有価証券報告書-第123期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
2017年1月、当社グループは、企業活動を行う上での軸・拠り所となる企業理念「JGC Way」を制定いたしました。
「JGC Way」はMission(経営理念)、Values(価値観)、Vision(目指す姿)の3つの要素から構成されております。Missionとして、「私たちは、世界を舞台に、技術と知見を結集して、人と地球の豊かな未来を創ります」を掲げ、当社グループ共通のValuesとして、4つのちから、即ち、「挑戦」、「創造」、「結集」、「完遂」を定め、さらに「尊重」、「誠実」を2つの誓いとして明らかにしております。そして、Visionとして、「私たちは、エンジニアリングをコアとして、エネルギーとインフラの世界で、新たな価値を創り出す企業グループを目指します」を掲げております。
当社グループは、企業理念「JGC Way」に基づき企業活動を進めていくことで、企業価値の一層の向上を図り、企業グループとして持続的な発展・拡大の実現に努め、以て社会と地球の持続的な成長に貢献してまいります。
(2)目標とする経営指標、経営環境、中長期的な経営戦略および会社の対処すべき課題
当社グループは、2016年度から2020年度までの5か年を対象とする中期経営計画「Beyond the Horizon」(以下、本計画)を推進しております。
本計画においては、目標とする経営指標として、2020年度の売上高1兆円以上、親会社株主に帰属する当期純利益600億円、自己資本利益率(ROE)10%以上を掲げております。
本計画の基本方針としてEPC事業においては、オイル&ガス分野を中心としつつインフラ分野への領域拡大を掲げ、また非EPC事業においては製造業を強化すること等により、さらなる企業価値の向上を目指しております。
【本計画に係る数値目標の進捗状況および今後の取組みについて】
本計画のもと、連結会計年度における2016年度から2018年度までの実績は以下のとおりとなりました。
■売上高 ■親会社株主に帰属する当期純利益 ■ROE
2016年度から2018年度の業績は、グラフが示すとおり厳しい状況となりましたが、その主な要因としては、本計画策定時の想定とは異なり、原油価格が低迷したことでメジャーオイルや産油・産ガス諸国の設備投資が抑制され、大型LNG計画の進展が遅れる等プラントEPCマーケットが停滞した結果、受注高を想定通りに積み上げられなかったことが挙げられます。加えて米国および中東のプロジェクトにおいて、想定以上の天候不順、ビザ発給の遅れによる労働力確保の難しさなどが原因となり、建設工事費用が増加したこと等により、2016年度に多額の損失を計上するに至ったことも、業績に影響いたしました。
しかしながら、2018年以降、原油価格は回復しつつあり、メジャーオイルや産油・産ガス諸国の設備投資再開の動きが出始めております。プラントEPCマーケットが回復しつつある中、当社はカナダにおける大型LNGプラント建設プロジェクトを受注する等、2018年度の受注高は過去最高の9,354億円を達成することができました。
また、上述の本計画で掲げた企業価値のさらなる向上という目的を確実に、かつスピード感を持って達成するために、本年10月1日に新たなグループ会社体制として持株会社体制へ移行する予定です。
本計画の後半となる今後2か年においては、プラントEPCマーケットの回復を追い風に、選別受注、プロジェクト遂行力の強化を図ることで本計画の目標とする経営指標に少しでも近づけるよう邁進してまいります。また、持株会社体制のもと、海外オイル&ガスのEPCを拡大するとともに、海外インフラEPC、国内EPC、製造業を含めた複数の事業からの収益によって、安定的かつ持続的に成長する企業グループを実現してまいります。
【本計画に係る重点施策の進捗状況】
当連結会計年度末における本計画の基本方針に基づく重点施策の進捗状況については、以下のとおりです。
【基本方針1】 EPC事業の拡大(オイル&ガス分野の拡大、インフラ分野への拡大)
EPC事業の拡大のため、以下の事業戦略を推し進めております。
戦略1)マーケット拡大
2017年にモザンビーク共和国において、アフリカ地域初となる洋上LNGプラント建設プロジェクトを受注したほか、2018年には当社にとって過去最大級の受注金額でカナダにおける大型LNG建設プロジェクトを受注する等、将来が有望視される東アフリカ・北米地域など新たな地域における事業を展開いたしました。
戦略2)プロジェクト遂行力強化
