有価証券報告書-第59期(2022/04/01-2023/03/31)
(3)【監査の状況】
① 監査委員会による監査及び内部監査の状況
a 監査委員会による監査の状況
監査委員会は、取締役会の内部機関として、取締役及び執行役の職務の執行が法令及び定款並びに経営の基本方針に適合し、効率的に行われているかを監査しています。具体的には、財務・会計、内部統制システムの整備・運用状況のモニタリングのほか、業務執行状況や子会社の経営妥当性を監査するため、委員会での審議に加え、2022年度は国内グループ会社には往査を実施し、海外グループ会社には新型コロナウィルスによる影響を踏まえて、インターネットツールを活用して報告聴取を行いました。
内部監査部門や財務・経理部門、法務部門、或いは製品品質やサステナビリティ・ESGを管理する部門等各部門から報告聴取を行うほか、代表執行役との意見交換を含めて全執行役19名から職務執行状況を聴取し、その業務執行適切性について審議、検討しました。
会計監査人とは、法令上の検討責務のみならず、四半期毎のレビュー報告、年度会計監査報告や監査指摘事項の聴取をはじめ、緊密な連携をとっています。
2022年度における監査委員会の活動状況は以下のとおりです。
(注)提出日現在の監査委員会は、取締役会決議により選定された社外取締役6名、うち5名は東京証券取引所の定めに基づく独立社外取締役で構成しています。また2023年4月より、監査委員会の職務を補助する監査委員会補佐役1名を任命するとともに、専従と兼務の使用人2名の監査委員会事務局に、内部監査部門である監査室との兼務の使用人として新たに1名追加し、監査体制強化に努めています。
なお、監査委員会補佐役及び監査委員会事務局員は何れの執行役の管掌下になく、監査委員会に直属しています。
・グループ会社のモニタリング状況
2022年度は国内グループ会社4社への往査を行い、及び海外グループ会社2社からのインターネットツールによる経営
状況に係る聴取と質疑応答を実施しました。また、国内グループ会社往査時には、会社法上の大会社に相当する2社の常勤監査役との意見交換を実施し、当該執行役が代表者を兼ねる執行役職務執行状況聴取を通して、国内1社、海外3社のグループ会社の経営状況を把握し、適宜適切なモニタリングを行うよう努めました。
・監査委員会における具体的な検討事項
監査の方針、監査計画並びに監査実施内容、内部統制システムの整備・運用状況、執行役の職務執行の妥当性、会計
監査人の選解任、事業報告及び附属明細の適法性、会計監査人の監査の方法並びに提出会社及び当連結グループの監査結果の相当性等です。2022年度は、新型コロナウィルスによる影響の対応を含むリスクマネジメント、次期中期経営計画の策定状況、並びにサステナビリティやESG諸施策の遂行状況と目標達成状況等に加え、米州事業展開及びビジネスユニット制移行に伴う内部統制再構築の監視を重点監査項目としました。
・常勤監査委員の活動状況
2023年6月26日に開催された第59回定時株主総会終結の時をもって、任期満了により退任した取締役の桂山哲夫は、常勤の監査委員として提出会社の重要な会議に出席すると共に、重要な決裁書類等の閲覧や、随時、個別に内部監査部門、会計監査人その他社内各部署や当連結グループからの報告を聴取し、内部統制システムの構築及び運用状況について適宜監視を行いました。また、自ら検知した事項の中で、非常勤監査委員と情報共有が必要と判断した事柄について、随時、情報共有を行い、意見を募るなど、監査委員会活動の実効性向上に努めました。
なお、提出日現在、監査委員会は、経営の客観性、透明性確保のため、委員全員が社外取締役の体制となりました。
また2023年4月より、監査委員会の円滑で実効性のある監査業務を遂行するため、新たに監査委員会の職務執行を補助する常勤の監査委員会補佐役を任命しています。監査委員会が候補者の職務内容などを審査し、その承認に基づいて任命しました。
・監査委員会補佐役の職務内容
監査委員会補佐役は、監査委員会が行う実査・往査を補佐し、関連部門と連携して監査の対象となる事項の調査・分析・報告・意見表明を行うなど、監査委員会の全活動について補佐します。
b 内部監査の状況
