訂正有価証券報告書-第111期(2023/04/01-2024/03/31)
①戦略
イ.人材育成方針
(グループの経営戦略・組織戦略)
当社グループは、「既存事業領域を維持しながら、グループのリソースを最大限活用して新規事業領域での収益を拡大すること」を経営戦略の基本としています。この戦略を実現するため、2013年にホールディングス体制に移行し、①戦略部門の設置と拡充、②オペレーション業務の集約・統合、③ガバナンス体制の構築を行ってきました。2021年にはグループ長期経営ビジョンを策定し、社員への浸透活動を進めています。
(求める人材像)
上記の経営戦略・組織戦略を実現するために必要となる人材像は、以下の3つに大別されます。
a.既存事業のオペレーションを高いレベルで(品質・コスト・納期+ESGの視点で)維持・継続できる人材
b.既存事業のオペレーションを熟知しつつ、グループ全体最適の視点で新たな仕組みを構築できる人材
c.グループのリソースを活用して新たな製品・技術・事業を生み出せる人材
aの人材を確保したうえで、b・cの人材(“グループ人材”)をいかに増やすかが課題です。
(人事戦略)
上記の人材を育成するための人事戦略を以下のように整理しています。
a.グループ人事ポリシーに基づく人材マネジメントを推進することにより、働きがい(エンゲージメント)と生産性の向上を図る
b.製造部門の人材確保のための環境整備
c.主要なグループ会社の大卒定期採用について、グループ一括採用を継続し、採用競争力の強化とグループ意識の向上を図る
d.会社の枠を超えた協働、人材交流によりグループ意識の向上と新たな視点の醸成を促進する
e.多様な知見を持つ人材をキャリア採用で積極的に獲得する

(KPI)
人事戦略実現のためのKPIを以下のように整理しています。
「エンゲージメント」、「総合健康リスク」、「成長できる職場」のスコアは、株式会社保健同人フロンティアの「HoPEサーベイ」を使って測定しています。「エンゲージメント」は、「組織への愛着」「役割の遂行(意思・意欲)」「仕事に対する向上心」の3つの観点から測定しています。
グループ各社の「1人あたりEBITDA」と「エンゲージメント」等の多くのKPIの間には相関関係が見られることから、グループ人事ポリシーに基づく取り組みを継続し、それぞれのKPIを改善することで、KGIである「1人あたりEBITDA」の改善につなげていく方針です。
特に重要性の高い課題は以下の4点です。
a.製造部門のエンゲージメント向上
グループ長期経営ビジョンを設定している2050年に向けて、国内の18歳人口が大きく減少する一方で、大学等への進学率が上昇するため、高校を卒業して社会人として働き始める若者の人数が現在よりも大幅に減少すると見込まれます。そうした状況下でグループの事業を継続するためには、製造部門で働く社員のエンゲージメント向上による離職率低減と採用競争力強化が重要です。エンゲージメントは長時間労働や身体負担との相関関係が強いことから、交替シフトの見直しを含めた長時間労働の解消や、省力化投資による身体負担の軽減に取り組みます。
b.30代社員のエンゲージメント向上
社員のエンゲージメントを年代別に分析すると、30代が他の年代に比べて低い傾向にあります。20代に比べ、心理的な仕事の負担(量)が増える一方で、上司・同僚による支援が減少し、成長実感が下がることが大きな要因と考えられます。対策として、30代社員と上司を対象としたキャリア研修とキャリアコンサルティング面談を実施しました。今後、幅広い年代の社員に対するキャリア形成支援を充実させるべく検討を進めています。グループ内の公募制やキャリア自己申告の拡充も検討中です。
c.女性管理職比率向上&男女賃金格差の解消
当社の女性管理職比率は6.7%、グループ13社の平均は4.1%ですが、13社の内訳は過去の取り組みの差もあり、0.0~14.3%と大きな差が見られます。