高いモジュール製作能力を持つ中国企業との協業、および米国メキシコ湾岸地域で豊富なプラント建設実績を持つ米国の建設会社との協業に合意する等、パートナーとの協業を進めました。
また、2016年度に最終損失を計上して以降、プロジェクトの管理体制の改善を目的として、プロジェクトの見積段階からトップマネジメントを交えたリスクプロファイルを実施したほか、設計および事業本部の本部長室(役員クラス)が、これまで以上にプロジェクトに積極的に関与することで、リスクに対する感度を高め、リスクの中心に身を置くという意識を持たせるなどしてリスク管理の強化を図りました。その他、若手プロジェクトリーダーの育成強化等も積極的に実施しております。
戦略3)事業領域拡大
EPC事業におけるオフショア分野、およびインフラ分野への事業領域拡大に向けた取組みを着実に実行しております。具体的には、マレーシアにおける洋上LNGプラント建設プロジェクトに引き続き、戦略1)に記載のとおり、モザンビーク共和国でアフリカ地域初となる洋上LNGプラント建設プロジェクトを受注し、オフショア分野への事業領域の拡大を実現することによって、洋上LNGプラント建設のリーディングコントラクターとしての地位を確立しました。インフラ分野については、ベトナムにおいて複数の大規模太陽光発電所建設プロジェクトやフィリピンにおける火力発電所建設プロジェクトを受注し、国内においてもバイオマス発電所建設プロジェクトや、多くの大規模太陽光発電所建設プロジェクトを受注・遂行しております。さらに、再生可能エネルギー発電分野の事業領域拡大に向けた施策の一つとして、現在国内外で数多く計画されている洋上風力発電建設プロジェクトへの参入を目指した専門組織として「ウィンドパワープロジェクト室」を設置し、新規案件の開拓から見積もり、プロジェクト遂行に至るまで、一貫して遂行する体制を構築しました。
医薬・医療分野の海外展開においては、アジア諸国の当社グループ会社と連携し、顧客開拓・案件発掘を進めているのに加え、米国医薬エンジニアリング会社と医薬品工場プロジェクト分野における協業契約を締結する等の対応を図りました。
戦略4)技術優位性追求による受注競争力強化
自然環境が厳しい地域や労働者の確保が困難な地域等、建設工事の遂行が困難なプロジェクトが増加傾向にあるなかで、当社はオーストラリアにおけるイクシスLNGプロジェクト、ロシアにおけるヤマルLNGプロジェクト等において、モジュール工法に関する経験・知見を確実に積み上げてまいりました。さらに、戦略2)で記載のとおり、高いモジュール製作能力を持つ中国企業との協業を推進することで、他社との差別化および受注競争力強化を図っております。
また、昨今のデジタル化の流れを踏まえて、当社グループの2030年に向けた新たなIT戦略である「ITグランドプラン2030」を策定いたしました。本プランに基づき、AI・IoT等のデジタル技術を積極的に活用し、プロジェクト遂行の効率化や受注競争力強化を図ってまいります。
さらに、地球環境保全の一環として、ゼオライト膜を用いた新たな二酸化炭素の分離・回収・貯留技術に係る実証試験を開始したほか、中国で排ガス規制が強化されたコークス炉等向けに世界初となる中低温排ガス向け乾式脱硫・脱硝システムの販売に関する事業を展開しています。加えて、水素エネルギー社会の実現に向けた取組みとして、再生可能エネルギー由来の水素を用いたアンモニア合成、および合成したアンモニアを燃料とした発電に世界で初めて成功する等、低炭素社会の実現に向けた技術開発にも積極的に取り組んでおります。
【基本方針2】 非EPC事業(製造業、事業投資)の利益拡大
機能材製造事業においては、良好なマーケット環境を背景に全体として堅調に推移いたしました。触媒・ファインケミカル分野においては、FCC触媒のインドネシア向け大口案件を受注する等、海外展開を積極的に進めているほか、化粧品材、フラットパネルディスプレイ向け反射防止材および眼鏡用コート材を中心に売上を伸ばしております。また、ファインセラミックス分野においては、デジタル化の進展に伴い半導体関連の洗浄装置用部品や露光装置用部品等の売上も着実に伸びております。
本年10月1日(予定)に始動する持株会社体制下において、機能材製造事業を当社グループの中核事業の一つとして位置付けを明確化し、グループとして最適な経営資源の配分を行いつつ、次世代の社会・産業に貢献しうる技術開発の促進、高機能材の提供を一層推進してまいります。
事業投資においては、EPCプロジェクトの創出に繋がるような案件に厳選し、「選択と集中」を進めてまいりました。
【基本方針3】 基本方針1および2を実現するための財務戦略の策定