提出会社は、内部監査担当部門として社長直属による監査室を設置しており、リスクベース手法に基づき10項目のリスク評価により優先的に監査すべき監査対象を選定し、各ビジネスユニットや部門、及び各グループ会社の業務が、正確、正当かつ合理的に処理されているかどうかを監査しています。
2022年度は新型コロナウィルスの影響で、国内グループ会社へは一部監査人の実地往査とインターネットツールによるリモート監査を併用しました。海外グループ会社への往査活動が制限されましたが、リモート監査を2021年度に引続き活用すると共に、一部の海外グループ会社については提携する内部監査専門業者に監査委託を行い遂行しました。
・内部監査体制
提出日現在、監査室は内部監査を担当する内部監査部と内部統制を担当する内部統制部で構成しており、15名スタッフが従事しています。
監査室は組織上、社長に直属していますが、監査計画並びに監査結果等は監査委員会へ報告しており、デュアルレポーティングラインを構築しています。
また、事業規模の大きなグループ会社は専従の内部監査部門を置き、当該グループ会社の内部監査や、提出会社の監査室と連携して当該グループ会社が属する地域事業部内の内部監査を担っています。
・内部監査の実施状況
2022年度は、国内4社、海外8社、計12社の内部監査を遂行しました。
内部監査の領域は経理や収益認識、在庫管理をはじめ、調達、輸出管理、会社統制、ガバナンス、コンプライアンス、IT管理等業務全般に亘り、監査室のみならず債権管理、調達、法務やITを管轄する部門にも適時に内部監査業務を
委嘱して、内部監査の実効性向上に努めています。
更に内部監査専任部門を有するグループ会社から監査計画及び監査報告書を入手して、グループ全体の内部監査品質の向上に努めると共に、内部監査人協会基準に則した評価の導入等も行っています。
・内部監査結果の活用状況
監査指摘事項はリスク高低や発生頻度に基づき重要性ランクを決めて、受査側に内部監査指摘事項の対応優先度を明示して、業務改善を促進しています。
加えて監査室は監査指摘事項について、当該グループ会社に改善進捗状況を半年毎にフォローし、組織的に改善対応を支援しています。
監査結果は受査側の関係者はもとより、提出会社の最高財務責任者、社長、監査委員長に個別報告しています。
また、提出会社の執行役会、監査委員会に半年毎に監査指摘事項の改善進捗と共に報告され、指摘事項の改善に取り
組んでいます。
c 監査委員会と会計監査人の連携状況
監査委員会は、会計監査人から年度の監査計画と監査重点項目を受領し、十分に検討すると共に、適時に監査実施結果について説明を受け、活発な質疑応答を行っています。また、監査を通して会計監査人が把握した内部統制システムの有効性状況、リスクの評価、及び監査重点項目や監査上の主要な検討事項(KAM: Key Audit Matters)等について報告を受領し、討議・検討を行っています。
会計監査人のグローバルファームとしてのネットワークを活用した海外グループ会社の会計や内部統制監査の状況について、会計監査人から報告を受け、その監査指摘事項を確認するなど、監査委員会と会計監査人が連携して海外グループ会社の状況把握に努めました。
2022年度は、会計監査人は監査委員会に6回の出席を行った他、監査委員及び監査室とそれぞれの監査状況について
の協議、グローバルにおけるガバナンスについての意見交換等を行っています。
なお、日本公認会計士協会の倫理規則の改定を受け、2023年度より監査法人へ非保証業務を委託する際には、事前に監査委員会の了承のうえ、委託することとしています。
d 監査委員会と内部監査部門の連携状況
監査委員会は、内部監査部門である監査室から年度の監査方針及び監査計画並びに監査実施内容を受領し、適時に内部監査実施結果について説明を受けています。また、内部監査を通して把握した内部統制システムの有効性状況、リスクの評価及び監査指摘項目と内容について意見交換を行い、監査精度の維持・向上に努めています。
更に、監査委員会は、監査室に対して、監査対象事業所や重点監査項目等について必要に応じて指示することができます。
2022年度は、監査室は監査委員会に4回の報告・説明を行った他、常勤監査委員とは密接に情報や意見の交換を行いました。
