有価証券報告書-第80期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/25 15:18
【資料】
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【項目】
144項目

対処すべき課題

(1)会社の経営の基本方針
当社は、「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術」をビジネステーマとして定め、「切る」、「削る」、「磨く」という3つの技術領域から逸脱することなく、日々進歩する科学を暮らしの豊かさや快適さに帰結させていくことを社会的使命(ミッション)としています。また当社では、一般的に企業の成長とされる売上やシェア、規模の拡大などは成長と捉えず、ミッションの実現性が向上すること、またお客様・株主・取引先・従業員など、すべてのステークホルダーとの価値交換性が向上することを「成長」と定義しています。
(2)中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標
当社は、企業理念である「DISCO VALUES」を全ての構成員が理解し、日々実践・実現出来るよう浸透活動を徹底する一方で、企業としての組織能力を高めるために、Will会計(当社独自の管理会計)やPIM(Performance Innovation Management)と称するマネジメント手法をグループ全社で推進しています。
また、当社ではさらなる進化を遂げるためDISCO VISION 2020を策定しております。DISCO VISION 2020は、企業を構成する主要な要素という観点と当社を取り巻く代表的なステークホルダーとの関係性という観点から、当社の2020年における実現したい到達点を定義しています。
企業像としては、どんな環境でも生き抜く卓越した生命力を持ち、多くのステークホルダーにとって、「甲斐」のある企業となっている状態を目指します。
定量的な目標の一つとしては、4年累計で20%以上の連結売上高経常利益率を維持する態勢を構築することを掲げ、これまでと同様、シリコンサイクルによる市況の大きな変動に耐えうる十分な経済的能力と構造を構築してまいります。
さらに定性的な分野についても、定期的に実施しているCS(お客様満足度)調査やSS(サプライヤー満足度)調査、ES(従業員満足度)調査を活用しながら、DISCO VISION 2020の達成基準の検討を全社的に取り組んだ上で、各部門にて目標値とマイルストーンを設定して活動を展開してまいります。
(3)会社の対処すべき課題
① 高度なKiru・Kezuru・Migaku技術の開発とCS(お客様満足度)の向上
当社の社会的使命(ミッション)を果たすために、半導体・各種電子部品の技術革新を支える高度なKiru・Kezuru・Migaku技術の継続的な開発が必要となります。そのために、継続的な開発投資を可能にする財務的・経営的基盤作りに注力して取り組んでまいります。
さらに、CS(お客様満足度)の向上を図っていくため、お客様のニーズに対し、アプリケーション技術やサービスを含めたトータルソリューションを迅速に提供できるリソースの最適化および仕組みづくりを進めてまいります。
② BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)体制のさらなる強化
「安心して取引できる会社」「安心して働ける会社」を目指し、事業継続管理体制の構築、維持に取り組んでいます。製造・研究および本社機能を、地震が多い日本に置いていることから、本社・R&Dセンターおよび工場に免震棟を導入しています。さらに、自然災害や火災、感染症の流行、システム障害などが現実となっても事業を継続し、早期復旧するBCP(Business Continuity Plan)を策定し、全社的な対応計画を整備しています。重要製品の部材の備蓄、情報システムの二重化、従業員の訓練を継続的に行うことで、災害に強い企業づくりをさらに進めます。東日本大震災の発生を受け、今後はサプライチェーン対策をさらに進め、何があっても供給責任を果たすことができる体制づくりを強化していきます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。