有価証券報告書-第8期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) グループ経営理念
(2) 経営戦略等
当社グループは、グループ理念における目指す姿の実現に向け、2030年における当社グループのありたい姿を描いた「UACJ VISION 2030」(以下、VISION2030)及び2021年度を初年度とする中期経営計画<2021年度~2023年度>(以下、第3次中計)を策定し、2021年5月に公表しております。
(長期経営ビジョン UACJ VISION 2030)
足元の市場動向は、新型コロナウイルス感染症の影響により見通し難い状況にありますが、中長期の視点では、世界的な人口増加と経済成長や、気候変動への対策の必要性の高まりから、地球環境に優しい循環型素材であるアルミニウムの需要は伸長する見込みです。このようなマクロ環境認識のもと、企業理念に掲げた「持続可能で豊かな社会の実現」にむけて、2030年に当社グループが目指していく4つの貢献を定めたVISION2030を策定しました。
UACJ VISION 2030
まず、成長市場や成長分野においては、積極的に新たな需要を捕捉し、これまで培ってきた経営資源や強みを生かした製品の提供を通して、より広く社会の発展に貢献していきます。また、素材製品の提供のみでなく、原料を有効活用するリサイクルや、ひとつ下工程の素材加工を手掛けるなどの施策により、バリューチェーン及びサプライチェーンを通した「素材+αの価値創出」に取り組んでいきます。さらに、2030年に向けて拡げていく新規領域としては、グループの中堅社員25名によりVISION2030委員会を結成し、10年後の2030年社会においてアルミニウムが活躍する領域として、「モビリティ」「ライフスタイル・ヘルスケア」「環境・エネルギー」の3つを選定しました。今後は、アルミニウムの可能性が最大限に引き出されるこれら3つの領域を重点的に拡げてまいります。また、アルミニウムはリサイクルすることで、製造に要するエネルギーを97%節約できる、優れた循環型素材です。当社は、アルミニウムの循環利用を推進することで、製品ライフサイクルでのCO2排出量の削減を図り、地球の環境負荷軽減に貢献してまいります。
これら4つの貢献を通じて、「持続可能で豊かな社会の実現」を目指してまいります。
(中期経営計画)
VISION2030で掲げた4つの貢献を目指していくにあたり、2021年からの3年間において当社グループが取り組むべきこととして、第3次中計を策定いたしました。第3次中計では、今後3年間を、構造改革を完遂し、その先の成長とVISION2030の実現に向けた基盤を確立するための期間と設定し、3つの重点方針を掲げました。
第3次中期経営計画<2021年度~2023年度>
① 構造改革の完遂
2018年後半以降、米中貿易摩擦等による市場環境の急変により、当社業績は大変厳しいものとなりました。これを受けて、2019年9月から収益構造の抜本的な改革を含む「構造改革の実行」に着手しております。構造改革では、「稼ぐ力の向上」「財務体質の改善」「経営のスピードと質の向上」を掲げ、各施策を着実に実行することで環境変化に強い筋肉質な体質の確立と業績回復の実現を目指してまいりました。
第3次中計においても、引き続き、構造改革の遂行及び達成を重点方針と設定しました。まず、国内においては、生産拠点集約、最適生産体制・品種構成改善、間接費削減に向けた施策を実行し、損益分岐点の引き下げによる収益構造の改革を図ります。海外においては、これまでに実施してきたUACJ (Thailand) Co., Ltd.やTri-Arrows Aluminum Inc.などへの大型投資を2019年までに完了しており、増強した生産能力を最大限に活用して、投資を着実に回収してまいります。また、第3次中計の期間においては、投資の絞り込みや資産の効率化によるキャッシュフローの創出により、有利子負債を削減するとともに、D/Eレシオ(負債資本倍率)の改善を目指します。これらの施策により、構造改革完遂予定の2022年度に向けて、収益構造の抜本的改革と財務体質の改善を図ってまいります。
② 成長への基盤の強化
成長市場を北米及び東南アジア、成長分野を缶材及び自動車材と捉え、日本、タイ、北米の3大拠点における既存の生産設備を最大限に活用することで、拡大する需要を捕捉することを目指します。
