は、現金及び預金が139百万円増加した一方、売上債権が5,311百万円減少したことによるものです。固定資産は87,806百万円で、前連結会計年度末に比べ1,852百万円増加となり、その主な要因は、投資有価証券が1,664百万円減少した一方、有形固定資産が2,993百万円増加したことによるものです。
(負債合計)
負債は、65,689百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,239百万円の減少となりました。流動負債は43,390百万円で、前連結会計年度末に比べ3,099百万円減少となり、その主な要因は、短期借入金が4,532百万円増加した一方、仕入債務が3,405百万円および1年内返済予定の長期借入金2,448百万円減少したことによるものです。固定負債は22,298百万円で、前連結会計年度末に比べ1,860百万円の増加となり、その主な要因は、長期借入金が874百万円、繰延税金負債が561百万円増加したことによるものです。
(純資産合計)
純資産は、57,364百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,928百万円の減少となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が1,089百万円、為替換算調整勘定が1,437百万円減少したことによるものです。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末47.7%から46.5%となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、アジアの自動車市場の低迷、主要顧客である自動車メーカーの生産量減少等により、受注量が減少したため、前連結会計年度から24,851百万円減少し、120,577百万円(前期比17.1%減)となりました。
そのうち、国内売上高は66,096百万円(前期比9,558百万円減)、海外売上高は54,480百万円(前期比15,292百万円減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
売上原価は、販売量の減少等に伴い、前連結会計年度から22,077百万円減少し、108,536百万円(前期比16.9%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、運搬費の減少等により、前連結会計年度から309百万円減少し、11,276百万円(前期比2.7%減)となりました。
以上の結果、営業利益は764百万円(前期比76.3%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益は前連結会計年度から162百万円減少し、409百万円(前期比28.3%減)となりました。これは主に受取配当金が90百万円減少したことによるものです。
営業外費用は前連結会計年度から128百万円減少し、766百万円(前期比14.3%減)となりました。これは主に為替差損が89百万円減少したことによるものです。
以上の結果、経常利益は406百万円(前期比86.0%減)となりました。
(特別利益)
特別利益は前連結会計年度から2,023百万円減少し、577百万円(前期は特別利益2,600百万円)となりました。これは投資有価証券売却益が2,140百万円減少したことによるものです。
(特別損失)
特別損失は前連結会計年度から3,362百万円減少し、398百万円(前期は特別損失3,760百万円)になりました。これは減損損失が3,233百万円減少したことによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、繰延税金資産の取崩しによる税金費用の発生等により、685百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益421百万円)となりました。この結果、当連結会計年度の1株当たり当期純損失は26円77銭(前期は1株当たり当期純利益16円26銭)となりました。
(EBITDA)
当連結会計年度のEBITDA(営業利益+減価償却費)は15,093百万円(前期比21.5%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッ
シュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要及び財務政策
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び事業拡大のための設備投資資金、配当金の支払等であります。これらの資金需要に対して当社グループでは、主として金融機関からの借入金と自己資金(手元資金と営業活動によって獲得した資金)により事業活動に必要な運転資金や将来の設備投資等に向けた充分な資金を確保しております。
資金調達手段としては、金融機関からの短期借入金、長期借入金で行っており、短期借入金については、月次の売上高の2分の1程度を運転資金として借入を行っております。長期借入金については、設備投資に3年~5年の借入期間で調達を行っております。また、短期借入金については、月次の資金繰り状況に応じ当座借越限度額の範囲内で反復利用を行い、長期借入金については、新規調達を行う一方で約定計画に基づき返済を行っております。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は下記のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
資金の流動性
当社及び国内連結子会社はCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、国内のグループ内資金を当社が一元管理しております。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っており、余剰資金が生じた場合には有利子負債の返済に充てる方針であります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、中長期的な事業発展・企業成長のための財務体質と経営基盤の強化のため、ものづくりを極める施策による原価低減や生産性向上とあわせ、収益管理の質を高め収益力の改善を進めております。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、自動車販売は大きな減速となりました。当社のダイカスト事業の販売量も、こうした自動車販売の大きな減速を受け前年を下回る状況になっております。
(注)2021年3月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大している影響により、現時点で合理的な算出が困難な状況であることから未定としております。今後の業績への影響を慎重に見極め、合理的な予想の開示が可能となった時点で速やかに公表いたします。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ダイカスト事業 日本)
