有価証券報告書-第124期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 13:43
【資料】
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【項目】
147項目
文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社グループが判断したものである。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念である「信頼の輪を広げます」のもと、信頼される製品でインフラを支え、社会の安心安全に貢献する会社であり続けることを使命としている。そして、長年積み上げてきた技術とサービスでお客様のニーズを掘り起こし、付加価値を創造する企業体として成長し続けることをビジョンとして掲げている。
当社グループは、1936年の創業から90周年を迎える2026年に向けた昭和電線グループの経営構想である「SWCC VISION2026」を策定しており、変わりゆく時代においてもその使命を忘れることなく、「迅速」「情熱」「考動」でお客様と社会に一層貢献していくことを方針としている。
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(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2019年11月に中期経営計画「Change SWCC2022」を見直し、ローリングプラン(2019)を策定した。その中で、連結業績、計数目標を見直し、2022年度目標を売上高2,000億円、営業利益100億円とした。まずは建設、電力、通信の基盤事業の生産性向上や事業見直しにより収益力を強化し、モビリティ、インダストリ(医療、工場自動化)の分野を含めたワイヤリング事業などさらなる成長を生み出す新規事業への投資、海外の製造拠点への移転等を加速させていくことを戦略として掲げた。この目標達成のための施策を下記に示す。
①基盤事業の収益力強化
・事業構造改革…国内生産体制の強靭化による収益力改善と安定製造
・事業収益性評価…ROIC経営導入による投下資本効率改善、低採算事業の対処と不採算事業の撤退
・グループ調達による集中購買と開発購買の推進
・AI、IoTを活用したスマートファクトリー構想
②新規事業の創出
・グループ横断の製販技プロジェクトチームによる新規事業の創出
・コアコンピタンス・要素技術の創出とニーズ発掘による新製品開発
・メーカー系IT企業で培ったIT技術によるDXソリューションの推進
③海外事業の新展開
・ワイヤハーネス・電子ワイヤ事業および銅・巻線事業の拡大
・海外ガバナンス体制強化
グループを挙げてこの目標を達成する体制を構築するため、2019年度より従来の製品別のセグメント体制から市場分野別のセグメント体制に変更した。これは当社グループが攻めるべき市場を明らかにしてステークホルダーの皆様にわかりやすい分類とすること、ガバナンスを強化してグループの力を集約させることが目的である。また、これに合わせて監査役会設置会社から監査等委員会設置会社への移行を行い、取締役会と業務執行を行う執行役員会の役割と権限を明確にした。本変革の特徴は、各セグメントの担当執行役員にグループ会社各社社長以上の権限を与え、より迅速な経営判断ができる体制の構築をしたことである。また、新たに投下資本利益率(ROIC)を連結業績、計数目標に加え、資本コストを意識した事業運営を推進することとした。これにより、継続的な構造改革を行うとともに新規事業創出に資源を集中し、企業価値向上を加速させることが可能となる。
また、当社グループはSDGsへの対応にも積極的に取り組んでいる。これまで行ってきた環境改善活動に資するボランタリープラン(5か年計画)はすでに第6次を重ね、CO2排出量の削減や資源ごみの有効活用などで環境改善活動に貢献してきた。本年は、さらに2050年の地球温暖化防止、資源有効活用、水資源の有効活用についての長期ビジョンと達成に向けた2030年までの中期目標も策定し、環境負荷ゼロを目指して活動を開始した。
(3)経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境としては、基盤事業である国内インフラ需要は国土強靭化やインフラ更新による需要が継続すると見込まれている。また、産業機器や環境配慮型自動車などの需要においても中長期的には拡大することが見込まれている。しかし、本年に入り、新型コロナウイルス感染症が全世界で拡大し、その感染拡大防止策やインバウンド需要の消失により国内経済にも影響が及んでいる。当社グループの基盤事業である建設、電力、通信事業においても、建設現場の閉鎖やサプライチェーンの乱れなどによる影響が発生しており、これは当面継続するものと想定している。
しかし、このような状況にあっても、当社グループは2019年度に見直した中期経営計画を踏襲し、積極的に事業構造改革、新規事業の推進を実行していく。
また、本期間中は財務体質の改善を推進する過程であるとの認識から、有利子負債削減および自己資本比率の改善を優先課題としている。設備投資については、国内生産体制の強靭化、新製品開発、海外拠点拡大投資等の中期経営計画の施策を着実に進める。
