有価証券報告書-第125期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念である「信頼の輪を広げます」のもと、信頼される製品でインフラを支え、社会の安心安全に貢献する会社であり続けることを使命としております。そして、長年積み上げてきた技術とサービスでお客様のニーズを掘り起こし、付加価値を創造する企業体として成長し続けることをビジョンとして掲げております。
当社グループは、1936年の創業から90周年を迎える2026年に向けた昭和電線グループの経営構想である「SWCC VISION2026」を策定しており、変わりゆく時代においてもその使命を忘れることなく、「迅速」「情熱」「考動」でお客様と社会に一層貢献していくことを方針としております。

(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、現在、中期経営計画「Change SWCC2022」ローリングプラン(2019)に取り組んでいます。中期経営計画では、建設、電力、通信の基盤事業の生産性向上や事業見直しによる収益力強化、モビリティ・インダストリ(医療・工場自動化)分野を含む新規事業への投資、ワイヤハーネス・電子ワイヤ事業の海外製造拠点への移転等の加速を主な戦略として、2022年度目標売上高2,000億円、営業利益100億円を掲げております。この目標達成のための施策を下記に示しております。
①基盤事業の収益力強化
・事業構造改革…国内生産体制の強靭化による収益力改善と安定製造
・事業収益性評価…ROIC経営導入による投下資本効率改善、低採算事業の対処と不採算事業の撤退
・グループ調達による集中購買と開発購買の推進
・AI、IoTを活用したスマートファクトリー構想
②新規事業の創出
・グループ横断の製販技プロジェクトチームによる新規事業の創出
・コアコンピタンス・要素技術の創出とニーズ発掘による新製品開発
・メーカー系IT企業で培ったIT技術によるデジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューションの推進
③海外事業の新展開
・ワイヤハーネス・電子ワイヤ事業および銅・巻線事業の拡大
・海外ガバナンス体制強化
2020年度におきましても、新型コロナウイルス感染拡大防止策を徹底する一方で中期経営計画に基づいた各種の施策についても着実に進めてまいりました。基盤事業の収益力強化については、ROIC(投下資本利益率)を経営指標とする事業構造改革に取り組み、ゴム線事業の売却や事業会社の統廃合を進めてまいりました。新規事業の創出については、DX推進のためのソリューション強化の一環として、㈱アクシオにおいてクラウドID管理サービスに関する業務資本提携に向けた準備を進めてまいりました。また、海外事業の新展開については、精密デバイス事業でベトナム製造拠点への移管を進めるとともに、ワイヤハーネス事業ではさらなる事業拡大を目指し、中国現地法人である嘉興昭和機電有限公司の新工場建設のため約16億円の投資を決定し、着工いたしました。
(3)経営環境および優先的に対処すべき事業上の課題
当社グループを取り巻く経営環境としては、国内電力インフラに関する安定した需要や、今後拡大が見込まれる5G関連需要、脱炭素社会に向けた取り組みの中で環境対応車をはじめとする環境配慮型製品に関する潜在的な需要が見込まれるものの、足元では新型コロナウイルス感染症の影響が継続することによる国内経済の足踏みも懸念されております。
このような経営環境において、当社グループは、新型コロナウイルスの感染防止対策の徹底を継続していくとともに、人員および拠点の抜本的な再配置や事業ポートフォリオの見直し、持続的成長に向けたESG経営の強化を進めながら、ROICを重要な経営指標と位置づけ、一層の資本効率向上に向けて取り組んでまいります。
①昭和電線グループの中期経営計画「Change SWCC2022」ローリングプラン(2019)
2021年度連結業績予想および現中期経営計画の2022年度連結業績目標は以下のとおりとなっております。
(単位:億円)
(注)1.DEレシオは自己資本で算出しております。