日本自動車市場では、当社主要顧客である自動車メーカーの生産量が、国内需要の減退、北米や東南アジア向けの輸出減少により前年割れとなる中で、当社もその影響を受け受注量が減少しました。また、アルミ地金市況が下落に転じたこともあり、売上高は59,500百万円(前期比12.5%減)となりました。収益面においては、製造コストの削減等に努めたものの、売上高減少の影響が大きく、セグメント損失444百万円(前期はセグメント利益871百万円)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1,060百万円減少し53,773百万円となりました。
(ダイカスト事業 北米)
北米自動車市場では、自動車メーカーの生産量は僅かながら前年割れという状況が続いていた中で、年度末にかけては新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、車両生産量が前年割れとなりました。当社米国工場では、この市場減速の影響、また一部顧客におけるストライキによる稼働停止の影響もあり、売上が大きく減少しました。一方のメキシコ工場においても、主要顧客である自動車メーカーの販売低迷影響を受け、売上が減少しました。また、北米両拠点にてアルミ地金市況が下落している事もあり、その結果、北米セグメントでの売上高は30,633百万円(前期比23.0%減)となりました。収益面においては、販売量減少の影響があるものの、減価償却費の負担軽減等により、セグメント利益635百万円(前期比416.3%増)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ3,475百万円減少し29,478百万円となりました。
(ダイカスト事業 アジア)
中国では、自動車販売の減少が続いている中で、特に中国ローカルメーカーの販売減少が当社の受注量に大きく影響を及ぼしました。一方インドでも、自動車ローンの貸出厳格化や排ガス規制強化に伴う買い控え等の影響を受け、自動車販売が前年を割り込む状況が続き、受注が大きく減少しました。こうした中国、インドでの自動車販売の減少に加え、アルミ地金価格の下落も影響し、アジアでの売上高は23,846百万円(前期比20.4%減)となりました。収益面においては、売上高減少の影響が大きく、セグメント利益3百万円(前期比99.8%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ348百万円増加し38,291百万円となりました。
(アルミニウム事業)
アルミニウム事業においては、前年と同水準の販売重量を維持したものの、アルミニウム相場が下落した影響で販売単価が低い水準となったことにより、売上高は3,993百万円(前期比14.7%減)となりました。収益面においては、アルミニウム相場の下落で原材料価格が下がり、セグメント利益は169百万円(前期比50.9%増)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ630百万円減少し2,388百万円となりました。
(完成品事業)
完成品事業においては、主要販売先である半導体関連企業のクリーンルーム物件や通信会社のデータセンター向け物件等の受注が減少し、売上高は2,603百万円(前期比12.5%減)となりました。収益面においては、主に受注減による影響等により、セグメント利益は277百万円(前期比11.9%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ911百万円減少し1,282百万円となりました。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、当初、先進国を中心とした堅調な雇用情勢により全体としては底堅さを維持していましたが、米中貿易摩擦の動向などの先行き懸念要因に加え、2020年1月以降の世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、年度後半に急激に悪化する結果となりました。我が国経済も、これらの影響を色濃く受け、外需の減少や輸出鈍化を余儀なくされた他、国内における相次ぐ自然災害などによる内需の減少、年度末の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、大きく悪化することとなりました。
当社の主要顧客である自動車業界を取り巻く環境も、米中貿易摩擦の長期化による世界経済への影響、中国やインド経済の先行き懸念などに加え、12月決算の中国、メキシコ以外のダイカスト拠点では第4四半期以降の新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、自動車販売は大きな減速となりました。当社のダイカスト事業の販売量も、こうした自動車販売の大きな減速を受け国内・海外ともに前年を下回る状況になっています。
こうした厳しい事業環境の中、当社グループでは今年度からスタートした1921中期経営計画に基づく施策展開を着実に進め、原価低減・経費削減や生産性改善による収益性の改善に努めてまいる所存です。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた急速な販売量減少に対処するため、販売量に対応した生産体制の見直し、設備投資の抑制、経費削減等の緊急施策にも取り組み、収益性の改善に努めてまいります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は123,054百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,167百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の負債は65,689百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,239百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の純資産は57,364百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,928百万円の減少となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高120,577百万円(前期比17.1%減)、営業利益764百万円(前期比76.3%減)、経常利益406百万円(前期比86.0%減)となりました。また、繰延税金資産の取崩しによる税金費用の発生等により、親会社株主に帰属する当期純損失は685百万円(前期は421百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
ダイカスト事業 日本は、売上高59,500百万円(前期比12.5%減)、セグメント損失444百万円(前期はセグメント利益871百万円)となりました。ダイカスト事業 北米は、売上高30,633百万円(前期比23.0%減)、セグメント利益635百万円(前期比416.3%増)となりました。ダイカスト事業 アジアは、売上高23,846百万円(前期比20.4%減)、セグメント利益3百万円(前期比99.8%減)となりました。
アルミニウム事業は、売上高3,993百万円(前期比14.7%減)、セグメント利益169百万円(前期比50.9%増)となりました。