男女賃金格差も同様に、当社の男女賃金格差は96.4%、グループ15社の平均は69.6%ですが、15社の内訳は61.1%~96.4%と大きな差が見られます。そこで、2030年度の目標値として、女性管理職比率については当社14%超かつグループ6%超、男女賃金格差についてはグループ80%超を掲げてグループ全体の改善に向けた取り組みを進めています。具体的には、本年度、人権・DE&I推進分科会の下部組織としてダイバーシティ推進部会を設けました。各社のグッドプラクティスの共有に基づく施策提言のほか、参加メンバー同士の交流などを通してグループ全体の改善を図ります。
正社員の賃金項目別男女賃金格差については、基本給よりも賃金項目合計の格差が広がっています。基本給の格差は管理職、非管理職ともに90%前後ですが、家族・住宅手当や時間外・交替手当の格差が大きいためです。
また、女性管理職比率が低いため、管理職・非管理職別に見た男女賃金格差よりも、正社員合計の格差が広がっています。
正社員の賃金項目別男女賃金格差(主要なグループ会社15社計)
(注)1.2024年3月給与(単月)で集計した数字です。
2.基本給は、役割給・職能給・年齢給・資格給・役職手当・役付手当・資格手当・勤務手当等を指します。
3.家族・住宅手当は、家族(扶養)手当・住宅手当・単身赴任手当・都市手当・寒冷地(燃料)手当等を指します。
4.時間外・交替手当は、早出残業手当・深夜時間手当・休日出勤手当・60H超手当・夜勤手当・遅出手当・交替勤務手当・時差勤務手当等を指します。管理職の時間外・交替手当は、深夜時間手当を指します。
今後の改善に向け、女性正社員の採用増・定着率向上と上位役職・等級への登用(内部昇進者のキャリア開発拡充と、役職者の中途採用)、家族・住宅手当の支給要件の見直しや、男性社員の長時間労働是正による男女賃金格差の解消を継続的に進めていく方針です。
別表に「当社グループの女性活躍推進 目標値と実績値、課題」を記載しています。
当社グループの女性活躍推進 目標値と実績値、課題
(注)採用~定着~登用の指標は当社を含む主要なグループ会社7社(正社員)の数値。総合結果指標は、2022年度グループ14社、2023年度15社の数値。
d.グループ意識およびグループ内人材流動化比率の向上
グループの経営戦略実現には、社員のグループ意識を高め、人材流動化を進めることが必要です。このような趣旨から、KPIに、「グループの理念・ビジョンの浸透度」、「中核人材のグループ他社経験比率」を設定しています。中核人材は、主要なグループ会社において選抜された将来のリーダー候補を指します。2021年に策定したグループ長期経営ビジョンの浸透を図るとともに、グループ横断の職種別要員計画等を整備することにより、人材流動化比率を高めていきます。
ロ.社内環境整備方針
当社グループは、2018年にグループ人事ポリシーを策定し、「次世代経営人材育成研修」(部長層対象)および「TSGBC(東洋製罐グループビジネスカレッジ)」(課長層対象)の実施、人事制度の共通化、ITインフラ(タレントマネジメントシステム、ストレスチェックシステム等)の整備を進めてきました。2021年入社からは、優秀な人材の確保と、グループを牽引するリーダーの育成を目的として、主要なグループ会社の大卒定期採用を、グループ一括採用に切り替えています。
今後は人材育成方針に則り、交替シフトの見直しや省力化投資、年代別キャリア研修の実施、公募制やキャリア自己申告の拡充、家族・住宅手当の支給要件見直し、職種別要員計画の作成等を進めていきます。
イ.人材育成方針
(グループの経営戦略・組織戦略)
当社グループは、「既存事業領域を維持しながら、グループのリソースを最大限活用して新規事業領域での収益を拡大すること」を経営戦略の基本としています。この戦略を実現するため、2013年にホールディングス体制に移行し、①戦略部門の設置と拡充、②オペレーション業務の集約・統合、③ガバナンス体制の構築を行ってきました。2021年にはグループ長期経営ビジョンを策定し、社員への浸透活動を進めています。
(求める人材像)
上記の経営戦略・組織戦略を実現するために必要となる人材像は、以下の3つに大別されます。
a.既存事業のオペレーションを高いレベルで(品質・コスト・納期+ESGの視点で)維持・継続できる人材
b.既存事業のオペレーションを熟知しつつ、グループ全体最適の視点で新たな仕組みを構築できる人材
c.グループのリソースを活用して新たな製品・技術・事業を生み出せる人材
