有価証券報告書-第98期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
① 戦略
当社グループの最大の財産は人財です。組織風土と人財開発の両面から人的資本経営を推進し、組織と人財のWell-Beingの実現を目指します。組織と人財の可能性を最大限に引き出すことで、社会とステークホルダーへ提供する価値を増幅させます。その価値提供を通じて、組織と人財のWell-Beingを更に高める循環を生み出していきたいと考えています。
経営計画2025では、収益の安定化と多様化に向けた自己変革を成し遂げるために、重点取組に「分厚い中核人財層の形成」を掲げ、中核人財層の拡充に注力しています。
② 企業戦略と関連付けた人財戦略及びそれを踏まえた従業員給与等の決定方針
当社は、企業経営において、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値共創が重要となっていることを踏まえ、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組んでいます。その上で、価値協創や生産性向上によって生み出された収益・成果について、マルチステークホルダーへの適切な分配を行うことが、賃金引上げのモメンタムの維持や経済の持続的発展につながると考えております。
上記方針のもと、安定的な収益基盤の構築、従業員の能力開発やスキル向上等を通じて、持続的な成長と生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力します。その上で、生み出した収益・成果に基づいて社会情勢や当社の状況を踏まえてベースアップを含めた適切な方法による賃金の引上げを行うとともに、従業員のエンゲージメント向上や更なる生産性の向上に資するよう、教育訓練等を中心に積極的に取り組むことを通じて、従業員への持続的な還元を目指します。
③ 推進体制
当社では、事業と連動した全社一体の人的資本経営を推進しています。
経営諮問会議の下部組織である統合戦略委員会において、受注戦略に応じた要員数及び配置対象者を決定しています。人財開発委員会では、統合戦略委員会と連携しながら、短期的なリソース方針を踏まえつつ、中長期視点での人財育成戦略を策定し、展開する体制を整備しています。
また、最高人事責任者(CHRO:Chief Human Resources Officer、現在は副社長が兼任)の下、人財育成責任者(HRO:Human Resources Officer)を職種ごとに任命しています。
これらの体制によって、人的資本に関する主なリスク及び機会を継続的に把握・評価し、各委員会において対応方針を協議・実行することで、リスクの最小化と人的資本の持続的な強化を図っています。
■重点項目
イ.相互に尊重し、挑戦し続ける自由闊達な組織風土
当社の強みは、エンジニアリングを通じて培ってきた多様な個性を活かす自由闊達な組織風土です。この強みを伸ばし、社会課題に応じてしなやかに変容することで、社会とステークホルダーへ価値を提供し続けます。
a. 組織風土の変革に向けた取り組み
組織風土の変革を着実に推進していくために、組織課題・風土の可視化とその改善を目的とした組織風土調査を導入しています。組織経営者を中心に、資格や役職を問わず全社員が組織風土の変革に取り組む土壌を整えています。
<組織風土調査の活用>2023年度より、当社及び主たる国内グループ企業では、組織風土調査を年に1回実施しています。調査結果は当社における人的資本経営の重要KPIとして位置付け、進捗状況をモニタリングしています。
2024年度より、各本部の運営計画の策定及び個人の目標設定等の既存のPDCAサイクルに、調査結果を用いた対話を通して現状を深掘りするプロセスを組み込み、自律的な組織風土変革の取り組みを促しています。
<組織経営者の育成>2024年度には、組織経営者が備えるべき要素(スキル・マインドセット)を定義し、組織経営者育成のための教育体系を構築しました。リスク管理に必要不可欠な知識の習得に加え、個人や組織の力を高めるためのスキルを獲得する教育を、資格や役職に応じて実施しています。
