有価証券報告書-第97期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/23 16:01
【資料】
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【項目】
176項目

有報資料

(1)経営環境
①全般
当社を取り巻く外部環境は、世界の多極化、地政学リスク、気候変動、人口動態の変化、技術革新等のメガ
トレンドの影響を受け、めまぐるしく変化し、不確実性は依然として高く、経済環境は見通し難い状況です。外部環境を常に念頭におきながら当社のコア・コンピタンスである、技術開発力と技術を目利きする力、課題を解決するエンジニアリング力、全体最適を実現するプロジェクトマネジメント力を掛け合わせ、導かれる事業機会に対して、「エネルギーと素材」、「ライフサイエンス」を主な事業領域として設定しています。
エネルギーや先端素材の安定供給の確保、中長期的な脱炭素トレンド、循環型社会の構築といった事業機会を背景に、エネルギートランジションのスピード感の変化はあるものの、「エネルギーと素材」の事業領域における当社事業の需要は堅調と捉えています。
また、超高齢化社会、高度医療社会への期待による事業機会を背景に「ライフサイエンス」の事業領域における需要も旺盛と捉えています。
そして、分野を横断しての産業基盤の維持・更新に関しては、当社の知見を活かしたフィジカル・デジタル両面でのO&M-Xソリューションの提供機会が今後更に増大すると捉えています。
<事業環境/事業領域>
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②エネルギーと素材
当社は、特にLNG・石油・石油化学の領域でEPCコントラクターとして世界およそ60の国と地域で300を超えるプロジェクトの豊富な実績を積み重ねてきました。商業プラントのEPCだけでなく、触媒やプロセスの技術開発、商業化のためのスケールアップや、プラントの操業フェーズにおける技術提供も数多く手掛けてきました。これらの強みを活かし、LNG、石油・石油化学は勿論のこと、脱炭素・先端素材の分野において事業を拡充します。
当社の強み・実績に裏打ちされたEPCコントラクターとしての知見・顧客基盤
・プラントの開発・スケールアップに必要な技術と知見
・設備保全の高度化支援、解析・診断技術
展開する領域・LNG(含むCleaner LNG)、石油・石油化学
・脱炭素(水素、低炭素燃料、CCUS、エネルギーマネジメント等)
・金属・先端素材(非鉄金属精錬、蓄電池・半導体材料等)
・O&M-Xソリューション

③ライフサイエンス
当社は、石油化学領域、医薬品領域で培った連続生産技術の知見やスケールアップノウハウを活かして、特に医薬品プラントの領域でEPCコントラクターとして60年で600件以上の実績を積み重ねてきました。これらの強みを活かし、付加価値の高いバイオライフサイエンスのソリューションプロバイダーとして、医薬品のEPC領域のみならず、細胞培養・植物バイオ領域の開発受託、宇宙低軌道の実験プラットフォーム等の分野において事業を拡充します。
当社の強み・培養領域(抗体・細胞)のプロセス開発・スケールアップ知見
・合成領域の連続生産・固相/液相法の知見
・国際宇宙ステーションの実証試験装置開発
・設備保全の高度化支援・解析・診断技術
展開する領域・医薬品・食品(低・中分子、高分子、微生物、細胞医薬他)
・製法開発受託(細胞培養、植物バイオ、低軌道プラットフォーム)
・O&M-Xソリューション

