半期報告書-第121期(2026/03/01-2027/02/28)
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間(2026年3月1日~2026年8月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や企業収益を背景に緩やかな回復基調で推移した一方、地政学的リスク、原材料・エネルギー価格の変動、為替・金融資本市場の動向などにより、先行きには不透明感が残る状況となりました。
このような経営環境のもと、当社グループは、創業100年超にわたり培ってきた試験・計測技術を基盤として、CAE(Computer Aided Engineering)・AI・デジタルツイン技術との融合を進め、製品販売にとどまらない高付加価値なソリューション・サービスの提供拡大に取り組んでおります。グループ各社の技術・人材・顧客基盤を有機的に連携させることで、収益力の向上と持続的な企業価値向上を目指しております。
加えて、政府が掲げる成長戦略に関連する分野のうち、AI・半導体、造船、航空・宇宙、資源・エネルギー安全保障・GX、防災・国土強靱化、マテリアル等は、研究開発・品質保証・安全性評価や高度な解析技術の重要性が高まる分野であります。当社グループは、こうした成長市場の動向を的確に捉え、当社の試験・計測技術およびASTOM R&D社のCAE・AI等のデジタル技術を活用できる事業領域を見極めながら、営業・技術提案の強化に取り組んでおります。
当中間連結会計期間は、主力の試験機事業が前年同期を上回って推移したことに加え、デジタル事業では受託開発を中心に売上が拡大しました。一方、エンジニアリング事業は主要顧客の設備投資動向の影響を受け、減収となり営業損失を計上しました。
試験機事業では、開発・設計から製造、据付、保守・校正まで一貫して提供できる体制と、個別ニーズに応えるカスタマイズ対応力を強みに受注・売上の拡大に取り組みました。また、持分法適用関連会社である㈱ZR東京衡機サービスについては、同社の親会社である㈱ツビックローエルとの戦略的連携を深め、当社グループ製試験機に加え、ZwickRoell SE社製品の日本市場におけるアフターサービスの充実・拡大を進めております。今後は、既存の自動車、鉄鋼、重工業、鉄道等に加え、エネルギー、次世代モビリティ、先端材料その他高度な安全性・品質評価が求められる分野に対しても、当社グループの試験・計測技術を活かした提案機会の拡大を図ってまいります。
エンジニアリング事業では、高速道路・橋梁・電力設備等の社会インフラ分野を中心に、ゆるみ止めナット・スプリング等の特長ある製品の拡販に取り組みました。当中間連結会計期間は主要顧客の設備投資動向の影響により売上高が前年同期を下回りましたが、新規販売ルートの開拓、既存顧客への深耕営業および収益性を重視した受注活動を継続し、収益基盤の立て直しに取り組んでおります。
足元の業績改善に向けては、社会インフラ分野に加え、電力・鉄塔等の市場への提案活動を強化するとともに、グループ各社が有する顧客基盤を活用したクロスセルを進めております。また、製品販売にとどまらず、既設製品の点検・修理・交換部品等のアフターサービス需要の取り込み、規格品・在庫品の販売チャネル拡充、外注先を含む調達・製造コストの見直し等を進め、売上拡大と収益性改善の両面から事業基盤の再構築に取り組んでおります。
デジタル事業では、ASTOM R&D社が有するCAE解析技術、AI技術およびシミュレーション技術を活用し、商品販売・保守、受託開発等の既存事業を拡大するとともに、試験機事業とのシナジー創出を推進しております。第1四半期から継続して、試験機による実測データとCAE解析を融合したデジタルツインソリューションなど高付加価値分野への展開を進め、試験機とデジタル技術を融合した新たな付加価値の創出に取り組んでおります。
また、製造業の開発現場では、実機・実測データとデジタル空間上の解析・予測を組み合わせる技術の重要性が高まっております。当社グループは、試験機が生み出す実測データとASTOM R&D社のCAE・AI技術を組み合わせることで、設計・解析から試験・評価までの開発プロセスにおける顧客課題の解決に資するソリューションの高度化を進めております。
さらに、フィジカルAIを含む次世代技術の進展も見据え、当社グループが有するリアルとデジタル双方の技術・知見を活用した新たな事業機会の創出に取り組んでまいります。2026年8月にはフィジカルAI関連の新規事業として、生産工場ラインのデジタルツイン化、簡易高速構造解析、デジタルツインプラットフォームの活用を支援するコンサルティングの3テーマについて、技術検証およびPoC(概念実証)に向けた取組みを開始しております。製造業・エネルギー分野を中心に顧客課題への適用可能性を検証し、有望テーマの事業化につなげることで、グループの新たな収益機会の創出を目指しております。また、ASTOM R&D社が展開するドローン用テストベンチ「FFT GYRO」について、実機を用いた活用デモを公開するなど、ドローン開発・検証分野への技術展開も進めております。
