有価証券報告書-第120期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 13:10
【資料】
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【項目】
166項目

研究開発活動

当社グループは、建設用クレーン、油圧ショベル等及びその他の製品の新技術、新製品の開発と新規分野開拓のための研究に重点をおき、積極的に研究開発活動を推進しております。
研究開発活動の中心課題は、電子・制御工学ならびに新素材等の最先端技術の導入による製品の効率化、多機能化、環境保全及び安全性の向上であります。当連結会計年度における研究開発費は総額1,594百万円であります。
研究開発活動は主として日本セグメントで行っており、次のとおりであります。
(1) 建設用クレーン
国内向けのオールテレーンクレーンでは、220t吊の「KA-2200R」を開発しました。公道走行時は3分割輸送ながら、センターとサイドに分割されたカウンターウエイト、操作容易な着脱装置やラジコン装置により迅速な分解組立が可能です。キャリヤはワイドキャブを装備した6軸車で、様々な操向モードが選択可能な電子制御リヤステアリングを装備しています。メインブームはフルパワー方式で最伸長時55mになります。SLジブは最伸長時30mで、60°までオフセットさせることができます。ヘビーリフトジブは最長組合せ54mになり、最大地上揚程110.7m、最大作業半径80mの範囲をカバーし、各種大規模工事等で威力を発揮する移動式クレーンであります。
国内向けのラフテレーンクレーンでは、クレーン教習所仕様の専用機を開発しました。13t吊のMR-130Rfを基本車として、指導員が教習生の隣に着座できる内幅約1250mmのワイドキャブを装備し、燃焼式エアヒータや危険時に指導員が機械を強制的に停止させるための非常停止装置等を装備しています。
輸出向けのラフテレーンクレーンでは、51t吊の「SR-500LX」を開発しました。左キャブの2軸車で、メインブームは最伸長時42mになります。ジブは国内市場で評価の高いEJIB-SL仕様を輸出向けとして初めて採用しました。その他、30t吊の「SR-300R」を開発しました。右キャブの2軸車で、国内向け同クラスの機種と同様の最新機能を装備しています。両機種ともに、主に東南アジア地域に投入していきます。
クローラクレーンにおいては、現在モデルチェンジを順次行っています。そのうち、国内の基礎工事向けに定評のある、55t吊のテレスコブーム型クローラクレーン「CCH550T」を開発しました。最新の国内排ガス規制に対応させると共に、3.0m未満の機体幅と分解性の向上を図り、輸送性に配慮した製品として開発しております。
なお、今後も各シリーズのラインナップ拡充を図るべく、研究開発を進めてまいります。
(2) 油圧ショベル等
油圧ショベルHD308US-6A、HD512-7、HD514MR-7、HD820-7、HD823MR-7、HD1430-7の欧州市場向け仕様機の開発を行ない順次欧州市場に投入しました。
また、HD308US-6Aの後継機となる「HD308US-7」の開発を行いました。最新の欧州排出ガス規制のStage-Vに適合した新型エンジンを搭載、さらに新型の油圧ポンプ、コントロールバルブ等を採用し、操作性・作業性の向上を図りました。
国内向けには、HD308US-6A、HD512-7、HD514MR-7の林業仕様機の開発を行い、2018年森林・林業・環境機械展示実演会において発表、発売をしました。
HD820-7においては、産廃業向けとしてリフティングマグネット仕様機の開発をしました。
また、昨今のICT(情報通信技術)化に対応した3Dマシンコントロール機器を搭載したICT仕様機の開発をしました。機械の周囲視界の安全性を高めた視界補助装置等の開発も鋭意進めてまいります。
ミニショベルでは、3.5t級のミニショベルをベースに、地下の工事現場で活躍するショートリーチ仕様機の開発を行ってきました。狭く高さが制限された地下の工事現場を想定し、より低く、より小さく旋回できる機械を目指し「HD35V4」を開発しました。また、狭所作業でぶつけ易いフロント作業装置を強化しつつ安定性の向上も図っています。
不整地運搬車では、3.0t積みの車体サイズでありながら、3.7tを積み込める「IC37」を開発しました。しっかり らくらく をコンセプトに開発をし、機体が運転者の意図にしっかり反応する心地よさと、回転シートと一本ジョイスティックレバーにより、らくらく操作が可能になり、長時間の運転によるストレス低減を図っております。
(3) その他の製品
万能吸引車では、コンパクトでありながら高真空ブロワを搭載した「MV-400CⅡ」を開発しました。
スノースイーパーでは、プラウ車でけん引可能な「被けん引式S-380Ⅶ」を開発しました。
今後とも、市場要求に積極的にかつ迅速に対応してまいります。