(2)再生計画(2019年~2024年)の振り返り
再生計画期間中の徹底したリスクマネジメント、遂行管理等により、再生計画実施後に受注したプロジェクトにおいては、完工時に赤字の案件が一件も無く、順調に進捗中、若しくは、完工を迎えております。
しかしながら、再生計画期間の定量目標(受注高、純利益)は、未達となりました。純利益の目標が未達となった主要因である、21、23年度の二度の赤字計上は、再生計画実施前に受注した夫々一件ずつの大型LNGプロジェクトで発生した損失が原因です。一件のプロジェクトで、他の複数のプロジェクトではカバーしきれないほどの損失が発生し、会社全体が赤字に追い込まれたボラタイルな企業体質からの脱却が再生計画期間後に残された課題であり、2025年5月に公表した新中期経営計計画(以下、「経営計画2025」)における主要なテーマになっています。
また、事業ポートフォリオの拡充に関してもEPC事業が大宗を占めており、引き続き中長期で取り組む課題と認識しております。
<再生計画の振り返り>0102010_002.png
(3)経営計画2025(2025年~2027年)の概要
①新中計策定に込めた想い
当社は2019年3月期の経営危機後、グループ一丸となって再生に向けて取組み、事業基盤の強化を図ってきました。再生計画前に受注した大型LNGプロジェクト含め略全ての損失処理を完了し、安定収益体質への転換に一定の成果を挙げることができたと考えています。一方、2024年3月期決算において、大型プロジェクト中心の受注計画が思い通りに進まなかったり、大型プロジェクトの遂行過程における予測不能な事態が発生したりすることなどによって、会社業績が大きく左右されるボラティリティの高い当社の収益構造を克服すべき課題として改めて強く認識するに至りました。これを踏まえ、収益の安定化と多様化を実現する為の「自己変革」をテーマとする経営計画2025を取り纏めました。
この自己変革を成し遂げ、強固な安定収益基盤の実現と、収益多様化の将来像を示すことによって、当社の企業価値向上を図り、再生計画スタート時に資金支援を受けた優先株あるいは劣後融資などへの対応に早期に目途をつけ、同時に、成長戦略を着実に進めていきたいと考えています。
②10年後の目指す姿
大型プロジェクトへの集中から脱し、収益の安定化と多様化のための自己変革を成し遂げ、10年後には、純利益300億円、内Non-EPC事業の比率20%という安定・高収益企業になることを目指します。
純利益300億円達成のため、2025年から2027年までの3年間は、平均150億円の純利益を達成し、経営を安定化させ、盤石な会社経営の土台をつくります。同時に事業共創による収益多様化、Non-EPC収益化の種をまき、2028年以降からこれらを本格的に伸ばし、10年後には共同事業者の立場から事業投資等を通じた収益獲得などの大きな果実に繋げたいと考えております。
海外EPCについては、本経営計画2025の期間内で事業の安定性を高めることを優先課題とし、2028年以降の成長軌道への回帰に道筋を付けます。
国内EPCについては、安定的に一定収益を計上できており、今後も国内の旺盛な需要に最大限応えていきます。
Non-EPCは、成長性の高い市場において安定的な収益の柱を確立することを目指し、EPCとも連動しながら事業開発を継続いたします。
<経営計画2025から10年後の目指す姿へ>0102010_003.png
③定量目標
収益の安定化と多様化を実現する定量目標を以下のとおり設定します。
・純利益:150億円(3年平均)
・Non-EPC事業での純利益:10億円(2027年度)
また、目標達成に向けた関連指標を以下のとおり設定します。
・粗利益:10%以上(3年平均)
・受注高:9,500億円(3年累計)
・売上高:3,800億円(3年平均)
・受注残:6,000億円(3年平均)
④重点取組1: 海外既存大型PRJの着実な遂行
本中計期間では、大型EPCプロジェクトとして、NFEプロジェクトとGPXプロジェクトを遂行します。2024年11月に成功裡に完工したインドネシア銅製錬プロジェクトにおける経験も含めて、当社が有する強みを最大限発揮し、着実な案件遂行に注力します。
⑤重点取組2: 海外取り組み改革(受注方針)
海外プロジェクトの受注方針を改革し、リスク分散の効いたポートフォリオを構築して、より競争力のあるプロジェクトを選別できる体質に改善します。
これまでの主な海外プロジェクトの受注実績は、契約金額規模も投入要員規模も大きい一括請負契約形態のプロジェクトが大宗を占めており、1件のプロジェクトの受注金額や損益に大きな影響を受ける経営体質が残っておりましたが、今後は、投入する要員規模が一定予測可能、又は小規模であり、過度なリスク負担を負わない契約が叶うプロジェクトを積極的に探索・組成すると共に、多様化するニーズに応え顧客の事業価値向上に貢献していきます。
<海外プロジェクト受注ターゲットのイメージ>0102010_004.png
⑥重点取組3: 国内プロジェクト収益拡大
これまで培ってきたEPCでの実績をベースに、成長するライフサイエンスや脱炭素分野に対する旺盛な需要に応える事業基盤を整備します。具体的には、プロジェクトマネージャーやエンジニアのマルチタレント化を進めることや、協力会社の皆様との連携推進、さらにパートナー会社との戦略的提携により強化していき、多様なニーズに対応できる体制を整えていきます。
⑦重点取組4: 事業共創の拡充
当社はこれまでEPCコントラクターとしての業態を中心に、技術開発から顧客に伴走する社会実装や、設備保全における操業支援へと価値提供の幅を広げてきました。この取り組みを更に強化し、加えて、技術側から事業側へと提供価値を最大化し、共同での事業投資も手掛けるといった「事業共創」を実現する顧客のパートナーとなることを目指します。
技術開発基盤、豊富なEPC実績、そして多様なステークホルダーとの共創のネットワークに裏付けされる当社の強みを掛け合わせ、顧客・パートナーとの事業共創を拡充していきます。
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⑧重点取組5: 分厚い中核人財像の形成
現状、当社の人財ポートフォリオは、コア事業であるEPC遂行の人財が中心です。本中計期間では、顧客の多様
化するニーズに数多く応えるため、EPCを担う中核となる人財を特に拡充し、併せて、事業共創の拡充に向けたNon-
EPCの中核となる人財育成も推進していきます。将来的には、EPCと技術・事業開発の知見を併せ持つ事業共創の中
核人財の拡充を目指します。
<中核人財の拡充イメージ>0102010_006.png

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