こうした教育体系を基盤として、日常のマネジメントにおいては、組織経営者として個人や組織の力を高めるため、対話を重視しています。組織経営者は、1on1ミーティングや日常的なコミュニケーションを通して、部下のキャリア形成を継続的に支援します。期首の目標設定においては、評価者として部下と面談を行い、部下のキャリア志向を踏まえて目標を設定します。目標設定後は、本部全体でも所属員一人ひとりの状況について議論する機会を設けています。この組織経営者間でのコミュニケーションは、各所属員のキャリアを多面的に把握し、適切な育成につなげるとともに、組織経営者自身の組織経営力の向上に寄与しています。
<組織経営者の世代交代の実践>管理職への昇格は年齢を問わず実施しています。役職者への登用は、本部の垣根を越えて、HROを含む広く多面的な視点から決定しています。
また、同一ポジションへの滞留年数に上限を設けることで、異動を含む交代を促進しています。部長以上の全ポジションの後継計画を策定し、候補者を早期に特定した上で、計画的な育成に取り組んでいます。後継者の任用は順調に進捗しており、組織の活性化につながっています。
b. ダイバーシティ&インクルージョン
多様な個性を尊重し、社員一人ひとりが活き活きと能力を発揮できる組織風土を実現し、ダイバーシティ&インクルージョンを浸透させていくことはパーパスの実現に不可欠です。社員一人ひとりが、その属性によらず、多様な意見を発信し、能力を発揮できる環境を整えるための第一歩として、2023年10月にダイバーシティ&インクルージョンポリシーを制定しました。ダイバーシティ&インクルージョンの風土・意識の改善を進めていくために、ダイバーシティ&インクルージョンをテーマとした研修を管理職に実施しています。

女性活躍の推進は、ダイバーシティ&インクルージョンポリシーの実現に重要なテーマの一つです。女性社員の更なる定着とリーダーとしての活躍を目指し、数値目標として総合職に占める女性の割合15%を掲げ、女性のキャリア継続のための施策及び採用強化に重点的に取り組んでいます。2025年度の総合職に占める女性の割合は14%でした。
また、2025年度の男性育児休業の取得実績は73.4%でした。数値目標に75%以上を掲げ、性別にかかわらず仕事と家庭の両立支援を強化することで、働きやすい環境の整備を推進しています。
c. 健康経営
2020年4月に健康経営宣言を発表して以降、社員が心身ともに健康的に働ける職場づくりに取り組んでいます。健康経営の推進体制として、CWO(Chief Wellness Officer、現在は常務執行役員が兼任)を議長とする健康経営推進会議を設置しています。また、人事部内には健康経営とダイバーシティを推進する専任組織を設け、取り組みを強化しています。
健康に関する各種データの分析やストレスチェックの集団分析結果の組織へのフィードバック、社内イベントの実施により、着実な職場環境の改善につなげています。その結果、2025年度の当社の総合健康リスクは77(※100を超える場合は全国平均と比べて休職者が発生する可能性が高い)と全国平均を大幅に下回る数値となっています。また、2026年3月には健康経営優良法人に6年連続(6回目)で選定されました。
d. 健全な労使関係
社会情勢や当社グループの事業の変化に対応する人事制度や採用競争力の強化を労使間での重要課題と位置付けてきました。人財の多様化を受け、離職対策を含む組織風土にかかわる課題についても積極的に協議しています。
ロ.誇りと情熱を持って社会課題に挑戦を続ける人財
人財開発基本方針に定める、専門領域における業務遂行力と組織経営力の伸長をベースに、多様化・複雑化する社会課題に対し、マインドをしなやかに変容させ、事業の変革に挑戦しています。グローバルなフィールドでの多様な経験と各種教育を組み合わせた育成戦略を展開することで、一人ひとりのキャリア形成を支援しています。

<人財開発におけるHROの役割>当社では、総合職(管理職又はその候補として、専門性に基づく業務遂行や組織経営を担う)において、4つの職種(Ex:エンジニアリング・プロフェッショナル職、Bx:ビジネス・インキュベーション職、Px:プロジェクト・マネジメント職、Cx:コーポレート・プロフェッショナル職)と専任職(専門性に基づく業務遂行を担う)を定義しており、職種ごとにHROを任命しています。
HROは各本部と連携し、社員の業務遂行力を向上させるための育成計画や異動計画の検討を行うとともに、社員との対話を通して一人ひとりのキャリア志向に伴走します。こうした取り組みを通じて、事業戦略と社員のキャリア志向を深く理解し、両者をつなぐ役割を担っています。
