有価証券報告書-第74期(令和2年8月1日-令和3年7月31日)

【提出】
2021/10/21 16:15
【資料】
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【項目】
139項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2021年10月21日)現在において経営者が判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループは、「独自性のある高品質な製品をお客さまにお届けする」という事業精神のもとで、お客さまの声に対し、従業員一人ひとりが新しいアイデアを出し合い、モノを創造していくこと、それが最高の品質を生み、最高の価値を生むものと考え、技術部門は「独自性」を、製造部門は「品質とコスト」を、営業部門は「信頼」を徹底的に追求し、「信頼に応えるモノづくりを通じて社会に貢献する」ことを経営理念としております。この経営理念のもと、鋼製物置及びオフィス家具を製造・販売し、「くらしの快適さのための機能的な収納空間の実現と快適で創造的なオフィス空間の実現」に向けて事業活動を行っております。
当社グループは創業以来、社会環境の変化に向き合いながら、開発・生産・販売の一貫体制を活かした着実な事業展開と効率的な経営を実践し続けることで、イナバらしさを追求し、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目指してまいります。
(2) 経営環境
国内経済においては、一部に持ち直しの動きがみられるものの、ワクチンの接種ペースや感染力の強い変異株の流行などから新型コロナウイルス感染症の収束にはなお相当な期間を要することが予想され、新型コロナウイルス感染症と経済活動は一進一退の状況が続くことが予想されます。また、当社グループの主要材料である鋼材市況においては、当面は需給バランスが不安定な状況が懸念され、引き続き価格高騰が続くものと考えられます。
鋼製物置事業につきましては、昨年の緊急事態宣言時と比較して経済活動制限が限定的であることから、新設住宅着工への影響も限定的なものとなる見込みであること、コロナ禍において延長・拡充された各種住宅取得支援制度が支えとなることで、持家・分譲一戸建住宅の新設着工は緩やかな増加基調で推移すると予想しております。また、これまでガレージ・倉庫を中心に進めてきた用途開発に対する需要が継続していることから、ガレージ・倉庫などの需要は堅調に推移する見込みです。
オフィス家具事業につきましては、都心を中心に大規模新築オフィスビルの供給は減少する見込みですが、アフターコロナに向けたオフィス面積縮小に伴うオフィスのリニューアル需要は堅調に推移すると予想しております。また、コロナ禍で多様化したワークスタイルに対応する新しいオフィスづくりへの動きは活発化しており、ワークブースやオフィスDXなど新しい製品に対する需要は高まっておりますが、一方で「GIGAスクール構想」による需要の反動減を見込んでおります。
また、当社グループにおいては、コスト環境は予断を許さない不安定な動きが続くと考えられ、厳しい事業環境が継続するものと予想しております。
なお、新型コロナウイルス感染症による2022年7月期以降の当社グループの経営環境への影響は、現時点においては軽微であるとの前提を置いております。
(3) 経営戦略等
① 一貫体制維持・強化
当社は、1940年にプレス加工メーカーとして創業して以来、鋼製物置、オフィス家具に事業領域を拡大し、新技術・新製品の開発に取り組み、鋼製物置・オフィス家具の両事業で多彩な製品を提供しております。鋼製物置事業では、イナバ物置の生産開始以降、CM「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫」での認知度に加えて、ユーザーの立場にたって組み立てやすく高品質な製品づくりを心掛けてきた結果、鋼製物置市場では国内トップシェアを獲得しております。また、物置で培ったノウハウを活かしてガレージ、倉庫、自転車置場等で製品領域を拡げ、現在は大型製品のラインナップ拡充に注力するなど、快適な住環境からパブリックスペースまで多様なニーズに対応する製品を提供しております。オフィス家具事業では、ユーザーの使いやすさを徹底的に追求し、ノックダウン方式を業界で初めて採用するなど、デスク、チェア、パーテーション等を含めたオフィス空間のトータルプロデュースに心掛けております。
当社グループは、市場から求められる高品質な製品を安定的に供給し続けるため、引き続き一貫体制の維持・強化に取り組んでまいります。