以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高は2,452,624千円(前年同期比33.1%増)、営業利益は132,321千円(前年同期は1,229千円の営業利益)、経常利益は149,521千円(前年同期は13,807千円の経常損失)、親会社株主に帰属する中間純利益は76,309千円(前年同期は22,298千円の親会社株主に帰属する中間純損失)で増収となり、営業利益は前年同期を上回るとともに、経常利益及び親会社株主に帰属する中間純利益は黒字転換しました。
今後も、高付加価値製品・サービスの提供拡大、デジタル技術との融合およびグループシナジーの創出を通じて収益力の向上を図り、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。当社グループは、試験機事業を安定的な収益基盤として一層強化するとともに、デジタル事業を通じた高付加価値化、エンジニアリング事業の収益改善を進め、3事業の技術・顧客基盤を相互に活用することで、既存市場の深耕と成長市場への展開を両輪として売上・収益の拡大を目指してまいります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
①試験機事業
試験機事業では、重工業・鉄鋼・自動車等の主要顧客を中心に、当社グループのコア技術とカスタマイズ対応力が評価され、オーダーメイド製品の受注が堅調に推移しました。試験機製品の外部顧客への売上高は前年同期の1,056,886千円から1,454,184千円へ増加しました。一方、試験機修理の売上高は前年同期を下回ったものの、事業全体では増収となり、営業利益は前年同期を上回りました。ASTOM R&D社のCAE解析技術等との連携を通じ、開発・設計段階からの提案力を高め、高付加価値化を進めております。特に、社会インフラ、エネルギー、モビリティ、先端材料等では、安全性・信頼性の確保に向けた試験・評価ニーズが重要であることから、長年蓄積してきた試験・計測ノウハウと個別対応力を活かし、顧客の研究開発・品質保証プロセスに深く関与する提案型営業を強化してまいります。
以上の結果、試験機事業の売上高は1,885,642千円(前年同期比24.2%増)、営業利益は334,999千円(前年同期比21.2%増)となりました。
②エンジニアリング事業
エンジニアリング事業では、主要顧客の設備投資動向の影響を受け、締結部材の外部顧客への売上高が前年同期の225,596千円から183,643千円へ減少しました。減収および売上構成の変化により、前年同期の営業利益20,318千円から当中間連結会計期間は営業損失8,850千円となりました。今後は、新規販売ルートの開拓、既存顧客への深耕営業および原価・収益管理の徹底により、収益改善に取り組んでまいります。一方、社会インフラの維持・更新や電力関連設備等では、中長期的に安全性・信頼性を支える締結部材・ばね製品への需要が見込まれることから、重点市場への提案活動を強化しております。具体的には、電力・鉄塔・社会インフラ関連への販路拡大、当社グループの顧客ネットワークを活用した新規商談の創出、既設製品の点検・修理・交換部品等のアフターサービス需要の取り込み、規格品等の販売チャネル拡充に取り組んでおります。さらに、案件ごとの採算管理を徹底するとともに、仕入先・外注先を含めた原価低減を進め、受注量の確保だけでなく収益性を重視した事業運営への転換を図っております。大型案件については、受注・納入・検収時期を適切に管理し、着実な売上計上につなげるとともに、中長期の案件パイプラインの積み上げを進めてまいります。
以上の結果、エンジニアリング事業の売上高は183,643千円(前年同期比18.6%減)、営業損失は8,850千円(前年同期は20,318千円の営業利益)となりました。
③デジタル事業
2025年3月に子会社化したASTOM R&D社を中心とするデジタル事業では、売上計上が主に1~3月に集中する季節性のある収益を当中間連結会計期間では6か月分取り込んだことに加え、受託開発売上が248,300千円となりました。成長領域への具体的な取組みとして、2026年8月に公表したフィジカルAI関連新規事業では、生産工場ラインのデジタルツイン化、簡易高速構造解析、コンサルティングの3テーマについてミニ試作・技術検証を進め、顧客への価値提示を通じて有望テーマを絞り込み、PoC(概念実証)および事業化につなげる取組みを開始しております。特に、生産技術分野では㈱東京衡機試験機との協業も想定しており、試験・計測のリアルデータとASTOM R&D社のCAE・AI・デジタルツイン技術を組み合わせることで、製造業・エネルギー分野等における新たな顧客課題の解決と収益機会の創出を目指しております。
加えて、ドローン用テストベンチ「FFT GYRO」では、ドローン実機を安全に動作・評価できる環境を提供し、モータ故障シミュレーション、機体特性の同定、SITL連動飛行等の活用デモを公開するなど、ドローン開発・検証分野への技術展開を進めております。デジタル事業の外部顧客への売上高は379,038千円となり、セグメント間の内部売上高を含む売上高は402,078千円となりました。商品販売・保守、受託開発等の既存事業に加え、試験機事業との連携を進め、実測データとCAE解析を融合したデジタルツインソリューション等の高付加価値提案を通じて、収益機会の拡大に取り組んでおります。ASTOM R&D社単独の事業拡大に加え、㈱東京衡機試験機の実測・評価技術とCAE・AIを組み合わせることにより、グループとして提供できる価値の領域を拡張し、従来の製品販売・受託解析から、より高付加価値なソリューション・サービスへ展開していくことを目指しております。売上高の増加により、当中間連結会計期間は営業利益77,839千円へ改善しました。引き続き、試験・計測の実測データとCAE・AI等のデジタル技術を組み合わせたソリューションの開発・提案を進め、グループ全体の付加価値向上につなげてまいります。これらは現時点では技術検証・事業化に向けた取組みを含むものでありますが、既存のCAE・受託開発事業の拡大と並行して、グループの技術資産を活用した新規事業の創出を進め、中長期的な収益基盤の拡充を図ってまいります。