a. 事業の中核人財の拡充
中核人財とは、「自ら社会課題を特定、社内外との共創をリードし、より高い付加価値と収益獲得を実現できる人財」を指します。経営計画2025で掲げる収益の安定化と多様化のための自己変革を達成するために、事業の中核人財を拡充しています。
顧客の多様化するニーズに応えるため、EPCの中核人財とNon-EPCの中核人財を更に拡充し、併せて事業共創の中核人財の育成を進めています。2025年度は、各中核人財の人財像及びコンピテンシーを再整理するとともに、中核人財育成に必要なキーとなる経験を特定し、不足経験を計画的に補完する育成方針を確立しました。その方針に基づき、スキル・経験の可視化機能を搭載したタレントマネジメントシステムを活用して、社員一人ひとりに不足する経験を把握し、その補完に向け、社内の複数領域への配置・異動、顧客の構想段階から事業化までに伴走する経験や、社外での経験を積む機会を提供しています。今後は、事業戦略を踏まえた中核人財に関するKPIを設定し、その進捗をモニタリングするとともに、人財の配置・育成・モニタリングの循環を支える運営基盤をより強固なものにし、中核人財の計画的な育成を加速します。
b. 業務遂行力伸長のための取り組み
専門領域における業務遂行力の強化を通じて、当社の競争力を維持・向上させる人財を育成しています。
当社では、卓越した専門能力を持つ人財をフェローとして登用しています。フェローは、技術的価値を高いレベルで創出し、当社の事業戦略をリードします。同時に、特定分野のプロを目指す社員のロールモデルにもなっています。今後、フェロー人財を育成・拡充していくために、候補となる人財群を24名選抜しています。
また、各本部の育成戦略を体系化し、全社の育成戦略とすることで、より多くの社員に必要な教育機会を提供しています。専門教育を含む教育基盤についても定期異動等で得る職務経験との接合を確認しながら再整備し、人財開発を一層高い次元で推進しています。
c. シニア層の更なる活躍の推進
国内の労働人口の減少や、建設業の人手不足は重要な課題であり、高度な専門知見を持つシニア層の活躍は当社の最重要テーマの一つです。定年後も事業の最前線で重責を担うシニア層のモチベーションを維持・向上させるため、2024年10月に職務型の人事制度を導入し、新たに会社業績賞与の支給対象としました。また、環境変化を捉え、自発的にキャリア形成に取り組むマインドを醸成するためのキャリア研修を重点的に実施しています。
d. デジタル人財の育成
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進においては、デジタル人財の育成とDX意識・文化の定着が重要な基盤であるとの認識のもと、全社的な取組みを継続しています。
当社では、CDO、各本部から選出されたDO(Digital Officer)、デジタル変革エバンジェリストで構成するCDO室を中心に、全社DX推進体制を構築・運営しており、全社の業務変革を加速させています。
業務課題を俯瞰的に捉え、課題解決に向けた変革戦略の立案を担う人財を「DXコア人財」と定義し、育成・認定・活用のサイクルを通じて全社DXを推進しています。
2025年度は、DXコア人財育成プログラムの拡充に加え、認定制度の運用を本格化し、計37名のDXコア人財が社内認定されています。また、昨年度に続き、全社員のデジタルリテラシー向上を目的としたe-learningを94名(注)に提供し、生成AIに関する研修を全社向けに行い、516名(注)が当日の研修を受講しています。さらに、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が創設・運営するAI人財の育成を目的とした資格であるE資格の取得を奨励しており、2025年度は2名(累計20名)が取得しています。
(注)継続雇用制度に基づき当社に勤務するシニア社員等を含む
④ 指標及び目標(単体)
組織風土調査結果を当社における人的資本経営の重要KPIとして位置付けています。同調査では、肯定的回答率65%以上が強みとして認識されています。
なお、目標設定の範囲については、同調査が各社の置かれた経営環境や組織文化の違いを強く反映することから、当面は単体でKPIを管理し、各社の実態に応じた改善を優先しています。今後、グループ全体での施策の進展や運営基盤の整備状況を踏まえ、連結ベースでの目標設定についても検討していきます。
