有価証券報告書-第162期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当グループは、「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」ことを存在意義(Purpose)とし、企業理念(Vision)、私たちが大切にしたい価値観(Value)の実践を通して、社会価値の創造と企業価値の向上を目指してまいります。
企業理念:「オークマは、総合一貫した“ものづくりサービス”を通して、世界中のお客様の価値創造に
貢献することで、オークマと共に歩むすべての人々の幸せを実現します。」
私たちが大切にしたい価値観:「ともに創る ともに喜ぶ」
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当グループを取り巻く経営環境は、労働人口の減少やデジタル革新技術の進展による社会構造の変化に加え、地政学リスクの高まりや気候変動への対応等を背景に、産業構造の変革がグローバルに加速しております。工作機械市場においては、労働力不足を背景とした自動化・省人化需要の拡大や、米国を中心とした生産の国内回帰の動き等を受け、中長期的には緩やかな成長が見込まれる一方で、地域・産業ごとの需要変動等は不確実性が高まってきております。
また、新たな感染症の発生や自然災害の頻発、経済安全保障等のリスクの観点からのサプライチェーン再編のための製造拠点の分散・複線化・再配置等によるものづくりの強靭化が求められております。加えて、顧客ニーズの多様化や生成AI・フィジカルAIの進展により、生産現場で創出されるデータを活用し、人の判断を補完・代替する高度な自動化や知能化が求められてきております。このような環境下において、需要変動への対応力強化と収益体質の安定化に加え、付加価値の高いソリューション提供による競争力強化が重要課題であると認識しております。
■ ビジネスモデル「ものづくりサービス」
製造業全体が大きな転換点に差し掛かる中、当グループは、工作機械を制御する数値制御装置(NC装置)を自社開発する世界有数の総合工作機械メーカーとしての強みを活かし、「機電情知(機械、電気(制御)、情報、知識創造)」の融合技術を基盤に、機械技術から制御技術まで、ハードウエアからソフトウエアまで、製品から加工技術まで、ビフォアセールスからアフターサービスまで工作機械に関わる全てのことを提供し、お客様のものづくりをトータルで支援するというトータルレスポンシビリティの思想の下、「ものづくりサービス」を提供しております。
「ものづくりサービス」は、独自のスマートマシン(知能化・AI技術を搭載した工作機械)だけでなく、加工技術、そして自社工場で培ってきたスマートファクトリー構築のノウハウをスマートファクトリーソリューションとして提供することにより個々のお客様におけるものづくりのライフサイクル全体において課題を解決し、新たな価値を提供します。そして労働人口減少や脱炭素社会の実現等、社会課題の解決に貢献するとともに、当グループとしての成長を図り、「世界の製造業における社会課題を解決する企業」を目指してまいります。
■ 2030年ビジョン
「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」という存在意義(Purpose)の実現に向けた2030年までのビジョンを掲げています。「ものづくりサービス」をグローバルに提供し、2030年度までに連結売上高3,000億円、連結営業利益率15%以上、ROE13~15%を目指しています。
世界のものづくりの課題解決の需要に応えること、そしてものづくりの課題解決を通じてお客様に貢献することが当グループの成長につながります。その上で、成長産業、強みの産業を幅広くカバーすることによる成長とグローバル市場における成長を掛け合わせ、当グループの中長期的な成長を図ってまいります。
■ 中期経営計画2025の成果と課題
当グループは、2023年度から2025年度を対象とする中期経営計画2025において、成長に向けた投資及び基盤整備を計画通り実行してまいりました。2025年度の連結業績は、売上高は2,358億円と過去最高を更新した一方で、営業利益率は6.6%、ROEは5.3%、ROICは4.3%となり、売上高、収益性、資本効率は目標水準には至りませんでした。
中期経営計画2025の期間を通じて、Green-Smart Machineの展開や価格政策の推進、大型案件の取り込みにより受注単価は着実に向上しました。海外売上高比率70%以上を目指すグローバル70の達成を目指し、海外需要を取り込むことにより海外売上高比率は2025年度に73.3%まで上昇いたしました。また、自動化・省人化ニーズを捉えたソリューション提案を強化するため、江南工場で2026年1月に「Dream Site Engineered Solutions(DSES)」の稼働を開始、また2026年5月より「Global Innovation Center(GIC)」の稼働を開始し、顧客価値創出に向けた基盤整備が進展いたしました。
