訂正有価証券報告書-第58期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/11/08 11:51
【資料】
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【項目】
135項目
(3)【監査の状況】
① 監査委員会による監査及び内部監査の状況
a 監査委員会による監査の状況
監査委員会は、取締役会の内部機関として、取締役及び執行役の職務の執行が法令及び定款並びに経営の基本方針に適合し、効率的に行われているかを監査しています。具体的には、財務・会計、内部統制システムの整備運用状況のモニタリングのほか、業務執行状況や子会社の経営妥当性を監査するため、例年は委員会での審議に加え、国内外の拠点やグループ会社に往査を行っています。
監査委員会は、提出日現在、取締役会決議により選定された取締役6名、うち独立社外取締役4名により構成されています。なお、監査委員会の事務局として、監査委員会の職務を補助すべき専従の使用人を1名、内部監査部門である監査室と兼務の使用人1名をBCPの観点から置いています。この監査委員会事務局は何れの執行役の管掌下になく、監査委員会に直属しています。
今年度は、新型コロナウィルス影響を踏まえた監査の遂行として、インターネットツールも積極的に活用し、適切な監査・報告聴取に努めました。
内部監査部門や財務・経理部門、或いは製品品質やサステナビリティ・ESGを管理する部門等各部門から報告聴取を行うほか、代表執行役との意見交換を含めて全執行役19名から職務執行状況を聴取し、その業務執行の適切性について審議、検討しました。
会計監査人とは、法令上の検討責務のみならず、四半期毎のレビュー報告、年度会計監査報告や監査指摘事項の聴取をはじめ、内部監査部門も参加した三様監査会の開催など緊密な連携をとっています。
2021年度の監査委員会は、22回開催しました。回数の減少は、前年度は監査委員会として聴取した海外グループ会社の事業・業務運営等に関する報告を監査委員による聴取へ取扱いを変更したことによるものです。
なお、個別の出席状況は以下のとおりです。
区分氏名出席回数/開催回数(注)1出席率(注)1
社外取締役岡 俊子(注)313回/15回87%
社外取締役奥原 一成22回/22回100%
取締役(常勤)桂山 哲夫22回/22回100%
社外取締役菊地 麻緒子22回/22回100%
社外取締役外山 晴之22回/22回100%
社外取締役平川 純子(注)27回/7回100%
取締役細矢 良智(注)315回/15回100%
取締役南 邦明(注)26回/7回86%

(注)1.在任期間中の開催回数に基づいて記載しています。
2.2021年6月28日に開催された第57回定時株主総会終結の時をもって、任期満了により退任しました。
3.2021年6月28日に開催された第57回定時株主総会にて取締役に新たに選任され就任しました。
・グループ会社のモニタリング状況
例年の国内外の拠点やグループ会社への往査に代えて、2021年度は海外グループ会5社から経営状況に係る十分な聴取と質疑応答、国内グループ会社で会社法上大会社に相当する2社の常勤監査役との意見交換、並びに執行役職務執行状況の聴取を通して、当該執行役が代表者を兼ねる国内1社、海外4社についての報告を、インターネットツールにて実施することで国内外グループ会社の経営状況を把握し、適宜適切なモニタリングを行うよう努めました。
・監査委員会における主な検討事項
監査の方針、監査計画並びに監査実施内容、内部統制システムの整備・運用状況、執行役の職務執行の妥当性、会計監査人の選解任、事業報告及び附属明細の適法性、会計監査人の監査の方法並びに提出会社及び当連結グループの監査結果の相当性等です。当年度は、新型コロナウィルス影響の対応を含むリスクマネジメント、中期経営計画の施策実行状況、並びにSDGsやESG諸施策の遂行状況と目標達成状況等を重点監査項目としました。
・常勤監査委員の活動状況
常勤の監査委員は、社内の重要な会議に出席すると共に、重要な決裁書類等の閲覧や、随時、個別に内部監査部門、会計監査人その他社内各部署や当連結グループからの報告を聴取し、内部統制システムの構築及び運用状況について適宜監視を行っています。また、自ら検知した事項の中で、非常勤監査委員と情報共有が必要と判断した事柄について、随時、情報共有を行い意見を募るなど、監査委員会活動の実効性向上に努めています。