(注)継続雇用制度に基づき当社に勤務するシニア社員等を含む
① 戦略
当社グループの最大の財産は人財です。組織風土と人財開発の両面から人的資本経営を推進し、組織と人財のWell-Beingの実現を目指します。組織と人財の可能性を最大限に引き出すことで、社会とステークホルダーへ提供する価値を増幅させます。その価値提供を通じて、組織と人財のWell-Beingを更に高める循環を生み出していきたいと考えています。
経営計画2025では、収益の安定化と多様化に向けた自己変革を成し遂げるために、重点取組に「分厚い中核人財層の形成」を掲げ、中核人財層の拡充に注力しています。
② 企業戦略と関連付けた人財戦略及びそれを踏まえた従業員給与等の決定方針当社は、企業経営において、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値共創が重要となっていることを踏まえ、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組んでいます。その上で、価値協創や生産性向上によって生み出された収益・成果について、マルチステークホルダーへの適切な分配を行うことが、賃金引上げのモメンタムの維持や経済の持続的発展につながると考えております。
上記方針のもと、安定的な収益基盤の構築、従業員の能力開発やスキル向上等を通じて、持続的な成長と生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力します。その上で、生み出した収益・成果に基づいて社会情勢や当社の状況を踏まえてベースアップを含めた適切な方法による賃金の引上げを行うとともに、従業員のエンゲージメント向上や更なる生産性の向上に資するよう、教育訓練等を中心に積極的に取り組むことを通じて、従業員への持続的な還元を目指します。
③ 推進体制
当社では、事業と連動した全社一体の人的資本経営を推進しています。
経営諮問会議の下部組織である統合戦略委員会において、受注戦略に応じた要員数及び配置対象者を決定しています。人財開発委員会では、統合戦略委員会と連携しながら、短期的なリソース方針を踏まえつつ、中長期視点での人財育成戦略を策定し、展開する体制を整備しています。
また、最高人事責任者(CHRO:Chief Human Resources Officer、現在は副社長が兼任)の下、人財育成責任者(HRO:Human Resources Officer)を職種ごとに任命しています。
これらの体制によって、人的資本に関する主なリスク及び機会を継続的に把握・評価し、各委員会において対応方針を協議・実行することで、リスクの最小化と人的資本の持続的な強化を図っています。
■重点項目
イ.相互に尊重し、挑戦し続ける自由闊達な組織風土
当社の強みは、エンジニアリングを通じて培ってきた多様な個性を活かす自由闊達な組織風土です。この強みを伸ばし、社会課題に応じてしなやかに変容することで、社会とステークホルダーへ価値を提供し続けます。
a. 組織風土の変革に向けた取り組み
組織風土の変革を着実に推進していくために、組織課題・風土の可視化とその改善を目的とした組織風土調査を導入しています。組織経営者を中心に、資格や役職を問わず全社員が組織風土の変革に取り組む土壌を整えています。
<組織風土調査の活用>2023年度より、当社及び主たる国内グループ企業では、組織風土調査を年に1回実施しています。調査結果は当社における人的資本経営の重要KPIとして位置付け、進捗状況をモニタリングしています。
2024年度より、各本部の運営計画の策定及び個人の目標設定等の既存のPDCAサイクルに、調査結果を用いた対話を通して現状を深掘りするプロセスを組み込み、自律的な組織風土変革の取り組みを促しています。
<組織経営者の育成>2024年度には、組織経営者が備えるべき要素(スキル・マインドセット)を定義し、組織経営者育成のための教育体系を構築しました。リスク管理に必要不可欠な知識の習得に加え、個人や組織の力を高めるためのスキルを獲得する教育を、資格や役職に応じて実施しています。