一方で、地政学リスクや顧客の投資抑制による需要のばらつきに加え、原材料価格の上昇、関税影響、経費増加等によりコスト構造が悪化し、収益性の低下要因となりました。また、高収益地域での売上構成の変化や人的資本投資の拡大も影響しております。
これらを踏まえ、当グループは、需要変動に柔軟に対応可能な事業運営の強化と、バリューチェーン全体でのコスト構造改革による収益性の向上を、中期経営計画2028の期間を通じて対処すべき課題と認識しております。
■ 中期経営計画2028の方針と重点的な取組
2030年ビジョンの達成に向け、当グループは2026年度から2028年度までを対象とする中期経営計画2028において、「顧客起点の価値創造」と「事業基盤の改革」を方針とし、収益成長ステージへの移行を推進してまいります。
「顧客起点の価値創造」においては、労働力不足や製造現場の高度化を成長機会と捉え、当社の強みである多種多様な業種や生産形態に対応する自動化ソリューションやものづくりの現場で実践した独自の知能化技術、AI等を活用した自律化ソリューションの提供を強化します。特に、航空宇宙・防衛・エネルギー等の重厚長大産業を中心としたグローバルの好調分野において、5軸制御マシニングセンタ及び複合加工機をはじめとした高付加価値製品の拡販と、AI・自動化ソリューションの提供拡大により売上及び利益の拡大を図ります。あわせて、地域特性を踏まえた顧客起点の施策を展開し、グローバル成長を加速します。
「事業基盤の改革」においては、バリューチェーン全体の効率化・迅速化を進めるとともに、グローバル生産の最適化やプロジェクトマネジメントの高度化によりコスト構造の改革を推進します。また、人的資本への投資を通じて技術力・提案力を強化し、競争力の基盤を高めてまいります。
これらにより、顧客価値創出と収益構造の高度化を両輪として、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現してまいります。
中期経営計画2028の方針と重点的な取組
■ 目標とする経営指標
当グループは、資本効率及び収益性の向上を通じた企業価値の向上を図るため、ROEを最重要指標と位置付けております。ROIC及び営業利益率の向上により資本効率及び収益力を高め、資本コストを意識した経営を推進してまいります。
中期経営計画2028においては、2028年度に連結売上高2,700億円、連結営業利益率11%以上、ROE8%以上の達成を目標としております。これらの取組を通じて、2030年ビジョンの実現を目指してまいります。
(1) 会社の経営の基本方針
当グループは、「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」ことを存在意義(Purpose)とし、企業理念(Vision)、私たちが大切にしたい価値観(Value)の実践を通して、社会価値の創造と企業価値の向上を目指してまいります。
企業理念:「オークマは、総合一貫した“ものづくりサービス”を通して、世界中のお客様の価値創造に
貢献することで、オークマと共に歩むすべての人々の幸せを実現します。」
私たちが大切にしたい価値観:「ともに創る ともに喜ぶ」
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当グループを取り巻く経営環境は、労働人口の減少やデジタル革新技術の進展による社会構造の変化に加え、地政学リスクの高まりや気候変動への対応等を背景に、産業構造の変革がグローバルに加速しております。工作機械市場においては、労働力不足を背景とした自動化・省人化需要の拡大や、米国を中心とした生産の国内回帰の動き等を受け、中長期的には緩やかな成長が見込まれる一方で、地域・産業ごとの需要変動等は不確実性が高まってきております。
また、新たな感染症の発生や自然災害の頻発、経済安全保障等のリスクの観点からのサプライチェーン再編のための製造拠点の分散・複線化・再配置等によるものづくりの強靭化が求められております。加えて、顧客ニーズの多様化や生成AI・フィジカルAIの進展により、生産現場で創出されるデータを活用し、人の判断を補完・代替する高度な自動化や知能化が求められてきております。このような環境下において、需要変動への対応力強化と収益体質の安定化に加え、付加価値の高いソリューション提供による競争力強化が重要課題であると認識しております。
■ ビジネスモデル「ものづくりサービス」
製造業全体が大きな転換点に差し掛かる中、当グループは、工作機械を制御する数値制御装置(NC装置)を自社開発する世界有数の総合工作機械メーカーとしての強みを活かし、「機電情知(機械、電気(制御)、情報、知識創造)」の融合技術を基盤に、機械技術から制御技術まで、ハードウエアからソフトウエアまで、製品から加工技術まで、ビフォアセールスからアフターサービスまで工作機械に関わる全てのことを提供し、お客様のものづくりをトータルで支援するというトータルレスポンシビリティの思想の下、「ものづくりサービス」を提供しております。
「ものづくりサービス」は、独自のスマートマシン(知能化・AI技術を搭載した工作機械)だけでなく、加工技術、そして自社工場で培ってきたスマートファクトリー構築のノウハウをスマートファクトリーソリューションとして提供することにより個々のお客様におけるものづくりのライフサイクル全体において課題を解決し、新たな価値を提供します。そして労働人口減少や脱炭素社会の実現等、社会課題の解決に貢献するとともに、当グループとしての成長を図り、「世界の製造業における社会課題を解決する企業」を目指してまいります。
