有価証券報告書-第7期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/07/31 13:23
【資料】
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【項目】
160項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) UACJグループ理念
当社グループは、統合後一貫して、成長するグローバル市場に積極的に関与し、継続した事業発展と社会貢献を目指してまいりました。統合後6年を経過し、また、多くの事業投資と再編も実施する中で、統合当初とはグループの在りようも大きく変化しております。今後の中長期にわたる企業価値の向上に向け、全社員が目指すべき方向を共有し、気持ちを一つに企業活動にまい進する拠り所として「企業理念」を再定義しました。策定にあたっては、広く国内外の若手・中堅社員の想い、意見を募り、経営幹部や社外役員との討議、外部の専門家の監修も踏まえています。技術力をベースに持続可能で豊かな社会へ貢献する姿勢、アルミニウムという素材だからこそ作り出せる社会や世界、多様性を考慮した価値観等を体現しています。
「企業理念」 素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。
「目指す姿」 アルミニウムを究めて環境負荷を減らし、軽やかな世界へ。
「価値観」 相互の理解と尊重 誠実さと未来志向
好奇心と挑戦心
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また、企業理念に向かって希望あふれる航海に出る時の羅針盤となるような、UACJグループの全社員が共通で持つべき行動指針「UACJウェイ」を新たに定めました。
今後はこの企業理念及びUACJウェイを世界中の従業員と共有することにより、国境や世代を超えて永続的に社会・生活を支える企業グループになることを目指してまいります。
(2) 中長期経営戦略等
当社グループの主力製品であるアルミニウム圧延品は、軽量でリサイクル性が高いという素材としての特性を活かし、他素材からの切替や新興国を中心とした世界経済の成長を背景として、今後も世界的に需要の増加が期待されています。このようなマクロ環境認識のもと、当社は中期経営計画<2018年度~2020年度>(以下、本中計)を策定し、2018年5月に公表しております。
その概要は下記の通りです。
中期経営計画<2018年度~2020年度>
1.当社グループのありたい姿
「アルミニウムの可能性を最大限に発揮し、社会と環境に貢献すること」
2.重点方針
・成長市場(アジア・北米)、成長分野(自動車)に注力継続
・先行投資の着実な回収
・資本効率の向上(ROIC重視)
・行動理念の共有と浸透(UACJウェイ)

当社グループでは、アジア、北米を成長市場、自動車を成長分野と位置付け、拡大する需要へ対応するため、前中期経営計画<2015年度~2017年度>(以下、前中計)期間中より生産能力増強の先行投資を進めてきました。本中計においても、これら市場及び分野への注力を継続し、これら設備の稼働による販売の増加を目指します。
経済成長にともないアルミニウム需要が増大している東南アジアでは、UACJ (Thailand) Co., Ltd.ラヨン製造所で、第3期の設備投資を実施し、生産能力を年間約32万トンに拡大し、拡販を進めます。北米市場では、環境意識の高まりを背景に、アルミニウム缶材の需要が拡大し続けている一方で、各アルミ圧延メーカーが自動車材生産に品種をシフトした影響で、缶材の需給が逼迫し続けており、そうした需給ギャップに対応すべく、Tri-Arrows Aluminum Inc.ローガン工場で、設備能力の増強と拡販を進めます。これら投資により、日本・米国・タイの3極からグローバルに缶材を供給可能である当社グループの競争優位性をフルに活かし、グローバル顧客への中長期的安定供給を実現することで、競合メーカーとの差別化をはかります。
自動車分野においては、CO2排出量削減を目的に、車体の軽量化ニーズの高まり及び電気自動車へのシフトが起きており、アルミニウムのパネル材及び構造部材への採用が拡大している他、電気自動車向け電池筐体への採用拡大も期待されています。当社グループは、自動車分野向けの需要拡大を確実に捉えるため、国内では、福井製造所で自動車用パネル材仕上げラインを新設、北米では、UACJ Automotive Whitehall Industries, Inc.における生産能力増強投資を実施、素材から一環した製品開発によりお客様にソリューションを提供することで、生産及び販売の拡大をはかります。