北米においては、特に缶材の旺盛な需要が継続する見込みであり、国内拠点及びタイ拠点からの北米市場への缶材販売拡大や、北米拠点の能力増強検討により対応していきます。東南アジアにおいては、年間32万トンの生産体制を有する東南アジア唯一の最新鋭アルミ圧延工場というUACJ (Thailand) Co., Ltd.ラヨン工場の優位性を活かし、グローバル顧客への安定供給という点で、競合メーカーとの差別化を図ります。拡大する自動車分野においては、福井製造所に導入した自動車板材用仕上ラインの活用により販売量を拡大していきます。また、自動車部品については、2020年9月に設立したモビリティテクノロジーセンターを中心に、顧客ニーズに対して、企画から設計、製造、販売、品質保証までをワンストップで応える体制を整え、北米市場における需要を中心に捕捉していきます。
あわせて、従来のビジネスモデルだけでなく、加工やリサイクルといった素材に+αの付加価値を加えたビジネス領域を広げ、自動車部品事業の拡大や、アルミニウム製品の循環利用率向上による環境価値提供などを進めていきます。さらに、VISION2030に掲げた新領域の実現に向けて、社内ベンチャー制度など新事業創生の活動を更に強化してまいります。
③ 軽やかな世界の実現への貢献(サステナビリティ推進)
当社グループは、企業理念の実現に向けて、当社が持続可能な社会に貢献するためのサステナビリティ基本方針を定めました。この基本方針に基づき、当社グループが社会とともに持続的に成長していくうえで優先的に取り組むべき「重要課題(マテリアリティ)」を特定し、アクションプラン及びKPIを設定しました。今後は、アルミニウム製品のリサイクルや生産活動の省エネ化を通じ、サプライチェーン全体でのCO2排出量の削減に取り組む「気候変動への対応」をはじめとする重要課題へ取り組んでまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、連結での売上高、営業利益、経常利益、営業利益率、ROIC(投下資本利益率)、ROE、CO2排出量であります。それぞれの目標値は、下表に示すとおりであります。
<第3次中計及びVISION2030の目標値(連結)>
※基準年度の生産量及び品種構成を維持したと仮定した状態に対しての、サプライチェーン全体でのCO2排出量
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2019年9月より着手しております「構造改革の完遂」を、優先的に対処すべき課題と位置付けております。構造改革においては、環境変化に強い筋肉質な体質の確立と業績回復の実現を目指し、完遂予定である2022年度に向けて諸施策を進めております。また、第3次中計においても重点方針として掲げ、中期経営計画の一環としても実行してまいります。
(5) サステナビリティ基本方針
当社グループは、「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。」という企業理念を掲げています。この理念を実践していくために、「アルミニウムを究めて環境負荷を減らし、軽やかな世界へ。」を目指す姿として掲げ、アルミニウムの製造・加工という本業を通じて、また、アルミニウムの特性を活かした製品とサービスの提供を通じて環境負荷削減などに努めています。
環境問題をはじめ、現代社会が抱えるさまざまな課題を将来に残さず、子どもたちの世代が、今より軽やかで楽しい未来を過ごすことができるように、当社グループは、これからも、120年以上にわたり受け継いできた叡智と情熱、そして社員一人ひとりの多様な個性を活かしながら、ステークホルダーの皆さまとともに、さまざまサステナビリティ活動を推進していきます。
サステナビリティ基本方針
(1) グループ経営理念
| 2019年に、当社グループは、企業活動の根本的な考え方となる「企業理念」を見つめ直し、社員が物事を判断する際の拠りどころとなるグループ理念体系を再定義いたしました。 「企業理念」 素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。 「目指す姿」 アルミニウムを究めて環境負荷を減らし、軽やかな世界へ。 「価値観」 相互の理解と尊重 誠実さと未来志向 好奇心と挑戦心 2020年度には、グループ理念体系の社内浸透を図るため、社長を始めとする経営陣幹部と従業員との理念対話会を国内外合わせて50回以上実施しました。理念対話会は、従業員に理念を伝えるだけではなく、従業員の声を経営に活かし、また従業員のエンゲージメントの向上にも資することから、今後も積極的に実施してまいります。 この企業理念を世界中の従業員と共有することで、国境や世代を超えて永続的に社会・生活を支える企業グループになることを目指してまいります。 | ![]() |
(2) 経営戦略等
当社グループは、グループ理念における目指す姿の実現に向け、2030年における当社グループのありたい姿を描いた「UACJ VISION 2030」(以下、VISION2030)及び2021年度を初年度とする中期経営計画<2021年度~2023年度>(以下、第3次中計)を策定し、2021年5月に公表しております。