完成品事業は、売上高2,603百万円(前期比12.5%減)、セグメント利益277百万円(前期比11.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて831百万円増加し3,732百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、16,474百万円(前期は16,018百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益586百万円、売上債権の減少額4,827百万円、減価償却費14,329百万円及び減損損失60百万円等の資金増加要因に対し、仕入債務の減少額3,284百万円、法人税等の支払額1,501百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、17,691百万円(前期は14,150百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入1,078百万円の資金増加要因に対し、有形固定資産の取得による支出18,374百万円及び定期預金の預け入れによる支出462百万円の資金減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は、2,162百万円(前期は1,392百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入れによる収入67,362百万円及び長期借入れによる収入9,094百万円の資金増加要因に対し、短期借入金の返済による支出62,761百万円、長期借入金の返済による支出10,503百万円及び配当金の支払額513百万円の資金減少要因があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ダイカスト事業 日本(百万円) | 54,988 | 86.3 |
| ダイカスト事業 北米(百万円) | 28,406 | 74.8 |
| ダイカスト事業 アジア(百万円) | 23,254 | 83.0 |
| アルミニウム事業(百万円) | 6,189 | 76.9 |
| 完成品事業(百万円) | 736 | 54.4 |
| 合計(百万円) | 113,576 | 81.6 |
(注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間取引の相殺消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社事業の大部分は、顧客からの受注内示に基づいた見込み生産を行い、納入指示日の数日前に確定する受注に基づいて出荷(売上計上)する形態であるため、受注実績の記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ダイカスト事業 日本(百万円) | 59,500 | 87.5 |
| ダイカスト事業 北米(百万円) | 30,633 | 77.0 |
| ダイカスト事業 アジア(百万円) | 23,846 | 79.6 |
| アルミニウム事業(百万円) | 3,993 | 85.3 |
| 完成品事業(百万円) | 2,603 | 87.5 |
| 合計(百万円) | 120,577 | 82.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社SUBARU | 19,406 | 13.3 | 17,345 | 14.4 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当社グループでは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しておりますが、見積り特有の不確実性があることから、実際の結果と異なる可能性があります。
以下、当社グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明いたします。
なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定における新型コロナウイルスの感染症拡大による影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
(投資有価証券及び投資)
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する少数持分を所有しております。これらの投資有価証券には価格変動性が高い公開会社の株式と株価決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。
当社グループは、公開会社株式については市場価格などの時価をもって連結貸借対照表に計上し、評価差額は税効果会計適用後の金額を全額純資産の部に計上しております。しかし、時価が著しく下落した場合(50%以上下落した場合)に下落した額について、原則として減損を認識しております。また30%以上~50%未満下落している銘柄については、3年間の時価の推移を捉え時価が回復しない場合に減損を計上しております。
また、非公開会社株式については、投資先の純資産価額の当社持分と、当社グループの帳簿価額とを比較することにより減損の判断を行っております。減損の判断にあたっては、下落幅及び当該投資先会社の財政状態及び将来の業績見通し等を考慮しております。
(貸倒引当金)
当社グループは、将来の顧客の支払不能時に発生する損失に備えるため、債権を一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権に分類し、一般債権については過去3年間の貸倒実績率に基づいた貸倒見積高、貸倒懸念債権及び破産更生債権については回収可能額を控除した全額を貸倒見積額として引当計上しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(平成15年10月31日)に基づく固定資産の減損会計を適用しております。有形固定資産等、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。
その資産の市場価額及びその資産を使用した営業活動から生ずる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額となりますが、正味売却価額につきましては不動産鑑定評価額を合理的に調整した価格とし、使用価値については見積将来キャッシュ・フローの現在価値とすることを会計方針としております。今後、事業計画や市場環境の変化等によりこれらの見積りが変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損損失認識の可能性があります。
(繰延税金資産)
企業会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率に基づいて繰延税金資産又は繰延税金負債を計上しております。