aの人材を確保したうえで、b・cの人材(“グループ人材”)をいかに増やすかが課題です。
(人事戦略)
上記の人材を育成するための人事戦略を以下のように整理しています。
a.グループ人事ポリシーに基づく人材マネジメントを推進することにより、働きがい(エンゲージメント)と生産性の向上を図る
b.製造部門の人材確保のための環境整備
c.主要なグループ会社の大卒定期採用について、グループ一括採用を継続し、採用競争力の強化とグループ意識の向上を図る
d.会社の枠を超えた協働、人材交流によりグループ意識の向上と新たな視点の醸成を促進する
e.多様な知見を持つ人材をキャリア採用で積極的に獲得する

(KPI)
人事戦略実現のためのKPIを以下のように整理しています。
「エンゲージメント」、「総合健康リスク」、「成長できる職場」のスコアは、株式会社保健同人フロンティアの「HoPEサーベイ」を使って測定しています。「エンゲージメント」は、「組織への愛着」「役割の遂行(意思・意欲)」「仕事に対する向上心」の3つの観点から測定しています。グループ各社の「1人あたりEBITDA」と「エンゲージメント」等の多くのKPIの間には相関関係が見られることから、グループ人事ポリシーに基づく取り組みを継続し、それぞれのKPIを改善することで、KGIである「1人あたりEBITDA」の改善につなげていく方針です。
特に重要性の高い課題は以下の4点です。
a.製造部門のエンゲージメント向上
グループ長期経営ビジョンを設定している2050年に向けて、国内の18歳人口が大きく減少する一方で、大学等への進学率が上昇するため、高校を卒業して社会人として働き始める若者の人数が現在よりも大幅に減少すると見込まれます。そうした状況下でグループの事業を継続するためには、製造部門で働く社員のエンゲージメント向上による離職率低減と採用競争力強化が重要です。エンゲージメントは長時間労働や身体負担との相関関係が強いことから、交替シフトの見直しを含めた長時間労働の解消や、省力化投資による身体負担の軽減に取り組みます。
b.30代社員のエンゲージメント向上社員のエンゲージメントを年代別に分析すると、30代が他の年代に比べて低い傾向にあります。20代に比べ、心理的な仕事の負担(量)が増える一方で、上司・同僚による支援が減少し、成長実感が下がることが大きな要因と考えられます。対策として、30代社員と上司を対象としたキャリア研修とキャリアコンサルティング面談を実施しました。今後、幅広い年代の社員に対するキャリア形成支援を充実させるべく検討を進めています。グループ内の公募制やキャリア自己申告の拡充も検討中です。
c.女性管理職比率向上&男女賃金格差の解消
当社の女性管理職比率は6.7%、グループ13社の平均は4.1%ですが、13社の内訳は過去の取り組みの差もあり、0.0~14.3%と大きな差が見られます。
男女賃金格差も同様に、当社の男女賃金格差は96.4%、グループ15社の平均は69.6%ですが、15社の内訳は61.1%~96.4%と大きな差が見られます。そこで、2030年度の目標値として、女性管理職比率については当社14%超かつグループ6%超、男女賃金格差についてはグループ80%超を掲げてグループ全体の改善に向けた取り組みを進めています。具体的には、本年度、人権・DE&I推進分科会の下部組織としてダイバーシティ推進部会を設けました。各社のグッドプラクティスの共有に基づく施策提言のほか、参加メンバー同士の交流などを通してグループ全体の改善を図ります。
正社員の賃金項目別男女賃金格差については、基本給よりも賃金項目合計の格差が広がっています。基本給の格差は管理職、非管理職ともに90%前後ですが、家族・住宅手当や時間外・交替手当の格差が大きいためです。
また、女性管理職比率が低いため、管理職・非管理職別に見た男女賃金格差よりも、正社員合計の格差が広がっています。
正社員の賃金項目別男女賃金格差(主要なグループ会社15社計)
| 基本給 | 家族・住宅手当 | 時間外・交替手当 | 賃金項目合計 | |
| 管理職 | 93.1% | 19.9% | 21.1% | 91.6% |
| 非管理職 | 88.9% | 31.3% | 43.4% | 76.7% |