e内部監査部門と会計監査人の連携状況
内部監査部門である監査室は、会計監査人と四半期に一度以上の頻度で、提出会社の各ビジネスユニットや部門及び各グループ会社における内部監査指摘内容の共有と意見交換を行うと共に、会計監査人からも監査室に、拠点往査における検出事項や会計や内部統制の監査を通じて国内外グループ会社に発行したガバナンスや内部統制等に関する改善提案指摘事項(マネージメントレター)を共有するなど、会計処理や業務運営面におけるリスクの把握と、その改善に監査室と会計監査人が連携して努めています。
2022年度は、監査室は会計監査人と8回の協議機会を持ちました。
f内部統制部門の状況
提出会社は、内部統制を管轄する監査室において、グループ全体の内部統制システムにおける整備状況と運用状況評価の取り纏めと改善の推進を指導しています。各グループ会社には、内部統制委員会等と内部統制担当を置き、各社の内部統制システムの整備・運用・評価・改善を推進しています。
また提出会社は、財務報告に係る内部統制を統括する組織として、最高財務責任者を委員長とし、DX(ITシステム情報管理)、法務、経理、監査の各部門の長で構成されるJ-SOX委員会を設置し、常勤監査委員もオブザーバとして出席しました。
J-SOX委員会は提出会社及びグループ会社における財務報告に係る内部統制の運営方針決定と有効性評価の審議機関であり、2022年度は4回開催し、その審議内容と結果は、提出会社の執行役会には4回、また監査委員会には2回報告しています。
g内部統制部門と会計監査人の関係
内部統制部門である監査室は、会計監査人による内部統制監査の窓口となり、内部統制の整備・運用・評価の各ステップの監査を受け、その監査実施結果について説明を受けています。会計監査人により、内部統制上の不備が報告された場合には、報告対象となったグループ会社の内部統制不備を、監査室及びJ-SOX委員会で、改善支援と是正の確認を行い、内部統制システムの有効性を維持向上しています。
また、提出会社の監査室は、会計監査人に各グループ会社での内部統制システムの整備・運用・評価実施状況や、J-
SOX委員会の会議結果等を適宜に提供しています。
監査室と会計監査人は日常的に協議を行い、密接に情報を交換しています。
h内部統制部門と監査委員会の関係
監査委員会は、内部統制の有効性及び妥当性を確保するため、J-SOX委員会における内部統制の整備・運用・有効性評価結果について、内部統制部門である監査室と積極的に情報及び意見の交換を行い、内部統制システムの維持・向上に努めています。
i 内部統制部門と内部監査部門の関係
提出会社の監査室は、内部統制部門と内部監査部門を有しており、内部統制部門には内部統制管轄機能及びJ-SOX委員会の事務局を置いています。J-SOX委員会は、事務局から内部統制評価の結果について報告を受け、内部統制システムの改善、フォローを事務局を通じて行っています。内部監査部門は、リスクベース手法に基づき選定した各ビジネスユニットや部門、及び各グループ会社の業務監査を周期的に実施しています。内部統制において検出された不備や内部監査による指摘内容を適時に相互に共有し、両部門で密接に連携しながらグループ全体の内部統制システム及び内部監査品質の維持向上に努めています。
②会計監査の状況
a監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
b継続監査期間
47年間
c業務執行した公認会計士
石黒 一裕
三木 拓人
小沼 香王理
d監査業務に係る補助者の構成
提出会社の会計監査業務に関わる補助者は、公認会計士7名、その他35名です。
e監査法人の選定方針と理由
監査法人の選定については、提出会社が採用している国際財務報告基準(IFRS)や当連結グループの高い海外事業比
率を考慮し、国内だけでなく海外各国の会計や税務基準に精通しグローバルな会計や内部統制監査の実施能力と高度な
監査品質を有することが必要です。選定した監査法人はグローバルな会計監査を行っており、会計監査人としての高度
な専門性とグローバルなネットワークを有し、国際的に会計監査が適法かつ適正に行われていることを確保する体制を
備えています。そして、独立性にも問題が無いことなどを総合的に勘案した結果、会計監査人として適切な監査法人と