常勤監査委員の桂山 哲夫は、提出会社及び当連結グループにおける経理・財務等の業務や経営に関する豊富な経験を通じて業務実態等の各社固有の事情等に一定の知見を有し、監査委員会、会計監査人、内部監査部門の三様の監査の環境整備、並びに業務の適正を確保するための体制及び運用状況を監視・検証することにより監査委員会の実効性向上に努めました。
b 内部監査の状況
提出会社は、内部監査担当部門として社長管掌による監査室を設置しています。監査室は、室長以下9名の専従スタッフと1名の監査委員会事務局との兼任者により構成されています。監査室は、リスクベース手法に基づき監査対象を選定し、各事業部及び各グループ会社の業務が、正確、正当かつ合理的に処理されているかどうかを監査しています。
当連結会計年度はコロナ禍で海外グループ会社への往査活動が制限されましたが、インターネットツールによるリモート監査を導入すると共に、一部の海外グループ会社については提携する内部監査専門業者に監査委託を行い遂行しました。
・内部監査体制
提出会社は、内部監査担当部門として社長直属による監査室を設置しています。監査室は、提出日現在で室長以下12名の専従スタッフと1名の監査委員会事務局との兼任者により構成されています。監査室は、リスクベース手法に基づき10項目のリスク評価により優先的に監査すべき監査対象を選定し、各事業部や各グループ会社の業務が、正確、正当かつ合理的に運営・処理されているかどうかを監査しています。
監査室は、組織上は社長直属ですが、監査計画並びに監査結果等は監査委員会へ報告しており、デュアルレポーティングラインを構築しています。
また、事業規模の大きなグループ会社は専従の内部監査担当部門を置き、当該グループ会社の内部監査や、提出会社の監査室と連携して当該グループ会社が属する地域事業部内の内部監査を担っています。
・内部監査の実施状況
当年度も昨年来のコロナ禍で海外グループ会社への往査活動が制限されましたが、インターネットツールによるリモート監査を軌道に乗せ、一部の海外グループ会社については提携する内部監査専門業者に監査委託を行うことで、国内2社、海外14社、計16社の内部監査を遂行しました。
内部監査の領域は経理や収益認識、在庫管理をはじめ、調達、輸出管理、ガバナンス、安全衛生、コンプライアンス、IT管理等業務全般に亘り、監査室のみならず調達、法務やITを管轄する部門にも適時に内部監査業務を委嘱して、内部監査の実効性向上に努めています。
更に、内部監査部門を有するグループ会社から監査計画及び監査報告書を入手して、グループ全体の内部監査品質向上や、内部監査人協会基準に則した評価の導入等も行っています。
・内部監査結果の活用状況
監査指摘事項はリスク高低や発生頻度に基づき重要性ランクを決めて、受査側に内部監査指摘事項の対応優先度を明示して、業務改善を促進しています。
加えて監査室は監査指摘事項について、当該グループ会社に改善進捗状況を半年毎にフォローし、組織的に改善対応を支援しています。
また、監査結果は受査側の関係者はもとより、提出会社のCFO、CEO、監査委員長に個別報告されると共に、提出会社の執行役会、監査委員会に半年毎に監査指摘事項の改善進捗状況と共に報告され、指摘事項の改善に取り組んでいます。
c 監査委員会と会計監査人の連携状況
監査委員会は、会計監査人から年度の監査計画と監査重点項目を受領し、十分に検討すると共に、適時に監査実施結果について説明を受け、活発な質疑応答を行っています。また、監査を通して会計監査人が把握した内部統制システムの有効性状況、リスクの評価、及び監査重点項目や監査上の主要な検討事項(KAM : Key Audit Matters)等について報告を受領し、討議・検討を行っています。
新型コロナウィルス影響により、監査委員の往査活動が引き続き制約されていますが、会計監査人のグローバルファームとしてのネットワークを活用した海外グループ会社の会計や内部統制監査の状況について、会計監査人から報告を受け、その監査指摘事項を確認するなど、監査委員会と会計監査人が連携して海外グループ会社の状況把握に努めました。
当年度は、会計監査人は監査委員会に7回の出席を行った他、三様監査会における監査委員及び監査室とそれぞれの監査状況についての協議や、サステナビリティ・LTV(ロングタームバリュー)についての意見交換などを行っています。
d 監査委員会と内部監査部門の連携状況
