有価証券報告書-第150期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものである。
当社グループ(当社及び連結子会社)の経営の基本は、「品質と信頼性」を追求し、企業価値を最大化することである。企業価値とは、我々を取り巻く社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和であると考えている。
当社グループは、お客様の現場をお客様とともに革新し、新しい価値を創造するイノベーションを提供することで、コアビジネスである建設・鉱山機械、産業機械事業での成長を目指して、2016年4月から2019年3月までの3カ年を対象とした中期経営計画「Together We Innovate GEMBA Worldwide-Growth Toward Our 100th Anniversary(2021)and Beyond-」に取り組んできた。この間、建設・鉱山機械の需要は、中期経営計画策定時の想定よりも早く、2017年より資源価格の低迷や新興国の成長鈍化などの調整局面から脱し、最終年度の2018年度は2年連続の増収増益とともに過去最高の売上高・利益となった。中期経営計画の3つの成長戦略である、①イノベーションによる成長戦略、②既存事業の成長戦略、③土台強化のための構造改革に着実に取り組み、経営目標の指標である「成長性」、「収益性」、「効率性」、「株主還元」、「健全性」を達成した。特に成長性については2017年4月の米国ジョイ・グローバル社(現、コマツマイニング㈱、以下「KMC」)の買収により大きな伸びを実現した。
2021年の創立100周年とその先の成長を目指し、新たな3カ年の中期経営計画(2019-2021年度)「DANTOTSU Value - FORWARD Together for Sustainable Growth」を本年4月よりスタートした。新たな中期経営計画では、成長戦略による収益向上とESG課題解決の好循環で持続的成長をはかり、当社グループの「経営の基本」である「品質と信頼性」を追求し、「企業価値」である、我々を取り巻く社会と全てのステークホルダーからの信頼度の総和を最大化することを目指す。
世界では保護主義や多極化、気候変動への意識がますます高まってきており、外部環境が大きく変化する中、建設機械・車両事業では、建設・鉱山機械の需要は中長期的には緩やかな成長が見込まれるものの、短期的にはボラティリティ(需要の変動幅)が高く推移すると予想される。産業機械他事業では、自動車業界向けの需要はEV化進展等による産業構造変化が見込まれ、半導体業界向けは中長期では確実に成長するものの、一時的な調整局面が予想される。
<当社グループにおける「市場」の位置づけ>
<経営目標>新たな中期経営計画では、前中期経営計画で掲げた、業界トップレベルの「成長性」、「収益性」、「効率性」、「健全性」を継続しながら、新たに「ESG」の経営目標を設定した。成長戦略への重点投資を優先しながら、「株主還元」については引き続き安定的な配当の継続に努め、連結配当性向を40%以上とする方針としている。
*1 ROE=当社株主に帰属する当期純利益/((期首株主資本+期末株主資本)/2)
*2 ROA=税引前当期純利益/((期首総資産+期末総資産)/2)
*3 ネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット負債資本比率)=(有利子負債-現預金)/株主資本
*4 ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インディシーズ:米国S&Pダウ・ジョーンズ社とスイスのロベコ・
サム社によるSRI指標
*5 企業や政府が温室効果ガス排出量を削減し、水資源や森林を保護することを推進する国際的な非営利団体
<成長戦略3本柱と重点活動>当社グループを取り巻く外部環境や課題に対し、成長戦略3本柱 ①イノベーションによる価値創造、②事業改
革による成長戦略、③成長のための構造改革を推進し、持続的な成長を目指す。
① イノベーションによる価値創造
「品質と信頼性」を追求する当社グループのものづくりの技術をベースに、グループ内で得られない技術は積極的に取り入れることで、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場を創造するためのイノベーションを起こしていく。
建設現場向けには、デジタルトランスフォーメーションに対応した、オープンプラットフォーム「LANDLOG」、自律、協調など高度化したICT建機、生産技術を活用し施工を最適化する施工シミュレーションの開発を強化し速やかに市場拡大を図り、「スマートコンストラクション」をグローバルに推進していく。ユーティリティにおいては、スピードを上げて、電動化建機を市場導入していく。
鉱山現場向けでは、新しく最適化プラットフォームをオープンイノベーションも活用し構築するとともに、本年4月に新設した鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(Autonomous Haulage System、以下、AHS)を専門に扱う組織「AHS Center of Excellence」を、将来的にマイニングソリューションを統括する組織へ発展させることを目指す。
また、農林業向けには、スマートコンストラクションのノウハウを活用し林業全体を効率化するスマート林業の提案や、ICT農業用建機の商品化・事業化を目指すとともに、アジアを中心に海外展開を推進していく。
② 事業改革による成長戦略