2.当社グループは2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)および「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を適用いたします。当該基準適用後の当社グループの2022年3月期連結業績予想につきましては、上記「2021年度予想(収益認識基準適用後)」に記載のとおりとなります。
②セグメント別の状況および課題
各セグメントの状況および課題については以下のとおりであります。
(エネルギー・インフラ事業)
エネルギー・インフラ事業は、国内の電力インフラ、建設関連向けの電線・ケーブル、免制震部材が主体の事業となっております。
電力インフラでは、国土強靭化対策による底堅い需要に加えて、再生可能エネルギーへのシフトに伴うさらなる需要増加も見込まれることに対して、主力製品である接続部品(SICONEX®)の増産強化を進めてまいります。また、施工作業員が不足している課題に対しては、接続工事技術の効率化・省力化にサステナブルな人材育成プログラムを付加した接続工事システムの展開を新たなブランド(SICOPLUS™)の下で進めてまいります。
建設関連向けの電線・ケーブルでは、今後の国内建設需要の増加が見込み難い中で、DX推進によるビジネスプロセスのデジタル化等を進めることにより収益力の強化を図ってまいります。
(通信・産業用デバイス事業)
通信・産業用デバイス事業は、国内やアジア圏向けの通信ケーブル、家電や産業機器向けのワイヤハーネス、複写機向け精密デバイスが主体の事業となっております。
通信ケーブルでは、5Gサービス拡大や生活様式の変化による通信環境向上ニーズの高まりに伴う需要の取り込みに注力するとともに、現在分散している開発・製造拠点を集約することで収益力を強化してまいります。
ワイヤハーネスは、主に中国を中心とする旺盛な家電向け需要の取り込みに注力するとともに、さらに海外展開を強化するために嘉興昭和機電有限公司の新工場建設に着工しており、2021年12月の稼働を予定しております。
精密デバイスは、今後のサプライチェーンの変化に対応するため、昭和電線ケーブルシステム㈱海老名工場にある製品開発部門と一部生産ラインを同社相模原事業所に移転し、製品開発力の強化を図ると共に、海外向けの生産ラインをベトナムにある同社の100%子会社であるSWCC SHOWA(VIETNAM) CO., LTD.に移管し、地産地消をさらに加速させます。なお、2022年3月末までに海老名工場の売却完了を予定しております。
(電装・コンポーネンツ事業)
電装・コンポーネンツ事業は、電線導体用の線材や汎用モータ用の巻線等の一般汎用製品と、無酸素銅MiDIP®およびヒータ用銅合金線等の高品位線材や、環境対応車向け高機能巻線といった高機能製品が主体の事業となっております。
高機能製品は、第3四半期以降に特に自動車向けを中心に好調な需要が継続いたしましたが、今後も環境対応車向け需要の増加に合わせて収益性の高い同製品の販売割合を高めるべく、無酸素銅MiDIP®の生産体制を増強していくとともに、ヒータ用銅合金線ではその特性を生かした用途拡大に向けた開発、製造体制の強化を推進してまいります。
(新規事業)
新規事業では、モビリティ、インダストリ、ITを軸に新たな事業創出に向けて取り組みを推進しております。モビリティでは、CASE、MaaS関連の車載向け製品へ注力しており、インダストリでは、新型コロナウイルス禍で加速することが見込まれる遠隔医療やスマートワーク化へのシステム、ネットワーク機器需要の取り込みを推進しております。
③ESG経営の強化
当社グループは、「信頼の輪を広げます」の経営理念のもと、社会インフラを支える製品の供給を通じて責任を全うしていくことが社会との関わりの根幹であると認識し、事業を行ってまいりました。2020年5月には、持続可能な社会づくりを目指し、環境中長期計画「Green Plan 2050」を策定したほか、2021年2月には2021年度スタートの5か年計画「第7次昭和電線グループ環境自主行動計画(ボランタリープラン)」を発表しております。
今後も、ESG経営を強化し、SDGsの活動を通じてすべてのステークホルダーの皆様に貢献できるよう努めてまいります。
(E/環境対策)
当社グループでは、環境中長期計画「Green Plan 2050」において脱炭素社会への貢献目標を明確にするほか、このマイルストーンとして2030年度には2013年度対比でCO2削減量35%を目指すという目標を掲げております。「第7次昭和電線グループ環境自主行動計画(ボランタリープラン)」では、CO2削減に加え、産業廃棄物の埋め立て処分量の削減、水資源の有効活用等の目標を定めました。