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり連結グループ内の個々の会社について今後5年間の利益計画をもとに将来の課税所得の十分性、タックスプランニングの存在の有無及び将来加算一時差異の十分性により繰延税金資産の回収可能性を判断しております。繰延税金資産のうち、将来において実現が不確実であると考えられる部分に対して評価性引当金を計上して繰延税金資産を減額しておりますが、将来の課税所得の見込額の変化や、その他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の減額部分の増減変更により法人税等調整額が増減し親会社株主に帰属する当期純利益(又は親会社株主に帰属する当期純損失)が増減する可能性があります。
(退職給付に係る負債)
当社グループは、将来の従業員の退職金の支払に備え、確定給付型の制度として退職一時金制度及び確定給付企業年金制度、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を採用しております。一部の連結子会社においては、従業員が少ないため高い信頼性をもって数理計算上の見積りを行うことが困難であるため簡便法による処理を行っております。簡便法では決算日における従業員の自己都合退職によった場合における要支給額より年金資産額を控除した額を引当計上しております。当社及び一部の連結子会社においては、原則法により数理計算上の見積りを行っております。原則法によった場合、従業員の退職給付費用及び債務は数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されます。これらの前提条件には、割引率、将来の昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれております。割引率は主に日本の国債の市場利回りを基礎に算出しております。長期期待運用収益率は年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響額は累積され将来にわたって規則的に認識されていくため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
資産は、123,054百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,167百万円の減少となりました。流動資産は35,247百万円で、前連結会計年度末に比べ7,020百万円減少となり、その主な要因は、現金及び預金が139百万円増加した一方、売上債権が5,311百万円減少したことによるものです。固定資産は87,806百万円で、前連結会計年度末に比べ1,852百万円増加となり、その主な要因は、投資有価証券が1,664百万円減少した一方、有形固定資産が2,993百万円増加したことによるものです。
(負債合計)
負債は、65,689百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,239百万円の減少となりました。流動負債は43,390百万円で、前連結会計年度末に比べ3,099百万円減少となり、その主な要因は、短期借入金が4,532百万円増加した一方、仕入債務が3,405百万円および1年内返済予定の長期借入金2,448百万円減少したことによるものです。固定負債は22,298百万円で、前連結会計年度末に比べ1,860百万円の増加となり、その主な要因は、長期借入金が874百万円、繰延税金負債が561百万円増加したことによるものです。
(純資産合計)
純資産は、57,364百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,928百万円の減少となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が1,089百万円、為替換算調整勘定が1,437百万円減少したことによるものです。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末47.7%から46.5%となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、アジアの自動車市場の低迷、主要顧客である自動車メーカーの生産量減少等により、受注量が減少したため、前連結会計年度から24,851百万円減少し、120,577百万円(前期比17.1%減)となりました。
そのうち、国内売上高は66,096百万円(前期比9,558百万円減)、海外売上高は54,480百万円(前期比15,292百万円減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
売上原価は、販売量の減少等に伴い、前連結会計年度から22,077百万円減少し、108,536百万円(前期比16.9%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、運搬費の減少等により、前連結会計年度から309百万円減少し、11,276百万円(前期比2.7%減)となりました。
以上の結果、営業利益は764百万円(前期比76.3%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益は前連結会計年度から162百万円減少し、409百万円(前期比28.3%減)となりました。これは主に受取配当金が90百万円減少したことによるものです。
営業外費用は前連結会計年度から128百万円減少し、766百万円(前期比14.3%減)となりました。これは主に為替差損が89百万円減少したことによるものです。
以上の結果、経常利益は406百万円(前期比86.0%減)となりました。
(特別利益)
特別利益は前連結会計年度から2,023百万円減少し、577百万円(前期は特別利益2,600百万円)となりました。これは投資有価証券売却益が2,140百万円減少したことによるものです。
(特別損失)
特別損失は前連結会計年度から3,362百万円減少し、398百万円(前期は特別損失3,760百万円)になりました。これは減損損失が3,233百万円減少したことによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、繰延税金資産の取崩しによる税金費用の発生等により、685百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益421百万円)となりました。この結果、当連結会計年度の1株当たり当期純損失は26円77銭(前期は1株当たり当期純利益16円26銭)となりました。
(EBITDA)
当連結会計年度のEBITDA(営業利益+減価償却費)は15,093百万円(前期比21.5%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッ
シュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要及び財務政策
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び事業拡大のための設備投資資金、配当金の支払等であります。これらの資金需要に対して当社グループでは、主として金融機関からの借入金と自己資金(手元資金と営業活動によって獲得した資金)により事業活動に必要な運転資金や将来の設備投資等に向けた充分な資金を確保しております。
