有価証券報告書-第84期(2025/04/01-2026/03/31)
(2)戦略
当社グループのインパクト戦略では、当社グループが専門性を活かして大きなインパクトを生み出すことができる「グローバルな衛生課題の解決」「水の保全と環境保護」「多様性の尊重」を3つの優先取り組み分野に定めています。現在、そして未来を見据え、インパクト戦略を事業戦略に組み込み、水まわり製品と住宅設備における知識や規模を活かしながら、従業員やパートナー、さらには地域住民など様々なステークホルダーの皆さまと協働して取り組みを進めています。
なお、インパクト戦略の各取り組みにおいては、設定した指標と目標に基づいて、その進捗や成果を毎年確認しながら、目標達成に向けて尽力しています。
■グローバルな衛生課題の解決
2025年までに1億人の衛生環境の改善を通じて生活の質の向上に貢献するという目標を達成し、新たに、2031年3月期までに、直接的及び間接的に、さらなる1億人の人びとの衛生環境を改善するという、可能性を切り拓く目標を掲げました。持続可能な衛生市場のビジネスモデルやエコシステム、その両面における開発を加速させ、健康、生活の質、地域経済にインパクト(良い影響)を与えることを目指します。
当社グループは、目標達成に向け、途上国向けの衛生製品を開発・提供するSATO事業を基軸に取り組みを推進しています。地域の特性やニーズに合わせた開発を行い、現在では製品・備品のポートフォリオを拡充し、低価格で耐久性に優れた衛生ソリューションを通じて衛生環境改善に貢献しています。さらに、衛生市場のサプライチェーンや販売網の構築に取り組んでいます。具体的には、多様なパートナーとの戦略的な協働を通じて地域の成長を推進するとともに、現地の衛生市場を支えるステークホルダーの支援・能力向上といった直接的な介入を行っています。一連の取り組みを通じて、人びとの衛生環境を改善することで、社会に直接的なインパクトをもたらしています。また、生活の質の向上とともに、将来的に安価なSATOブランド製品から上位製品へ市場ニーズが移行することを想定しています。
こうした自社による直接的な取り組みにとどまらず、世界各国に導入され、高い評価を獲得しているSATOの革新的な衛生ソリューションを基盤として、エコシステムの構築を通じてより多くの人びとの衛生環境を間接的に改善し、インパクト拡大を目指しています。具体的には、パートナーと協働して職業訓練や能力開発プログラムを促進し、現地の職人や起業家がMake(作る)、Sell(売る)、Use(使う)のサイクルを構築することで事業機会と地域経済を拡大する方法を学ぶ機会を提供し、衛生市場の創出・成長支援に貢献しています。また、特に深刻な衛生課題を抱える農村や都市部周辺の住民に対して、多様な啓発・教育活動を行い、衛生環境が家庭やコミュニティに与える影響への理解を促進しています。さらに、当社グループは様々なステークホルダーと連携することで、コミュニティにより大きなインパクトをもたらしています。国際連合児童基金(ユニセフ)とのパートナーシップの継続、FINISH Mondial Foundationとの連携による衛生環境の改善に向けた資金調達の支援のほか、多くのNGO、現地メーカーや販売店との連携、政府や自治体への政策提言やアドボカシーを通じて、総合的なソリューションを提供するためのパートナーシップのプラットフォームやビジネスモデルの構築を進めています。
水と衛生分野の課題解決に向けては、世界各地で進む行政による投資及び取り組みと、民間企業が持つ専門的な知見や革新的な技術を効果的に組み合わせることで、より大規模なインパクトを実現できます。当社グループ初の公共部門とのエンゲージメントに特化したプラットフォームであるLIXIL Public Partners(LPP)は、政府などの公共部門をはじめとする主要ステークホルダーとの連携を促進し、シナジーの最大化を図ることを目的に設立されました。SATO事業などの既存の取り組みをベースに、LPPは政府、NGO、学術機関と協働し、衛生分野における革新的な製品やソリューションを提供しています。
■水の保全と環境保護
「LIXIL環境ビジョン2050」では、「Zero Carbon and Circular Living(CO2ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、環境に関する重要課題のうち「気候変動対策」「水の持続可能性の追求」「資源の循環利用の促進」の3つを、ビジョン実現に向けた重点領域に定めています。重点領域を推進するための共通の基盤として、製品イノベーションによるライフサイクルを通じたCO2排出や水使用などの環境負荷の低減、及び全社の環境マネジメントの強化、各領域に深く関連する生物多様性の保全にも取り組んでいます。2050年までに、事業プロセスと製品・サービスを通じてCO2の排出量を実質ゼロ(注)にし、水の恩恵と限りある資源を次世代につなぎます。