当事業年度においては、昨年に続き環境配慮型製品の開発と製品化を促進し、調達においてもサプライヤーの環境対応を勘案してグリーン調達を行いました。また、新たな取り組みとして「プラスチック使用ガイドライン」を制定し、プラスチック使用量削減の取り組みを強化したほか、㈱日本政策投資銀行のDBJ環境格付では、「環境への配慮に対する取り組みが特に先進的」である最高ランクの格付けを2年連続で取得し、同制度に基づく融資を受けました。
(S/社会との関わり)
当社グループでは、人材育成プログラムや新人事制度の導入、働き方改革、ダイバーシティの推進等、社員一人ひとりが自分の能力を活かして活躍し、会社とともに成長していける職場環境づくりに努めています。また、健全かつ安定した労働力の確保は、企業競争力の強化につながることから、「健康経営」を推進し、代表取締役社長を中心とした健康経営推進体制により、昭和電線健康保険組合、産業医、保健師と連携しながら取り組んでおります。こうした取り組みは、子育てサポート企業を対象とする「くるみん」の認定や「健康経営優良法人2021(大規模法人部門)」の認定等、高い外部評価を獲得しています。
当事業年度においては、活力と競争力ある組織を目指して、年功序列を廃止し、役割と能力によって給与が決まる新人事制度を導入しました。また、「ハラスメントポリシー」や「社会貢献活動方針」の策定に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に合わせた、テレワークおよび時差通勤対象者の拡充等、働きやすい職場環境づくりに努めました。そのほか、社会インフラを支える企業として、品質を守る取り組みにも力を入れています。2021年度からは、グループCEO直轄組織として安全・環境・品質統括室を設置しました。今後もコンプライアンスを重視しながら、より良い製品づくりに取り組んでまいります。
(G/ガバナンス改革)
当社グループでは、監査等委員会設置会社の下で事業セグメント体制をとっており、業務執行の効率化・迅速化と監督機能の強化の両立を図っております。
当事業年度においては、独立社外取締役を2名から3名に増員することで監督機能の一層の強化を図るとともに、業務執行における株主の皆様との一層の価値共有を図るために、業務執行取締役および執行役員に対して譲渡制限付株式を付与する報酬制度を導入いたしました。また、中長期的なマネジメント体制の構築を目的として、「SWCC次世代経営者サクセッションプラン」を策定し、経営者候補の選抜および育成にも取り組んでおります。
(4)2021年度経営方針
2021年度も引き続き新型コロナウイルス感染症による事業への影響を免れない状況が見込まれますが、2020年度に定めた変革を着実に実行するとともに、市場や環境の変化に応じた柔軟でスピード感のある判断と施策を実施することで、このような経営環境下にあっても、より一層、経営体質を強化し資本効率を高めてまいります。その観点から、2021年度のグループ経営方針は次の4点としております。
・コーポレートと事業セグメントが一体となり、柔軟性やスピード感ある判断と施策の実施
・ROIC経営の考え方の浸透、資本コストを意識した構造改革、事業改革の推進
・オープンイノベーションを取り入れ、新規事業の立上げを加速
・安全・環境・品質への取り組みを強化
(5)次期中期経営計画の策定
計画目標の早期達成や事業環境の変化を踏まえて、現中期経営計画を見直し、創立90周年である2026年度を最終年度とする新たな中期経営計画の策定を進めております。次期中期経営計画については、本年11月の公表を予定しております。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念である「信頼の輪を広げます」のもと、信頼される製品でインフラを支え、社会の安心安全に貢献する会社であり続けることを使命としております。そして、長年積み上げてきた技術とサービスでお客様のニーズを掘り起こし、付加価値を創造する企業体として成長し続けることをビジョンとして掲げております。
