四半期報告書-第39期第1四半期(平成26年4月1日-平成26年6月30日)

【提出】
2014/08/08 15:04
【資料】
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【項目】
28項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、米国においては製造業、非製造業ともに順調な回復が継続しており、欧州経済については力強さに欠けるものの上向きの動きが定着してきました。一方、中国や新興国においては成長率の鈍化が見られ、世界経済全体では先行き不透明な状況となっています。
わが国経済におきましては、消費税増税前の駆け込み需要の反動による一時的な需要減の影響による景気の下振れや原油価格の上昇が見られましたが、政府の経済対策を背景とした内需の回復や雇用環境の改善により経済全体としては底堅い回復が継続しています。
当社グループを取り巻く事業環境は、経済環境の改善にともないユーザーの設備投資マインドも回復基調にあり、受注量は増加傾向で推移しました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期比12億63百万円減(前年同四半期比9.5%減)の120億93百万円となりました。利益面では、営業利益は前年同四半期比1億30百万円減(前年同四半期比19.7%減)の5億30百万円、経常利益は前年同四半期比10億32百万円減(前年同四半期比82.2%減)の2億23百万円、四半期純利益は前年同四半期比9億65百万円減(前年同四半期比85.2%減)の1億68百万円となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。なお、前連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
工作機械事業 …工作機械の設備投資需要は、国内市場においては政府の生産性向上設備投資促進税制の効果もあり受注は好調でしたが、売上面では駆け込み需要の反動が見られました。海外においては、中華圏においては景気減速の影響により軟調に推移したものの、欧米では自動車や航空機向けに需要がありました。東南アジア地域では、タイの政情不安の影響により、設備投資を控える動きがありました。上記の結果、当事業の売上高は前年同四半期比9億3百万円減(9.1%減)の90億38百万円となりました。
産業機械事業 …射出成形機の設備投資需要は、国内では自動車向けやスマートフォン向けの高付加価値の部品向け需要が増加しています。しかしながら、中華圏では受注状況は良好だったものの、昨年の景気減速の影響により、売り上げは減少しました。また、米国市場においても医療向けの需要も増加傾向にあります。上記の結果、当事業の売上高は前年同四半期比2億24百万円減(12.1%減)の16億34百万円となりました。
食品機械事業 …食品機械事業は、各種製麺機、麺製造プラントなどの開発・製造を行っております。スーパーや大手コンビニエンスストア用製品向けに需要が見られました。同事業は、製品単価が高く、受注から売上計上までに時間を要する案件が多いため、四半期毎の業績が変動しやすい傾向にあります。上記の結果、当事業の売上高は前年同四半期比1億32百万円減(23.1%減)の4億40百万円となりました。
その他 …その他は、精密コネクタなどの受注生産を行う精密金型・精密成形事業、リニアモータやセラミックス部材など独自の技術を活かした製品及びLED照明機器の開発・製造を行う要素技術事業、放電加工機、マシニングセンタ及び射出成形機などのリース事業から構成されております。当事業の売上高は前年同四半期比3百万円減(0.3%減)の9億80百万円となりました。
(2)事実上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、6億54百万円であります。
当第1四半期連結累計期間における主な研究開発の成果は、以下のとおりです。
・トレー脱パン装置の開発(食品機械事業)
主にコンビニエンスストア向けの調理麺用のトレー容器を、製麺工程ラインの中に自動で配置し、搬送させるシステム装置「トレー脱パン装置」を開発し、納入しました。このシステムにより従来作業者が行っていた作業を自動化することが可能となり、麺製造ラインの省人化・効率化に貢献します。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループを取り巻く経営環境は現在急激に変化しておりますが、その変化に対応しつつ、グループの継続的な成長を図るため、徹底的なコスト削減と抜本的な組織再編による経営資源の最適化・合理化や市場環境に応じた事業展開を進めております。
当社グループは、主力事業である工作機械事業の市場を日本・欧米などの成熟市場とアジア・南米などの成長市場に区分し、それぞれの市場に応じた事業展開を行っております。成熟市場である日本や北米においては、工作機械がすでに市場全体に行きわたっていることから、競争力のある製品を投入しシェアアップを図るとともに、既存の納入機のユーザーへの継続的な技術指導や保守契約によるメンテナンスを通じて、更新需要の取り込みや周辺機器や消耗品の販売強化を図ります。航空宇宙産業や医療機器産業などの分野は、要求されるレベル・特殊性ともに高いものがありますが、安定した需要が見込まれることから、豊富なノウハウを活かしたシリコーン射出成形機に代表されるような高付加価値の製品開発に積極的に取組み、収益力の強化に努めてまいります。一方、インドなどに代表される成長市場においては、市場の成長に応じた製品の投入と市場の拡大に合わせた拠点整備、成長市場のニーズを反映した機種の開発を行い、積極的なシェアの獲得に取組んでまいります。また、当社グループはリニアモータやセラミックス部材などの優れた要素技術を有しておりますが、これらの要素技術の外販も進めて事業の拡大を目指します。
さらに、研究開発の成果等によって新しい事業を興し、リスク分散を図り、安定した収益を得ることができる体制の構築を図ります。今後も成長性の高い事業に積極的に進出し、安定した事業基盤の構築に努めます。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの業績は、製造業の設備投資動向に依るところが大きく、景気変動の影響を強く受けます。近年では、中国やインドネシアなどのASEAN諸国の経済成長を背景にアジア地域の設備投資需要は伸びており、当社グループの業績への影響度も大きくなっております。これに対し、当社グループでは、食品機械事業など景気による影響が少ない事業を拡充するほか、要素技術事業で新たな顧客を獲得し、景気変動リスクの低減を図るとともに、国内市場中心で海外展開の余地が大きい産業機械事業の海外進出を推進するなど、特定の業種や地域の需要環境に依存しない、安定した収益構造を目指してまいります。さらに、エコロジー意識の高まりとともに環境対応ビジネスが急速に市場が拡大していますが、環境負荷の小さいLED照明事業に進出するなど、市場環境の変化に適宜対応することによって、経営基盤の強化に努めてまいります。生産体制については、東日本大震災やタイの洪水の発生により、多くの工場が被災し、事業継続が困難になった事実を受け、生産能力の分散化を図るなど災害に強い生産体制の再検討・再構築を図ってまいります。