有価証券報告書-第91期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用情勢や所得環境の改善が続き、企業収益は底固く推移し、景気は緩やかな回復基調を辿りました。しかしながら2020年に入り、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により先行きは一気に不透明な状態となりました。
当業界におきましては、橋梁事業の当事業年度の発注は、前事業年度を大きく下回る結果となりました。大規模保全・特定更新関連の発注は堅調に推移しましたが、新設鋼橋は発注の端境期に当たり、前事業年度の7割程度の発注量にとどまりました。鉄構事業においても、東京五輪関連施設の工事完了や高力ボルトの納期長期化等の影響により、鉄骨需要は前事業年度を下回る結果となりました。首都圏では、東京五輪等の開催に伴う規制や制約が不透明なことから着工を延期した案件も多く、また大阪、名古屋等でも大型案件の計画が控えているものの、当事業年度は大型案件の端境期にあったと思われます。
このような状況のもとで当社は、橋梁事業では対象案件を絞り込み、限られた経営資源を最大限に活用する営業活動を継続し、受注高の確保に努めました。その結果、新設鋼橋の発注案件が非常に少ない中で、地方自治体の案件を中心に良好な成果を上げることが出来ました。しかしながら鉄構事業では、目標案件で結果を残せず、当事業年度の受注高は低調に終わった前事業年度を更に下回る厳しい結果となりました。
これらの結果、当事業年度の受注高は橋梁事業13,913,543千円、鉄構事業1,103,438千円、総額15,016,981千円となり受注高合計では前事業年度を上回ることが出来ました。
また、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
(資産の部)
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ1,099,667千円減少し、24,828,673千円となりました。
流動資産は14,266,155千円(前事業年度末14,225,586千円から当事業年度末14,266,155千円)となりました。これは主に工事代金の回収に伴い完成工事未収入金が1,570,487千円減少したものの、現金預金が969,617千円、有価証券が999,974千円増加したことによるものです。
固定資産は10,562,517千円(前事業年度末11,702,753千円から当事業年度末10,562,517千円)となりました。これは主に投資有価証券の時価が下落し、投資有価証券の貸借対照表計上額が950,861千円減少したことによるものです。
(負債の部)
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ995,998千円減少し、6,902,337千円となりました。
流動負債は6,771,688千円(前事業年度末7,623,982千円から当事業年度末6,771,688千円)となりました。これは主に工事代金の回収が堅調に推移したことによる短期借入金の返済600,000千円と工事損失引当金の減少71,741千円によるものです。
なお、支払手形の減少929,610千円と工事未払金の増加813,293千円は、工事未払金を期日現金払いに変更したためであり、仕入債務としての減少は鉄構事業の受注案件減少に伴うものであります。
固定負債は130,649千円(前事業年度末274,353千円から当事業年度末130,649千円)となりました。これは主に投資有価証券の時価が下落したことに伴う繰延税金負債の減少125,818千円によるものです。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ103,669千円減少し、17,926,335千円となりました。これは主に当期純利益の計上771,850千円とその他有価証券評価差額金の減少676,632千円及び剰余金の配当による減少198,272千円によるものです。この結果、自己資本比率は72.2%(前事業年度は69.5%)となりました。
ロ.経営成績
損益面につきましては、前事業年度の受注が低調だった影響もあり、完成工事高は前事業年度を下回りました。しかしながら、橋梁事業において設計変更による契約金額の増額が堅調に推移し、原価の低減も進んだことで、営業利益は前事業年度を上回る結果を残すことができました。
当事業年度の業績につきましては、売上高17,645,537千円(前年同期比4.6%減)、営業利益1,025,301千円(前年同期比8.8%増)、経常利益1,126,831千円(前年同期比7.1%増)、当期純利益771,850千円(前年同期比11.8%減)であります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
橋梁事業
橋梁事業におきましては、前事業年度の受注が低調に推移し受注残高が減少していたにも関わらず、当事業年度完成工事の設計変更による契約金額の増額が堅調に推移したことと、原価の低減が進んだこと等により、売上高15,403,979千円(前年同期比1.4%増)セグメント利益1,191,909千円(前年同期比38.1%増)と前事業年度を上回る結果を残すことができました。受注面では、応札案件を絞り込み、限られた経営資源を最大限に活用する営業活動を継続し、受注高の確保に努めました。その結果、新設鋼橋の発注案件が非常に少ない中で、地方自治体の案件を中心に良好な成果を上げることが出来ました。当事業年度の受注高は13,913,543千円(前年同期比41.6%増)となり、低調に推移した前事業年度を大きく上回る結果となりました。しかしながら、当事業年度末の受注残高は15,295,087千円(前年同期比8.9%減)と前年度末残高を下回る結果となりました。
鉄構事業