建設機械・車両事業においては、新商品の開発、生産、販売に加え、部品の供給やサービス活動、レンタル・中古商品の循環事業及びリテールファイナンス事業などで構成するバリューチェーンビジネスを強化し、「アフターマーケット事業の再定義」を行う。次世代KOMTRAX導入によるアプリケーション拡大や、IoT/AI予測技術による予知保全、号機管理の導入、次世代キーコンポーネントの開発により、新車から廃車までのライフサイクルサポート(生涯保証)の実現を目指す。
2017年4月以降推進してきたKMCの統合活動においては、主力工場や地域オペレーションの再編、サプライチェーンの最適化などを更にスピードをあげて推進し、より大きなシナジー効果の創出を狙う。また、コマツとKMCの技術開発力・ノウハウを融合させることで、お客様の現場の安全・生産性向上に寄与する商品・ソリューションを開発するとともに、坑内掘りハードロック事業の市場でのポジション向上を図る。
また、新興国をはじめとする成長市場においては、各国で異なる市場環境や構造変化に対応するため、基盤となる代理店力の育成、バリューチェーンの強化と拡大、砕石・セメント、農業、林業分野の強化、フルラインナップメーカーとしての強みを生かした施工方法の提案などにより、市場におけるプレゼンス向上を目指す。
産業機械他事業では、建設機械・車両事業とのシナジー効果や新商品開発により、板金鍛圧・工作機械事業においてEV化進展等による産業構造変化に取り組むとともに、半導体市場向けでは、コア技術を活かした更なる成長を、スピードを上げて推進していく。
③ 成長のための構造改革
生産部門では、労働力不足に対応した次世代工場化を進めるとともに、地球環境・作業環境に配慮した「環境・作業負荷ゼロ工場」の実現により、生産によるCO2排出量は2030年に50%減(2010年比)、使用電力における再生可能エネルギー使用率は2030年に50%の目標に向けて取り組む。
メーカーであるコマツの強みの源泉となる、商品・サービス・ソリューションの開発では、本年4月より組織構造改革を行うとともに、モデルベース開発の推進や最新先端技術情報の収集とネットワーク構築によるオープンイノベーションにより、スピードを上げて新しい価値を効率的に開発する体制を整える。
また、グローバル経営の進展を背景に、人材育成及び人材確保の多様化・グローバル化を進め、ダイバーシティの継続的な推進など「グローバルに多様な人材がひとつのチームとして事業の成長に貢献できる環境」の実現を目指す。
当社グループ(当社及び連結子会社)の経営の基本は、「品質と信頼性」を追求し、企業価値を最大化することである。企業価値とは、我々を取り巻く社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和であると考えている。
当社グループは、お客様の現場をお客様とともに革新し、新しい価値を創造するイノベーションを提供することで、コアビジネスである建設・鉱山機械、産業機械事業での成長を目指して、2016年4月から2019年3月までの3カ年を対象とした中期経営計画「Together We Innovate GEMBA Worldwide-Growth Toward Our 100th Anniversary(2021)and Beyond-」に取り組んできた。この間、建設・鉱山機械の需要は、中期経営計画策定時の想定よりも早く、2017年より資源価格の低迷や新興国の成長鈍化などの調整局面から脱し、最終年度の2018年度は2年連続の増収増益とともに過去最高の売上高・利益となった。中期経営計画の3つの成長戦略である、①イノベーションによる成長戦略、②既存事業の成長戦略、③土台強化のための構造改革に着実に取り組み、経営目標の指標である「成長性」、「収益性」、「効率性」、「株主還元」、「健全性」を達成した。特に成長性については2017年4月の米国ジョイ・グローバル社(現、コマツマイニング㈱、以下「KMC」)の買収により大きな伸びを実現した。
2021年の創立100周年とその先の成長を目指し、新たな3カ年の中期経営計画(2019-2021年度)「DANTOTSU Value - FORWARD Together for Sustainable Growth」を本年4月よりスタートした。新たな中期経営計画では、成長戦略による収益向上とESG課題解決の好循環で持続的成長をはかり、当社グループの「経営の基本」である「品質と信頼性」を追求し、「企業価値」である、我々を取り巻く社会と全てのステークホルダーからの信頼度の総和を最大化することを目指す。
世界では保護主義や多極化、気候変動への意識がますます高まってきており、外部環境が大きく変化する中、建設機械・車両事業では、建設・鉱山機械の需要は中長期的には緩やかな成長が見込まれるものの、短期的にはボラティリティ(需要の変動幅)が高く推移すると予想される。産業機械他事業では、自動車業界向けの需要はEV化進展等による産業構造変化が見込まれ、半導体業界向けは中長期では確実に成長するものの、一時的な調整局面が予想される。
<当社グループにおける「市場」の位置づけ>
| 伝統市場 | 日本、北米、欧州 |
| 戦略市場 | 中国、中南米、アジア、オセアニア、アフリカ、中近東、CIS |
<経営目標>新たな中期経営計画では、前中期経営計画で掲げた、業界トップレベルの「成長性」、「収益性」、「効率性」、「健全性」を継続しながら、新たに「ESG」の経営目標を設定した。成長戦略への重点投資を優先しながら、「株主還元」については引き続き安定的な配当の継続に努め、連結配当性向を40%以上とする方針としている。
| 成長性 | 業界水準を超える成長率 |
| 収益性 | 業界トップレベルの営業利益率 |
| 効率性 | ROE*110%以上 |