技術部門では、市場ニーズに合致した競争力のある新製品を開発し、製品ラインナップの拡充に取り組んでおります。製造部門では、「製品の90%以上が自社による一貫生産」という自社生産比率の高さを強みとし、加工専用機械、金型製作、ライン編成等も自社で設計・製作し技術とノウハウを社内に蓄積することで、コスト競争力と高品質を両立させた製品づくりを行ってまいります。また、自動化・省力化に資する設備投資とより最適な生産体制の確立を継続的に進めております。営業部門では、全国展開している代理店網を活用した地域密着型の営業活動を重視し、お客様・代理店・販売店の声、市場動向等をリアルタイムで技術部門や製造部門へ伝えることで新たな製品開発を進め、お客様の信頼獲得につなげてまいります。また、全国に設置している物流拠点を営業部門が統括することで、正確な配送と納期の短縮化を目指しております。
② 翌連結会計年度の基本方針
当社グループは、経済・社会環境の変化に向き合いながら、翌連結会計年度の基本方針を踏まえた事業活動を行ってまいります。
a.経営基盤強化に向けた取り組み
当社グループは、経営基盤の強化や将来の利益成長に向けて、設備投資を実施いたします。翌連結会計年度における主な設備投資は、柏工場・粉体塗装設備の更新、富岡工場・粉体塗装設備の見直し及び富岡工場・設備棟の新設などを予定しています。これらの設備投資と改善活動を継続していくことで、生産性・効率性の向上と競争力の向上を図ってまいります。
また、イナバの原点である「自前主義」に立ち返ります。当社グループが目指すものは、自社の殻に閉じこもるといったことではなく、外部技術や他社機械などを勉強して、自社で出来るように機械や生産ラインを見直す、採算が確保できるように工夫することです。これを大いに楽しみ、苦しむことで、モノづくりの実力が身につき、開発のスピードアップや開発の幅が広がり、当社グループが成長できると考えております。当社グループは、これまでの常識にとらわれずに「自前主義」に挑戦してまいります。
b.持続的成長に向けた取り組み
当社グループは、多様化するニーズに対応した競争力ある製品ラインナップの拡充、品質の向上、生産拠点・販売拠点・物流拠点の効率的な運用を図ることにより、収益性の維持・向上を目指しております。当社グループは、これらを実現するために、イナバ製品の「品質」「独自性」「価値」を追求するとともに、引き続き「新製品開発」「用途開発」「組立職人の育成・充実」などに取り組んでまいります。
(鋼製物置事業)
鋼製物置事業においては、売上高の拡大と安定的な利益確保を目指しております。
当社グループは、これらを実現するために、新製品の開発や新たな用途開発に取り組むとともに、製品ラインナップの拡充を図り、代理店・販売店に対するリレーションの強化を継続してまいります。
「イナバ品質」すなわち、「独自性」「価値」を追求することは、イナバの原点であります。今年5月に先行発売した「フォルタ FS」は、材料、構造、機能などにおいてイナバ品質を実現した新製品であり、物置業界初となる建築基準法に対応した新製品となりました。今年10月からは、これまで物置の主力製品であった「ネクスタ」シリーズを全面的に「フォルタ」シリーズへモデルチェンジする予定であり、代理店・販売店、そしてお客さまにイナバらしさを理解いただき、使っていただけるよう営業展開を加速させてまいります。また、堅牢性を強みとした「フォルタ」シリーズの発売開始に伴い、お客さまのニーズ・用途が広がることが考えられることから、新たな用途開発にも努めてまいります。
(オフィス家具事業)
オフィス家具事業においては、売上高の拡大と収益性の改善を目指しております。
当社グループは、これらを実現するために、お客様のニーズにマッチした製品の拡充やコンサルティング営業の強化、並びにコスト抑制の取り組みを継続してまいります。
また、ウィズコロナ・アフターコロナによるオフィス環境の変化や働き方の多様化に対応する新製品の開発に取り組んでまいります。
(共通)
業務部門の適正化や効率化を図るため、翌事業年度よりWEB受注システムを導入する予定であります。同システムの安定稼働により、代理店からの信頼を得るとともに、物流面の生産性向上に努めてまいります。また、当事業年度において、犬山工場では鋼製物置生産ラインの再構築とともに、物流面では積み込み時間短縮のため、ピッキング用プラットフォームやトラック専用出口を新設しました。翌事業年度においては、各工場・配送センターで積み込み時間短縮への更なる取り組みを継続いたします。
③ 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた経営