こうした教育体系を基盤として、日常のマネジメントにおいては、組織経営者として個人や組織の力を高めるため、対話を重視しています。組織経営者は、1on1ミーティングや日常的なコミュニケーションを通して、部下のキャリア形成を継続的に支援します。期首の目標設定においては、評価者として部下と面談を行い、部下のキャリア志向を踏まえて目標を設定します。目標設定後は、本部全体でも所属員一人ひとりの状況について議論する機会を設けています。この組織経営者間でのコミュニケーションは、各所属員のキャリアを多面的に把握し、適切な育成につなげるとともに、組織経営者自身の組織経営力の向上に寄与しています。
<組織経営者の世代交代の実践>管理職への昇格は年齢を問わず実施しています。役職者への登用は、本部の垣根を越えて、HROを含む広く多面的な視点から決定しています。
また、同一ポジションへの滞留年数に上限を設けることで、異動を含む交代を促進しています。部長以上の全ポジションの後継計画を策定し、候補者を早期に特定した上で、計画的な育成に取り組んでいます。後継者の任用は順調に進捗しており、組織の活性化につながっています。
b. ダイバーシティ&インクルージョン
多様な個性を尊重し、社員一人ひとりが活き活きと能力を発揮できる組織風土を実現し、ダイバーシティ&インクルージョンを浸透させていくことはパーパスの実現に不可欠です。社員一人ひとりが、その属性によらず、多様な意見を発信し、能力を発揮できる環境を整えるための第一歩として、2023年10月にダイバーシティ&インクルージョンポリシーを制定しました。ダイバーシティ&インクルージョンの風土・意識の改善を進めていくために、ダイバーシティ&インクルージョンをテーマとした研修を管理職に実施しています。

女性活躍の推進は、ダイバーシティ&インクルージョンポリシーの実現に重要なテーマの一つです。女性社員の更なる定着とリーダーとしての活躍を目指し、数値目標として総合職に占める女性の割合15%を掲げ、女性のキャリア継続のための施策及び採用強化に重点的に取り組んでいます。2025年度の総合職に占める女性の割合は14%でした。
また、2025年度の男性育児休業の取得実績は73.4%でした。数値目標に75%以上を掲げ、性別にかかわらず仕事と家庭の両立支援を強化することで、働きやすい環境の整備を推進しています。
c. 健康経営
2020年4月に健康経営宣言を発表して以降、社員が心身ともに健康的に働ける職場づくりに取り組んでいます。健康経営の推進体制として、CWO(Chief Wellness Officer、現在は常務執行役員が兼任)を議長とする健康経営推進会議を設置しています。また、人事部内には健康経営とダイバーシティを推進する専任組織を設け、取り組みを強化しています。
健康に関する各種データの分析やストレスチェックの集団分析結果の組織へのフィードバック、社内イベントの実施により、着実な職場環境の改善につなげています。その結果、2025年度の当社の総合健康リスクは77(※100を超える場合は全国平均と比べて休職者が発生する可能性が高い)と全国平均を大幅に下回る数値となっています。また、2026年3月には健康経営優良法人に6年連続(6回目)で選定されました。
d. 健全な労使関係
社会情勢や当社グループの事業の変化に対応する人事制度や採用競争力の強化を労使間での重要課題と位置付けてきました。人財の多様化を受け、離職対策を含む組織風土にかかわる課題についても積極的に協議しています。
ロ.誇りと情熱を持って社会課題に挑戦を続ける人財
人財開発基本方針に定める、専門領域における業務遂行力と組織経営力の伸長をベースに、多様化・複雑化する社会課題に対し、マインドをしなやかに変容させ、事業の変革に挑戦しています。グローバルなフィールドでの多様な経験と各種教育を組み合わせた育成戦略を展開することで、一人ひとりのキャリア形成を支援しています。

<人財開発におけるHROの役割>当社では、総合職(管理職又はその候補として、専門性に基づく業務遂行や組織経営を担う)において、4つの職種(Ex:エンジニアリング・プロフェッショナル職、Bx:ビジネス・インキュベーション職、Px:プロジェクト・マネジメント職、Cx:コーポレート・プロフェッショナル職)と専任職(専門性に基づく業務遂行を担う)を定義しており、職種ごとにHROを任命しています。
HROは各本部と連携し、社員の業務遂行力を向上させるための育成計画や異動計画の検討を行うとともに、社員との対話を通して一人ひとりのキャリア志向に伴走します。こうした取り組みを通じて、事業戦略と社員のキャリア志向を深く理解し、両者をつなぐ役割を担っています。
a. 事業の中核人財の拡充