監査委員会は、内部監査部門である監査室から年度の監査方針及び監査計画並びに監査実施内容を受領し、適時に内部監査実施結果について説明を受けています。また、内部監査を通して把握した内部統制システムの有効性状況、リスクの評価、及び監査指摘項目と内容について意見交換を行い、監査精度の維持・向上に努めています。
更に、監査委員会は、監査室に対して、監査対象事業所や重点監査項目等について必要に応じて指示することができます。
当年度は、監査室は監査委員会に9回の報告・説明を行った他、常勤監査委員とは密接に情報や意見の交換を行っています。
e 内部監査部門と会計監査人の連携状況
内部監査部門である監査室は、会計監査人と四半期に一度以上の頻度で、提出会社の各事業部及びグループ各社における内部監査指摘内容の共有と意見交換を行うと共に、会計監査人からも監査室に、拠点往査における検出事項や会計や内部統制の監査を通して内外グループ各社に発行したガバナンスや内部統制等に関する改善提案(マネージメントレター)を共有する等、会計処理や業務運営面におけるリスクの把握と、その改善に監査室と会計監査人が連携して努めています。
今年度は、監査室と会計監査人は10回の協議機会を持ちました。
f 内部統制部門の状況
提出会社は、内部統制を管轄する監査室において、グループ全体の内部統制システムにおける整備状況と運用状況評価の取り纏めと改善の推進を指導しています。グループ会社各社には、内部統制委員会等と内部統制担当を置き、各社の内部統制システムの整備・運用・評価・改善を推進しています。
また提出会社は、財務報告に係る内部統制を統括する組織として、CFOを委員長とし、DX(ITシステム情報管理)、法務、経理、内部監査の各部門の長で構成されるJ-SOX委員会を設置し、常勤監査委員がオブザーバとして出席しています。
J-SOX委員会は提出会社及びグループ会社における財務報告に係る内部統制の運営方針決定と有効性評価の審議機関であり、当年度は4回開催し、その審議内容と結果は、提出会社の執行役会及び監査委員会に報告しています。
g 内部統制部門と会計監査人の関係
内部統制部門である監査室は、会計監査人による内部統制監査の窓口となり、内部統制の整備・運用・評価の各ステップの監査を受け、その監査実施結果について説明を受けています。会計監査人により、内部統制上の不備が報告された場合には、報告対象となったグループ会社の内部統制不備を、監査室及びJ-SOX委員会で、改善支援と是正の確認を行い、内部統制システムの有効性を維持向上しています。
また、提出会社の監査室は、会計監査人に当社グループでの内部統制システムの整備・運用・評価実施状況や、J-SOX委員会の会議結果等を適宜に提供しています。
監査室と会計監査人は日常的に協議を行い、密接に情報を交換しています。
h 内部統制部門と監査委員会の関係
J-SOX委員会に於ける審議内容と結果は、監査委員会において適時に内部統制の整備・運用状況の評価報告として内部統制部門である監査室から説明を受領し、十分な意見交換を行うことで内部統制体制の維持・向上に努めています。
i 内部統制部門と内部監査部門の関係
提出会社の監査室は、内部統制部門と内部監査部門を有しており、内部統制部門には内部統制管轄機能及びJ-SOX委員会の事務局を置いています。J-SOX委員会は、事務局から内部統制評価の結果について報告を受け、内部統制体制の改善、フォローを事務局を通じて行っています。内部監査部門は、リスクベース手法に基づき選定した各事業部や各グループ会社の業務監査を周期的に実施しています。内部統制において検出された不備や内部監査による指摘内容を適時に相互に共有し、両部門で密接に連携しながらグループ全体の内部統制体制及び内部監査品質の維持向上に努めています。
② 会計監査の状況
a 監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
b 継続監査期間
46年間
c 業務執行した公認会計士
石黒 一裕
三木 拓人
小沼 香王理
d 監査業務に係る補助者の構成
提出会社の会計監査業務に関わる補助者は、公認会計士10名、その他52名です。
e 監査法人の選定方針と理由
監査法人の選定については、提出会社が採用している国際財務報告基準や当連結グループの高い海外事業比率を考慮し、国内だけでなく海外各国の会計や税務基準に精通しグローバルな会計や内部統制監査の実施能力と高度な監査品質を有することが必要です。