(長期経営ビジョン UACJ VISION 2030)
足元の市場動向は、新型コロナウイルス感染症の影響により見通し難い状況にありますが、中長期の視点では、世界的な人口増加と経済成長や、気候変動への対策の必要性の高まりから、地球環境に優しい循環型素材であるアルミニウムの需要は伸長する見込みです。このようなマクロ環境認識のもと、企業理念に掲げた「持続可能で豊かな社会の実現」にむけて、2030年に当社グループが目指していく4つの貢献を定めたVISION2030を策定しました。
UACJ VISION 2030
| 1.成長分野や成長市場での需要捕捉により、より広く社会の発展に貢献する 2.素材+αでバリューチェーン及びサプライチェーンを通じた社会的・経済的な付加価値の向上に貢献する 3.新規領域への展開により、社会課題の解決に貢献する 4.製品ライフサイクルでのCO2削減により、環境負荷の軽減に貢献する |
まず、成長市場や成長分野においては、積極的に新たな需要を捕捉し、これまで培ってきた経営資源や強みを生かした製品の提供を通して、より広く社会の発展に貢献していきます。また、素材製品の提供のみでなく、原料を有効活用するリサイクルや、ひとつ下工程の素材加工を手掛けるなどの施策により、バリューチェーン及びサプライチェーンを通した「素材+αの価値創出」に取り組んでいきます。さらに、2030年に向けて拡げていく新規領域としては、グループの中堅社員25名によりVISION2030委員会を結成し、10年後の2030年社会においてアルミニウムが活躍する領域として、「モビリティ」「ライフスタイル・ヘルスケア」「環境・エネルギー」の3つを選定しました。今後は、アルミニウムの可能性が最大限に引き出されるこれら3つの領域を重点的に拡げてまいります。また、アルミニウムはリサイクルすることで、製造に要するエネルギーを97%節約できる、優れた循環型素材です。当社は、アルミニウムの循環利用を推進することで、製品ライフサイクルでのCO2排出量の削減を図り、地球の環境負荷軽減に貢献してまいります。
これら4つの貢献を通じて、「持続可能で豊かな社会の実現」を目指してまいります。
(中期経営計画)VISION2030で掲げた4つの貢献を目指していくにあたり、2021年からの3年間において当社グループが取り組むべきこととして、第3次中計を策定いたしました。第3次中計では、今後3年間を、構造改革を完遂し、その先の成長とVISION2030の実現に向けた基盤を確立するための期間と設定し、3つの重点方針を掲げました。
第3次中期経営計画<2021年度~2023年度>
| 重点方針 1.構造改革の完遂 2.成長への基盤の強化 3.軽やかな世界の実現への貢献(サステナビリティ推進) |
① 構造改革の完遂
2018年後半以降、米中貿易摩擦等による市場環境の急変により、当社業績は大変厳しいものとなりました。これを受けて、2019年9月から収益構造の抜本的な改革を含む「構造改革の実行」に着手しております。構造改革では、「稼ぐ力の向上」「財務体質の改善」「経営のスピードと質の向上」を掲げ、各施策を着実に実行することで環境変化に強い筋肉質な体質の確立と業績回復の実現を目指してまいりました。
第3次中計においても、引き続き、構造改革の遂行及び達成を重点方針と設定しました。まず、国内においては、生産拠点集約、最適生産体制・品種構成改善、間接費削減に向けた施策を実行し、損益分岐点の引き下げによる収益構造の改革を図ります。海外においては、これまでに実施してきたUACJ (Thailand) Co., Ltd.やTri-Arrows Aluminum Inc.などへの大型投資を2019年までに完了しており、増強した生産能力を最大限に活用して、投資を着実に回収してまいります。また、第3次中計の期間においては、投資の絞り込みや資産の効率化によるキャッシュフローの創出により、有利子負債を削減するとともに、D/Eレシオ(負債資本倍率)の改善を目指します。これらの施策により、構造改革完遂予定の2022年度に向けて、収益構造の抜本的改革と財務体質の改善を図ってまいります。
② 成長への基盤の強化
成長市場を北米及び東南アジア、成長分野を缶材及び自動車材と捉え、日本、タイ、北米の3大拠点における既存の生産設備を最大限に活用することで、拡大する需要を捕捉することを目指します。