判断しました。
f監査委員会による会計監査人の評価
監査委員会は、会計監査人に対して、監査体制、監査重点項目を含む監査実施要領、監査品質、及び監査委員会や
経営幹部等とのコミュニケーション内容、並びに監査報酬等の網羅的な会計監査人評価基準を設定して、毎年度に評価
を行っています。
更に、監査委員会は、後掲g(会計監査人の解任又は不再任の決定の方針)の方針に基づき、会計監査人の再任に関
する決議を毎年度行っています。
g会計監査人の解任又は不再任の決定の方針
監査委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める事由に該当すると認められ、速やかに解任する必要
があると判断した場合、監査委員の全員の同意によって会計監査人を解任します。この場合、監査委員会が選定した監
査委員は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨及びその理由を報告します。
上記の場合のほか、会計監査人が職務を適切に遂行することが困難と認められるなど、会計監査人を変更すべきと判
断される場合には、監査委員会は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定しま
す。
③ 監査報酬の内容等
a 監査公認会計士等に対する報酬の内容
非監査業務の内容
前連結会計年度、当連結会計年度共に、該当事項はありません。
b 監査公認会計士等と同一のネットワークに属するErnst & Young及びそのグループに対する報酬(aを除く)
(前連結会計年度)
提出会社及び連結子会社は、提出会社の監査公認会計士等であるEY新日本有限責任監査法人のグループ(当該監査法人と同一のネットワークに属しているErnst & Young及びそのグループを含む。)に対して、監査証明業務に基づく報酬が577百万円(うち、連結子会社 577百万円)、非監査業務に基づく報酬が229百万円(うち、提出会社 47百万円、連結子会社 182百万円)あります。
(当連結会計年度)
提出会社及び連結子会社は、提出会社の監査公認会計士等であるEY新日本有限責任監査法人のグループ(当該監査法人と同一のネットワークに属しているErnst & Young及びそのグループを含む。)に対して、監査証明業務に基づく報酬が675百万円(うち、連結子会社 675百万円)、非監査業務に基づく報酬が265百万円(うち、提出会社 29百万円、連結子会社 236百万円)あります。
非監査業務の内容
前連結会計年度及び当連結会計年度において、提出会社及び連結子会社における非監査業務の内容は、主に税務関連サービスです。
c その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前連結会計年度、当連結会計年度共に、該当事項はありません。
d 監査報酬の決定方針
会計監査人は監査計画策定時点で監査計画時間を経理部門と合議の上で策定し監査委員会に報告し、四半期毎に監査
委員会にて四半期レビュー及び会計監査等に要した時間を報告します。
監査委員会は監査の実施内容等について、会計監査人と経理部門の双方から十分に聴取し検討を行います。そして、監査委員会の承認により会計監査人に対する報酬を決定しています。
e監査委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査委員会は、会計監査人の監査計画の内容、品質管理体制の整備状況、会計監査の職務遂行状況等を確認し、監査報酬の見積等の算出根拠、算定内容につき分析・検討した結果、会計監査人の報酬等につき妥当であると判断し、会社法第399条第1項の同意を行いました。
① 監査委員会による監査及び内部監査の状況
a 監査委員会による監査の状況
監査委員会は、取締役会の内部機関として、取締役及び執行役の職務の執行が法令及び定款並びに経営の基本方針に適合し、効率的に行われているかを監査しています。具体的には、財務・会計、内部統制システムの整備・運用状況のモニタリングのほか、業務執行状況や子会社の経営妥当性を監査するため、委員会での審議に加え、2022年度は国内グループ会社には往査を実施し、海外グループ会社には新型コロナウィルスによる影響を踏まえて、インターネットツールを活用して報告聴取を行いました。