・「気候変動対策」
当社グループでは、事業プロセスにおける環境負荷低減に努めると同時に、環境に配慮した製品やサービスの提供を通じて2050年までにCO2排出量実質ゼロ(注)を目指します。さらに、当社グループの事業プロセス及び製品やサービスにおける直接的な排出にとどまらず、社会全体におけるCO2排出量の削減に貢献することが重要と捉えています。また、気候変動の影響による雨量の増加、大型台風などの自然災害、気温上昇などによる被害の軽減に貢献する製品・サービスを提供し、気候変動への適応策を推進しています。
・「水の持続可能性の追求」
当社グループでは、トイレやキッチン、バスルーム、水栓などを提供する水回り製品のリーディングカンパニーとして、次世代を含む誰もが水の恩恵を最大限に活用できるよう、世界各地で水の持続可能性を追求しています。その実現に向け、水を保全するのと同時に、最大利用と価値創造を目指した取り組みを進めています。事業プロセスにおける水使用効率の向上や水不足拠点における水使用量の削減、節水関連の製品・サービスによる水使用削減への貢献などを通じて、責任ある水の使用を推進します。また、上下水道の整備が十分でない地域においては、水へのアクセス向上と安全で衛生的な水の提供に向けて政府などの公共部門と取り組んでいます。さらに水道水へのアクセスがある地域においては、浄水技術により、安全性を高めたおいしい水を提供します。
・「資源の循環利用の促進」
当社グループでは、金属、木材、樹脂、セラミックなど、様々な原材料を使用しています。原材料の調達から製造、使用、廃棄までの製品ライフサイクル全体において、原材料の持続可能な利用や資源循環の取り組みを全社で推進しています。リサイクル素材の活用や再利用に配慮した設計といった循環型のものづくりを推進するほか、「LIXILプラスチック行動宣言」のもと、プラスチックの使用量削減や循環利用、代替素材の開発などに取り組んでいます。
(注)2050年までにScope 1, 2, 3 の温室効果ガス排出量を90%削減し、10%以内の残余排出量を炭素除去によりゼロにすること
■多様性の尊重
当社グループは、お客さまの多様なニーズに合った革新的な製品やサービスの提供に取り組んでいます。顧客志向を徹底し、様々なニーズに対応したイノベーションや持続可能な成長を実現していく上で、多様な従業員の潜在能力を引き出すことができる公平でインクルーシブな環境の構築が重要であると考え、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」を推進しています。
2018年3月期に「D&I宣言」を発表し、2020年3月にD&Iをグローバルに推進する部署を設置し、全社共通の施策の展開に取り組んできました。また、2021年3月期には、CEOを議長とし執行役と部門長で構成されるD&I委員会を設立して、D&I戦略や推進施策を更新しました。D&I推進のフェーズが全社的な戦略及び施策の策定から各部門を主体とする活動に移ったことに伴い、2025年3月期からはD&I委員会を部門長のみで構成されるD&I審議会へ改編し、各部門の現状を踏まえた上で活発な議論を行い、取り組みを推進しています。
戦略では、2030年3月期までに当社グループ全体にインクルージョンの文化を定着させ、ジェンダー不均衡を是正することを目標に掲げています。男女間賃金格差や女性管理職比率の低さなど当社グループが抱える課題を認識した上で、目標達成に向けたアクションプランを策定し、人事制度や人材育成、職場環境づくりにおいてD&Iの観点を組み込んだ施策を段階的に進めています。
従業員は価値創造における最大の原動力です。私たちは、これらの取り組みを通じて従業員がその力を発揮することによって生まれるイノベーションや社内外との様々なコラボレーションを通じて、多様化する顧客ニーズに応え、年齢、性別、障がいの有無を問わずすべての人びとの健康で快適な暮らしを支えることを目指しています。
インクルージョンを社内から社会全体へと拡大させるため、「事業プロセス」「自社バリューチェーン」「インパクトの拡大」からなる相互に関連する3つのフェーズを通じて取り組みを推進しています。帰属意識とイノベーションを育む力強くインクルーシブな企業文化の醸成を基盤に、ユーザー起点でインクルーシブな価値を創造する、差別化された製品とサービスの提供へと繋げます。さらに、多様な熟練技能者の育成やパートナーとの協働を通じて強靭なエコシステムを構築することで、持続可能な成長を牽引し、社会にさらなるインパクトをもたらします。
