有価証券報告書-第81期(2022/04/01-2023/03/31)
(2)戦略
当社グループのインパクト戦略では、当社グループが専門性を活かして大きなインパクトを生み出すことができる「グローバルな衛生課題の解決」「水の保全と環境保護」「多様性の尊重」を3つの優先取り組み分野に定めています。現在、そして未来を見据え、インパクト戦略を事業戦略に組み込み、水回りと住宅設備における知識や規模を活かしながら、従業員やパートナー、さらには地域住民など様々なステークホルダーの皆さまと協働して取り組みを進めています。
各取り組みにおいては、重要課題に沿って策定されたアクションプランとKPIに基づいて、その進捗や成果を毎年確認しながら、目標達成に向けて尽力しています。
■グローバルな衛生課題の解決
革新的で低価格なトイレや衛生ソリューションを提供することにより、2025年までに1億人の人びとの衛生環境の改善を通じて生活の質の向上に貢献することを目指しています。
当社グループは、目標達成に向け、開発途上国向けの衛生製品を開発・提供するSATO事業を基軸に取り組みを推進しています。2013年に一つの製品から始まったSATO事業は10周年を迎え、地域の特性やニーズに合わせた開発を行い、現在では製品・備品のポートフォリオを拡充し、低価格で耐久性に優れた衛生ソリューションであらゆる地域の人びとの生活の質の向上と明るい未来を支えています。生活の質の向上とともに、市場ニーズが安価なSATOブランド製品から上位製品へ移行することを想定しています。
SATOの革新的な衛生ソリューションは、45ヵ国以上の開発途上国へ約750万台を出荷し,これまでにおよそ4,500万人の衛生環境改善に貢献しています(2023年4月現在)。さらに、製品ソリューションの提供に留まらない取り組みを実施することで、持続可能な衛生市場の創設に貢献しています。SATO事業では、現地における職人や実業家の育成のほか、Make(作る)、Sell(売る)、Use(使う)というサイクルを回す現地の生産・販売体制の構築など、総合的なアプローチを推進しています。また、特に深刻な衛生課題を抱える農村や都市部の住民に対しては、独創的な啓発活動を通じて、世界の衛生課題に関する理解を促進しています。ユニセフとのグローバルパートナーシップの拡大、米国国際開発庁(USAID)との正式なパートナーシップの締結、FINISH Mondialとの金融サービスを融合した連携のほか、国際協力機構(JICA)やNGO、現地のメーカーや販売店との連携を通じて、1億人の衛生環境と生活の質の向上という野心的な目標を掲げることで、SATOの革新的な製品・サービスの提供に留まらないインパクト拡大を推進しています。現地における人材育成やサプライチェーン構築、事業創出・雇用創出などを含めた衛生市場の確立に向けたインパクトが、自立的・持続的に広がることを目指して、今後も取り組みを推進していきます。
水と衛生分野の課題解決に向けては、世界各地で進む行政による投資及び取り組みと、民間企業が持つ専門的な知見や革新的な技術を効果的に組み合わせることで、より大規模なインパクトを実現できます。当社グループは、政府や公共部門などの主要ステークホルダーとの連携を促進し、シナジーの最大化を図ることを目指して、2023年2月に「LIXIL Public Partners」(LPP)を設立しました。LPPは今後1、2年間をかけて、米国での実証プロジェクトを通じて、水と衛生の分野における官民連携モデルや戦略、革新的な技術・サービスなどを検証する予定です。この検証を踏まえて、グローバルに官民連携モデルの展開を加速させていくことを目指します。
■水の保全と環境保護
「LIXIL環境ビジョン2050」では、「Zero Carbon and Circular Living(CO2ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、環境に関する重要課題のうち「気候変動対策を通じた緩和と適応」「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」をビジョン実現に向けた重点領域に定めています。重点領域を推進するための共通の基盤として、製品ライフサイクルを通じた環境負荷の低減、全社の環境マネジメント強化、及び各領域に深く関連する生物多様性の保全にも取り組んでいます。2050年までに、環境分野のリーディングカンパニーを目指し、事業プロセスと製品・サービスを通じてCO2の排出を実質ゼロにし、水の恩恵と限りある資源を次世代につなぎます。
・「気候変動対策を通じた緩和と適応」