内部監査部門や財務・経理部門、法務部門、或いは製品品質やサステナビリティ・ESGを管理する部門等各部門から報告聴取を行うほか、代表執行役との意見交換を含めて全執行役19名から職務執行状況を聴取し、その業務執行適切性について審議、検討しました。
会計監査人とは、法令上の検討責務のみならず、四半期毎のレビュー報告、年度会計監査報告や監査指摘事項の聴取をはじめ、緊密な連携をとっています。
2022年度における監査委員会の活動状況は以下のとおりです。
区分 | 氏名 | 出席回数/開催回数 | 出席率 |
社外取締役 | 岡 俊子 | 21回/21回 | 100% |
社外取締役 | 奥原 一成 | 21回/21回 | 100% |
社外取締役 | 菊地 麻緒子 | 21回/21回 | 100% |
社外取締役 | 外山 晴之 | 21回/21回 | 100% |
社外取締役 | 細矢 良智 | 19回/21回 | 90% |
取締役 | 桂山 哲夫 | 21回/21回 | 100% |
(注)提出日現在の監査委員会は、取締役会決議により選定された社外取締役6名、うち5名は東京証券取引所の定めに基づく独立社外取締役で構成しています。また2023年4月より、監査委員会の職務を補助する監査委員会補佐役1名を任命するとともに、専従と兼務の使用人2名の監査委員会事務局に、内部監査部門である監査室との兼務の使用人として新たに1名追加し、監査体制強化に努めています。
なお、監査委員会補佐役及び監査委員会事務局員は何れの執行役の管掌下になく、監査委員会に直属しています。
・グループ会社のモニタリング状況
2022年度は国内グループ会社4社への往査を行い、及び海外グループ会社2社からのインターネットツールによる経営
状況に係る聴取と質疑応答を実施しました。また、国内グループ会社往査時には、会社法上の大会社に相当する2社の常勤監査役との意見交換を実施し、当該執行役が代表者を兼ねる執行役職務執行状況聴取を通して、国内1社、海外3社のグループ会社の経営状況を把握し、適宜適切なモニタリングを行うよう努めました。
・監査委員会における具体的な検討事項
監査の方針、監査計画並びに監査実施内容、内部統制システムの整備・運用状況、執行役の職務執行の妥当性、会計
監査人の選解任、事業報告及び附属明細の適法性、会計監査人の監査の方法並びに提出会社及び当連結グループの監査結果の相当性等です。2022年度は、新型コロナウィルスによる影響の対応を含むリスクマネジメント、次期中期経営計画の策定状況、並びにサステナビリティやESG諸施策の遂行状況と目標達成状況等に加え、米州事業展開及びビジネスユニット制移行に伴う内部統制再構築の監視を重点監査項目としました。
・常勤監査委員の活動状況
2023年6月26日に開催された第59回定時株主総会終結の時をもって、任期満了により退任した取締役の桂山哲夫は、常勤の監査委員として提出会社の重要な会議に出席すると共に、重要な決裁書類等の閲覧や、随時、個別に内部監査部門、会計監査人その他社内各部署や当連結グループからの報告を聴取し、内部統制システムの構築及び運用状況について適宜監視を行いました。また、自ら検知した事項の中で、非常勤監査委員と情報共有が必要と判断した事柄について、随時、情報共有を行い、意見を募るなど、監査委員会活動の実効性向上に努めました。
なお、提出日現在、監査委員会は、経営の客観性、透明性確保のため、委員全員が社外取締役の体制となりました。
また2023年4月より、監査委員会の円滑で実効性のある監査業務を遂行するため、新たに監査委員会の職務執行を補助する常勤の監査委員会補佐役を任命しています。監査委員会が候補者の職務内容などを審査し、その承認に基づいて任命しました。
・監査委員会補佐役の職務内容
監査委員会補佐役は、監査委員会が行う実査・往査を補佐し、関連部門と連携して監査の対象となる事項の調査・分析・報告・意見表明を行うなど、監査委員会の全活動について補佐します。
b 内部監査の状況