■ 2030年ビジョン
「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」という存在意義(Purpose)の実現に向けた2030年までのビジョンを掲げています。「ものづくりサービス」をグローバルに提供し、2030年度までに連結売上高3,000億円、連結営業利益率15%以上、ROE13~15%を目指しています。
世界のものづくりの課題解決の需要に応えること、そしてものづくりの課題解決を通じてお客様に貢献することが当グループの成長につながります。その上で、成長産業、強みの産業を幅広くカバーすることによる成長とグローバル市場における成長を掛け合わせ、当グループの中長期的な成長を図ってまいります。
■ 中期経営計画2025の成果と課題
当グループは、2023年度から2025年度を対象とする中期経営計画2025において、成長に向けた投資及び基盤整備を計画通り実行してまいりました。2025年度の連結業績は、売上高は2,358億円と過去最高を更新した一方で、営業利益率は6.6%、ROEは5.3%、ROICは4.3%となり、売上高、収益性、資本効率は目標水準には至りませんでした。
中期経営計画2025の期間を通じて、Green-Smart Machineの展開や価格政策の推進、大型案件の取り込みにより受注単価は着実に向上しました。海外売上高比率70%以上を目指すグローバル70の達成を目指し、海外需要を取り込むことにより海外売上高比率は2025年度に73.3%まで上昇いたしました。また、自動化・省人化ニーズを捉えたソリューション提案を強化するため、江南工場で2026年1月に「Dream Site Engineered Solutions(DSES)」の稼働を開始、また2026年5月より「Global Innovation Center(GIC)」の稼働を開始し、顧客価値創出に向けた基盤整備が進展いたしました。
一方で、地政学リスクや顧客の投資抑制による需要のばらつきに加え、原材料価格の上昇、関税影響、経費増加等によりコスト構造が悪化し、収益性の低下要因となりました。また、高収益地域での売上構成の変化や人的資本投資の拡大も影響しております。
これらを踏まえ、当グループは、需要変動に柔軟に対応可能な事業運営の強化と、バリューチェーン全体でのコスト構造改革による収益性の向上を、中期経営計画2028の期間を通じて対処すべき課題と認識しております。
■ 中期経営計画2028の方針と重点的な取組
2030年ビジョンの達成に向け、当グループは2026年度から2028年度までを対象とする中期経営計画2028において、「顧客起点の価値創造」と「事業基盤の改革」を方針とし、収益成長ステージへの移行を推進してまいります。
「顧客起点の価値創造」においては、労働力不足や製造現場の高度化を成長機会と捉え、当社の強みである多種多様な業種や生産形態に対応する自動化ソリューションやものづくりの現場で実践した独自の知能化技術、AI等を活用した自律化ソリューションの提供を強化します。特に、航空宇宙・防衛・エネルギー等の重厚長大産業を中心としたグローバルの好調分野において、5軸制御マシニングセンタ及び複合加工機をはじめとした高付加価値製品の拡販と、AI・自動化ソリューションの提供拡大により売上及び利益の拡大を図ります。あわせて、地域特性を踏まえた顧客起点の施策を展開し、グローバル成長を加速します。
「事業基盤の改革」においては、バリューチェーン全体の効率化・迅速化を進めるとともに、グローバル生産の最適化やプロジェクトマネジメントの高度化によりコスト構造の改革を推進します。また、人的資本への投資を通じて技術力・提案力を強化し、競争力の基盤を高めてまいります。
これらにより、顧客価値創出と収益構造の高度化を両輪として、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現してまいります。
中期経営計画2028の方針と重点的な取組
| 中期経営計画2028の方針 | 重点的な取組 | |
| ① | 顧客起点の価値創造 | ・マーケットドリブン経営の実践 ・市場・顧客ニーズに応えるソリューションの提供 ◇AI・自動化ソリューションの提供拡大 ◇5軸制御マシニングセンタ、複合加工機の売上拡大 |
| ② | 事業基盤の改革 | ・市場環境の変化を捉え、成長を実現する事業基盤の構築 ・バリューチェーンの強化 ・人的資本による競争力の強化 |
■ 目標とする経営指標
当グループは、資本効率及び収益性の向上を通じた企業価値の向上を図るため、ROEを最重要指標と位置付けております。ROIC及び営業利益率の向上により資本効率及び収益力を高め、資本コストを意識した経営を推進してまいります。
中期経営計画2028においては、2028年度に連結売上高2,700億円、連結営業利益率11%以上、ROE8%以上の達成を目標としております。これらの取組を通じて、2030年ビジョンの実現を目指してまいります。