有価証券報告書-第148期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
当社グループの経営の基本は、「品質と信頼性」を追求し、企業価値を最大化することである。企業価値とは、我々を取り巻く社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和であると考えている。2019年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画「Together We Innovate GEMBA Worldwide―Growth Toward Our 100th Anniversary(2021)and Beyond―」では、お客様の現場をお客様とともに革新し、新しい価値を創造するイノベーションを提供することで、当社創立100周年に向け、コアビジネスである建設・鉱山機械、産業機械事業での成長を目指し、①イノベーションによる成長戦略、②既存事業の成長戦略、③土台強化のための構造改革、の3つの重点活動項目に取り組む。当社グループの全社員が「コマツウェイ」を共有し、E(環境)/S(社会)/G(ガバナンス)についてもこれまで以上に強く意識しながら以下の重点活動にチームで取り組むことで、業績の向上、企業体質の更なる改善及び社会的使命の達成をバランスよく実現していく。
建設機械の需要は、北米、中近東等で減少したものの、中国やインドネシア等で上向いているとともに、ここ数年低迷していた鉱山機械の需要においても回復が見込まれている。また、世界の人口の増加及び都市化率の上昇を背景に長期でも需要は増加していくとの認識である。また、産業機械の需要は、主要な顧客である自動車業界及び半導体業界で生産設備投資の増加が見込まれることから、今後数年にわたり多少の変動はあるものの堅調に推移する見通しである。
<当社グループにおける「市場」の位置づけ>
<経営目標>「収益性」、「効率性」、「株主還元」、「健全性」に加え、「成長性」を経営目標の指標としている。また、当連結会計年度よりセグメント化したリテールファイナンス部門は、経営の効率性及び財務の健全性の視点から、独自の経営目標を設けた。
*1 ROE=当社株主に帰属する当期純利益/((期首株主資本+期末株主資本)/2)
*2 ROA=税引前当期純利益/((期首総資産+期末総資産)/2)
*3 ネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット負債資本比率)=(有利子負債-現預金)/株主資本
<3つの経営戦略と重点活動>① イノベーションによる成長戦略
「品質と信頼性」を追求する当社グループのモノ作り技術をベースに、グループ内で得られない技術については産学連携、産産連携により積極的に取り込むことで、ダントツ商品、ダントツサービス、ダントツソリューションを生み出し、お客様の現場にこれまでに無かった新しい価値を創造する「イノベーション」を引き続きスピード感を持って起こしていく。
建設機械・車両事業では、2015年2月より日本でスタートした建設現場向けソリューション事業「スマートコンストラクション」を更に推進し、ICT建機のレンタルでの取り扱いに加え、2016年4月からは販売も開始するなど、すでに2,800以上の現場に導入している。コマツのスマートコンストラクションは、わが国が提唱する、建設現場にICTの全面的な導入による生産性向上を図る「i-Construction」の基準にも準拠するものである。今後も、安全で生産性の高い未来の建設現場をお客様とともに実現させるため、その普及・浸透に一層注力していく。また、2016年9月に発表した全く新しいコンセプトの無人専用運搬車両「Innovative Autonomous Haulage Vehicle」を含め、次世代建設・鉱山機械・コンポーネントの開発、次世代KOMTRAX(機械稼働管理システム)の開発、「無人ダンプトラック運行システム(AHS)」のさらなる展開と鉱山向けプラットフォームの強化なども継続して取り組んでいく。産業機械他事業では、ギガフォトン㈱において、従来の半導体露光装置用エキシマレーザーを新分野向けに応用した「GIGANEX」の開発に成功した。FPD(フラットパネルディスプレイ)の製造に欠かせないアニール処理に使用する光源であり、これによりFPD製造分野への参入を進めていく。また、工作機械及び板金・鍛圧機械の主要コンポーネントの内製化を進め、大幅に生産性を高めたダントツ商品を開発する。
② 既存事業の成長戦略
新商品の開発、生産、販売に加え、部品の供給やサービス活動を行うアフターマーケット事業、レンタル・中古商品の循環事業及びリテールファイナンス事業等で構成するバリューチェーン全体をM&A等も活用しながら拡大、強化する。当社グループの総合力を結集して、建設・鉱山機械及び産業機械のライフサイクルコストの低減をお客様に提案することで、価格競争から一線を画して既存事業の成長を図る。