提出会社は、内部監査担当部門として社長直属による監査室を設置しており、リスクベース手法に基づき10項目のリスク評価により優先的に監査すべき監査対象を選定し、各ビジネスユニットや部門、及び各グループ会社の業務が、正確、正当かつ合理的に処理されているかどうかを監査しています。
2022年度は新型コロナウィルスの影響で、国内グループ会社へは一部監査人の実地往査とインターネットツールによるリモート監査を併用しました。海外グループ会社への往査活動が制限されましたが、リモート監査を2021年度に引続き活用すると共に、一部の海外グループ会社については提携する内部監査専門業者に監査委託を行い遂行しました。
・内部監査体制
提出日現在、監査室は内部監査を担当する内部監査部と内部統制を担当する内部統制部で構成しており、15名スタッフが従事しています。
監査室は組織上、社長に直属していますが、監査計画並びに監査結果等は監査委員会へ報告しており、デュアルレポーティングラインを構築しています。
また、事業規模の大きなグループ会社は専従の内部監査部門を置き、当該グループ会社の内部監査や、提出会社の監査室と連携して当該グループ会社が属する地域事業部内の内部監査を担っています。
・内部監査の実施状況
2022年度は、国内4社、海外8社、計12社の内部監査を遂行しました。
内部監査の領域は経理や収益認識、在庫管理をはじめ、調達、輸出管理、会社統制、ガバナンス、コンプライアンス、IT管理等業務全般に亘り、監査室のみならず債権管理、調達、法務やITを管轄する部門にも適時に内部監査業務を
委嘱して、内部監査の実効性向上に努めています。
更に内部監査専任部門を有するグループ会社から監査計画及び監査報告書を入手して、グループ全体の内部監査品質の向上に努めると共に、内部監査人協会基準に則した評価の導入等も行っています。
・内部監査結果の活用状況
監査指摘事項はリスク高低や発生頻度に基づき重要性ランクを決めて、受査側に内部監査指摘事項の対応優先度を明示して、業務改善を促進しています。
加えて監査室は監査指摘事項について、当該グループ会社に改善進捗状況を半年毎にフォローし、組織的に改善対応を支援しています。
監査結果は受査側の関係者はもとより、提出会社の最高財務責任者、社長、監査委員長に個別報告しています。
また、提出会社の執行役会、監査委員会に半年毎に監査指摘事項の改善進捗と共に報告され、指摘事項の改善に取り
組んでいます。
c 監査委員会と会計監査人の連携状況
監査委員会は、会計監査人から年度の監査計画と監査重点項目を受領し、十分に検討すると共に、適時に監査実施結果について説明を受け、活発な質疑応答を行っています。また、監査を通して会計監査人が把握した内部統制システムの有効性状況、リスクの評価、及び監査重点項目や監査上の主要な検討事項(KAM: Key Audit Matters)等について報告を受領し、討議・検討を行っています。
会計監査人のグローバルファームとしてのネットワークを活用した海外グループ会社の会計や内部統制監査の状況について、会計監査人から報告を受け、その監査指摘事項を確認するなど、監査委員会と会計監査人が連携して海外グループ会社の状況把握に努めました。
2022年度は、会計監査人は監査委員会に6回の出席を行った他、監査委員及び監査室とそれぞれの監査状況について
の協議、グローバルにおけるガバナンスについての意見交換等を行っています。
なお、日本公認会計士協会の倫理規則の改定を受け、2023年度より監査法人へ非保証業務を委託する際には、事前に監査委員会の了承のうえ、委託することとしています。
d 監査委員会と内部監査部門の連携状況
監査委員会は、内部監査部門である監査室から年度の監査方針及び監査計画並びに監査実施内容を受領し、適時に内部監査実施結果について説明を受けています。また、内部監査を通して把握した内部統制システムの有効性状況、リスクの評価及び監査指摘項目と内容について意見交換を行い、監査精度の維持・向上に努めています。
更に、監査委員会は、監査室に対して、監査対象事業所や重点監査項目等について必要に応じて指示することができます。
2022年度は、監査室は監査委員会に4回の報告・説明を行った他、常勤監査委員とは密接に情報や意見の交換を行いました。
e内部監査部門と会計監査人の連携状況