当社グループは、1936年の創業から90周年を迎える2026年に向けた昭和電線グループの経営構想である「SWCC VISION2026」を策定しており、変わりゆく時代においてもその使命を忘れることなく、「迅速」「情熱」「考動」でお客様と社会に一層貢献していくことを方針としております。

(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、現在、中期経営計画「Change SWCC2022」ローリングプラン(2019)に取り組んでいます。中期経営計画では、建設、電力、通信の基盤事業の生産性向上や事業見直しによる収益力強化、モビリティ・インダストリ(医療・工場自動化)分野を含む新規事業への投資、ワイヤハーネス・電子ワイヤ事業の海外製造拠点への移転等の加速を主な戦略として、2022年度目標売上高2,000億円、営業利益100億円を掲げております。この目標達成のための施策を下記に示しております。
①基盤事業の収益力強化
・事業構造改革…国内生産体制の強靭化による収益力改善と安定製造
・事業収益性評価…ROIC経営導入による投下資本効率改善、低採算事業の対処と不採算事業の撤退
・グループ調達による集中購買と開発購買の推進
・AI、IoTを活用したスマートファクトリー構想
②新規事業の創出
・グループ横断の製販技プロジェクトチームによる新規事業の創出
・コアコンピタンス・要素技術の創出とニーズ発掘による新製品開発
・メーカー系IT企業で培ったIT技術によるデジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューションの推進
③海外事業の新展開
・ワイヤハーネス・電子ワイヤ事業および銅・巻線事業の拡大
・海外ガバナンス体制強化
2020年度におきましても、新型コロナウイルス感染拡大防止策を徹底する一方で中期経営計画に基づいた各種の施策についても着実に進めてまいりました。基盤事業の収益力強化については、ROIC(投下資本利益率)を経営指標とする事業構造改革に取り組み、ゴム線事業の売却や事業会社の統廃合を進めてまいりました。新規事業の創出については、DX推進のためのソリューション強化の一環として、㈱アクシオにおいてクラウドID管理サービスに関する業務資本提携に向けた準備を進めてまいりました。また、海外事業の新展開については、精密デバイス事業でベトナム製造拠点への移管を進めるとともに、ワイヤハーネス事業ではさらなる事業拡大を目指し、中国現地法人である嘉興昭和機電有限公司の新工場建設のため約16億円の投資を決定し、着工いたしました。
(3)経営環境および優先的に対処すべき事業上の課題
当社グループを取り巻く経営環境としては、国内電力インフラに関する安定した需要や、今後拡大が見込まれる5G関連需要、脱炭素社会に向けた取り組みの中で環境対応車をはじめとする環境配慮型製品に関する潜在的な需要が見込まれるものの、足元では新型コロナウイルス感染症の影響が継続することによる国内経済の足踏みも懸念されております。
このような経営環境において、当社グループは、新型コロナウイルスの感染防止対策の徹底を継続していくとともに、人員および拠点の抜本的な再配置や事業ポートフォリオの見直し、持続的成長に向けたESG経営の強化を進めながら、ROICを重要な経営指標と位置づけ、一層の資本効率向上に向けて取り組んでまいります。
①昭和電線グループの中期経営計画「Change SWCC2022」ローリングプラン(2019)
2021年度連結業績予想および現中期経営計画の2022年度連結業績目標は以下のとおりとなっております。
(単位:億円)
| 2020年度実績 | 2021年度予想 (収益認識基準適用前) | 2021年度予想 (収益認識基準適用後) | 2022年度目標 (収益認識基準適用前) | |
| 売上高 | 1,616 | 2,000 | 1,800 | 2,000 |
| 営業利益 | 75 | 86 | 86 | 100 |
| 経常利益 | 77 | 83 | 83 | 95 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 49 | 68 | 68 | 66 |
| 営業利益率 | 4.7% | 4.3% | 4.8% | 5%以上 |
| 配当性向 | 12% | 18% | 18% | 約20% |
| 有利子負債 | 376 | 390 | 390 | 380以下 |
