有価証券報告書-第96期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/07/01 16:53
【資料】
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【項目】
181項目
(追加情報)
(Golden Pass LNGプロジェクトに関する見積り)
当社グループが米国テキサス州にて遂行しているGolden Pass LNGプロジェクト(GPXプロジェクト)に関し、共同遂行している米国Zachry Industrial, Inc.(Zachry社)が2024年4月に入り、GPXプロジェクトからの離脱の具体的な可能性が生じたため、顧客である米国Golden Pass LNG Terminal LLC(GPX社)、並びに、共同遂行している一方のパートナーである米国CB&I LLC(CB&I社)との間で、GPXプロジェクトの継続の為の新体制の協議を継続してまいりました。しかしながら、本協議が纏まらず、加えて、その後Zachry社が2024年5月21日付にて米国連邦破産法第11章(Chapter11)に基づく申し立てを行い、法的再建手続に入ることとなったこと等により、当連結会計年度において修正後発事象に該当する事由が生じることとなりました。
GPXプロジェクトは、2019年3月期に、Zachry社、CB&I社、及び当社の連結子会社であるChiyoda International Corporationが組成するジョイントベンチャーが、GPX社から受注し、連帯して遂行してまいりました。Chiyoda International Corporationの主たる業務範囲である設計・調達業務は概ね完了しており、建設工事が進捗中であります。プロジェクト全体の進捗率は当連結会計年度末において約75%まで達成しております。
GPX社、CB&I社、及びChiyoda International Corporationは、GPXプロジェクトの遂行体制に関する協議を続けており、3社は協調して引き続きGPXプロジェクトの完工に向けて工事を遂行していくことを確認しております。Zachry社のGPXプロジェクトからの離脱に関する裁判所の審理が継続している中、裁判所より建設工事継続に必要な安全対策関連業務やインフラ整備等の発注を行うことに関する許可が下り、必要資金の支払い手続きや関連作業が再開されております。また、2024年6月18日には、GPX社によりZachry社のGPXプロジェクトからの離脱を求める申し立て、及びGPXプロジェクトで建設工事が先行する天然ガス液化設備の第一系列の建設工事再開に必要な業務に関してAutomatic Stay(自動停止の効力)からの除外を求める申し立てが行われております。裁判所による正式な判断が為された場合に備えて、3社は、GPXプロジェクトの継続のための短期的な遂行プラン及び完工までの長期的な遂行プランの双方において協議を継続しており、早期の合意を図るための準備を進めております。
この状況下、当連結会計年度においては、会計上の収益及び費用の計上基準に基づき、Zachry社のGPXプロジェクトからの離脱の可能性を踏まえ今後のプロジェクト完工に向けて必要と見積られる工事原価を考慮しております。工事収益総額については、現時点までに合意された書面に基づき見積りを行っております。今後、短期的な遂行プラン、長期的な遂行プランの合意が行われた時点で、その内容を踏まえ、見積りの見直しを行ってまいります。
(取締役等に対する業績連動型株式報酬制度)
当社は、2021年6月23日開催の第93回定時株主総会決議に基づき、当社の取締役及び執行役員(非業務執行取締役及び国内非居住者を除く。取締役と併せて、以下「取締役等」という。)の中長期的な業績の向上と企業価値増大への貢献意識を高めることを目的として、業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入しております。
本制度に関する会計処理については、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 2015年3月26日)に準じております。
1.取引の概要
役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」という。)と称される仕組みを採用し、取締役等の退任時に、BIP信託により取得した当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を役位や業績目標の達成度等に応じて、取締役等に交付及び給付します。
2.BIP信託に残存する当社株式
BIP信託に残存する当社株式を、当該信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により、純資産の部に自己株式として計上しております。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、前連結会計年度373百万円、904,689株、当連結会計年度331百万円、803,129株であります。