有価証券報告書-第68期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 16:20
【資料】
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【項目】
159項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、主要国におけるインフレ率の鈍化が進み、金融引き締め影響が徐々に緩和される中、総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。
米国では一部に弱さが見られるものの、個人消費や設備投資は底堅く推移しており、雇用環境も安定を維持する等、景気は緩やかな拡大傾向が続いております。一方、中国では政府による景気刺激策や金融緩和策が実施されるものの、不動産市場の低迷や個人消費の伸び悩み等、成長率は緩やかな水準にとどまっております。日本では物価上昇の継続や為替相場の変動等の影響を受けるものの、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が緩やかに持ち直す等、景気は回復基調で推移しております。
当社グループが属する自動車業界においては、日本では半導体等の供給制約は緩和傾向にあるものの、車種別での部品需給の偏在や電動化進展に伴う生産体制の過渡的な効率低下が見られました。また、国内市場においては需要の伸び悩みや買い替えサイクルの長期化も影響し、国内生産は回復基調を維持したものの、総じて横ばいでの推移となりました。
タイでは家計債務の影響により総生産台数が前年同期を僅かに下回る中、中資系OEMの躍進により、日系OEMは国内販売向け及び輸出向けいずれも減少傾向が続いております。
中国では、新エネルギー車(NEV)を中心に生産・販売ともに世界一の規模を維持する一方、従来型内燃機関車(ICE)の販売は伸び悩んでおり、日系OEMは市場構造の変化と価格競争への追従を余儀なくされる等、依然として厳しい状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは、中長期5か年計画の3年目として、既存事業の強化及び電動化領域を中心とする新事業の創出に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は51,919百万円(前年同期比10.2%増)、営業利益は1,858百万円(前年同期は19百万円の営業利益)、経常利益は1,140百万円(前年同期は535百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は891百万円(前年同期は3,282百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当社グループでは、事業規模拡大による持続的な成長と効率性の高い事業運営を目指し、売上高・営業利益・ROA(総資産営業利益率)を中長期5か年計画のKPI(重要業績評価指標)としておりますが、近年の自動車業界における電動化シフトによる事業環境の変化に伴い、目標値への到達は当初の予定から3年程度後ろ倒しになる予定であります。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。なお当連結会計年度より、報告セグメントを従来の
「J-MAX」、「タイ」、「広州」、「武漢」の区分から、「日本」、「タイ」、「中国」に変更しております。これに伴い前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
(日本)
日本においては、一部の機種を除き主要客先向け自動車部品の生産は減少するものの、新機種立上げに伴う金型設備等の販売が増加したことにより、売上高は前年同期と同水準となりました。なお、岡山工場稼働に伴う一時的な変動費の増加等により利益は減少いたしました。
以上の結果、売上高は19,419百万円(前年同期比0.1%増)、経常利益は600百万円(前年同期比20.4%減)となりました。
日本においては、新規受注先の拡大や新たな生産拠点の整備に加え、今後の競争力強化につながる研究開発の推進等、グループ全体の成長を牽引しております。
(タイ)
タイにおいては、主要客先向け自動車部品の生産が国内及び輸出向けともに減少したことにより売上高は減少したものの、前期までに実施した要員適正化及び金型事業縮小等の構造改革の継続効果に加え、エネルギー価格高騰による製品売価の増加等により、利益は増加いたしました。
以上の結果、売上高は5,965百万円(前年同期比3.1%減)、経常利益は75百万円(前年同期は92百万円の経常損失)となりました。
タイにおいては、タイ国内及び輸出先である周辺国における市場が成熟化する中、固定費削減を中心とした構造改革推進により、利益体質の強化を図っております。
(中国)
中国においては、主要客先である日系OEMの減産が依然として継続する中、車載電池メーカー向け電動化部品は大幅増産が継続いたしました。また、前期までに実施した要員適正化及び固定資産の売却等の構造改革の継続効果により、売上高及び利益ともに大幅に増加いたしました。
以上の結果、売上高は26,911百万円(前年同期比22.3%増)、経常利益は724百万円(前年同期は895百万円の経常損失)となりました。
中国においては、二極化する客先の急激な生産変動にも耐えうる、強固な企業体質と事業基盤の構築を図るべく、継続的な原価低減の取組みを推進するとともに、成長ドライバーである電動化事業の更なる拡大を展開しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,322百万円となり、前連結会計年度末に比べ757百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、5,275百万円の収入(前年同期は1,257百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,125百万円(前年同期は2,377百万円の税金等調整前当期純損失)、減価償却費3,784百万円(前年同期は4,393百万円)、売上債権の増加額3,046百万円(前年同期は727百万円の減少)、仕入債務の増加額3,875百万円(前年同期は757百万円の減少)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,928百万円の支出(前年同期は6,457百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,965百万円(前年同期は9,010百万円の支出)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,941百万円の支出(前年同期は5,386百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金1,621百万円の減少(前年同期は2,743百万円の増加)、長期借入金801百万円の増加(前年同期は2,258百万円の増加)、ファイナンス・リース債務の返済による支出928百万円(前年同期は426百万円の支出)等によるものであります。
当社グループでは、中長期5か年計画においてフリー・キャッシュフローを重視しており、「既存事業強化」及び「新事業の創出」を戦略の2本柱として掲げ、利益創出に取り組んでおります。また、投資については事業規模の拡大を最優先に捉え、将来の収益拡大に向けた戦略的成長投資を推進しております。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本19,062100.4
タイ5,93196.8
中国26,904122.6
合計51,899110.3