本計画においては、自己資本比率50%以上を安定的に維持すること、また、自己資本利益率(ROE)については10%以上とすることを目標として定め、手元資金の配分を行ってまいりました。各目標に対する結果は以下のとおりとなっております。
自己資本比率
過去3年の自己資本比率は、下表のとおり、いずれの年も50%以上を達成し、強固な財務基盤を維持しております。今後も50%以上を安定的に維持することで、顧客からの信頼維持に努めてまいります。
■自己資本比率(単位:%)

自己資本利益率(ROE)
「本計画に係る数値目標の進捗状況および今後の取組みについて」に記載したとおり自己資本利益率(ROE)は、10%以上という目標には達しておりません。
本計画の後半2か年においては、引き続き、資本効率が重要課題であることを認識し、マーケットの回復を追い風に、選別受注、プロジェクト遂行力の強化を図り業績を拡大させることにより、ROEの目標数値に近づけるよう努力してまいります。
手元資金の使途
2016年度に建設工事費用が増加した米国、中東等のプロジェクトでの損失負担に加えて、イクシスLNGプロジェクトにおいて、顧客およびサブコントラクターとの間で懸案事項に関する協議および仲裁が続いており、工事債権や立替費用が増加したこと等によって、多くの手元資金をEPC事業の運転資金に充当いたしました。また、株主還元につきましては、配当性向を親会社株主に帰属する当期純利益の30%を目途とする配当政策のもと、業績見通しおよび財務状況等を勘案のうえ、下表のとおり実施してまいりました。事業投資につきましては、新たな案件は厳選のうえ最小限に留める一方、保有資産の一部入れ替えや売却により、資金の回収を図りました。グループ会社関連では、機能材製造事業の拡大を見据えた新工場の建設に資金を充当いたしました。
なお、子会社における借入金の返済やEPC事業の運転資金に充当することを目的に、2017年10月に普通社債発行により500億円を調達いたしました。
(株主還元の実績)
(※)2016年度の配当性向については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載していない。
(1)経営方針
2017年1月、当社グループは、企業活動を行う上での軸・拠り所となる企業理念「JGC Way」を制定いたしました。
「JGC Way」はMission(経営理念)、Values(価値観)、Vision(目指す姿)の3つの要素から構成されております。Missionとして、「私たちは、世界を舞台に、技術と知見を結集して、人と地球の豊かな未来を創ります」を掲げ、当社グループ共通のValuesとして、4つのちから、即ち、「挑戦」、「創造」、「結集」、「完遂」を定め、さらに「尊重」、「誠実」を2つの誓いとして明らかにしております。そして、Visionとして、「私たちは、エンジニアリングをコアとして、エネルギーとインフラの世界で、新たな価値を創り出す企業グループを目指します」を掲げております。
当社グループは、企業理念「JGC Way」に基づき企業活動を進めていくことで、企業価値の一層の向上を図り、企業グループとして持続的な発展・拡大の実現に努め、以て社会と地球の持続的な成長に貢献してまいります。
(2)目標とする経営指標、経営環境、中長期的な経営戦略および会社の対処すべき課題
当社グループは、2016年度から2020年度までの5か年を対象とする中期経営計画「Beyond the Horizon」(以下、本計画)を推進しております。
本計画においては、目標とする経営指標として、2020年度の売上高1兆円以上、親会社株主に帰属する当期純利益600億円、自己資本利益率(ROE)10%以上を掲げております。
本計画の基本方針としてEPC事業においては、オイル&ガス分野を中心としつつインフラ分野への領域拡大を掲げ、また非EPC事業においては製造業を強化すること等により、さらなる企業価値の向上を目指しております。
【本計画に係る数値目標の進捗状況および今後の取組みについて】
本計画のもと、連結会計年度における2016年度から2018年度までの実績は以下のとおりとなりました。
■売上高 ■親会社株主に帰属する当期純利益 ■ROE
