有価証券報告書-第142期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 15:19
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【項目】
109項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
1.経営の基本方針
当社は、お客様に信頼され満足される商品・サービスを提供し、社会に貢献する企業であることを企業理念とし、明治32年創業以来、長年多くのお客様にご満足頂ける高品質できめ細やかなサービスを提供してまいりました。
また、次のとおり経営の基本方針として「企業理念」を掲げております。
(1)顧客に信頼され、満足される製品・サービスを提供し、社会に貢献する企業である。
(2)環境と資源に配慮したものづくり・工事サービスは業界でのトップを目標に努め、その成果を自ら稼ぎ出す体質の
企業である。
(3)その成果は、社員・関係者の自信となり、適正な経済的配分と共に自己実現を果たす歓びを得られる企業である。
(4)コンプライアンス(法令遵守)を徹底するとともに、株主を含むステークホルダーに適正な配分を行う企業であ
る。
2.中長期的な経営方針
■既存事業の経営目標達成のための取り組みの強化
黒字体質の定着と黒字幅拡大を図るため、プロジェクト案件等の粗利率目標15%以上の確保を着実に実行する。
①プロジェクト収益の全件確保
②予算管理の徹底継続
③受注プロセスの遵守継続
■太陽光事業の販売拡大と利益向上
ディベロップ事業(権利付案件)、EPC事業(施工・材料販売)のほか、その他住宅関連事業、塗装関連事業(ガイナ、太陽光リフォーム)の収益拡大に向けて取り組む。
①特定契約先との関係を維持しつつ、他の販売店各社への拡販と新規販売店の開拓
②物件情報から案件を精査し、優良権利付案件に対しては積極的にPRと販売
③引き続きグループ各社との継続的な情報交換の実施
④情報交換による補助金やESCO事業の紹介
⑤独自の仕入先、外注先の開拓によるコストダウン
■立体駐車装置事業の受注と適正利益を確保する体制の確立
東日本地区の案件を明治機械にて製造する体制は確立されたが、製造コストコストダウンが課題。
①製造請負先との基本原価の見直しの実施
②関東圏での外注先を確保し足利工場の生産効率・内製化率向上を図る
③製造請負先各部門との緊密な関係を構築する
■生産体制の確立と生産性向上
工場集約化後の足利工場の生産における、組立・機械加工・板金・木工それぞれの生産体制の整備をさらに推進す
る。
①必要な人材、人員の確保と教育
②多能工化と内製化による工場稼働率のアップ
③直接・間接業務の効率化と生産性の向上
④データ化と情報化の推進
(2)経営戦略等
■既存事業の予算目標必達 売上高
①予算目標管理の徹底
ⅰ受注、売上・粗利の予算管理と利益予測の実行管理及びシステム化
ⅱ部署別経費予算管理と管理会計の推進、Mオーダーの迅速対応と再発予防措置の徹底
②プロジェクトの収益確保
プロジェクトの粗利率目標15%以上、資金繰りも意識して全社一丸で取り組む
ⅰ予算目標管理の徹底
・受注プロセスの維持、改善
・30百万円以上案件の見積スケジュールの作成と管理
・受注前会議要領の遵守
・予算会議での粗利15%以上確保
ⅱコストダウン
・外注先の新規開拓による相見積の徹底
・日本コンベヤ株式会社調達ルートを活用した海外調達(スクリューフィーダー)
・日本コンベヤ株式会社調達ルートを活用拡大(モーター、鋼材)
・製粉・産業業界向け仕様に合った安価品の調達先開拓
③新市場開拓
市場ニーズを捉えた製品開発、対象市場の選定と開拓
ⅰ既存業界以外への進出
・従来機種の小型化
・マルチセパレーターの開発
・既存業種以外の開拓と営業(具体的には2次加工業界:緑茶、製麺、パン、お菓子、高機能食品、サプリメン
ト)
・広告を利用した宣伝、開発者展等の出展を通して広く業界に宣伝し、具体的案件のを引き出しを図る
・食の安全、安心及び省エネを全面に押し出した機器の市場への宣伝とIoTのシステム構築
④海外市場開拓
当社製品、プラント技術の東南アジア等を中心とした海外展開
・商社を通じた当社製品・プラントの海外展開
・子会社である明治機械(徳州)有限公司のロールの拡販
■太陽光事業の販売拡大と利益向上
・特定契約先関連案件の円滑化と新規販売店の開拓
・太陽光大型権利案件の売買及び仲介の推進
・関連会社との協業でEPC事業の全国展開
・既存住宅へのリフォーム提案等の促進
・環境関連の販促
・TCSグループ太陽光事業関連会社との協力体制の確立
■立体駐車装置事業の受注と適正利益を確保
①体制の確立
・関東圏全案件での受注拡大
・既存顧客への自動倉庫提案
・製作手順書作成による目標工数の削減
・機械製缶の外注業者の開拓と指導
・外注管理業務の標準化による目標工数の削減
・コスト構成の見直しとコスト交渉による目標工数の削減
・溶接技術の資格者育成
・Mグレード鉄骨 新規外注先の確保
■生産体制の確立と生産性向上
①直接部門の稼働率向上
ⅰ生産部
・多能工の育成
・対象機種の内製化の拡充
・目標工数の外注同等コストへの見直し
ⅱプラント部
・その他業務(25%)の解析、削減
②足利工場間接比率の引き下げ
・業務分析、効率化案の立案
・直接部門、業務への異動
■経営方針、施策の全社浸透
経営方針説明会、決算説明会の実施による社内周知と意識高揚