内部監査部門である監査室は、会計監査人と四半期に一度以上の頻度で、提出会社の各ビジネスユニットや部門及び各グループ会社における内部監査指摘内容の共有と意見交換を行うと共に、会計監査人からも監査室に、拠点往査における検出事項や会計や内部統制の監査を通じて国内外グループ会社に発行したガバナンスや内部統制等に関する改善提案指摘事項(マネージメントレター)を共有するなど、会計処理や業務運営面におけるリスクの把握と、その改善に監査室と会計監査人が連携して努めています。
2022年度は、監査室は会計監査人と8回の協議機会を持ちました。
f内部統制部門の状況
提出会社は、内部統制を管轄する監査室において、グループ全体の内部統制システムにおける整備状況と運用状況評価の取り纏めと改善の推進を指導しています。各グループ会社には、内部統制委員会等と内部統制担当を置き、各社の内部統制システムの整備・運用・評価・改善を推進しています。
また提出会社は、財務報告に係る内部統制を統括する組織として、最高財務責任者を委員長とし、DX(ITシステム情報管理)、法務、経理、監査の各部門の長で構成されるJ-SOX委員会を設置し、常勤監査委員もオブザーバとして出席しました。
J-SOX委員会は提出会社及びグループ会社における財務報告に係る内部統制の運営方針決定と有効性評価の審議機関であり、2022年度は4回開催し、その審議内容と結果は、提出会社の執行役会には4回、また監査委員会には2回報告しています。
g内部統制部門と会計監査人の関係
内部統制部門である監査室は、会計監査人による内部統制監査の窓口となり、内部統制の整備・運用・評価の各ステップの監査を受け、その監査実施結果について説明を受けています。会計監査人により、内部統制上の不備が報告された場合には、報告対象となったグループ会社の内部統制不備を、監査室及びJ-SOX委員会で、改善支援と是正の確認を行い、内部統制システムの有効性を維持向上しています。
また、提出会社の監査室は、会計監査人に各グループ会社での内部統制システムの整備・運用・評価実施状況や、J-
SOX委員会の会議結果等を適宜に提供しています。
監査室と会計監査人は日常的に協議を行い、密接に情報を交換しています。
h内部統制部門と監査委員会の関係
監査委員会は、内部統制の有効性及び妥当性を確保するため、J-SOX委員会における内部統制の整備・運用・有効性評価結果について、内部統制部門である監査室と積極的に情報及び意見の交換を行い、内部統制システムの維持・向上に努めています。
i 内部統制部門と内部監査部門の関係
提出会社の監査室は、内部統制部門と内部監査部門を有しており、内部統制部門には内部統制管轄機能及びJ-SOX委員会の事務局を置いています。J-SOX委員会は、事務局から内部統制評価の結果について報告を受け、内部統制システムの改善、フォローを事務局を通じて行っています。内部監査部門は、リスクベース手法に基づき選定した各ビジネスユニットや部門、及び各グループ会社の業務監査を周期的に実施しています。内部統制において検出された不備や内部監査による指摘内容を適時に相互に共有し、両部門で密接に連携しながらグループ全体の内部統制システム及び内部監査品質の維持向上に努めています。
②会計監査の状況
a監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
b継続監査期間
47年間
c業務執行した公認会計士
石黒 一裕
三木 拓人
小沼 香王理
d監査業務に係る補助者の構成
提出会社の会計監査業務に関わる補助者は、公認会計士7名、その他35名です。
e監査法人の選定方針と理由
監査法人の選定については、提出会社が採用している国際財務報告基準(IFRS)や当連結グループの高い海外事業比
率を考慮し、国内だけでなく海外各国の会計や税務基準に精通しグローバルな会計や内部統制監査の実施能力と高度な
監査品質を有することが必要です。選定した監査法人はグローバルな会計監査を行っており、会計監査人としての高度
な専門性とグローバルなネットワークを有し、国際的に会計監査が適法かつ適正に行われていることを確保する体制を
備えています。そして、独立性にも問題が無いことなどを総合的に勘案した結果、会計監査人として適切な監査法人と
