有価証券報告書-第183期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 15:08
【資料】
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【項目】
144項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、顧客、株主、取引先、従業員の信頼と期待に応えるため、収益力の向上を図ることにより企業価値を高めることを経営の基本としており、株主への利益還元と顧客に満足される製品を提供することを重要な経営目標と位置付けております。
これらの目的のために、ものづくりを通じて、社会に貢献し、企業価値の向上を目指すことを行動規範として掲げ、多方面にわたる技術力を活かした事業展開を行うことにより、当社グループが安定的に発展するよう、堅実な経営活動を行っております。
(2)経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、2019年5月に、2020年3月期から2022年3月期までの3ヶ年中期経営計画を策定しております。当該中期経営計画につきましては、「ものづくりを通じた企業価値の向上と持続的な成長を目指し、構造改革を通じて『企業競争力の強化』と『収益力の抜本的な改善』に取り組む」ことを基本方針とし、以下の施策を掲げております。
①企業競争力の強化
・コストダウン、高付加価値化によるコスト競争力の強化
・高品質製品・サービスの提供による顧客満足度の最大化、ブランド力の確立
・事業環境の変化に適応した新事業、新製品の創出
②収益力の抜本的な改善
・不採算事業、不採算子会社の縮小・撤退、成長分野への経営資源シフトによる事業ポートフォリオの再構築
・基幹システムの刷新による業務プロセスの効率化
・本社部門、事業部間接部門のスリム化による人員構成の適正化
当社は、中期経営計画において「すべての業務プロセスにおける生産性の向上」を基本方針として掲げており、生産部門においては生産ラインの工程集約・物流改善による原価低減、間接部門においては業務改善による経費削減に取り組んでおります。
また当社は、おおむね8%程度と想定される資本コスト(WACC:加重平均資本コスト Weighted Average Cost of Capital)に対し、圧倒的に収益力が不足していることから、事業ポートフォリオの再構築により成長分野に経営資源をシフトし、収益力を向上させることを事業上及び財務上の優先課題と認識しております。
更に、2020年度以降顕在化した新型コロナウイルス感染症の拡大による社会構造の変化、脱炭素の潮流の中で自動車関連業界においてEV化の動きが加速している現況などを踏まえ、各事業セグメント別に以下の取組みを進めております。
①工作機械関連
クルマの電動化進展の影響を最も直接的に受ける工作機械関連においては、ダウンサイジング・構成ユニットのモジュール化によりフレキシビリティの高いマシンを開発・投入するなどし、EV・HV関連の売上を工作機械全体の50%まで引き上げることを目指します。また、加工設備のみならず、検査設備・組付設備等も合わせ、自動化・IoT化を進めることで、トータルエンジニアリング力の強化を図ります。更に、コロナ禍からの立ち直りで先行する中国市場、ポテンシャルの高いインド市場向けを強化することにより、海外売上比率50%以上を目指します。
旋盤メーカー向けチャック販売を主力とする空油圧機器部門、積層セラミック製品製造に係る仮積層機の販売を主力とする電子機械部門については、市場拡大の余地があると見込んでおり、これらの事業への経営資源投入を強化、事業部門として独立させることも視野に製品開発・販路拡大に注力します。
②火器
防衛省向け・海外スポーツライフル市場向けの二軸による事業強化を図ります。防衛省向けにつきましては、2019年12月に当社が開発した小銃が次世代新小銃として選定され、「20式5.56㎜小銃」として2022年3月期から納入開始となるため、これを機に更なる防衛省向け取組みの強化を目指します。また、海外向けスポーツライフルにつきましても、HOWAブランドの強みを生かし、海外市場のトレンドを踏まえた新機種を順次投入していくことにより、販売シェアの拡大を目指します。
③特装車両
主力の路面清掃車につきましては、社会資本の整備や災害対応強化を志向するわが国の基本政策を踏まえ、生産体制の強化、販売台数の増強を図ります。また、IoTの先駆けとして「サラウンドビューシステム」のオプション採用等により、路面清掃車の高付加価値化、市場競争力の強化を目指します。
④建材
製品競争力が高く、当面、防衛省防音対策工事予算の高止まりが見込める防音サッシの販売シェア拡大に注力するとともに、異常気象によるBCP対策への関心の高まりにより、今後成長が見込める防水関連製品市場への対応を強化、防水自動ドア・防水パネル等の商品群から構成される「ミズガード」シリーズの製品ラインアップ充実を図り、新たな事業の柱とすることを目指します。
⑤その他
本社工場遊休地及び周辺所有不動産の有効活用により、不動産事業を強化します。2021年3月期には、旧社員寮跡地及び旧豊和病院跡地に賃貸マンション3棟・介護施設2棟の建設・稼働を開始しており、これらによる賃料収入の増加を見込んでおります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画の目標指標として、2022年3月期の連結売上高を235億円、連結営業利益を16億円、連結売上高営業利益率を6.5%と設定しておりましたが、現時点での2022年3月期の連結業績予想は以下の通りで、未達となる公算が大きくなっております。
連結売上高
(億円)
連結営業利益
(億円)
連結営業利益率
(%)
①中期経営計画目標235.016.06.5%
②2022年3月期連結業績予想186.04.32.3%
未達額(②-①)△49.0△11.7△4.2%

未達の要因は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、工作機械関連の受注が伸びなかったことが直接の要因とはなるものの、取組み課題の積み残しも多く存在するため、今後中期経営計画の最終年度である2022年3月期と、次期中期経営計画を通じて、更に取組みを加速していくことが必要と認識しております。なお、中期経営計画における現時点での成果と、積み残し課題は以下のとおりであります。
①中期経営計画における現時点での成果
・生産性の改善・コストの削減による企業体質の改善(赤字になりにくい体質への転換)
・部門間人材移動、マルチタスク化の推進による人的資源配分の最適化・余剰化の回避
・海外不採算子会社の閉鎖・縮小(シンガポール子会社は現在清算手続き中、中国子会社は移転により販売拠点に特化)
・遊休資産の活用による不動産収益の増強(2021年3月期に賃貸マンション3棟・介護施設2棟の建設・稼働を開始)
②中期経営計画における積み残し課題
・事業ポートフォリオの抜本的見直しによる経営資源の再配分
・コロナ禍で加速した市場構造の変化に対応できる柔軟な組織体制への転換
・資本市場の変化の中での有効な事業価値向上策の打ち出し
当社グループといたしましては、コロナ禍で加速した経営環境の変化の中で事業価値向上を実現するためには、よりスピード感と戦略性をもって対応していくことが重要であり、次期中期経営計画に向け、各事業における現在の市場環境・自社の立ち位置を再検証し、今後注力すべき分野と経営資源の投入方針の見直しを図ってまいります。
また、特に収益力の低い工作機械関連においては、今次中期経営計画の最終年度に当たる2022年3月期において、優先的に資源配分の見直しに着手することとします。

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