選定した監査法人はグローバルな会計監査を行っており、会計監査人としての高度な専門性とグローバルなネットワークを有し、国際的に会計監査が適法に行われていることを確保する体制を備えています。そして、独立性にも問題が無いこと等を総合的に勘案した結果、会計監査人として適切な監査法人と判断しました。
f 監査委員会による監査法人の評価
監査委員会は、会計監査人に対して、監査体制、監査重点項目を含む監査実施要領、監査品質、及び監査委員会や経営幹部等とのコミュニケーション内容、並びに監査報酬等の網羅的な会計監査人評価基準を設定して、毎年度に評価を行っています。
更に、監査委員会は、後掲g(会計監査人の解任又は不再任の決定の方針)の方針に基づき、会計監査人の再任に関する決議を毎年度行っています。
g 会計監査人の解任又は不再任の決定の方針
監査委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める事由に該当すると認められ、速やかに解任する必要があると判断した場合、監査委員の全員の同意によって会計監査人を解任します。この場合、監査委員会が選定した監査委員は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨及びその理由を報告します。
上記の場合のほか、会計監査人が職務を適切に遂行することが困難と認められるなど、会計監査人を変更すべきと判断される場合には、監査委員会は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定します。
③ 監査報酬の内容等
a 監査公認会計士等に対する報酬の内容
区分前連結会計年度当連結会計年度
監査証明業務に 基づく報酬
(百万円)
非監査業務に 基づく報酬
(百万円)
監査証明業務に 基づく報酬
(百万円)
非監査業務に 基づく報酬
(百万円)
提出会社1232125-
連結子会社39-37-
1622162-

非監査業務の内容
提出会社は、前連結会計年度において、監査公認会計士等に対して公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務であるコンフォートレター作成に関する業務等について対価を支払っています。
b 監査公認会計士等と同一のネットワークに属するErnst & Young及びそのグループに対する報酬(aを除く)
(前連結会計年度)
提出会社及び連結子会社は、提出会社の監査公認会計士等であるEY新日本有限責任監査法人のグループ(当該監査法人と同一のネットワークに属しているErnst & Young及びそのグループを含む。)に対して、監査証明業務に基づく報酬が505百万円(うち、連結子会社 505百万円)、非監査業務に基づく報酬が114百万円(うち、提出会社 28百万円、連結子会社 86百万円)を支払っています。
(当連結会計年度)
提出会社及び連結子会社は、提出会社の監査公認会計士等であるEY新日本有限責任監査法人のグループ(当該監査法人と同一のネットワークに属しているErnst & Young及びそのグループを含む。)に対して、監査証明業務に基づく報酬が577百万円(うち、連結子会社 577百万円)、非監査業務に基づく報酬が229百万円(うち、提出会社 47百万円、連結子会社 182百万円)あります。
非監査業務の内容
非監査業務の内容は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、提出会社及び連結子会社における非監査業務の内容は、主に税務関連サービスです。
c その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前連結会計年度、当連結会計年度共に、該当事項はありません。
d 監査報酬の決定方針
会計監査人は監査計画策定時点で監査計画時間を経理部門と合議の上で策定して監査委員会に報告し、四半期毎に監査委員会にて会計監査および四半期レビューに要した時間を報告します。
監査委員会は監査の実施内容等について、会計監査人と経理部門の双方から十分に聴取し検討を行います。そして、監査委員会の承認により会計監査人に対する報酬を決定しています。
e 監査委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査委員会は、会計監査人の監査計画の内容、品質管理体制の整備状況、会計監査の職務遂行状況等を確認し、監査報酬の見積等の算出根拠、算定内容につき分析・検討した結果、会計監査人の報酬等につき妥当であると判断し、会社法第399条第1項の同意を行いました。