有価証券報告書-第87期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 13:27
【資料】
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【項目】
119項目

研究開発活動

当社は「技術に立脚し社会が求める優れた商品を提供する」ことを企業理念とするとともに、環境問題・社会要請などにも応えるべく以下のような研究開発に取組んでおります。当事業年度の試験研究費の総額は223百万円であります。
⦅水素ステーション用一括昇圧型水素圧縮機⦆
既に市場投入・販売展開している『水素ステーション用一括昇圧型水素圧縮機』(商品名HyKom340)は、定置形水素ステーションの標準仕様(吐出圧力:82MPa、吐出量:340N㎥/h)であり、数多くの優れた技術を取り入れた製品です。
業界より好評価を得て、当事業年度は8箇所の水素ステーションに納入しました。特に、水素ステーションで要求される冷凍機(FC自動車充填前に水素ガスを冷却)と圧縮機を組合せた『パッケージユニット』が市場のニーズに適合し7箇所に納入しました。また、HyKom340をベースとした燃料電池自動車出荷用モデル3台を自動車メーカ様に、吐出圧力40MPa用モデル2台を水素バスステーションに納入しました。
水素ステーション用HyKom340で培った超高圧水素圧縮技術や品質は、当事業年度、超高圧水素関連2件の特許(特許第6533631号 ガス圧縮機及びガス圧縮機の製造方法、特許第6599573号 配管継手機構及び配管継手)取得に繋がりました。これら特許技術は超高圧水素圧縮機だけでなく、今後様々な当社製品に展開することが出来ます。
市場の期待は、水素ステーション圧縮機及びパッケージユニットの更なるコンパクト化、コストダウン、消耗部品の高品質・長寿命化です。当社は、水素社会実現に向け、これらのニーズに応えられる製品を引き続き開発していきます。
⦅電気化学式水素ポンプの開発・実証⦆
当社と東レ株式会社は、NEDO事業「超高圧水素インフラ本格普及技術研究開発事業/水素ステーションのコスト低減等に関連する技術開発/電気化学式水素ポンプの開発・実証」を進めています。当社は水素ポンプシステム及び水素ポンプ&同システムの国内法規対応を担当しています。
当事業年度においては、2019年6月に経済産業省・NEDO主催イベント「水素・燃料電池技術開発プロジェクト 評価・課題共有ウィーク」及び2019年7月に2019年度NEDO次世代電池・水素成果報告会において当該開発の発表を行いました
当社は、上記以外にも、成長分野市場が求める商品の開発と市場投入を実現するため、そのベースとなる高圧技術・環境対応技術の基礎研究を継続するとともに、既存商品の更なる改良開発を進めております。