| DEレシオ | 79% | 73% | 73% | 70%以下 |
| 純資産 | 481 | 543 | 543 | 550以上 |
| 自己資本比率 | 36.7% | 38.4% | 38.4% | 38%以上 |
| ROIC | 6.3% | 6.7% | 6.7% | 7%以上 |
(注)1.DEレシオは自己資本で算出しております。
2.当社グループは2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)および「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を適用いたします。当該基準適用後の当社グループの2022年3月期連結業績予想につきましては、上記「2021年度予想(収益認識基準適用後)」に記載のとおりとなります。
②セグメント別の状況および課題
各セグメントの状況および課題については以下のとおりであります。
(エネルギー・インフラ事業)
エネルギー・インフラ事業は、国内の電力インフラ、建設関連向けの電線・ケーブル、免制震部材が主体の事業となっております。
電力インフラでは、国土強靭化対策による底堅い需要に加えて、再生可能エネルギーへのシフトに伴うさらなる需要増加も見込まれることに対して、主力製品である接続部品(SICONEX®)の増産強化を進めてまいります。また、施工作業員が不足している課題に対しては、接続工事技術の効率化・省力化にサステナブルな人材育成プログラムを付加した接続工事システムの展開を新たなブランド(SICOPLUS™)の下で進めてまいります。
建設関連向けの電線・ケーブルでは、今後の国内建設需要の増加が見込み難い中で、DX推進によるビジネスプロセスのデジタル化等を進めることにより収益力の強化を図ってまいります。
(通信・産業用デバイス事業)
通信・産業用デバイス事業は、国内やアジア圏向けの通信ケーブル、家電や産業機器向けのワイヤハーネス、複写機向け精密デバイスが主体の事業となっております。
通信ケーブルでは、5Gサービス拡大や生活様式の変化による通信環境向上ニーズの高まりに伴う需要の取り込みに注力するとともに、現在分散している開発・製造拠点を集約することで収益力を強化してまいります。
ワイヤハーネスは、主に中国を中心とする旺盛な家電向け需要の取り込みに注力するとともに、さらに海外展開を強化するために嘉興昭和機電有限公司の新工場建設に着工しており、2021年12月の稼働を予定しております。
精密デバイスは、今後のサプライチェーンの変化に対応するため、昭和電線ケーブルシステム㈱海老名工場にある製品開発部門と一部生産ラインを同社相模原事業所に移転し、製品開発力の強化を図ると共に、海外向けの生産ラインをベトナムにある同社の100%子会社であるSWCC SHOWA(VIETNAM) CO., LTD.に移管し、地産地消をさらに加速させます。なお、2022年3月末までに海老名工場の売却完了を予定しております。
(電装・コンポーネンツ事業)
電装・コンポーネンツ事業は、電線導体用の線材や汎用モータ用の巻線等の一般汎用製品と、無酸素銅MiDIP®およびヒータ用銅合金線等の高品位線材や、環境対応車向け高機能巻線といった高機能製品が主体の事業となっております。
高機能製品は、第3四半期以降に特に自動車向けを中心に好調な需要が継続いたしましたが、今後も環境対応車向け需要の増加に合わせて収益性の高い同製品の販売割合を高めるべく、無酸素銅MiDIP®の生産体制を増強していくとともに、ヒータ用銅合金線ではその特性を生かした用途拡大に向けた開発、製造体制の強化を推進してまいります。
(新規事業)
新規事業では、モビリティ、インダストリ、ITを軸に新たな事業創出に向けて取り組みを推進しております。モビリティでは、CASE、MaaS関連の車載向け製品へ注力しており、インダストリでは、新型コロナウイルス禍で加速することが見込まれる遠隔医療やスマートワーク化へのシステム、ネットワーク機器需要の取り込みを推進しております。
③ESG経営の強化
当社グループは、「信頼の輪を広げます」の経営理念のもと、社会インフラを支える製品の供給を通じて責任を全うしていくことが社会との関わりの根幹であると認識し、事業を行ってまいりました。2020年5月には、持続可能な社会づくりを目指し、環境中長期計画「Green Plan 2050」を策定したほか、2021年2月には2021年度スタートの5か年計画「第7次昭和電線グループ環境自主行動計画(ボランタリープラン)」を発表しております。