新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会活動や経済活動が大きく抑制され、国内経済の先行きは不安定かつ不透明な状況にあります。当感染症が当社グループの経営に与える影響につきましては、生産拠点・販売拠点・物流拠点及び代理店・販売店の一時的な閉鎖や納品延期などにより、収益機会が減少する可能性があります。
このような経営環境の中、当社グループは、こうした社会環境が変化する時期をビジネスチャンスと捉え、お客様の声にしっかりと耳を傾け、社会や市場のニーズの変化を先取りした製品の開発、用途提案・用途開発により新たなビジネスチャンスを発掘してまいります。
また、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の収束時期や影響の程度が見通せない中、政府の方針や保険行政の指針等に基づき、当感染症の感染防止策に継続して取り組んでまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高経常利益率を中長期的な経営指標として重視しています。常にコスト意識を持って収益改善に取り組み、安定かつ強固な経営基盤の確立と資本効率の向上を目指します。
また、当社グループは、生産性向上・省力化に資する設備投資を継続的に行っていることから、減価償却前営業利益の水準も重要な経営指標であると考えています。
2022年7月期の連結目標は、売上高37,680百万円、営業利益2,080百万円、経常利益2,370百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,670百万円、売上高経常利益率6.3%、減価償却前営業利益4,000百万円としております。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
翌連結会計年度の国内経済は、新型コロナウイルス感染症の収束時期やその影響の程度が見通せず、先行きは不透明な状況となっています。当社グループにおきましては、鋼製物置事業において、需要は増加傾向にありますが、オフィス家具事業において、既存製品の需要が減少傾向にあります。また、主要材料である鋼材市況については、当面は需給バランスの不安定な状況が懸念され、価格の高騰が続くと予想しております。
このような状況のもと、当社グループは、鋼製物置事業において高シェアと高収益を維持していくこと、オフィス家具事業において多様化するマーケットニーズに対応した競争力のある製品のラインナップ充実などに加え、徹底したコスト管理の強化、品質・生産性の向上に努めることで、持続的成長を成し遂げてまいります。
鋼製物置事業につきましては、ガレージ・倉庫など大型製品の需要は引き続き高水準で推移すると予想しております。このような状況のもと、収益機会を逸することがないよう安定供給の体制を強化し、お客さまのニーズにマッチした製品の拡充を図り、売上高の拡大を目指すとともに、WEB活用による勉強会・製品説明会の実施等によるコストの低減や販売価格の見直しにより、収益性の向上に取り組んでまいります。
オフィス家具事業につきましては、大規模新築オフィスビルの供給は減少する見込みですが、アフターコロナに向けたオフィス面積縮小に伴うオフィスのリニューアル需要は堅調に推移すると予想しております。また、働き方改革など新しいオフィスづくりへの動きは活発化しており、ワークブースやオフィスDXなど新しい製品に対する需要は高まっています。このような状況のもと、既存製品への需要が減少していることから、ABW(アクティビティ ベースド ワーキング)、WEB会議・商談、テレワークなど、お客さまのニーズにマッチした差別化製品の開発に積極的に取り組んでまいります。
品質・効率性の向上につきましては、成長に資する効果的な設備投資と継続的な改善活動により、生産性の向上を図るとともに、安定供給のさらなる強化に取り組んでまいります。併せて、全社にわたる働き方改革の実践と業務効率化への取り組みを強化し、競争力の向上に努めてまいります。
成長への投資と株主還元につきましては、健全な財務体質を維持しつつ、バランスのとれた資産配分を行ってまいります。さらに、企業の社会的責任として、環境問題を重要な課題の一つと捉え、省エネルギー、廃棄物削減・リサイクル化、環境負荷の低減等の取り組みを継続してまいります。
そして、あらゆるステークホルダーからの信頼にお応えするために、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス体制強化による内部統制システムの充実、BCP(事業継続計画)などリスク管理体制に基づく安定した事業継続に努めてまいります。

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