鉄構事業におきましては、経営資源の減少に起因する受注の低迷が長引き、当事業年度の売上高は2,241,558千円(前年同期比32.3%減)にとどまりました。また、附帯鉄骨の追加精算等による契約金額の増加が翌期に持ち越しとなった案件もあり、セグメント利益は△166,607千円(前年同期はセグメント利益78,989千円)と悪化し第85期以来のセグメント損失となりました。受注面でも、採算性重視の基本方針を保ちつつ、地域、製作時期等を横にらみしながらの活動を継続したことで、目標案件の成約には至らず1,103,438千円(前年同期比15.5%減)と3期連続で低調な結果となりました。当事業年度末の受注残高は926,010千円(前年同期比55.1%減)であります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より1,969,591千円増加し、5,528,427千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は2,843,118千円(前年同期比29.0%増)となりました。これは主に当事業年度の堅調な決算による税引前当期純利益の計上及び工事代金の回収に伴う売上債権の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は75,305千円(前年同期比63.9%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は798,221千円(前年同期比32.1%減)となりました。これは主に短期借入金の減少と配当金の支払いによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
ロ.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
ハ.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.当事業年度の大成建設㈱については、売上高に占める割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の売上高は17,645,537千円(前年同期比4.6%減)と減少しましたが、営業利益は1,025,301千円(前年同期比8.8%増)、経常利益は1,126,831千円(前年同期比7.1%増)と増加しました。しかしながら、繰延税金資産の回収可能性の検討にあたり、翌期の課税所得の見積りの前提となる事業計画の数値算定に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を加味したことで当期純利益は771,850千円(前年同期比11.8%減)に減少いたしました。
イ.財政状態の分析
財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
ロ.経営成績の分析
(売上高)
前事業年度の受注が低調に推移した影響もあり、売上高は前事業年度を下回りました。鉄構事業の売上高は大きく減少となりましたが、橋梁事業においては設計変更による契約金額の増額が堅調に推移したことで微増となり、合計では前事業年度に比べ857,091千円減少の17,645,537千円(前年同期比4.6%減)となりました。その内訳は、橋梁事業15,403,979千円、鉄構事業2,241,558千円であります。
(営業利益)
売上高は減少したものの、橋梁事業の採算改善に伴い、売上総利益が2,311,557千円(前年同期比7.4%増)となり、販売費及び一般管理費1,286,255千円(前年同期比6.3%増)の増加幅を上回ったことで、営業利益は1,025,301千円(前年同期比8.8%増)となりました。
以上の結果、売上高営業利益率は5.8%となり前事業年度を上回る数値を残すことができました。
(当期純利益)
営業外収益につきましては、主に投資有価証券売却益の減少から前事業年度より23,317千円減少し141,497千円となりました。営業外費用につきましては、主に投資有価証券売却損と支払保証料の減少から前事業年度より14,500千円減少し39,967千円となりました。これらの結果、経常利益は1,126,831千円(前年同期比7.1%増)となり、経常利益率は6.4%と前事業年度を上回る数値を残すことができました。
特別利益につきましては、投資有価証券売却益を計上し、特別損失につきましては、投資有価証券評価損を計上しております。これらの結果、税引前当期純利益は6,726千円増加し1,067,212千円(前年同期比0.6%増)となりました。
当期純利益につきましては、法人税等合計(法人税等調整額を含む)295,362千円を計上した結果、前事業年度より103,036千円減少し771,850千円(前年同期比11.8%減)となり、当期純利益率も4.4%と前事業年度に比べわずかに悪化しました。
ハ.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末より1,969,591千円増加し、5,528,427千円となりました。当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社の主な運転資金需要は、製品製造のための原材料仕入や協力会社への外注費用、人件費等の販売費及び一般管理費が主なものであります。また、設備資金需要は生産効率の向上や品質確保のための設備投資が主なものであります。
(財務政策)
当社は内部留保金を有効に活用することで、事業活動に必要な流動性の確保に努めております。また、品質確保のための設備投資や資本参加も見据えた事業展開に活用することで、経営基盤の強化を目指しております。運転資金は自己資金を基本としつつ、金融機関からの借入を有効活用することで円滑に業務を推進しております。
当事業年度末における短期借入金の残高は1,800,000千円であり、当事業年度末における現金預金の残高は4,528,452千円であります。
経営方針・経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照下さい。
売上高以外の数値目標を達成できた第5次中期経営計画の結果を受け、第6次中期経営計画の策定が必要な時期となりましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動停滞の影響を想定することは極めて難しい状況であることから、2021年3月期の策定は見送ることとし、2022年3月期に新たな経営計画を策定し報告するものといたします。
この機会を、わが社の将来のロードマップを考える1年とし、第6次中期経営計画は長期的な展望を踏まえ策定する予定であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたっては、当事業年度における経営成績等に影響を与えるような見積りを必要としております。当社は過去の実績や現在の状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積りを行っておりますが、見積りには不確実性を伴うことから、実際の結果とは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたり使用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