以上の結果、デジタル事業の売上高は402,078千円、営業利益は77,839千円となりました。
なお、デジタル事業の前中間連結会計期間における同社の損益は3か月分のみであり、前年同期との比較可能性が損なわれるため、前年同期比は記載しておりません。
(2) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末における総資産は4,957,685千円となり、前連結会計年度末に比べ79,557千円減少いたしました。
流動資産は3,432,632千円となり、前連結会計年度末に比べ221,893千円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が32,453千円、仕掛品が90,259千円増加した一方、受取手形及び売掛金が398,606千円減少したこと等によるものであります。
固定資産は1,522,029千円となり、前連結会計年度末に比べ139,312千円増加いたしました。これは主に、建物及び構築物が68,827千円、建設仮勘定が67,598千円増加したこと等によるものであります。また、社債発行費3,023千円を繰延資産として計上しております。
流動負債は1,534,489千円となり、前連結会計年度末に比べ61,207千円減少いたしました。これは主に、契約負債が198,966千円増加した一方、電子記録債務が278,249千円減少したこと等によるものであります。
固定負債は1,417,950千円となり、前連結会計年度末に比べ121,120千円減少いたしました。これは主に、社債が80,000千円増加した一方、長期借入金が195,478千円減少したこと等によるものであります。
純資産は2,005,244千円となり、前連結会計年度末に比べ102,770千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益の計上等により利益剰余金が76,309千円増加し、非支配株主持分が16,743千円増加したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の34.0%から36.1%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ14,453千円増加し、1,260,947千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローの増加は313,284千円(前年同期は426,299千円の増加)となりました。これは主に売上債権の減少574,774千円、棚卸資産の増加136,129千円、仕入債務の減少280,994千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローの減少は175,286千円(前年同期は104,089千円の減少)となりました。これは主に定期預金等の預入による支出18,000千円、有形固定資産の取得による支出155,247千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローの減少は123,544千円(前年同期は372,807千円の増加)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出211,228千円、社債の発行による収入100,000千円等によるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は次のとおりであります。
対処すべき課題
近年、顧客ニーズの高度化、国際競争の激化、そしてデジタル技術の急速な進展を背景に、従来の「製品販売中心のビジネスモデル」から「ソリューション・サービス型ビジネス」への抜本的な転換が不可欠となっており、2025年3月には、CAE分野に強みを持つASTOM R&D社を子会社化し、試験機とCAE解析を融合した新たなソリューションを提供できる体制を確立いたしました。これにより、グループ全体でのシナジー創出を実現し、技術・人材・顧客基盤の融合を通じて持続的成長を目指してまいります。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、5,937千円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間(2026年3月1日~2026年8月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や企業収益を背景に緩やかな回復基調で推移した一方、地政学的リスク、原材料・エネルギー価格の変動、為替・金融資本市場の動向などにより、先行きには不透明感が残る状況となりました。