2016年度から2018年度の業績は、グラフが示すとおり厳しい状況となりましたが、その主な要因としては、本計画策定時の想定とは異なり、原油価格が低迷したことでメジャーオイルや産油・産ガス諸国の設備投資が抑制され、大型LNG計画の進展が遅れる等プラントEPCマーケットが停滞した結果、受注高を想定通りに積み上げられなかったことが挙げられます。加えて米国および中東のプロジェクトにおいて、想定以上の天候不順、ビザ発給の遅れによる労働力確保の難しさなどが原因となり、建設工事費用が増加したこと等により、2016年度に多額の損失を計上するに至ったことも、業績に影響いたしました。しかしながら、2018年以降、原油価格は回復しつつあり、メジャーオイルや産油・産ガス諸国の設備投資再開の動きが出始めております。プラントEPCマーケットが回復しつつある中、当社はカナダにおける大型LNGプラント建設プロジェクトを受注する等、2018年度の受注高は過去最高の9,354億円を達成することができました。
また、上述の本計画で掲げた企業価値のさらなる向上という目的を確実に、かつスピード感を持って達成するために、本年10月1日に新たなグループ会社体制として持株会社体制へ移行する予定です。
本計画の後半となる今後2か年においては、プラントEPCマーケットの回復を追い風に、選別受注、プロジェクト遂行力の強化を図ることで本計画の目標とする経営指標に少しでも近づけるよう邁進してまいります。また、持株会社体制のもと、海外オイル&ガスのEPCを拡大するとともに、海外インフラEPC、国内EPC、製造業を含めた複数の事業からの収益によって、安定的かつ持続的に成長する企業グループを実現してまいります。
【本計画に係る重点施策の進捗状況】
当連結会計年度末における本計画の基本方針に基づく重点施策の進捗状況については、以下のとおりです。
【基本方針1】 EPC事業の拡大(オイル&ガス分野の拡大、インフラ分野への拡大)
EPC事業の拡大のため、以下の事業戦略を推し進めております。
戦略1)マーケット拡大
2017年にモザンビーク共和国において、アフリカ地域初となる洋上LNGプラント建設プロジェクトを受注したほか、2018年には当社にとって過去最大級の受注金額でカナダにおける大型LNG建設プロジェクトを受注する等、将来が有望視される東アフリカ・北米地域など新たな地域における事業を展開いたしました。
戦略2)プロジェクト遂行力強化
高いモジュール製作能力を持つ中国企業との協業、および米国メキシコ湾岸地域で豊富なプラント建設実績を持つ米国の建設会社との協業に合意する等、パートナーとの協業を進めました。
また、2016年度に最終損失を計上して以降、プロジェクトの管理体制の改善を目的として、プロジェクトの見積段階からトップマネジメントを交えたリスクプロファイルを実施したほか、設計および事業本部の本部長室(役員クラス)が、これまで以上にプロジェクトに積極的に関与することで、リスクに対する感度を高め、リスクの中心に身を置くという意識を持たせるなどしてリスク管理の強化を図りました。その他、若手プロジェクトリーダーの育成強化等も積極的に実施しております。
戦略3)事業領域拡大
EPC事業におけるオフショア分野、およびインフラ分野への事業領域拡大に向けた取組みを着実に実行しております。具体的には、マレーシアにおける洋上LNGプラント建設プロジェクトに引き続き、戦略1)に記載のとおり、モザンビーク共和国でアフリカ地域初となる洋上LNGプラント建設プロジェクトを受注し、オフショア分野への事業領域の拡大を実現することによって、洋上LNGプラント建設のリーディングコントラクターとしての地位を確立しました。インフラ分野については、ベトナムにおいて複数の大規模太陽光発電所建設プロジェクトやフィリピンにおける火力発電所建設プロジェクトを受注し、国内においてもバイオマス発電所建設プロジェクトや、多くの大規模太陽光発電所建設プロジェクトを受注・遂行しております。さらに、再生可能エネルギー発電分野の事業領域拡大に向けた施策の一つとして、現在国内外で数多く計画されている洋上風力発電建設プロジェクトへの参入を目指した専門組織として「ウィンドパワープロジェクト室」を設置し、新規案件の開拓から見積もり、プロジェクト遂行に至るまで、一貫して遂行する体制を構築しました。
医薬・医療分野の海外展開においては、アジア諸国の当社グループ会社と連携し、顧客開拓・案件発掘を進めているのに加え、米国医薬エンジニアリング会社と医薬品工場プロジェクト分野における協業契約を締結する等の対応を図りました。
戦略4)技術優位性追求による受注競争力強化
自然環境が厳しい地域や労働者の確保が困難な地域等、建設工事の遂行が困難なプロジェクトが増加傾向にあるなかで、当社はオーストラリアにおけるイクシスLNGプロジェクト、ロシアにおけるヤマルLNGプロジェクト等において、モジュール工法に関する経験・知見を確実に積み上げてまいりました。さらに、戦略2)で記載のとおり、高いモジュール製作能力を持つ中国企業との協業を推進することで、他社との差別化および受注競争力強化を図っております。