判断しました。
f監査委員会による会計監査人の評価
監査委員会は、会計監査人に対して、監査体制、監査重点項目を含む監査実施要領、監査品質、及び監査委員会や
経営幹部等とのコミュニケーション内容、並びに監査報酬等の網羅的な会計監査人評価基準を設定して、毎年度に評価
を行っています。
更に、監査委員会は、後掲g(会計監査人の解任又は不再任の決定の方針)の方針に基づき、会計監査人の再任に関
する決議を毎年度行っています。
g会計監査人の解任又は不再任の決定の方針
監査委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める事由に該当すると認められ、速やかに解任する必要
があると判断した場合、監査委員の全員の同意によって会計監査人を解任します。この場合、監査委員会が選定した監
査委員は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨及びその理由を報告します。
上記の場合のほか、会計監査人が職務を適切に遂行することが困難と認められるなど、会計監査人を変更すべきと判
断される場合には、監査委員会は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定しま
す。
③ 監査報酬の内容等
a 監査公認会計士等に対する報酬の内容
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
監査証明業務に 基づく報酬 (百万円) | 非監査業務に 基づく報酬 (百万円) | 監査証明業務に 基づく報酬 (百万円) | 非監査業務に 基づく報酬 (百万円) | |
提出会社 | 125 | - | 130 | - |
連結子会社 | 37 | - | 39 | - |
計 | 162 | - | 169 | - |
非監査業務の内容
前連結会計年度、当連結会計年度共に、該当事項はありません。
b 監査公認会計士等と同一のネットワークに属するErnst & Young及びそのグループに対する報酬(aを除く)
(前連結会計年度)
提出会社及び連結子会社は、提出会社の監査公認会計士等であるEY新日本有限責任監査法人のグループ(当該監査法人と同一のネットワークに属しているErnst & Young及びそのグループを含む。)に対して、監査証明業務に基づく報酬が577百万円(うち、連結子会社 577百万円)、非監査業務に基づく報酬が229百万円(うち、提出会社 47百万円、連結子会社 182百万円)あります。
(当連結会計年度)
提出会社及び連結子会社は、提出会社の監査公認会計士等であるEY新日本有限責任監査法人のグループ(当該監査法人と同一のネットワークに属しているErnst & Young及びそのグループを含む。)に対して、監査証明業務に基づく報酬が675百万円(うち、連結子会社 675百万円)、非監査業務に基づく報酬が265百万円(うち、提出会社 29百万円、連結子会社 236百万円)あります。
非監査業務の内容
前連結会計年度及び当連結会計年度において、提出会社及び連結子会社における非監査業務の内容は、主に税務関連サービスです。
c その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前連結会計年度、当連結会計年度共に、該当事項はありません。
d 監査報酬の決定方針
会計監査人は監査計画策定時点で監査計画時間を経理部門と合議の上で策定し監査委員会に報告し、四半期毎に監査
委員会にて四半期レビュー及び会計監査等に要した時間を報告します。
監査委員会は監査の実施内容等について、会計監査人と経理部門の双方から十分に聴取し検討を行います。そして、監査委員会の承認により会計監査人に対する報酬を決定しています。
e監査委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査委員会は、会計監査人の監査計画の内容、品質管理体制の整備状況、会計監査の職務遂行状況等を確認し、監査報酬の見積等の算出根拠、算定内容につき分析・検討した結果、会計監査人の報酬等につき妥当であると判断し、会社法第399条第1項の同意を行いました。