イ.完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の計上
当事業年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。また、工事原価総額の見積りが工事収益総額を上回る可能性が高く、かつ、その損失見込額を合理的に算定できる場合、当該損失見込額を損失が見込まれた期に工事損失引当金として計上しております。
なお、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度については信頼性をもって見積っておりますが、その見積りが変更された場合には、当該事業年度の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
ロ.繰延税金資産
当社は、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。しかしながら、実際の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合や税率の変更等を含む税制の変更があった場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要となります。その結果、繰延税金資産の取崩が必要となった場合には、当該事業年度の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、収束時期が見通せず、経済活動の停滞が当社業績に与える影響を想定することは極めて困難でありますが、2021年3月期の一定期間においてはその影響が及ぶとの仮定の下で、2020年3月期末の受注残高や業界団体の2021年3月期の発注予想値を基礎として、2021年3月期の課税所得の見積りを行っております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響は不確実性が高いことから、2021年3月期の結果とは乖離が生じる可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用情勢や所得環境の改善が続き、企業収益は底固く推移し、景気は緩やかな回復基調を辿りました。しかしながら2020年に入り、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により先行きは一気に不透明な状態となりました。
当業界におきましては、橋梁事業の当事業年度の発注は、前事業年度を大きく下回る結果となりました。大規模保全・特定更新関連の発注は堅調に推移しましたが、新設鋼橋は発注の端境期に当たり、前事業年度の7割程度の発注量にとどまりました。鉄構事業においても、東京五輪関連施設の工事完了や高力ボルトの納期長期化等の影響により、鉄骨需要は前事業年度を下回る結果となりました。首都圏では、東京五輪等の開催に伴う規制や制約が不透明なことから着工を延期した案件も多く、また大阪、名古屋等でも大型案件の計画が控えているものの、当事業年度は大型案件の端境期にあったと思われます。
このような状況のもとで当社は、橋梁事業では対象案件を絞り込み、限られた経営資源を最大限に活用する営業活動を継続し、受注高の確保に努めました。その結果、新設鋼橋の発注案件が非常に少ない中で、地方自治体の案件を中心に良好な成果を上げることが出来ました。しかしながら鉄構事業では、目標案件で結果を残せず、当事業年度の受注高は低調に終わった前事業年度を更に下回る厳しい結果となりました。
これらの結果、当事業年度の受注高は橋梁事業13,913,543千円、鉄構事業1,103,438千円、総額15,016,981千円となり受注高合計では前事業年度を上回ることが出来ました。
また、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
(資産の部)
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ1,099,667千円減少し、24,828,673千円となりました。
流動資産は14,266,155千円(前事業年度末14,225,586千円から当事業年度末14,266,155千円)となりました。これは主に工事代金の回収に伴い完成工事未収入金が1,570,487千円減少したものの、現金預金が969,617千円、有価証券が999,974千円増加したことによるものです。
固定資産は10,562,517千円(前事業年度末11,702,753千円から当事業年度末10,562,517千円)となりました。これは主に投資有価証券の時価が下落し、投資有価証券の貸借対照表計上額が950,861千円減少したことによるものです。
(負債の部)
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ995,998千円減少し、6,902,337千円となりました。
流動負債は6,771,688千円(前事業年度末7,623,982千円から当事業年度末6,771,688千円)となりました。これは主に工事代金の回収が堅調に推移したことによる短期借入金の返済600,000千円と工事損失引当金の減少71,741千円によるものです。
なお、支払手形の減少929,610千円と工事未払金の増加813,293千円は、工事未払金を期日現金払いに変更したためであり、仕入債務としての減少は鉄構事業の受注案件減少に伴うものであります。
固定負債は130,649千円(前事業年度末274,353千円から当事業年度末130,649千円)となりました。これは主に投資有価証券の時価が下落したことに伴う繰延税金負債の減少125,818千円によるものです。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ103,669千円減少し、17,926,335千円となりました。これは主に当期純利益の計上771,850千円とその他有価証券評価差額金の減少676,632千円及び剰余金の配当による減少198,272千円によるものです。この結果、自己資本比率は72.2%(前事業年度は69.5%)となりました。