当社グループでは、環境負荷低減に努めると同時に、環境に配慮した製品やサービスの提供を通じて2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指します。さらに、当社グループの事業プロセス及び製品やサービスが直接的に排出するCO2排出量だけにとどまらず、社会全体におけるCO2排出量の削減に貢献することが重要と捉えています。また、気候変動の影響による雨量の増加、大型台風などの自然災害、気温上昇などによる被害の軽減に貢献する製品・サービスを提供し、気候変動への適応策を推進しています。
・「水の持続可能性を追求」
当社グループでは、人びとが水の恩恵を最大限に活用できるよう、グローバルな水の持続可能性を追求しています。その実現に向け、事業プロセスにおける水使用効率の向上や水不足拠点における水使用量の削減、節水関連の製品・サービスによる水使用削減への貢献などを通じて、責任ある水の使用を推進します。また、安全で衛生的な水と、水へのアクセス向上に向けて政府や公共部門などと取り組み、水道水へのアクセスがある地域においては、浄水技術の活用により、安全性を高めたおいしい水を提供します。これらの取り組みを通じて、水の環境価値を創造します。
・「資源の循環利用を促進」
当社グループで使用する金属、木材、樹脂、セラミックなど様々な原材料の調達から製造、使用、廃棄までの製品ライフサイクル全体において、持続可能な利用や資源循環の取り組みを全社で推進しています。リサイクル素材の活用や再利用に配慮した設計といった循環型のものづくりを推進するほか、「LIXILプラスチック行動宣言」のもと、プラスチックの使用量削減や循環利用、代替素材の開発などを推進しています。原材料を確保し、社会と事業の継続性に貢献するべく、貴重な資源を最大活用に取り組んでいます。
当社グループは、2019年3月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しました。TCFD提言を踏まえ、気候変動問題が当社グループに及ぼすリスクと機会を特定・評価し、2022年6月から情報開示フレームワーク(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿った情報開示を行なっています。また、執行役会及び取締役会へ報告・承認を経て、環境戦略に反映させる取り組みを進め、2022年6月に「気候変動対策を通じた緩和と適応」、2023年3月には、各領域において、当社グループの事業プロセスとバリューチェーン、さらには既存事業の枠を超えて地球環境及び社会に対するインパクトを拡大することを目指し、「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」の領域における中期目標を策定し、環境ビジョン2050の実現に向けた包括的なアプローチを定めるなど、戦略の見直しを行いました。
■多様性の尊重
当社グループは、多様な従業員の英知や視点を活かしたイノベーションや社内外との様々なコラボレーションを通じて、多様化する顧客ニーズに応え、年齢、性別、障がいの有無を問わずすべての人びとの健康で快適な暮らしを支えることを目指しています。
顧客志向を徹底し、多様なニーズに対応したイノベーションや持続可能な成長を実現していく上で、多様な従業員の潜在能力を引き出すことができるインクルーシブな環境の構築が重要であると考え、「Diversity & Inclusion」(D&I)を推進しています。
D&I戦略においては、2030年までに当社グループ全体にインクルージョンの文化を定着させ、ジェンダー不均衡を是正する目標を掲げています。目標達成に向けたアクションプランを策定し、人材育成や職場環境づくりにおいてD&Iの観点を組み込んだ施策を段階的に進めています。
また、D&I推進の重要な柱の一つとして、障がいのある方が活躍しやすい職場づくりにも注力しています。
多様な人びとがお互いを尊重しながら活き活きと暮らすことができる「ユニバーサル社会」の実現に向けて、多様な従業員の英知や視点を活かした誰もが利用しやすいユニバーサルデザイン(UD)の推進を行うとともに、多様性への理解を促進する啓発活動などに取り組んでいます。UDのコンセプトに「ひとりにいい、みんなにいい、ずっといい。」を掲げ、多様なライフスタイルに寄り添った住宅設備・水回り製品を提供するほか、誰もが安心して快適に利用できるパブリックトイレの実現に向けた研究・提案なども行っています。
エンドユーザーのニーズに応えるだけでなく、UDウェブサイトやパブリックトイレの情報を集約した「LIXILパブリックトイレラボ」などを通じた情報発信、障がいのある方への理解を促進する啓発活動や大学との共同研究などにも取り組むことで、社会により良い変化をもたらしています。
