訂正有価証券報告書-第94期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2019/06/27 14:27
【資料】
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【項目】
97項目

研究開発活動

当社グループはユーザーニーズを形にする技術確立を基本理念とし、研究・実験施設であるテクニカムで製品の改善・改良、開発、そして顧客立会いのもと装置の検証テストを行っております。
テクニカムには11台の小型テスト機から生産機レベルの装置とレオメータやSEMといった測定機を設置しており、これらを活用し、多様化する市場動向とユーザーニーズの変化に日々対応しながら提案型企業として取り組んでおります。
また、コンピューターによる構造・流体解析を活用し、当社のコア技術である塗布・乾燥技術開発の速度アップとともに、高精度・高性能な製品開発が可能となりました。
昨年においては、波長制御ヒーター(IR)を組み込んだ乾燥機、過熱蒸気を組み込んだ乾燥機を新たに設置し顧客テストへの運用を開始しております。
当社の研究開発体制は、研究開発部において基礎研究と商品開発、テクニカムでのテストから生産の効率化や装置の自動化といったユーザーニーズを捉え、設計部において具現化を行っています。これらの開発から発明された特許は期末日現在87件となっております。
また、テクニカムテスト機の更新やヒラノグループが連携し真空中から大気中、大気中から真空中へ連続走行させるエアーtoエアー装置にも取り組み、更なる高品質薄膜への挑戦も行ってまいります。
現在、研究開発活動は当社の研究開発部、機械部技術課、設計部設計開発課及び子会社であるヒラノ技研工業株式会社、株式会社ヒラノK&Eの技術担当を含む合計約30名、総社員の1割に当る要員で業務の対応に努めております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、398,041千円となっております。
(塗工機関連機器)
塗工機械分野では、光学市場やエネルギー分野における高精度塗工装置の開発に取り組んでおります。特に自動車、家電機器に搭載されるリチウムイオン二次電池における二層ダイを用いた新しい塗工システムの研究開発、三層ダイコートや両面同時コート、走行ラインの自動化と省電力化などの生産性向上に向けた製品開発を積極的に取り組んでおります。
当部門に係わる研究開発費は、190,632千円となっております。
(化工機関連機器)
化工機械分野では、電子材料や環境分野で利用されるセラミックスシートの成膜プロセスにおいて、薄膜での高精度化、厚膜でのシート成型対応に向けた開発や炭素・黒鉛を用いた産業資材分野での熱処理装置の開発に取り組んでおります。
テクニカムには高機能性フィルム用クリーンテンターにインラインコーティングを組み合わせたテスト装置を設置し、高付加価値化を目指す顧客の獲得に取組むとともに、省エネルギー、高効率・高精度加熱を具備した高機能加熱・乾燥装置の開発にも取り組んでおります。
当部門に係わる研究開発費は、207,408千円となっております。