有価証券報告書-第84期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/29 13:01
【資料】
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【項目】
148項目
b. 戦略
・シナリオの選択
国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)及び国際エネルギー機関(IEA)のシナリオを参照し、 2℃未満(1.5℃)シナリオと4℃シナリオの2つのシナリオを選択しました。また、2030年時点における将来シナリオを想定しましたが、両シナリオ間で大きな差は見られませんでした。
・シナリオ分析の概要
2℃未満(1.5℃)シナリオでは、各国政府の気候変動対策が強化され、移行リスクが高まるものの、2030年時点では財務への大きなマイナス影響は生じないと評価しました。
一方で脱炭素化社会では半導体需要が高まり、ビジネス機会の一層の拡大が見込まれると評価しました。
4℃シナリオでは、異常気象の激甚化等による物理的リスクが高まることが考えられましたが、2030年時点においてはリスクは高まらず、財務への大きなマイナス影響は生じないと評価しました。
いずれのシナリオでも、気候変動によるリスクよりも、温室効果ガス削減に貢献する事業機会の方が、財務影響が大きいと認識しました。
・気候変動に関わる主なリスク及び機会
当社は、今後の事業活動にどのような影響を及ぼすかについて複数のシナリオをもとにリスクと機会の検討を行いました。事業活動に与える影響度合いは「大」「中」「小」の3段階で評価しております。
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・リスクへの対応
①全社省エネ活動の推進
当社グループでは、カーボンニュートラルを目指した活動の一環として、各部門や各個人の省エネ活動の促進に取組んでいます。
この取り組みは全社を対象とし、各部門のエネルギー使用量(温室効果ガス排出量)に応じた削減目標が設定され、その達成度合いにより、個人Willが付与され、個人Willの収支は賞与に反映されるため、一人ひとりの行動変容が促され、活動が自走する仕組みとなっています。
②創エネの積極導入
事業活動にともなう環境負荷を低減するため、本社・R&D センターをはじめとする国内外の各事業所・拠点に太陽光発電システムを積極的に導入しています。近年では 長野事業所 茅野工場に既存の140kWに加え最大1,054kWの発電能力を有する太陽光発電システムを設置し、合計1,194kWとメガワットクラスの発電が可能になりました。また広島事業所においても、呉工場及び桑畑工場にてさらなる増設(460kW)を行い、全社での太陽光発電能力が最大 3,323kW に達しました。(2022年9月現在)
③カーボンニュートラルリテラシーの醸成
毎年社員の省エネリテラシーの醸成を目的とした教育を行っています。この教育は、社会情勢の動向や、脱炭素化に取り組まないことのリスクや取り組むことによって生まれる機会、省エネ活動による削減効果算出の方法等が含まれています。これらは社内のe-ラーニングシステムを用いて、国内外の当社グループ全体で実施しています。
④カーボンニュートラル実現に向けた改善活動
カーボンニュートラルの実現に向けた対応を、自社がより強くなるための機会と捉えています。
毎月開催されるPIM活動(改善活動)発表において、省エネ/カーボンニュートラルに関する改善もテーマとして取り組んでいます。また、この改善内容の発表は1分間プレゼンによる対戦形式で行われ、勝利によって得られる個人Willが賞与にも影響を及ぼすため、社員の積極的な参加を促す仕組みとなっています。
⑤BCM対策
2003年より事業継続マネジメントシステム(BCM/Business Continuity Management)を導入し、2012年には日本で初めて同マネジメントシステムの国際認証規格(ISO22301)を取得しました。また、代表執行役社長をチェアマンとする役員で構成されるBCMコミッティーを設置・運営するとともにBCM専門の部署を設置し、あらゆる外乱の影響を排除する事業継続力を高めるため、社員全体で施策導入や設備増強を図っています。 2018年7月の西日本豪雨は当社グループの生産拠点である広島県呉市にも甚大な被害をもたらし、精密加工ツールを製造する呉工場においては、生活用水、工業用水ともに断水となったほか、周辺道路の寸断による物流の混乱等の影響を受けました。しかしながら、当社グループでは日常的なBCM活動により支障なく供給責任を果たすことができました。
・ビジネス機会
半導体はスマートフォンやパソコンだけでなく、エアコンや自動車、産業機器といった幅広い用途で活用されています。身近な例では、エアコンをインバータ制御にすることで消費電力を約60%削減できますが、インバータ化には多くの半導体が必要となります。このように半導体はこれまでも人類の省エネ化に貢献してきましたが、今後さらなる省エネ化で持続可能な社会を実現するために半導体を応用し続ける必要あり、当社グループのビジネス機会は着実に拡大していくと考えています。
半導体の中でも更なる省エネ実現のため、効率的な電力供給を実現するパワー半導体の重要性が高まるとみています。パワー半導体の素材は現在主流のシリコンに留まらず、高耐圧、かつ放熱性や省エネ性能に優れるSiC(炭化ケイ素)などの次世代パワー半導体の市場拡大も見込まれます。
当社グループではSiCウェーハ製造工程の生産性を大きく向上させるKABRAプロセス※を開発、販売しており、今後さらに増大するSiC需要に応えていきます。
(※KABRAプロセス:レーザを連続的に照射することで、分離層(KABRA層)を任意の深さに形成し、このKABRA 層を起点に剥離・ウェーハ化するインゴットスライス加工)

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