| 健全性 | 業界トップレベルの財務体質 |
| リテール ファイナンス事業 | ①ROA*2 1.5%-2.0% |
| ②ネット・デット・エクイティ・レシオ*35倍以下 |
| (新設)ESG | ①環境負荷低減 CO2排出削減:2030年50%減(2010年比) 再生可能エネルギー使用率:2030年50% |
| ②外部評価 DJSI*4選定(ワールド、アジアパシフィック) CDP*5 Aリスト選定(気候変動、水リスク)等 |
| 株主還元 | ①成長への投資を主体としながら、株主還元(自社株買いを含む)とのバランスをとる。 |
| ②連結配当性向を40%以上とする。 |
*1 ROE=当社株主に帰属する当期純利益/((期首株主資本+期末株主資本)/2)
*2 ROA=税引前当期純利益/((期首総資産+期末総資産)/2)
*3 ネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット負債資本比率)=(有利子負債-現預金)/株主資本
*4 ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インディシーズ:米国S&Pダウ・ジョーンズ社とスイスのロベコ・
サム社によるSRI指標
*5 企業や政府が温室効果ガス排出量を削減し、水資源や森林を保護することを推進する国際的な非営利団体
<成長戦略3本柱と重点活動>当社グループを取り巻く外部環境や課題に対し、成長戦略3本柱 ①イノベーションによる価値創造、②事業改
革による成長戦略、③成長のための構造改革を推進し、持続的な成長を目指す。
① イノベーションによる価値創造
「品質と信頼性」を追求する当社グループのものづくりの技術をベースに、グループ内で得られない技術は積極的に取り入れることで、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場を創造するためのイノベーションを起こしていく。
建設現場向けには、デジタルトランスフォーメーションに対応した、オープンプラットフォーム「LANDLOG」、自律、協調など高度化したICT建機、生産技術を活用し施工を最適化する施工シミュレーションの開発を強化し速やかに市場拡大を図り、「スマートコンストラクション」をグローバルに推進していく。ユーティリティにおいては、スピードを上げて、電動化建機を市場導入していく。
鉱山現場向けでは、新しく最適化プラットフォームをオープンイノベーションも活用し構築するとともに、本年4月に新設した鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(Autonomous Haulage System、以下、AHS)を専門に扱う組織「AHS Center of Excellence」を、将来的にマイニングソリューションを統括する組織へ発展させることを目指す。
また、農林業向けには、スマートコンストラクションのノウハウを活用し林業全体を効率化するスマート林業の提案や、ICT農業用建機の商品化・事業化を目指すとともに、アジアを中心に海外展開を推進していく。
② 事業改革による成長戦略
建設機械・車両事業においては、新商品の開発、生産、販売に加え、部品の供給やサービス活動、レンタル・中古商品の循環事業及びリテールファイナンス事業などで構成するバリューチェーンビジネスを強化し、「アフターマーケット事業の再定義」を行う。次世代KOMTRAX導入によるアプリケーション拡大や、IoT/AI予測技術による予知保全、号機管理の導入、次世代キーコンポーネントの開発により、新車から廃車までのライフサイクルサポート(生涯保証)の実現を目指す。
2017年4月以降推進してきたKMCの統合活動においては、主力工場や地域オペレーションの再編、サプライチェーンの最適化などを更にスピードをあげて推進し、より大きなシナジー効果の創出を狙う。また、コマツとKMCの技術開発力・ノウハウを融合させることで、お客様の現場の安全・生産性向上に寄与する商品・ソリューションを開発するとともに、坑内掘りハードロック事業の市場でのポジション向上を図る。
また、新興国をはじめとする成長市場においては、各国で異なる市場環境や構造変化に対応するため、基盤となる代理店力の育成、バリューチェーンの強化と拡大、砕石・セメント、農業、林業分野の強化、フルラインナップメーカーとしての強みを生かした施工方法の提案などにより、市場におけるプレゼンス向上を目指す。
産業機械他事業では、建設機械・車両事業とのシナジー効果や新商品開発により、板金鍛圧・工作機械事業においてEV化進展等による産業構造変化に取り組むとともに、半導体市場向けでは、コア技術を活かした更なる成長を、スピードを上げて推進していく。
③ 成長のための構造改革
生産部門では、労働力不足に対応した次世代工場化を進めるとともに、地球環境・作業環境に配慮した「環境・作業負荷ゼロ工場」の実現により、生産によるCO2排出量は2030年に50%減(2010年比)、使用電力における再生可能エネルギー使用率は2030年に50%の目標に向けて取り組む。
メーカーであるコマツの強みの源泉となる、商品・サービス・ソリューションの開発では、本年4月より組織構造改革を行うとともに、モデルベース開発の推進や最新先端技術情報の収集とネットワーク構築によるオープンイノベーションにより、スピードを上げて新しい価値を効率的に開発する体制を整える。
また、グローバル経営の進展を背景に、人材育成及び人材確保の多様化・グローバル化を進め、ダイバーシティの継続的な推進など「グローバルに多様な人材がひとつのチームとして事業の成長に貢献できる環境」の実現を目指す。