当社グループのインパクト戦略では、当社グループが専門性を活かして大きなインパクトを生み出すことができる「グローバルな衛生課題の解決」「水の保全と環境保護」「多様性の尊重」を3つの優先取り組み分野に定めています。現在、そして未来を見据え、インパクト戦略を事業戦略に組み込み、水回りと住宅設備における知識や規模を活かしながら、従業員やパートナー、さらには地域住民など様々なステークホルダーの皆さまと協働して取り組みを進めています。
各取り組みにおいては、重要課題に沿って策定されたアクションプランとKPIに基づいて、その進捗や成果を毎年確認しながら、目標達成に向けて尽力しています。
■グローバルな衛生課題の解決
革新的で低価格なトイレや衛生ソリューションを提供することにより、2025年までに1億人の人びとの衛生環境の改善を通じて生活の質の向上に貢献することを目指しています。
当社グループは、目標達成に向け、開発途上国向けの衛生製品を開発・提供するSATO事業を基軸に取り組みを推進しています。2013年に一つの製品から始まったSATO事業は10周年を迎え、地域の特性やニーズに合わせた開発を行い、現在では製品・備品のポートフォリオを拡充し、低価格で耐久性に優れた衛生ソリューションであらゆる地域の人びとの生活の質の向上と明るい未来を支えています。生活の質の向上とともに、市場ニーズが安価なSATOブランド製品から上位製品へ移行することを想定しています。
SATOの革新的な衛生ソリューションは、45ヵ国以上の開発途上国へ約750万台を出荷し,これまでにおよそ4,500万人の衛生環境改善に貢献しています(2023年4月現在)。さらに、製品ソリューションの提供に留まらない取り組みを実施することで、持続可能な衛生市場の創設に貢献しています。SATO事業では、現地における職人や実業家の育成のほか、Make(作る)、Sell(売る)、Use(使う)というサイクルを回す現地の生産・販売体制の構築など、総合的なアプローチを推進しています。また、特に深刻な衛生課題を抱える農村や都市部の住民に対しては、独創的な啓発活動を通じて、世界の衛生課題に関する理解を促進しています。ユニセフとのグローバルパートナーシップの拡大、米国国際開発庁(USAID)との正式なパートナーシップの締結、FINISH Mondialとの金融サービスを融合した連携のほか、国際協力機構(JICA)やNGO、現地のメーカーや販売店との連携を通じて、1億人の衛生環境と生活の質の向上という野心的な目標を掲げることで、SATOの革新的な製品・サービスの提供に留まらないインパクト拡大を推進しています。現地における人材育成やサプライチェーン構築、事業創出・雇用創出などを含めた衛生市場の確立に向けたインパクトが、自立的・持続的に広がることを目指して、今後も取り組みを推進していきます。
水と衛生分野の課題解決に向けては、世界各地で進む行政による投資及び取り組みと、民間企業が持つ専門的な知見や革新的な技術を効果的に組み合わせることで、より大規模なインパクトを実現できます。当社グループは、政府や公共部門などの主要ステークホルダーとの連携を促進し、シナジーの最大化を図ることを目指して、2023年2月に「LIXIL Public Partners」(LPP)を設立しました。LPPは今後1、2年間をかけて、米国での実証プロジェクトを通じて、水と衛生の分野における官民連携モデルや戦略、革新的な技術・サービスなどを検証する予定です。この検証を踏まえて、グローバルに官民連携モデルの展開を加速させていくことを目指します。
■水の保全と環境保護
「LIXIL環境ビジョン2050」では、「Zero Carbon and Circular Living(CO2ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、環境に関する重要課題のうち「気候変動対策を通じた緩和と適応」「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」をビジョン実現に向けた重点領域に定めています。重点領域を推進するための共通の基盤として、製品ライフサイクルを通じた環境負荷の低減、全社の環境マネジメント強化、及び各領域に深く関連する生物多様性の保全にも取り組んでいます。2050年までに、環境分野のリーディングカンパニーを目指し、事業プロセスと製品・サービスを通じてCO2の排出を実質ゼロにし、水の恩恵と限りある資源を次世代につなぎます。
・「気候変動対策を通じた緩和と適応」