中核人財とは、「自ら社会課題を特定、社内外との共創をリードし、より高い付加価値と収益獲得を実現できる人財」を指します。経営計画2025で掲げる収益の安定化と多様化のための自己変革を達成するために、事業の中核人財を拡充しています。
顧客の多様化するニーズに応えるため、EPCの中核人財とNon-EPCの中核人財を更に拡充し、併せて事業共創の中核人財の育成を進めています。2025年度は、各中核人財の人財像及びコンピテンシーを再整理するとともに、中核人財育成に必要なキーとなる経験を特定し、不足経験を計画的に補完する育成方針を確立しました。その方針に基づき、スキル・経験の可視化機能を搭載したタレントマネジメントシステムを活用して、社員一人ひとりに不足する経験を把握し、その補完に向け、社内の複数領域への配置・異動、顧客の構想段階から事業化までに伴走する経験や、社外での経験を積む機会を提供しています。今後は、事業戦略を踏まえた中核人財に関するKPIを設定し、その進捗をモニタリングするとともに、人財の配置・育成・モニタリングの循環を支える運営基盤をより強固なものにし、中核人財の計画的な育成を加速します。
b. 業務遂行力伸長のための取り組み
専門領域における業務遂行力の強化を通じて、当社の競争力を維持・向上させる人財を育成しています。
当社では、卓越した専門能力を持つ人財をフェローとして登用しています。フェローは、技術的価値を高いレベルで創出し、当社の事業戦略をリードします。同時に、特定分野のプロを目指す社員のロールモデルにもなっています。今後、フェロー人財を育成・拡充していくために、候補となる人財群を24名選抜しています。
また、各本部の育成戦略を体系化し、全社の育成戦略とすることで、より多くの社員に必要な教育機会を提供しています。専門教育を含む教育基盤についても定期異動等で得る職務経験との接合を確認しながら再整備し、人財開発を一層高い次元で推進しています。
c. シニア層の更なる活躍の推進
国内の労働人口の減少や、建設業の人手不足は重要な課題であり、高度な専門知見を持つシニア層の活躍は当社の最重要テーマの一つです。定年後も事業の最前線で重責を担うシニア層のモチベーションを維持・向上させるため、2024年10月に職務型の人事制度を導入し、新たに会社業績賞与の支給対象としました。また、環境変化を捉え、自発的にキャリア形成に取り組むマインドを醸成するためのキャリア研修を重点的に実施しています。
d. デジタル人財の育成
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進においては、デジタル人財の育成とDX意識・文化の定着が重要な基盤であるとの認識のもと、全社的な取組みを継続しています。
当社では、CDO、各本部から選出されたDO(Digital Officer)、デジタル変革エバンジェリストで構成するCDO室を中心に、全社DX推進体制を構築・運営しており、全社の業務変革を加速させています。
業務課題を俯瞰的に捉え、課題解決に向けた変革戦略の立案を担う人財を「DXコア人財」と定義し、育成・認定・活用のサイクルを通じて全社DXを推進しています。
2025年度は、DXコア人財育成プログラムの拡充に加え、認定制度の運用を本格化し、計37名のDXコア人財が社内認定されています。また、昨年度に続き、全社員のデジタルリテラシー向上を目的としたe-learningを94名(注)に提供し、生成AIに関する研修を全社向けに行い、516名(注)が当日の研修を受講しています。さらに、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が創設・運営するAI人財の育成を目的とした資格であるE資格の取得を奨励しており、2025年度は2名(累計20名)が取得しています。
(注)継続雇用制度に基づき当社に勤務するシニア社員等を含む
④ 指標及び目標(単体)
組織風土調査結果を当社における人的資本経営の重要KPIとして位置付けています。同調査では、肯定的回答率65%以上が強みとして認識されています。
なお、目標設定の範囲については、同調査が各社の置かれた経営環境や組織文化の違いを強く反映することから、当面は単体でKPIを管理し、各社の実態に応じた改善を優先しています。今後、グループ全体での施策の進展や運営基盤の整備状況を踏まえ、連結ベースでの目標設定についても検討していきます。
(注)継続雇用制度に基づき当社に勤務するシニア社員等を含む