当社グループのインパクト戦略では、当社グループが専門性を活かして大きなインパクトを生み出すことができる「グローバルな衛生課題の解決」「水の保全と環境保護」「多様性の尊重」を3つの優先取り組み分野に定めています。現在、そして未来を見据え、インパクト戦略を事業戦略に組み込み、水まわり製品と住宅設備における知識や規模を活かしながら、従業員やパートナー、さらには地域住民など様々なステークホルダーの皆さまと協働して取り組みを進めています。
なお、インパクト戦略の各取り組みにおいては、設定した指標と目標に基づいて、その進捗や成果を毎年確認しながら、目標達成に向けて尽力しています。
■グローバルな衛生課題の解決
2025年までに1億人の衛生環境の改善を通じて生活の質の向上に貢献するという目標を達成し、新たに、2031年3月期までに、直接的及び間接的に、さらなる1億人の人びとの衛生環境を改善するという、可能性を切り拓く目標を掲げました。持続可能な衛生市場のビジネスモデルやエコシステム、その両面における開発を加速させ、健康、生活の質、地域経済にインパクト(良い影響)を与えることを目指します。
当社グループは、目標達成に向け、途上国向けの衛生製品を開発・提供するSATO事業を基軸に取り組みを推進しています。地域の特性やニーズに合わせた開発を行い、現在では製品・備品のポートフォリオを拡充し、低価格で耐久性に優れた衛生ソリューションを通じて衛生環境改善に貢献しています。さらに、衛生市場のサプライチェーンや販売網の構築に取り組んでいます。具体的には、多様なパートナーとの戦略的な協働を通じて地域の成長を推進するとともに、現地の衛生市場を支えるステークホルダーの支援・能力向上といった直接的な介入を行っています。一連の取り組みを通じて、人びとの衛生環境を改善することで、社会に直接的なインパクトをもたらしています。また、生活の質の向上とともに、将来的に安価なSATOブランド製品から上位製品へ市場ニーズが移行することを想定しています。
こうした自社による直接的な取り組みにとどまらず、世界各国に導入され、高い評価を獲得しているSATOの革新的な衛生ソリューションを基盤として、エコシステムの構築を通じてより多くの人びとの衛生環境を間接的に改善し、インパクト拡大を目指しています。具体的には、パートナーと協働して職業訓練や能力開発プログラムを促進し、現地の職人や起業家がMake(作る)、Sell(売る)、Use(使う)のサイクルを構築することで事業機会と地域経済を拡大する方法を学ぶ機会を提供し、衛生市場の創出・成長支援に貢献しています。また、特に深刻な衛生課題を抱える農村や都市部周辺の住民に対して、多様な啓発・教育活動を行い、衛生環境が家庭やコミュニティに与える影響への理解を促進しています。さらに、当社グループは様々なステークホルダーと連携することで、コミュニティにより大きなインパクトをもたらしています。国際連合児童基金(ユニセフ)とのパートナーシップの継続、FINISH Mondial Foundationとの連携による衛生環境の改善に向けた資金調達の支援のほか、多くのNGO、現地メーカーや販売店との連携、政府や自治体への政策提言やアドボカシーを通じて、総合的なソリューションを提供するためのパートナーシップのプラットフォームやビジネスモデルの構築を進めています。
水と衛生分野の課題解決に向けては、世界各地で進む行政による投資及び取り組みと、民間企業が持つ専門的な知見や革新的な技術を効果的に組み合わせることで、より大規模なインパクトを実現できます。当社グループ初の公共部門とのエンゲージメントに特化したプラットフォームであるLIXIL Public Partners(LPP)は、政府などの公共部門をはじめとする主要ステークホルダーとの連携を促進し、シナジーの最大化を図ることを目的に設立されました。SATO事業などの既存の取り組みをベースに、LPPは政府、NGO、学術機関と協働し、衛生分野における革新的な製品やソリューションを提供しています。
■水の保全と環境保護
「LIXIL環境ビジョン2050」では、「Zero Carbon and Circular Living(CO2ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、環境に関する重要課題のうち「気候変動対策」「水の持続可能性の追求」「資源の循環利用の促進」の3つを、ビジョン実現に向けた重点領域に定めています。重点領域を推進するための共通の基盤として、製品イノベーションによるライフサイクルを通じたCO2排出や水使用などの環境負荷の低減、及び全社の環境マネジメントの強化、各領域に深く関連する生物多様性の保全にも取り組んでいます。2050年までに、事業プロセスと製品・サービスを通じてCO2の排出量を実質ゼロ(注)にし、水の恩恵と限りある資源を次世代につなぎます。