| 正社員合計 | 80.3% | 32.1% | 50.0% | 73.4% |
(注)1.2024年3月給与(単月)で集計した数字です。
2.基本給は、役割給・職能給・年齢給・資格給・役職手当・役付手当・資格手当・勤務手当等を指します。
3.家族・住宅手当は、家族(扶養)手当・住宅手当・単身赴任手当・都市手当・寒冷地(燃料)手当等を指します。
4.時間外・交替手当は、早出残業手当・深夜時間手当・休日出勤手当・60H超手当・夜勤手当・遅出手当・交替勤務手当・時差勤務手当等を指します。管理職の時間外・交替手当は、深夜時間手当を指します。
今後の改善に向け、女性正社員の採用増・定着率向上と上位役職・等級への登用(内部昇進者のキャリア開発拡充と、役職者の中途採用)、家族・住宅手当の支給要件の見直しや、男性社員の長時間労働是正による男女賃金格差の解消を継続的に進めていく方針です。
別表に「当社グループの女性活躍推進 目標値と実績値、課題」を記載しています。
当社グループの女性活躍推進 目標値と実績値、課題
| 分類 | 指標 | 目標値 | 実績値 | 課題 | |
| 2022年度 | 2023年度 | ||||
| 採用 | 女性採用比率 | 30% | 新卒 25.2% | 新卒 19.1%(低下) | ・女性社員の職域拡大(現状は、目標値30%を下回る年度が多い) |
| キャリア 18.5% | キャリア 15.5%(低下) | ||||
| 定着 | 10事業年度前およびその前後の事業年度に採用された労働者の継続雇用割合 | 2025年度 70% (男女共通) | 男性 64.5% 女性 50.0% | 男性 62.3%(低下) 女性 50.5%(改善) | ・女性の継続雇用割合が男性を上回る会社もある一方、女性の継続雇用割合が男性を下回る会社もあるため、個別対応が必要 ・平均継続勤務年数の男女差は着実な改善が続いている |
| 平均継続勤務年数の 男女差 | 2025年度 3年以内 | 3.4年 | 3.1年 (改善) | ||
| 登用 | 30代女性係長 比率 | - | 8.8% | ・女性管理職比率の先行指標である30代女性係長比率を着実に高めていくこと ・出産・育児・介護等のライフイベントの前に将来の成長につながる経験を早めに与えることや、長時間労働を前提としない働き方の拡大(男女共通) | |
| 女性管理職 比率 | 2030年度 6.0% | 3.4% | 4.4% (改善) | ||
| 総合 結果 指標 | 男女賃金格差 (全労働者) | 2030年度 80% | 66.9% | 69.6% (改善) | ・採用~定着~登用、すべての段階において継続的な改善を進めること |
(注)採用~定着~登用の指標は当社を含む主要なグループ会社7社(正社員)の数値。総合結果指標は、2022年度グループ14社、2023年度15社の数値。
d.グループ意識およびグループ内人材流動化比率の向上
グループの経営戦略実現には、社員のグループ意識を高め、人材流動化を進めることが必要です。このような趣旨から、KPIに、「グループの理念・ビジョンの浸透度」、「中核人材のグループ他社経験比率」を設定しています。中核人材は、主要なグループ会社において選抜された将来のリーダー候補を指します。2021年に策定したグループ長期経営ビジョンの浸透を図るとともに、グループ横断の職種別要員計画等を整備することにより、人材流動化比率を高めていきます。
ロ.社内環境整備方針
当社グループは、2018年にグループ人事ポリシーを策定し、「次世代経営人材育成研修」(部長層対象)および「TSGBC(東洋製罐グループビジネスカレッジ)」(課長層対象)の実施、人事制度の共通化、ITインフラ(タレントマネジメントシステム、ストレスチェックシステム等)の整備を進めてきました。2021年入社からは、優秀な人材の確保と、グループを牽引するリーダーの育成を目的として、主要なグループ会社の大卒定期採用を、グループ一括採用に切り替えています。
今後は人材育成方針に則り、交替シフトの見直しや省力化投資、年代別キャリア研修の実施、公募制やキャリア自己申告の拡充、家族・住宅手当の支給要件見直し、職種別要員計画の作成等を進めていきます。