ロ.経営成績
損益面につきましては、前事業年度の受注が低調だった影響もあり、完成工事高は前事業年度を下回りました。しかしながら、橋梁事業において設計変更による契約金額の増額が堅調に推移し、原価の低減も進んだことで、営業利益は前事業年度を上回る結果を残すことができました。
当事業年度の業績につきましては、売上高17,645,537千円(前年同期比4.6%減)、営業利益1,025,301千円(前年同期比8.8%増)、経常利益1,126,831千円(前年同期比7.1%増)、当期純利益771,850千円(前年同期比11.8%減)であります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
橋梁事業
橋梁事業におきましては、前事業年度の受注が低調に推移し受注残高が減少していたにも関わらず、当事業年度完成工事の設計変更による契約金額の増額が堅調に推移したことと、原価の低減が進んだこと等により、売上高15,403,979千円(前年同期比1.4%増)セグメント利益1,191,909千円(前年同期比38.1%増)と前事業年度を上回る結果を残すことができました。受注面では、応札案件を絞り込み、限られた経営資源を最大限に活用する営業活動を継続し、受注高の確保に努めました。その結果、新設鋼橋の発注案件が非常に少ない中で、地方自治体の案件を中心に良好な成果を上げることが出来ました。当事業年度の受注高は13,913,543千円(前年同期比41.6%増)となり、低調に推移した前事業年度を大きく上回る結果となりました。しかしながら、当事業年度末の受注残高は15,295,087千円(前年同期比8.9%減)と前年度末残高を下回る結果となりました。
鉄構事業
鉄構事業におきましては、経営資源の減少に起因する受注の低迷が長引き、当事業年度の売上高は2,241,558千円(前年同期比32.3%減)にとどまりました。また、附帯鉄骨の追加精算等による契約金額の増加が翌期に持ち越しとなった案件もあり、セグメント利益は△166,607千円(前年同期はセグメント利益78,989千円)と悪化し第85期以来のセグメント損失となりました。受注面でも、採算性重視の基本方針を保ちつつ、地域、製作時期等を横にらみしながらの活動を継続したことで、目標案件の成約には至らず1,103,438千円(前年同期比15.5%減)と3期連続で低調な結果となりました。当事業年度末の受注残高は926,010千円(前年同期比55.1%減)であります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より1,969,591千円増加し、5,528,427千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は2,843,118千円(前年同期比29.0%増)となりました。これは主に当事業年度の堅調な決算による税引前当期純利益の計上及び工事代金の回収に伴う売上債権の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は75,305千円(前年同期比63.9%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は798,221千円(前年同期比32.1%減)となりました。これは主に短期借入金の減少と配当金の支払いによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 橋梁事業(千円) | 15,274,493 | △5.3 |
| 鉄構事業(千円) | 1,901,862 | △39.8 |
| 合計(千円) | 17,176,356 | △10.9 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
ロ.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 | 前年同期比(%) | 受注残高 | 前年同期比(%) |
| 橋梁事業(千円) | 13,913,543 | +41.6 | 15,295,087 | △8.9 |
| 鉄構事業(千円) | 1,103,438 | △15.5 | 926,010 | △55.1 |
| 合計(千円) | 15,016,981 | +34.9 | 16,221,097 | △13.9 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
ハ.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 橋梁事業(千円) | 15,403,979 | +1.4 |
| 鉄構事業(千円) | 2,241,558 | △32.3 |
| 合計(千円) | 17,645,537 | △4.6 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 国土交通省 | 9,215,435 | 49.8 | 8,704,108 | 49.3 |
| 中日本高速道路㈱ | 2,272,936 | 12.3 | 1,857,807 | 10.5 |
| 大成建設㈱ | 2,977,624 | 16.1 | - | - |
2.当事業年度の大成建設㈱については、売上高に占める割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の売上高は17,645,537千円(前年同期比4.6%減)と減少しましたが、営業利益は1,025,301千円(前年同期比8.8%増)、経常利益は1,126,831千円(前年同期比7.1%増)と増加しました。しかしながら、繰延税金資産の回収可能性の検討にあたり、翌期の課税所得の見積りの前提となる事業計画の数値算定に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を加味したことで当期純利益は771,850千円(前年同期比11.8%減)に減少いたしました。
イ.財政状態の分析
財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
ロ.経営成績の分析
(売上高)