資金調達手段としては、金融機関からの短期借入金、長期借入金で行っており、短期借入金については、月次の売上高の2分の1程度を運転資金として借入を行っております。長期借入金については、設備投資に3年~5年の借入期間で調達を行っております。また、短期借入金については、月次の資金繰り状況に応じ当座借越限度額の範囲内で反復利用を行い、長期借入金については、新規調達を行う一方で約定計画に基づき返済を行っております。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は下記のとおりであります。
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 42.4 | 45.8 | 47.4 | 47.7 | 46.5 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 13.6 | 21.8 | 17.7 | 12.8 | 7.3 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | 235.0 | 150.6 | 186.6 | 191.9 | 204.5 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 14.4 | 25.0 | 26.0 | 29.4 | 38.2 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
資金の流動性
当社及び国内連結子会社はCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、国内のグループ内資金を当社が一元管理しております。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っており、余剰資金が生じた場合には有利子負債の返済に充てる方針であります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、中長期的な事業発展・企業成長のための財務体質と経営基盤の強化のため、ものづくりを極める施策による原価低減や生産性向上とあわせ、収益管理の質を高め収益力の改善を進めております。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、自動車販売は大きな減速となりました。当社のダイカスト事業の販売量も、こうした自動車販売の大きな減速を受け前年を下回る状況になっております。
| 2020年3月期 (当初計画) | 2020年3月期 (実績) | 2021年3月期 (計画)(注) | |
| 売上高(百万円) | 134,000 | 120,577 | - |
| 営業利益(百万円) | 2,700 | 764 | - |
| 営業利益率(%) | 2.0 | 0.6 | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)(百万円) | 1,700 | △685 | - |
(注)2021年3月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大している影響により、現時点で合理的な算出が困難な状況であることから未定としております。今後の業績への影響を慎重に見極め、合理的な予想の開示が可能となった時点で速やかに公表いたします。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ダイカスト事業 日本)
日本自動車市場では、当社主要顧客である自動車メーカーの生産量が、国内需要の減退、北米や東南アジア向けの輸出減少により前年割れとなる中で、当社もその影響を受け受注量が減少しました。また、アルミ地金市況が下落に転じたこともあり、売上高は59,500百万円(前期比12.5%減)となりました。収益面においては、製造コストの削減等に努めたものの、売上高減少の影響が大きく、セグメント損失444百万円(前期はセグメント利益871百万円)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1,060百万円減少し53,773百万円となりました。
(ダイカスト事業 北米)
北米自動車市場では、自動車メーカーの生産量は僅かながら前年割れという状況が続いていた中で、年度末にかけては新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、車両生産量が前年割れとなりました。当社米国工場では、この市場減速の影響、また一部顧客におけるストライキによる稼働停止の影響もあり、売上が大きく減少しました。一方のメキシコ工場においても、主要顧客である自動車メーカーの販売低迷影響を受け、売上が減少しました。また、北米両拠点にてアルミ地金市況が下落している事もあり、その結果、北米セグメントでの売上高は30,633百万円(前期比23.0%減)となりました。収益面においては、販売量減少の影響があるものの、減価償却費の負担軽減等により、セグメント利益635百万円(前期比416.3%増)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ3,475百万円減少し29,478百万円となりました。
(ダイカスト事業 アジア)
中国では、自動車販売の減少が続いている中で、特に中国ローカルメーカーの販売減少が当社の受注量に大きく影響を及ぼしました。一方インドでも、自動車ローンの貸出厳格化や排ガス規制強化に伴う買い控え等の影響を受け、自動車販売が前年を割り込む状況が続き、受注が大きく減少しました。こうした中国、インドでの自動車販売の減少に加え、アルミ地金価格の下落も影響し、アジアでの売上高は23,846百万円(前期比20.4%減)となりました。収益面においては、売上高減少の影響が大きく、セグメント利益3百万円(前期比99.8%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ348百万円増加し38,291百万円となりました。
(アルミニウム事業)
アルミニウム事業においては、前年と同水準の販売重量を維持したものの、アルミニウム相場が下落した影響で販売単価が低い水準となったことにより、売上高は3,993百万円(前期比14.7%減)となりました。収益面においては、アルミニウム相場の下落で原材料価格が下がり、セグメント利益は169百万円(前期比50.9%増)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ630百万円減少し2,388百万円となりました。
(完成品事業)
完成品事業においては、主要販売先である半導体関連企業のクリーンルーム物件や通信会社のデータセンター向け物件等の受注が減少し、売上高は2,603百万円(前期比12.5%減)となりました。収益面においては、主に受注減による影響等により、セグメント利益は277百万円(前期比11.9%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ911百万円減少し1,282百万円となりました。