2016年10月、アジア諸国でのお客様のニーズ等に適応する仕様車やアタッチメントを迅速に開発し市場導入を進めるため、インドネシアにおける製造拠点であるコマツインドネシア㈱の敷地内に「アジア開発センタ」を開設した。更に、代理店向けトレーニング機能の強化を目指し、2016年11月にはタイに「アジア トレーニング&デモンストレーションセンタ」を開設した。今後大きな成長が見込まれるアジアで「ダントツNO.1」の確固たる地位を築くため、現地での商品開発と人材の育成に一層努めていく。
2017年4月、米国の大手鉱山機械メーカーであるJoy Global Inc.(米国ニューヨーク証券取引所上場)(以下、「ジョイ・グローバル社」)の買収を完了し、新社名コマツマイニング㈱(商号:Komatsu Mining Corp.)として当社グループに加えた。坑内掘り向け鉱山機械等、当社グループがこれまで保有していなかった製品を新たにラインナップに加えることが可能になる。今後、両社の統合により、鉱山機械事業の効率化を図り、シナジーを実現していくことでお客様の将来を見据えた幅広い提案を行っていく。
また、これまで以上にダントツ商品の開発に注力しつつ、砕石・セメント市場での競争力強化、分野向け商品の拡充、産業機械事業、林業機械事業の拡大にも継続して取り組む。
③ 土台強化のための構造改革
当社グループの売上高は2000年代初めに比べ約2倍となったが、固定費をほぼ一定に抑制している。今後も「成長とコストを分離する」という考え方に立ち、成長への投資と並行して積極的な原価低減及び適正な固定費水準の維持に努めていく。
当社グループの工場だけでなく協力企業の生産設備までもネットワークでつなぎ、現場を見える化し改善する「KOM-MICS(Komatsu Manufacturing Innovation Cloud System)」による生産改革を推進していく。設備の稼働状況をリアルタイムで監視するシステムである「K-MICS PAD」は、すでに330台以上の設備に導入している。また、市場情報を工場に直結化することで、製品及び部品供給のスピードアップと在庫の適正化も進めていく。
当社グループの社員一人ひとりが、お互いを尊重し合う環境の中で、自身の個性を磨き、強みを発揮することが、次の「ダントツ」を生み出し会社の持続的な成長につながる。
2016年4月、海外国籍を持つ世界の当社グループ現地の経営トップ層について、経営幹部としての活躍の場を更に広げ、連結経営により深く参画してもらうために「グローバルオフィサー」に任命するなど、グローバル連結経営体制の強化を図った。また、執行役員を含めた役職者への女性登用状況や、性別に関係なく育児・介護休暇等を積極的に導入するワークライフバランス施策等が評価され、経済産業省と東京証券取引所が女性活躍推進に優れた上場企業を選定する「なでしこ銘柄」に3年連続で選出された。
当社グループは、多様性こそ会社と個人の発展の原動力であると捉え、それぞれが働きがいと誇りを持ち、能力を十分に発揮できる職場や仕組みを提供できるよう、グローバルな人材育成、ダイバーシティの推進を継続していく。
建設機械の需要は、北米、中近東等で減少したものの、中国やインドネシア等で上向いているとともに、ここ数年低迷していた鉱山機械の需要においても回復が見込まれている。また、世界の人口の増加及び都市化率の上昇を背景に長期でも需要は増加していくとの認識である。また、産業機械の需要は、主要な顧客である自動車業界及び半導体業界で生産設備投資の増加が見込まれることから、今後数年にわたり多少の変動はあるものの堅調に推移する見通しである。
<当社グループにおける「市場」の位置づけ>
| 伝統市場 | 日本、北米、欧州 |
| 戦略市場 | 中国、中南米、アジア、オセアニア、アフリカ、中近東、CIS |
<経営目標>「収益性」、「効率性」、「株主還元」、「健全性」に加え、「成長性」を経営目標の指標としている。また、当連結会計年度よりセグメント化したリテールファイナンス部門は、経営の効率性及び財務の健全性の視点から、独自の経営目標を設けた。
| 成長性 | 業界水準を超える成長率を目指す。 |
| 収益性 | 業界トップレベルの営業利益率を目指す。 |
| 効率性 | ROE*1は10%レベルを目指す。 |
| 株主還元 | ①成長への投資を主体としながら、株主還元(自社株買いを含む)とのバランスをとる。 |
| ②連結配当性向を40%以上とし、60%を超えない限り減配はしない。 | |
| 健全性 | 業界トップレベルの財務体質を目指す。 |
| リテールファイナンス事業 | ①ROA*2 2.0%以上 |
| ②ネット・デット・エクイティ・レシオ*3を5倍以下 |
*1 ROE=当社株主に帰属する当期純利益/((期首株主資本+期末株主資本)/2)
*2 ROA=税引前当期純利益/((期首総資産+期末総資産)/2)
*3 ネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット負債資本比率)=(有利子負債-現預金)/株主資本
<3つの経営戦略と重点活動>① イノベーションによる成長戦略
「品質と信頼性」を追求する当社グループのモノ作り技術をベースに、グループ内で得られない技術については産学連携、産産連携により積極的に取り込むことで、ダントツ商品、ダントツサービス、ダントツソリューションを生み出し、お客様の現場にこれまでに無かった新しい価値を創造する「イノベーション」を引き続きスピード感を持って起こしていく。