■安全管理の徹底
①事故・労災 ゼロ
・拠点別安全マニュアルの講習会の実施
・設計、営業担当者の安全教育の実施
・工事現場安全パトロールの実施
■データ化と共有化、システム化
①作業のスピード化効率化
・機械図面等のデータ化と共有化の推進
・業務のシステム化によるスピード、効率のアップの推進
■本社への設計部設置
①見積等のスピードアップ・効率化
・営業と設計の連携を密にすることにより、見積作業等の迅速化と効率化は図る
■採用の強化
①必要人員の確保
・各部署における必要な人員の確保
■規程類の全面見直し
①規程類の見直し
・人事、給与、旅費関係規程等の刷新よる意識改革
(3)経営環境及び対処すべき課題
今後の経済見通しにつきましては、景気は回復基調で推移するものと期待される一方で、米国の新政権による経済政策の影響、中国をはじめとする新興国の景気の減速、英国のEU離脱、外国為替市場や資源価格の変動等により、経済全体としての先行きは不透明な状況で推移することが予測されます。
このような状況下、当社は入手可能な情報に基づき、また将来を見据えて検討した経営方針を立案し、それらを実行に移しております。
当社の主たる事業である産業機械関連事業及び太陽光関連事業について、経営者の問題認識と今後の方針は次のとおりであります。
主力得意先業界の製粉・飼料業界は成熟した産業ではありますが、一方で、経済不況下においても食に関連した事業であり、他の業界に比べ急激な落ち込みはないものと思われます。
また、太陽光関連事業については、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)の見直しが行われる等、厳しい事業環境が続くものと思われます。
このような中、製造業の経営の基本でありますPDCAサイクルを確実に実行し、より強固な企業体質を構築してまいります。
具体的には、次のとおり対処すべき課題として取り組んでまいります。
1.コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスの体制の充実強化
内部統制制度の見直し及びその着実な運用・評価・検証を通じ、強固なコーポレート・ガバナンス体制及びコンプライアンス体制の構築に努めてまいりましたが、さらなる強化・充実に鋭意取り組んでいく所存であります。
2.やり抜く企業風土の醸成とスピード化
当社は今期、全社一丸となって目標達成に努めた結果、当初目標を達成することができました。これを定着させるべく、製造業の経営の基本でありますPDCAサイクルを確実に実行し、経営目標の達成を図ってまいります。
また、時代の急速な変化及び客先ニーズに対応するため、何事にもスピードをもって取り組んでまいります。
3.産業機械関連事業の収益力強化
小麦製粉業界の新規投資意欲は減退しているものの、飼料業界では再編成・工場集約が活発化するなか、新分野進出の取り組みとして、コンビニ・立ち食いチェーンのそば、同じく米粉などの需要が伸びており、当社では各メーカーに対して各種の設備工事や、主力製品であるロール機などの提案強化をしてまいります。その他、飼料・製粉業界で培ってきたノウハウを新たな分野にも活かし、新市場への進出に積極的に取り組んでまいります。
これに加え、商社を通じた当社ブランドの機械の東南アジア等を中心とした海外展開を、さらに当社の長年培ってきたプラント技術の海外展開を計画または模索中であり、人材育成を進めるとともに企業のグローバル化を目指してまいります。
また、これからの時代、殆どの産業おいて「IoT」(Internet of Things)への注目度が高まってきておりますが、当社のお得意先関連業界におきましても、ソフト・ハードの両面においてTCSグループ会社との協業と連携を密にし、IoT関連の人材育成及び開発を行ってまいります。
これらにより、受注を拡大していくと同時に、引き続きコストダウン・予算管理を徹底し適正利益の確保に努める所存であります。
4.太陽光発電事業の拡大
太陽光関連事業については、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)の見直しが懸念されますが、当社は太陽光発電システムの販売、施工から保守・メンテナンスに対応する体制を採っております。この度、太陽光発電設備EPC事業の一環として、太陽光発電設備のディベロップ事業へ本格参入いたしました。
これは、日本経済の低金利時代が続くなか、老後の資金対策、相続対策として高利回りの投資商品が求められており、これらニーズに対応するため、当社は当期取得した宅地建物取引業免許を有効活用し、一般投資家向けの投資商品として、太陽光発電設備区画分譲販売を実践中で好調に推移しておりますが、産業用太陽光発電システムの企画・設計・販売も含め、今後、さらなる販売強化に取り組むとともに、ゼロ・エネルギー住宅への参入を進めることで、受注・売上の確保及び拡大を図り、積極的な営業活動を展開してまいります。
5.立体駐車場事業の立上げ
新たな取り組みである立体駐車装置につきましては、エヌエイチパーキングシステムズ株式会社が受注する東日本の立体駐車装置について、当社の足利工場での生産体制は確立されましたが、今後さらに東日本における販売強化、製造コストのコストダウンに注力してまいります。
6.人材の育成と活用
優秀な人材の登用・組織力の強化、技術伝承・教育を通じた技術力の強化により経営方針の効率的な具現化を図ってまいります。