(注) 金額は、販売価格によります。
b. 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
日本19,319103.31,534116.1
タイ5,84696.645388.5
中国26,175122.21,04959.6
合計51,341111.23,03684.5

c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
日本19,091100.6
タイ5,93496.9
中国26,893122.2
合計51,919110.2

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(百万円)割 合 (%)金額(百万円)割 合 (%)
東プレ株式会社7,41315.78,42116.2
寧德時代新能源科技股份有限公司1,7743.86,79213.1
広汽本田汽車有限公司6,72114.35,91211.4
東風本田汽車有限公司6,72014.34,7489.1


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣は連結財務諸表の作成に当たって、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー、特に以下に述べる項目に影響を与えるような見積り及び判断を行っております。経営陣は過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
a.棚卸資産
棚卸資産のうち、仕掛品に含まれる販売目的の金型、治具及び検具等(販売用金型等)は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)(1)棚卸資産(販売用金型等)の評価」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)(1)棚卸資産(販売用金型等)の評価」に記載のとおりです。
b.繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性の判断については、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)(2)繰延税金資産の回収可能性の判断」に記載のとおりです。
c.退職給付引当金
当社は、退職給付債務の算定に当たり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。また、一部の連結子会社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(退職給付関係)2確定給付制度(8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
d.減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失の認識及び測定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)(2)固定資産の減損」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
<経営成績等>当連結会計年度の経営成績等について、当社グループは、前期までに実施した構造改革の継続効果に加え、中国における電動化部品の増産影響等により、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、増益となりました。なお、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益については黒字転換いたしました。
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高は、中国の車載電池メーカー向け電動化部品の大幅増産により増収となったことで、前年同期比10.2%増の51,919百万円となりました。
売上原価は、前連結会計年度の43,970百万円から46,572百万円に増加し、売上高に対する比率は3.7ポイント減少し89.7%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の3,112百万円から3,488百万円に増加し、売上高に対する比率は0.1ポイント増加し6.7%となりました。以上の結果、営業利益は前連結会計年度の19百万円に対し、1,858百万円となりました。
営業外収益は、前連結会計年度の73百万円に対し、136百万円となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度の627百万円に対し、854百万円となりました。以上の結果、前連結会計年度の535百万円の経常損失に対し、1,140百万円の経常利益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の3,282百万円の親会社株主に帰属する当期純損失に対し、891百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。
<財政状態の分析>当社グループの当連結会計年度末における資産総額は、62,109百万円となり、前連結会計年度末と比較し、6,384百万円の増加となりました。これは主に、売掛金等の流動資産合計が6,012百万円増加、建物及び構築物が2,693百万円増加、リース資産が811百万円増加、建設仮勘定が3,643百万円減少したこと等が要因であります。
負債総額は41,158百万円となり、前連結会計年度末と比較し、5,043百万円の増加となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が4,589百万円増加、短期借入金が1,237百万円減少、1年内返済予定の長期借入金が489百万円増加、リース債務が684百万円増加したこと等が要因であります。
純資産は20,950百万円となり、前連結会計年度末と比較し、1,341百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が763百万円増加、為替換算調整勘定が311百万円増加、非支配株主持分が134百万円増加したこと等が要因であります。
<経営成績に重要な影響を与える要因について>当社グループの主たる事業である自動車業界では、脱炭素社会の実現に向けた電動化の加速及び海外における新興メーカーの台頭に加え、価格競争等により、大変厳しいものとなっております。
以上の現状を踏まえ、更なるグローバル競争及び価格低減競争が予想されるとともに、景気の状況等の影響も受けやすく、自動車関係市場の変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの連結売上高に占める海外子会社売上高の割合は62.6%と大きく、為替の変動が、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
<資本の財源及び資金の流動性についての分析>当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは5,275百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローが2,928百万円の支出となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローが1,941百万円の支出となった結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前連結会計年度末に比べ757百万円増加し、7,322百万円となりました。
当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金、借入、社債により調達しております。また、借入による調達に関しましては、運転資金については短期借入金、生産設備等は、原則として長期借入金及び社債で調達しており、当連結会計年度末の連結貸借対照表に計上されている短期借入金の残高は11,363百万円、1年内返済予定の長期借入金の残高は2,481百万円、社債の残高は2,500百万円、長期借入金の残高は7,113百万円であります。

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