北米においては、特に缶材の旺盛な需要が継続する見込みであり、国内拠点及びタイ拠点からの北米市場への缶材販売拡大や、北米拠点の能力増強検討により対応していきます。東南アジアにおいては、年間32万トンの生産体制を有する東南アジア唯一の最新鋭アルミ圧延工場というUACJ (Thailand) Co., Ltd.ラヨン工場の優位性を活かし、グローバル顧客への安定供給という点で、競合メーカーとの差別化を図ります。拡大する自動車分野においては、福井製造所に導入した自動車板材用仕上ラインの活用により販売量を拡大していきます。また、自動車部品については、2020年9月に設立したモビリティテクノロジーセンターを中心に、顧客ニーズに対して、企画から設計、製造、販売、品質保証までをワンストップで応える体制を整え、北米市場における需要を中心に捕捉していきます。
あわせて、従来のビジネスモデルだけでなく、加工やリサイクルといった素材に+αの付加価値を加えたビジネス領域を広げ、自動車部品事業の拡大や、アルミニウム製品の循環利用率向上による環境価値提供などを進めていきます。さらに、VISION2030に掲げた新領域の実現に向けて、社内ベンチャー制度など新事業創生の活動を更に強化してまいります。
③ 軽やかな世界の実現への貢献(サステナビリティ推進)
当社グループは、企業理念の実現に向けて、当社が持続可能な社会に貢献するためのサステナビリティ基本方針を定めました。この基本方針に基づき、当社グループが社会とともに持続的に成長していくうえで優先的に取り組むべき「重要課題(マテリアリティ)」を特定し、アクションプラン及びKPIを設定しました。今後は、アルミニウム製品のリサイクルや生産活動の省エネ化を通じ、サプライチェーン全体でのCO2排出量の削減に取り組む「気候変動への対応」をはじめとする重要課題へ取り組んでまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、連結での売上高、営業利益、経常利益、営業利益率、ROIC(投下資本利益率)、ROE、CO2排出量であります。それぞれの目標値は、下表に示すとおりであります。
<第3次中計及びVISION2030の目標値(連結)>
| 現状 2020年度実績 | 第3次中計 2023年度計画 | VISION2030 2030年度目標 | |
| 売上高 | 5,698億円 | 7,000億円 | 8,000億円以上 |
| 営業利益 | 111億円 | 300億円 | ― |
| 経常利益 | 60億円 | 250億円 | ― |
| 売上高営業利益率 | 2.0% | 4.2% | 6%以上 |
| ROIC(税引前) | 2.2% | 6.0% | 10%以上 |
| ROE | △1.8% | 7.5% | 10%以上 |
| CO2排出量※ | ― | ― | 2019年度比22%削減 |
※基準年度の生産量及び品種構成を維持したと仮定した状態に対しての、サプライチェーン全体でのCO2排出量
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2019年9月より着手しております「構造改革の完遂」を、優先的に対処すべき課題と位置付けております。構造改革においては、環境変化に強い筋肉質な体質の確立と業績回復の実現を目指し、完遂予定である2022年度に向けて諸施策を進めております。また、第3次中計においても重点方針として掲げ、中期経営計画の一環としても実行してまいります。
(5) サステナビリティ基本方針
当社グループは、「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。」という企業理念を掲げています。この理念を実践していくために、「アルミニウムを究めて環境負荷を減らし、軽やかな世界へ。」を目指す姿として掲げ、アルミニウムの製造・加工という本業を通じて、また、アルミニウムの特性を活かした製品とサービスの提供を通じて環境負荷削減などに努めています。
環境問題をはじめ、現代社会が抱えるさまざまな課題を将来に残さず、子どもたちの世代が、今より軽やかで楽しい未来を過ごすことができるように、当社グループは、これからも、120年以上にわたり受け継いできた叡智と情熱、そして社員一人ひとりの多様な個性を活かしながら、ステークホルダーの皆さまとともに、さまざまサステナビリティ活動を推進していきます。
サステナビリティ基本方針
| 1.受け継いできた叡智と情熱で 創業以来の探求心と、技術と知恵を結集したイノベーションでより便利な社会、持続可能な地球環境を追求 します。 2.すべてのステークホルダーの皆さまとともに 事業を通じて向かい合う関係者はもとより、いろいろな形で関わりあう社会を思い、グループ内外の人々と 協調・協働して持続可能な世界への貢献を実現します。 3.一人ひとりの多様な個性で 国籍、性別、年齢、障がいの有無などの違いに関わらずさまざまな人材を尊重し、その考えやスキルを活か すことで、既成概念にとらわれない自由な発想で課題解決に取り組みます。 |
