有価証券報告書-第110期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 11:50
【資料】
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【項目】
165項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、2017年の創業100周年を機に、「自分たちの会社は、誰のために何をする会社か」を一から見直し、これからのつばきグループ共通の企業理念・行動指針として「TSUBAKI SPIRIT」を制定いたしました。
これは、先人たちから受け継いできた「つばきグループのDNA」や今後のつばきグループが世の中に提供できる価値を見つめ直し、私たちがこれからも大切にすべきこと、そして新たに取り組むべきことを「社会的使命」「目指すべき姿」「行動原則」「創業の精神」として明確に表現・体系化したものです。
社会的使命「動かすことに進化をもたらし、社会の期待を超えていきます。」を果たすため、グループが世の中に提供できる価値の最大化を追求しております。
技術を磨き続けることで「モノづくり」にこだわり、その上で「モノづくり」の枠を超えたソリューションの提供を通じて、真に顧客や社会が求める価値を提供し続けます。
社会の期待に応え、さらに、その期待を超える価値を提供することで、社会から必要とされ続ける企業となることを目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、「モノづくり企業」として持続的な成長を果たすため、2017年4月より「中期経営計画2020」に取り組んでおります。同計画につきましては、計画策定後の当社を取り巻く事業環境の変化や各種施策の進捗状況等を総合的に勘案した結果、2019年5月に同計画最終年度(2020年度)の売上高目標値を3,000億円から2,800億円に修正いたしました。
①売上高:2,800億円、②営業利益率:10%、③海外売上高比率:70%(いずれも連結ベース)
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、現時点で合理的な業績の見通しを算定することが困難な状況であります。目標値と2020年度の連結業績予想値に乖離が生じる可能性がございます。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社グループの「中期経営計画2020」における基本方針は以下のとおりです。
① マーケットインの企業文化への転換
マーケット重視の企業文化への転換を図り、世界5地域(米州、欧州、環インド洋、中国、東アジア)それぞれの市場(地域・業界)ニーズに徹底対応した新商品・新サービス開発、モノづくりを展開する。
② グループ総合力の発揮
グループ全体の成長を最重要課題とし、「事業グループ最適」から「つばきグループの総合力を発揮できる体制」へと変革する。
事業グループ間でのシナジーを追求し、グループ総合力を発揮することにより、グループ企業価値の向上を図る。
当社グループを取り巻く事業環境は、直近では、世界各地での新型コロナウイルス感染拡大の影響により、自動車産業をはじめとした当社の主要顧客の生産状況やグローバル経済の動向などにおいて先行き不透明な状態となっております。このような状況のもと、当社グループは感染拡大防止を最優先に取り組み、事業への影響を最小限に抑えるべく必要な対応を行ってまいります。また、上記の基本方針に基づく課題に引き続き取り組み、「中期経営計画2020」の達成に向けて、持続的成長へとつながる基盤を構築してまいります。
事業別には、主として以下の課題にも取り組んでおります。
まず、チェーン事業においては、欧州・中国市場でのシェア拡大に向けて販売および供給体制を強化するとともに、京田辺工場におけるモノづくり改革活動を推進してまいります。
次に、精機事業においては、新領域における新商品の具現化に向けた活動を展開するとともに、生産性改善活動の展開と効果検証を見据えたPDCAサイクルを確立してまいります。
自動車部品事業では、次世代ビジネスを見据えた新技術・新商品開発力を強化するとともに、タイミングチェーンシステムでのグローバルシェアNo.1の維持とさらなるシェア拡大を図ってまいります。
そして、マテハン事業においては、物流業界向け・ライフサイエンス分野向けシステムにおいてグローバルでの販売活動を展開するとともに、2018年度に買収した米国子会社との協業体制をさらに強化してまいります。
また、安心・安全で天候に左右されない「植物工場向け自動化装置(アグリビジネス)」、災害時対応やスマート電力網の構築に寄与するV2X(Vehicle to Everything)対応充放電装置「eLINK®」、モノづくりのノウハウを生かした遠隔監視システムの「モニタリングビジネス」など、新規事業育成への取り組みをスピーディに展開してまいります。
そのほかの課題として、事業の継続と社会的責任を果たすため、当社グループにおけるSDGs(持続可能な開発目標)の重要課題を抽出し、事業活動を通じた対応を推進してまいります。当社グループはこれまでも様々な付加価値商品の提供を通して、SDGsの諸項目に直接的、間接的に貢献を果たしてまいりました。今後はグループ全体として、どの目標に重点的に取り組むべきかを明確にし、それを経営戦略に落とし込んでいくことで、社会課題解決に向けた活動を加速させてまいります。