有価証券報告書-第82期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 15:31
【資料】
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【項目】
90項目

事業等のリスク

当社グループの経営に重大な影響を及ぼすリスク発生の未然防止やリスク発生時の被害を最小限にとどめることを目的として、平常時から対応策を検討する等のリスク管理に努めております。個々のリスク管理は「安全衛生委員会」、「輸出管理本部」、「アマダグループ環境エコ推進委員会」等の各専門委員会において管理・対応を図っております。これに加え、内部統制委員会の中のリスクマネジメント部会が、ヒト・モノ・カネ・情報等に係るグループレベルでの重要リスクについての方針を定め、対応を図っております。また、重大な事案及び案件の発生時においては、緊急対策本部等を設置しリスク管理の迅速な対応を図っております。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点で当社グループが判断したものであり、以下の記載事項は、当社グループの事業に関するすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 経済及び市場環境の動向について
当社グループの販売する製品は、生産設備として輸送機器・家電製品・情報通信機器・一般機械・建築資材など幅広い分野の製造工程において使用されております。その結果、特定の産業の景況変動の影響は受けにくい傾向にありますが、産業全体の設備投資動向等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外展開について
当社グループは、市場のグローバル化に対応して、生産及び営業拠点を北米、欧州、アジア等の海外にも展開しており、連結売上収益に占める海外売上比率は、当連結会計年度で54.5%であります。このため、進出国の経済動向及び政治・社会情勢の変化、予期せぬ法規制等の変更、直近における米国の保護主義的な政策への転換や米中貿易摩擦、英国のEU離脱(Brexit)などは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 価格競争について
当社グループが事業を展開する市場は、激しい価格競争下にあり、新商品の投入やソリューション提案型のエンジニアリングビジネスへの取組みなどにより、適正な販売価格の維持に努めておりますが、競争のさらなる激化や長期化による販売価格の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 為替相場の変動について
当社グループは、主に米ドルやユーロの現地通貨建てで製品を輸出しております。このため、為替相場の変動に備えて、為替予約取引などによるリスクヘッジや海外での生産比率の向上に努めておりますが、想定以上に為替相場が変動した場合は、為替差損益の発生や製品競争力の変化により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 資材調達について
当社グループは、部品や資材を複数の取引先から調達しております。これらは原材料価格や原油等のエネルギー価格の変動により、調達価格が大幅に変動する可能性があります。また業界の需給状況や調達先の事情、自然災害によって安定的な供給が困難になり、生産効率が低下することも想定されます。これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 製品の品質について
当社グループは、国際標準化機構(ISO)の品質マネジメントシステムに基づき、万全の品質管理体制を整え、製品の設計・製造を行い欠陥の発生を抑えるように努めており、設計審査(デザインレビュー)においては、リスクアセスメントや試作機による製品安全チェックを実施しております。しかしながら、万が一製品に欠陥が発生した際のリコール費用や、事故につながった場合の損害賠償請求費用が加入している保険等で補えない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 環境問題の対応について
当社グループは、独自の環境方針のもと環境保全に資する生産体制の構築や、製品・サービスの提供に心がけ、環境負荷の低減に努めております。環境に配慮した製品については、オイルやガスの使用量が少ない省資源機、騒音が小さい低騒音機、電気の使用量が少ない省エネ機等を社内基準により評価しアマダエコプロダクツとして市場投入しております。しかしながら各国の環境規制によっては、現在の製品の販売や部品の使用が困難になり、設計変更のための費用や研究開発費の増加につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産権について
当社グループでは、新たな価値創造のために研究開発に重点をおき、そこで開発された技術やノウハウにおいては特許出願することで知的財産権の保護に努めております。しかしながら、これらの権利が第三者により侵害されることでの競争優位性の低下や、第三者から権利侵害を追及され、損害賠償請求や製品の販売差し止めを受けることで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報セキュリティーについて
当社グループでは、事業活動に必要な顧客情報や個人情報などを保有しており、これら情報の機密保持については厳格な管理体制を構築しております。しかしながら、サイバー攻撃やコンピュータウィルスにより、不正アクセスや情報漏えいが発生した場合は、当社グループの信頼の低下や損害賠償請求により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループはサイバー攻撃に対応すべく強固なシステムの導入や、万一コンピュータウィルスに感染した場合においても被害を最小限にとどめるなど情報セキュリティー対策を強化しております。また、eラーニングを活用した社員教育により情報セキュリティー意識の向上に努めております。
(10) 自然災害、広範囲な感染症の流行、紛争、テロなどについて
当社グループは、生産及び営業拠点をグローバルに展開しております。それら周辺地域での地震・水害等の自然災害や広範囲な感染症の流行、紛争・テロなどにより甚大な被害が発生し、復旧、復興が長期化した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、事業継続計画(BCP)対策の一環として、伊勢原事業所内の一部の建物に免震装置の導入や防災エネルギーセンターの建設により自家発電設備、給水、食料備蓄などを整備しております。また、国内及び海外の製造拠点の拡充を推進し、生産活動や供給におけるリスク分散を図っております。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって世界経済のマイナス成長は避けられない様相を呈しており、これに伴う製造業の設備投資の停滞が、当社グループの業績に影響を及ぼすことが見込まれます。
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の感染予防および拡散防止に取り組んでおりますが、政府発表の緊急事態宣言解除を受け、営業活動については、感染防止対策を徹底しながら通常通りの販売・サービス活動を行っております。供給体制については、富士宮・土岐・福島の国内3工場の稼働を停止しておりましたが順次稼働を再開してまいります。金型やブレードの工場や消耗品を供給するパーツセンターについては通常通り稼働しております。従業員への対応等については、手洗い、うがい、マスク着用を徹底するとともに、国内外出張の自粛、シフト勤務の実施など感染拡大の防止に努めております。
(11) 金融市場の変動について
当社グループは、一部でキャッシュ・マネジメント・システムの導入などを行うことで有利子負債の最適化に取り組んでおりますが、大幅な金利の上昇は支払利息の増加につながります。一方で金利の低下や株式市場の変動により、保有する有価証券の利回りの低下や評価額の変動及び、制度資産の割引率への影響による退職給付費用や債務が増加することも想定されます。これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 人材について
当社グループは、製造・開発・販売等に携わる優秀な人材を採用し育成することで、グローバルな事業活動の推進と競争力の維持向上を図っております。しかしながら、採用や育成に失敗した場合、また優秀な社員が退職又は流出した場合には、競争力の低下により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。