これら前中計から継続してきた上記の成長投資については、2019年度迄に概ね完了し、先行投資の着実な回収を行っていきます。
経営指標としては、ROIC(投下資本利益率)を重視して、中長期の資本効率向上をはかってまいります。各事業の資本効率を把握しながら、中長期的な成長性等を勘案し、事業の選択と集中を進めていく事で、ROICの向上に注力します。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
本中計策定時には成長分野を基軸として底固い需要環境と認識していた国内事業においては、2018年後半以降、米中貿易摩擦に伴うIT・半導体市況の悪化等の市場環境の急変によって、主力製品であるIT向けや厚板の需要が大幅に減少しました。さらにアルミ地金価格の下落に伴う棚卸評価関係の悪化等の影響により、2018年度の損益は大変厳しい結果となりました。
2019年度に入ってからも、引き続き厳しい事業環境の継続が見込まれ、需要の急減を契機とする収益力の低下等、経営上の課題が顕在化したことから、これまでの経営を抜本的に見直して経営改革・事業構造改革に着手することを決定し、その骨子を2019年9月に『構造改革の実行』として発表しました。構造改革では、本中計の基本方針を維持しながらも、「生産設備」「ビジネスモデル」「不採算ノンコア」「組織」「マネジメント」「企業風土文化」の6つの要素の改革を有機的に結合させることで、収益構造改革(稼ぐ力)、財務体質改善、マネジメント体制強化(経営のスピードと質の向上)をはかることとしました。
このうち、収益構造改革では、国内では、生産拠点集約、最適生産体制・品種構成改善(自動車材・電池材増加)、間接費削減(間接人員削減等)に向けた施策を進めております。海外では、本中計で掲げた施策を進めており、その着実な実行により、投資の回収をはかっていきます。また、上記諸施策を通して、収益改善を目指します。
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財務体質改善では、設備投資の厳選、利益の創出、棚卸資産削減等の施策を進めており、これら施策により、有利子負債を削減するとともに、D/Eレシオ(負債資本倍率)の改善を目指します。
マネジメント体制強化では、役員体制のスリム化、組織権限の見直し、IT投資をはじめとする業務プロセス改善等により、経営のスピードアップ、コーポレート機能強化及び間接部門のスリム化をはかるとともに、理念・行動指針の見直しを進めてまいりました。これら方針に基づき、2020年2月には理念・行動指針を再定義するとともに、4月には、執行役員の削減、コーポレート部門の本部制への移行を、6月には第7期定時株主総会決議により、社内取締役の人数を削減し、取締役会のスリム化を実施しました。
引き続き、構造改革の完了予定である2022年度に向けて、今後も着実に施策を進めてまいります。
(新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響ついて)
足元の更なる課題としては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、全体的な需要の減少や一部の拠点における各国政府及び自治体の要請に基づいた操業停止等が発生しました。今後の当社グループの事業活動への影響は、需要の回復が不透明であることや感染第2波のリスク等により、大変見通し難い状況にあります。
当社グループでは、従業員とその家族の他、関係する皆様の安全の確保を最優先としつつ、社会になくてはならない製品をお客様にお届けするという使命を果たすべく、緊急対策本部を設置し、各国政府の指示・要請に応え、休業、在宅勤務等の感染防止措置を講じ、操業が可能な製造拠点での操業維持に注力してまいりました。
今後も、必要な感染防止策の実施に努めるとともに、業績・財務両面での影響を最小限に抑えるべく、各事業部門での状況を的確に把握し、対応策を実施し、支出の抑制や必要資金の調達等を迅速に実施してまいります。
また、当社グループは、CSRへの取り組みにより、ステークホルダーの皆様から信頼される企業グループであり続けたいと考えております。
新企業理念、行動規範の実践を通した企業倫理の確立やコンプライアンス及びリスク管理の徹底等によりコーポレート・ガバナンスを実践するとともに、SDGsやESGの視点から、“環境・社会・企業統治”の3つの要素を重視し、事業を通じた地球環境の保全や資源再生利用の推進、労働環境や人権問題への配慮、地域社会への貢献等にも取り組む等、グローバルカンパニーとしての社会的責任を果たしてまいります。今後とも、良き企業市民として、持続可能な社会の構築に取り組んでまいります。

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