・「気候変動対策」
当社グループでは、事業プロセスにおける環境負荷低減に努めると同時に、環境に配慮した製品やサービスの提供を通じて2050年までにCO2排出量実質ゼロ(注)を目指します。さらに、当社グループの事業プロセス及び製品やサービスにおける直接的な排出にとどまらず、社会全体におけるCO2排出量の削減に貢献することが重要と捉えています。また、気候変動の影響による雨量の増加、大型台風などの自然災害、気温上昇などによる被害の軽減に貢献する製品・サービスを提供し、気候変動への適応策を推進しています。
・「水の持続可能性の追求」
当社グループでは、トイレやキッチン、バスルーム、水栓などを提供する水回り製品のリーディングカンパニーとして、次世代を含む誰もが水の恩恵を最大限に活用できるよう、世界各地で水の持続可能性を追求しています。その実現に向け、水を保全するのと同時に、最大利用と価値創造を目指した取り組みを進めています。事業プロセスにおける水使用効率の向上や水不足拠点における水使用量の削減、節水関連の製品・サービスによる水使用削減への貢献などを通じて、責任ある水の使用を推進します。また、上下水道の整備が十分でない地域においては、水へのアクセス向上と安全で衛生的な水の提供に向けて政府などの公共部門と取り組んでいます。さらに水道水へのアクセスがある地域においては、浄水技術により、安全性を高めたおいしい水を提供します。
・「資源の循環利用の促進」
当社グループでは、金属、木材、樹脂、セラミックなど、様々な原材料を使用しています。原材料の調達から製造、使用、廃棄までの製品ライフサイクル全体において、原材料の持続可能な利用や資源循環の取り組みを全社で推進しています。リサイクル素材の活用や再利用に配慮した設計といった循環型のものづくりを推進するほか、「LIXILプラスチック行動宣言」のもと、プラスチックの使用量削減や循環利用、代替素材の開発などに取り組んでいます。
(注)2050年までにScope 1, 2, 3 の温室効果ガス排出量を90%削減し、10%以内の残余排出量を炭素除去によりゼロにすること
■多様性の尊重
当社グループは、お客さまの多様なニーズに合った革新的な製品やサービスの提供に取り組んでいます。顧客志向を徹底し、様々なニーズに対応したイノベーションや持続可能な成長を実現していく上で、多様な従業員の潜在能力を引き出すことができる公平でインクルーシブな環境の構築が重要であると考え、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」を推進しています。
2018年3月期に「D&I宣言」を発表し、2020年3月にD&Iをグローバルに推進する部署を設置し、全社共通の施策の展開に取り組んできました。また、2021年3月期には、CEOを議長とし執行役と部門長で構成されるD&I委員会を設立して、D&I戦略や推進施策を更新しました。D&I推進のフェーズが全社的な戦略及び施策の策定から各部門を主体とする活動に移ったことに伴い、2025年3月期からはD&I委員会を部門長のみで構成されるD&I審議会へ改編し、各部門の現状を踏まえた上で活発な議論を行い、取り組みを推進しています。
戦略では、2030年3月期までに当社グループ全体にインクルージョンの文化を定着させ、ジェンダー不均衡を是正することを目標に掲げています。男女間賃金格差や女性管理職比率の低さなど当社グループが抱える課題を認識した上で、目標達成に向けたアクションプランを策定し、人事制度や人材育成、職場環境づくりにおいてD&Iの観点を組み込んだ施策を段階的に進めています。
従業員は価値創造における最大の原動力です。私たちは、これらの取り組みを通じて従業員がその力を発揮することによって生まれるイノベーションや社内外との様々なコラボレーションを通じて、多様化する顧客ニーズに応え、年齢、性別、障がいの有無を問わずすべての人びとの健康で快適な暮らしを支えることを目指しています。
インクルージョンを社内から社会全体へと拡大させるため、「事業プロセス」「自社バリューチェーン」「インパクトの拡大」からなる相互に関連する3つのフェーズを通じて取り組みを推進しています。帰属意識とイノベーションを育む力強くインクルーシブな企業文化の醸成を基盤に、ユーザー起点でインクルーシブな価値を創造する、差別化された製品とサービスの提供へと繋げます。さらに、多様な熟練技能者の育成やパートナーとの協働を通じて強靭なエコシステムを構築することで、持続可能な成長を牽引し、社会にさらなるインパクトをもたらします。