建設機械・車両事業では、2015年2月より日本でスタートした建設現場向けソリューション事業「スマートコンストラクション」を更に推進し、ICT建機のレンタルでの取り扱いに加え、2016年4月からは販売も開始するなど、すでに2,800以上の現場に導入している。コマツのスマートコンストラクションは、わが国が提唱する、建設現場にICTの全面的な導入による生産性向上を図る「i-Construction」の基準にも準拠するものである。今後も、安全で生産性の高い未来の建設現場をお客様とともに実現させるため、その普及・浸透に一層注力していく。また、2016年9月に発表した全く新しいコンセプトの無人専用運搬車両「Innovative Autonomous Haulage Vehicle」を含め、次世代建設・鉱山機械・コンポーネントの開発、次世代KOMTRAX(機械稼働管理システム)の開発、「無人ダンプトラック運行システム(AHS)」のさらなる展開と鉱山向けプラットフォームの強化なども継続して取り組んでいく。産業機械他事業では、ギガフォトン㈱において、従来の半導体露光装置用エキシマレーザーを新分野向けに応用した「GIGANEX」の開発に成功した。FPD(フラットパネルディスプレイ)の製造に欠かせないアニール処理に使用する光源であり、これによりFPD製造分野への参入を進めていく。また、工作機械及び板金・鍛圧機械の主要コンポーネントの内製化を進め、大幅に生産性を高めたダントツ商品を開発する。
② 既存事業の成長戦略
新商品の開発、生産、販売に加え、部品の供給やサービス活動を行うアフターマーケット事業、レンタル・中古商品の循環事業及びリテールファイナンス事業等で構成するバリューチェーン全体をM&A等も活用しながら拡大、強化する。当社グループの総合力を結集して、建設・鉱山機械及び産業機械のライフサイクルコストの低減をお客様に提案することで、価格競争から一線を画して既存事業の成長を図る。
2016年10月、アジア諸国でのお客様のニーズ等に適応する仕様車やアタッチメントを迅速に開発し市場導入を進めるため、インドネシアにおける製造拠点であるコマツインドネシア㈱の敷地内に「アジア開発センタ」を開設した。更に、代理店向けトレーニング機能の強化を目指し、2016年11月にはタイに「アジア トレーニング&デモンストレーションセンタ」を開設した。今後大きな成長が見込まれるアジアで「ダントツNO.1」の確固たる地位を築くため、現地での商品開発と人材の育成に一層努めていく。
2017年4月、米国の大手鉱山機械メーカーであるJoy Global Inc.(米国ニューヨーク証券取引所上場)(以下、「ジョイ・グローバル社」)の買収を完了し、新社名コマツマイニング㈱(商号:Komatsu Mining Corp.)として当社グループに加えた。坑内掘り向け鉱山機械等、当社グループがこれまで保有していなかった製品を新たにラインナップに加えることが可能になる。今後、両社の統合により、鉱山機械事業の効率化を図り、シナジーを実現していくことでお客様の将来を見据えた幅広い提案を行っていく。
また、これまで以上にダントツ商品の開発に注力しつつ、砕石・セメント市場での競争力強化、分野向け商品の拡充、産業機械事業、林業機械事業の拡大にも継続して取り組む。
③ 土台強化のための構造改革
当社グループの売上高は2000年代初めに比べ約2倍となったが、固定費をほぼ一定に抑制している。今後も「成長とコストを分離する」という考え方に立ち、成長への投資と並行して積極的な原価低減及び適正な固定費水準の維持に努めていく。
当社グループの工場だけでなく協力企業の生産設備までもネットワークでつなぎ、現場を見える化し改善する「KOM-MICS(Komatsu Manufacturing Innovation Cloud System)」による生産改革を推進していく。設備の稼働状況をリアルタイムで監視するシステムである「K-MICS PAD」は、すでに330台以上の設備に導入している。また、市場情報を工場に直結化することで、製品及び部品供給のスピードアップと在庫の適正化も進めていく。
当社グループの社員一人ひとりが、お互いを尊重し合う環境の中で、自身の個性を磨き、強みを発揮することが、次の「ダントツ」を生み出し会社の持続的な成長につながる。
2016年4月、海外国籍を持つ世界の当社グループ現地の経営トップ層について、経営幹部としての活躍の場を更に広げ、連結経営により深く参画してもらうために「グローバルオフィサー」に任命するなど、グローバル連結経営体制の強化を図った。また、執行役員を含めた役職者への女性登用状況や、性別に関係なく育児・介護休暇等を積極的に導入するワークライフバランス施策等が評価され、経済産業省と東京証券取引所が女性活躍推進に優れた上場企業を選定する「なでしこ銘柄」に3年連続で選出された。
当社グループは、多様性こそ会社と個人の発展の原動力であると捉え、それぞれが働きがいと誇りを持ち、能力を十分に発揮できる職場や仕組みを提供できるよう、グローバルな人材育成、ダイバーシティの推進を継続していく。