当社グループでは、環境負荷低減に努めると同時に、環境に配慮した製品やサービスの提供を通じて2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指します。さらに、当社グループの事業プロセス及び製品やサービスが直接的に排出するCO2排出量だけにとどまらず、社会全体におけるCO2排出量の削減に貢献することが重要と捉えています。また、気候変動の影響による雨量の増加、大型台風などの自然災害、気温上昇などによる被害の軽減に貢献する製品・サービスを提供し、気候変動への適応策を推進しています。
・「水の持続可能性を追求」
当社グループでは、人びとが水の恩恵を最大限に活用できるよう、グローバルな水の持続可能性を追求しています。その実現に向け、事業プロセスにおける水使用効率の向上や水不足拠点における水使用量の削減、節水関連の製品・サービスによる水使用削減への貢献などを通じて、責任ある水の使用を推進します。また、安全で衛生的な水と、水へのアクセス向上に向けて政府や公共部門などと取り組み、水道水へのアクセスがある地域においては、浄水技術の活用により、安全性を高めたおいしい水を提供します。これらの取り組みを通じて、水の環境価値を創造します。
・「資源の循環利用を促進」
当社グループで使用する金属、木材、樹脂、セラミックなど様々な原材料の調達から製造、使用、廃棄までの製品ライフサイクル全体において、持続可能な利用や資源循環の取り組みを全社で推進しています。リサイクル素材の活用や再利用に配慮した設計といった循環型のものづくりを推進するほか、「LIXILプラスチック行動宣言」のもと、プラスチックの使用量削減や循環利用、代替素材の開発などを推進しています。原材料を確保し、社会と事業の継続性に貢献するべく、貴重な資源を最大活用に取り組んでいます。
当社グループは、2019年3月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しました。TCFD提言を踏まえ、気候変動問題が当社グループに及ぼすリスクと機会を特定・評価し、2022年6月から情報開示フレームワーク(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿った情報開示を行なっています。また、執行役会及び取締役会へ報告・承認を経て、環境戦略に反映させる取り組みを進め、2022年6月に「気候変動対策を通じた緩和と適応」、2023年3月には、各領域において、当社グループの事業プロセスとバリューチェーン、さらには既存事業の枠を超えて地球環境及び社会に対するインパクトを拡大することを目指し、「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」の領域における中期目標を策定し、環境ビジョン2050の実現に向けた包括的なアプローチを定めるなど、戦略の見直しを行いました。
■多様性の尊重
当社グループは、多様な従業員の英知や視点を活かしたイノベーションや社内外との様々なコラボレーションを通じて、多様化する顧客ニーズに応え、年齢、性別、障がいの有無を問わずすべての人びとの健康で快適な暮らしを支えることを目指しています。
顧客志向を徹底し、多様なニーズに対応したイノベーションや持続可能な成長を実現していく上で、多様な従業員の潜在能力を引き出すことができるインクルーシブな環境の構築が重要であると考え、「Diversity & Inclusion」(D&I)を推進しています。
D&I戦略においては、2030年までに当社グループ全体にインクルージョンの文化を定着させ、ジェンダー不均衡を是正する目標を掲げています。目標達成に向けたアクションプランを策定し、人材育成や職場環境づくりにおいてD&Iの観点を組み込んだ施策を段階的に進めています。
また、D&I推進の重要な柱の一つとして、障がいのある方が活躍しやすい職場づくりにも注力しています。
多様な人びとがお互いを尊重しながら活き活きと暮らすことができる「ユニバーサル社会」の実現に向けて、多様な従業員の英知や視点を活かした誰もが利用しやすいユニバーサルデザイン(UD)の推進を行うとともに、多様性への理解を促進する啓発活動などに取り組んでいます。UDのコンセプトに「ひとりにいい、みんなにいい、ずっといい。」を掲げ、多様なライフスタイルに寄り添った住宅設備・水回り製品を提供するほか、誰もが安心して快適に利用できるパブリックトイレの実現に向けた研究・提案なども行っています。
エンドユーザーのニーズに応えるだけでなく、UDウェブサイトやパブリックトイレの情報を集約した「LIXILパブリックトイレラボ」などを通じた情報発信、障がいのある方への理解を促進する啓発活動や大学との共同研究などにも取り組むことで、社会により良い変化をもたらしています。