前事業年度の受注が低調に推移した影響もあり、売上高は前事業年度を下回りました。鉄構事業の売上高は大きく減少となりましたが、橋梁事業においては設計変更による契約金額の増額が堅調に推移したことで微増となり、合計では前事業年度に比べ857,091千円減少の17,645,537千円(前年同期比4.6%減)となりました。その内訳は、橋梁事業15,403,979千円、鉄構事業2,241,558千円であります。
(営業利益)
売上高は減少したものの、橋梁事業の採算改善に伴い、売上総利益が2,311,557千円(前年同期比7.4%増)となり、販売費及び一般管理費1,286,255千円(前年同期比6.3%増)の増加幅を上回ったことで、営業利益は1,025,301千円(前年同期比8.8%増)となりました。
以上の結果、売上高営業利益率は5.8%となり前事業年度を上回る数値を残すことができました。
(当期純利益)
営業外収益につきましては、主に投資有価証券売却益の減少から前事業年度より23,317千円減少し141,497千円となりました。営業外費用につきましては、主に投資有価証券売却損と支払保証料の減少から前事業年度より14,500千円減少し39,967千円となりました。これらの結果、経常利益は1,126,831千円(前年同期比7.1%増)となり、経常利益率は6.4%と前事業年度を上回る数値を残すことができました。
特別利益につきましては、投資有価証券売却益を計上し、特別損失につきましては、投資有価証券評価損を計上しております。これらの結果、税引前当期純利益は6,726千円増加し1,067,212千円(前年同期比0.6%増)となりました。
当期純利益につきましては、法人税等合計(法人税等調整額を含む)295,362千円を計上した結果、前事業年度より103,036千円減少し771,850千円(前年同期比11.8%減)となり、当期純利益率も4.4%と前事業年度に比べわずかに悪化しました。
ハ.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末より1,969,591千円増加し、5,528,427千円となりました。当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社の主な運転資金需要は、製品製造のための原材料仕入や協力会社への外注費用、人件費等の販売費及び一般管理費が主なものであります。また、設備資金需要は生産効率の向上や品質確保のための設備投資が主なものであります。
(財務政策)
当社は内部留保金を有効に活用することで、事業活動に必要な流動性の確保に努めております。また、品質確保のための設備投資や資本参加も見据えた事業展開に活用することで、経営基盤の強化を目指しております。運転資金は自己資金を基本としつつ、金融機関からの借入を有効活用することで円滑に業務を推進しております。
当事業年度末における短期借入金の残高は1,800,000千円であり、当事業年度末における現金預金の残高は4,528,452千円であります。
経営方針・経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照下さい。
売上高以外の数値目標を達成できた第5次中期経営計画の結果を受け、第6次中期経営計画の策定が必要な時期となりましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動停滞の影響を想定することは極めて難しい状況であることから、2021年3月期の策定は見送ることとし、2022年3月期に新たな経営計画を策定し報告するものといたします。
この機会を、わが社の将来のロードマップを考える1年とし、第6次中期経営計画は長期的な展望を踏まえ策定する予定であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたっては、当事業年度における経営成績等に影響を与えるような見積りを必要としております。当社は過去の実績や現在の状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積りを行っておりますが、見積りには不確実性を伴うことから、実際の結果とは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたり使用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
イ.完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の計上
当事業年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。また、工事原価総額の見積りが工事収益総額を上回る可能性が高く、かつ、その損失見込額を合理的に算定できる場合、当該損失見込額を損失が見込まれた期に工事損失引当金として計上しております。
なお、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度については信頼性をもって見積っておりますが、その見積りが変更された場合には、当該事業年度の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
ロ.繰延税金資産
当社は、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。しかしながら、実際の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合や税率の変更等を含む税制の変更があった場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要となります。その結果、繰延税金資産の取崩が必要となった場合には、当該事業年度の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、収束時期が見通せず、経済活動の停滞が当社業績に与える影響を想定することは極めて困難でありますが、2021年3月期の一定期間においてはその影響が及ぶとの仮定の下で、2020年3月期末の受注残高や業界団体の2021年3月期の発注予想値を基礎として、2021年3月期の課税所得の見積りを行っております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響は不確実性が高いことから、2021年3月期の結果とは乖離が生じる可能性があります。