今後も、ESG経営を強化し、SDGsの活動を通じてすべてのステークホルダーの皆様に貢献できるよう努めてまいります。
(E/環境対策)
当社グループでは、環境中長期計画「Green Plan 2050」において脱炭素社会への貢献目標を明確にするほか、このマイルストーンとして2030年度には2013年度対比でCO2削減量35%を目指すという目標を掲げております。「第7次昭和電線グループ環境自主行動計画(ボランタリープラン)」では、CO2削減に加え、産業廃棄物の埋め立て処分量の削減、水資源の有効活用等の目標を定めました。
当事業年度においては、昨年に続き環境配慮型製品の開発と製品化を促進し、調達においてもサプライヤーの環境対応を勘案してグリーン調達を行いました。また、新たな取り組みとして「プラスチック使用ガイドライン」を制定し、プラスチック使用量削減の取り組みを強化したほか、㈱日本政策投資銀行のDBJ環境格付では、「環境への配慮に対する取り組みが特に先進的」である最高ランクの格付けを2年連続で取得し、同制度に基づく融資を受けました。
(S/社会との関わり)
当社グループでは、人材育成プログラムや新人事制度の導入、働き方改革、ダイバーシティの推進等、社員一人ひとりが自分の能力を活かして活躍し、会社とともに成長していける職場環境づくりに努めています。また、健全かつ安定した労働力の確保は、企業競争力の強化につながることから、「健康経営」を推進し、代表取締役社長を中心とした健康経営推進体制により、昭和電線健康保険組合、産業医、保健師と連携しながら取り組んでおります。こうした取り組みは、子育てサポート企業を対象とする「くるみん」の認定や「健康経営優良法人2021(大規模法人部門)」の認定等、高い外部評価を獲得しています。
当事業年度においては、活力と競争力ある組織を目指して、年功序列を廃止し、役割と能力によって給与が決まる新人事制度を導入しました。また、「ハラスメントポリシー」や「社会貢献活動方針」の策定に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に合わせた、テレワークおよび時差通勤対象者の拡充等、働きやすい職場環境づくりに努めました。そのほか、社会インフラを支える企業として、品質を守る取り組みにも力を入れています。2021年度からは、グループCEO直轄組織として安全・環境・品質統括室を設置しました。今後もコンプライアンスを重視しながら、より良い製品づくりに取り組んでまいります。
(G/ガバナンス改革)
当社グループでは、監査等委員会設置会社の下で事業セグメント体制をとっており、業務執行の効率化・迅速化と監督機能の強化の両立を図っております。
当事業年度においては、独立社外取締役を2名から3名に増員することで監督機能の一層の強化を図るとともに、業務執行における株主の皆様との一層の価値共有を図るために、業務執行取締役および執行役員に対して譲渡制限付株式を付与する報酬制度を導入いたしました。また、中長期的なマネジメント体制の構築を目的として、「SWCC次世代経営者サクセッションプラン」を策定し、経営者候補の選抜および育成にも取り組んでおります。
(4)2021年度経営方針
2021年度も引き続き新型コロナウイルス感染症による事業への影響を免れない状況が見込まれますが、2020年度に定めた変革を着実に実行するとともに、市場や環境の変化に応じた柔軟でスピード感のある判断と施策を実施することで、このような経営環境下にあっても、より一層、経営体質を強化し資本効率を高めてまいります。その観点から、2021年度のグループ経営方針は次の4点としております。
・コーポレートと事業セグメントが一体となり、柔軟性やスピード感ある判断と施策の実施
・ROIC経営の考え方の浸透、資本コストを意識した構造改革、事業改革の推進
・オープンイノベーションを取り入れ、新規事業の立上げを加速
・安全・環境・品質への取り組みを強化
(5)次期中期経営計画の策定
計画目標の早期達成や事業環境の変化を踏まえて、現中期経営計画を見直し、創立90周年である2026年度を最終年度とする新たな中期経営計画の策定を進めております。次期中期経営計画については、本年11月の公表を予定しております。