なお、中期経営計画「Change SWCC2022」ローリングプラン(2019)連結業績、計数目標は以下のとおりである。
(単位:億円)
2019年度実績2020年度予想2022年度目標
売上高1,7111,6202,000
営業利益8660100
経常利益785595
親会社株主に帰属する
当期純利益
544066
営業利益率5.0%3.7%5%以上
配当性向8.2%11.2%約20%
有利子負債423385380以下
DEレシオ107%90%70%以下
純資産399435550以上
自己資本比率32.3%35.0%38%以上

(注)DEレシオは自己資本で算出している。
各セグメントの状況および課題については以下のとおりである。
① エネルギー・インフラ事業
エネルギー・インフラ事業は、国内の電力インフラ、建設関連向けの電線・ケーブル・免制震部材が主体の事業となっている。2019年度は、国内インフラ強化のための国土強靭化対策、首都圏再開発、再生可能エネルギーの幹線連系等の需要により堅調に推移した。
電力インフラは国内の国土強靭化対策により引き続き需要が見込まれるため、工事の人手不足解消が課題であり、部品開発や工事の自動化、省人化を図りながら需要の取り込みを継続して進めていく。
建設関連向けの電線・ケーブルの需要は、足元では新型コロナウイルス感染拡大防止対策等による一時的な建設工事延期に伴い、一部先送りされている。また、中長期的には人口減に伴う新設住宅着工戸数の減少等により建設需要の縮小は避けられないと予想し、同事業における販売業務の効率化と顧客サービス向上を目的に、古河電気工業㈱との共同販社であるSFCC㈱を設立した。
今後、さらなる業務改善による収益力強化が課題である。
② 通信・産業用デバイス事業
通信・産業用デバイス事業は、国内やアジア圏向けの通信ケーブル、家電や産業機器向けのワイヤハーネス、複写機向け精密デバイスが主体の事業となっている。2019年度は、海外向け光ファイバ需要は減少したが、国内の建設関連向けやデータセンター向け通信ケーブルは堅調に推移した。
2020年度は、働き方改革や在宅勤務の増加によるトラフィック数の増加、国内の5Gサービス拡大などの国内の需要増大が見込まれていることから、この需要取り込みに引き続き注力する。
ワイヤハーネスは、需要増加が見込まれる海外での生産体制拡大に向け、中国浙江省嘉興市に新たな工場を建設し、同市にある嘉興昭和機電有限公司を拡張移転する計画を進めている。
精密デバイスは、今後のサプライチェーンの変化に対応するため、昭和電線ケーブルシステム㈱海老名工場にある製品開発部門と一部生産ラインを同社相模原事業所に移転し、製品開発力の強化を図ると共に、海外向けの生産ラインをベトナムにある同社の100%子会社であるSWCC SHOWA(VIETNAM) CO.,LTD.に移管し、地産地消をさらに加速させる。なお、2022年3月末までに昭和電線ケーブルシステム㈱海老名工場の売却を予定している。
③ 電装・コンポーネンツ事業
電装・コンポーネンツ事業は、電線導体用の線材や汎用モータ用の巻線等の一般汎用製品と、無酸素銅MiDIP®およびヒータ用銅合金線等の高品位線材や高出力モータ用の高機能巻線等の高機能製品が主体の事業となっている。2019年度は、一般汎用巻線は電気機械向けを中心に需要が低迷したが、自動車向けの無酸素銅MiDIP®およびヒータ用銅合金線、車載向け巻線の需要が堅調であった。
今後、環境配慮型自動車の需要が益々高まってくることを見据え、無酸素銅MiDIP®の生産量を2022年度までに50%増産の製造体制構築を進めている。さらには、ヒータ用銅合金線の用途拡大に向けた開発、製造体制の強化を推進する。
コロナ禍による市場の低迷の影響が顕著に出る事業であることから、今後の市場の動きに注意していく。
④ その他事業(新規事業を含む)
その他事業に含めている新規事業では、モビリティ、インダストリ、ITを軸に新たな事業創出に向けて取り組みを推進している。モビリティでは、CASE、MaaS関連の車載向け製品へ注力しており、インダストリでは、新型コロナウイルス禍で加速することが見込まれる遠隔医療やスマートワーク化へのシステム、ネットワーク機器需要の取り込みを推進している。
(4)2020年度経営方針
2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大による事業への影響を免れない状況となっている。しかし、当社グループでは、新型コロナウイルス禍による非常事態を通して経営と業務を見直し、経営体質を強化して経済の立ち上がりに備える時期ととらえ、市場、環境の変化に応じた様々な施策を推進している。その観点から、2020年度のグループ経営方針は次の4点としている。
・コーポレートと事業セグメントが一体となり、柔軟性やスピード感ある判断と施策の実施
・業務革新による基盤事業の収益力強化
・ROIC経営の考え方の浸透、資本コストを意識した事業改革の推進強化
・新規事業の立上げの取り組みを堅持、発展の道筋をつける
なお、ROICの2019年度実績値、2020年度計画値は以下のとおりとなっている。
2019年度実績2020年度計画値
ROIC7.3%5.1%

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