また、昨今のデジタル化の流れを踏まえて、当社グループの2030年に向けた新たなIT戦略である「ITグランドプラン2030」を策定いたしました。本プランに基づき、AI・IoT等のデジタル技術を積極的に活用し、プロジェクト遂行の効率化や受注競争力強化を図ってまいります。
さらに、地球環境保全の一環として、ゼオライト膜を用いた新たな二酸化炭素の分離・回収・貯留技術に係る実証試験を開始したほか、中国で排ガス規制が強化されたコークス炉等向けに世界初となる中低温排ガス向け乾式脱硫・脱硝システムの販売に関する事業を展開しています。加えて、水素エネルギー社会の実現に向けた取組みとして、再生可能エネルギー由来の水素を用いたアンモニア合成、および合成したアンモニアを燃料とした発電に世界で初めて成功する等、低炭素社会の実現に向けた技術開発にも積極的に取り組んでおります。
【基本方針2】 非EPC事業(製造業、事業投資)の利益拡大
機能材製造事業においては、良好なマーケット環境を背景に全体として堅調に推移いたしました。触媒・ファインケミカル分野においては、FCC触媒のインドネシア向け大口案件を受注する等、海外展開を積極的に進めているほか、化粧品材、フラットパネルディスプレイ向け反射防止材および眼鏡用コート材を中心に売上を伸ばしております。また、ファインセラミックス分野においては、デジタル化の進展に伴い半導体関連の洗浄装置用部品や露光装置用部品等の売上も着実に伸びております。
本年10月1日(予定)に始動する持株会社体制下において、機能材製造事業を当社グループの中核事業の一つとして位置付けを明確化し、グループとして最適な経営資源の配分を行いつつ、次世代の社会・産業に貢献しうる技術開発の促進、高機能材の提供を一層推進してまいります。
事業投資においては、EPCプロジェクトの創出に繋がるような案件に厳選し、「選択と集中」を進めてまいりました。
【基本方針3】 基本方針1および2を実現するための財務戦略の策定
本計画においては、自己資本比率50%以上を安定的に維持すること、また、自己資本利益率(ROE)については10%以上とすることを目標として定め、手元資金の配分を行ってまいりました。各目標に対する結果は以下のとおりとなっております。
自己資本比率
過去3年の自己資本比率は、下表のとおり、いずれの年も50%以上を達成し、強固な財務基盤を維持しております。今後も50%以上を安定的に維持することで、顧客からの信頼維持に努めてまいります。
■自己資本比率(単位:%)

自己資本利益率(ROE)
「本計画に係る数値目標の進捗状況および今後の取組みについて」に記載したとおり自己資本利益率(ROE)は、10%以上という目標には達しておりません。
本計画の後半2か年においては、引き続き、資本効率が重要課題であることを認識し、マーケットの回復を追い風に、選別受注、プロジェクト遂行力の強化を図り業績を拡大させることにより、ROEの目標数値に近づけるよう努力してまいります。
手元資金の使途
2016年度に建設工事費用が増加した米国、中東等のプロジェクトでの損失負担に加えて、イクシスLNGプロジェクトにおいて、顧客およびサブコントラクターとの間で懸案事項に関する協議および仲裁が続いており、工事債権や立替費用が増加したこと等によって、多くの手元資金をEPC事業の運転資金に充当いたしました。また、株主還元につきましては、配当性向を親会社株主に帰属する当期純利益の30%を目途とする配当政策のもと、業績見通しおよび財務状況等を勘案のうえ、下表のとおり実施してまいりました。事業投資につきましては、新たな案件は厳選のうえ最小限に留める一方、保有資産の一部入れ替えや売却により、資金の回収を図りました。グループ会社関連では、機能材製造事業の拡大を見据えた新工場の建設に資金を充当いたしました。
なお、子会社における借入金の返済やEPC事業の運転資金に充当することを目的に、2017年10月に普通社債発行により500億円を調達いたしました。
(株主還元の実績)
| 2016年度(※) | 2017年度 | 2018年度 | |
| 1株当たりの 配当額 | 30.00円 | 25.00円 | 28.50円 |
| 配当性向 | - | 38.0% | 30.0% |
| 配当金の総額 | 7,569百万円 | 6,307百万円 | 7,190百万円 |
(※)2016年度の配当性向については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載していない。