このような経営環境のもと、当社グループは、創業100年超にわたり培ってきた試験・計測技術を基盤として、CAE(Computer Aided Engineering)・AI・デジタルツイン技術との融合を進め、製品販売にとどまらない高付加価値なソリューション・サービスの提供拡大に取り組んでおります。グループ各社の技術・人材・顧客基盤を有機的に連携させることで、収益力の向上と持続的な企業価値向上を目指しております。
加えて、政府が掲げる成長戦略に関連する分野のうち、AI・半導体、造船、航空・宇宙、資源・エネルギー安全保障・GX、防災・国土強靱化、マテリアル等は、研究開発・品質保証・安全性評価や高度な解析技術の重要性が高まる分野であります。当社グループは、こうした成長市場の動向を的確に捉え、当社の試験・計測技術およびASTOM R&D社のCAE・AI等のデジタル技術を活用できる事業領域を見極めながら、営業・技術提案の強化に取り組んでおります。
当中間連結会計期間は、主力の試験機事業が前年同期を上回って推移したことに加え、デジタル事業では受託開発を中心に売上が拡大しました。一方、エンジニアリング事業は主要顧客の設備投資動向の影響を受け、減収となり営業損失を計上しました。
試験機事業では、開発・設計から製造、据付、保守・校正まで一貫して提供できる体制と、個別ニーズに応えるカスタマイズ対応力を強みに受注・売上の拡大に取り組みました。また、持分法適用関連会社である㈱ZR東京衡機サービスについては、同社の親会社である㈱ツビックローエルとの戦略的連携を深め、当社グループ製試験機に加え、ZwickRoell SE社製品の日本市場におけるアフターサービスの充実・拡大を進めております。今後は、既存の自動車、鉄鋼、重工業、鉄道等に加え、エネルギー、次世代モビリティ、先端材料その他高度な安全性・品質評価が求められる分野に対しても、当社グループの試験・計測技術を活かした提案機会の拡大を図ってまいります。
エンジニアリング事業では、高速道路・橋梁・電力設備等の社会インフラ分野を中心に、ゆるみ止めナット・スプリング等の特長ある製品の拡販に取り組みました。当中間連結会計期間は主要顧客の設備投資動向の影響により売上高が前年同期を下回りましたが、新規販売ルートの開拓、既存顧客への深耕営業および収益性を重視した受注活動を継続し、収益基盤の立て直しに取り組んでおります。
足元の業績改善に向けては、社会インフラ分野に加え、電力・鉄塔等の市場への提案活動を強化するとともに、グループ各社が有する顧客基盤を活用したクロスセルを進めております。また、製品販売にとどまらず、既設製品の点検・修理・交換部品等のアフターサービス需要の取り込み、規格品・在庫品の販売チャネル拡充、外注先を含む調達・製造コストの見直し等を進め、売上拡大と収益性改善の両面から事業基盤の再構築に取り組んでおります。
デジタル事業では、ASTOM R&D社が有するCAE解析技術、AI技術およびシミュレーション技術を活用し、商品販売・保守、受託開発等の既存事業を拡大するとともに、試験機事業とのシナジー創出を推進しております。第1四半期から継続して、試験機による実測データとCAE解析を融合したデジタルツインソリューションなど高付加価値分野への展開を進め、試験機とデジタル技術を融合した新たな付加価値の創出に取り組んでおります。
また、製造業の開発現場では、実機・実測データとデジタル空間上の解析・予測を組み合わせる技術の重要性が高まっております。当社グループは、試験機が生み出す実測データとASTOM R&D社のCAE・AI技術を組み合わせることで、設計・解析から試験・評価までの開発プロセスにおける顧客課題の解決に資するソリューションの高度化を進めております。
さらに、フィジカルAIを含む次世代技術の進展も見据え、当社グループが有するリアルとデジタル双方の技術・知見を活用した新たな事業機会の創出に取り組んでまいります。2026年8月にはフィジカルAI関連の新規事業として、生産工場ラインのデジタルツイン化、簡易高速構造解析、デジタルツインプラットフォームの活用を支援するコンサルティングの3テーマについて、技術検証およびPoC(概念実証)に向けた取組みを開始しております。製造業・エネルギー分野を中心に顧客課題への適用可能性を検証し、有望テーマの事業化につなげることで、グループの新たな収益機会の創出を目指しております。また、ASTOM R&D社が展開するドローン用テストベンチ「FFT GYRO」について、実機を用いた活用デモを公開するなど、ドローン開発・検証分野への技術展開も進めております。
以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高は2,452,624千円(前年同期比33.1%増)、営業利益は132,321千円(前年同期は1,229千円の営業利益)、経常利益は149,521千円(前年同期は13,807千円の経常損失)、親会社株主に帰属する中間純利益は76,309千円(前年同期は22,298千円の親会社株主に帰属する中間純損失)で増収となり、営業利益は前年同期を上回るとともに、経常利益及び親会社株主に帰属する中間純利益は黒字転換しました。
今後も、高付加価値製品・サービスの提供拡大、デジタル技術との融合およびグループシナジーの創出を通じて収益力の向上を図り、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。当社グループは、試験機事業を安定的な収益基盤として一層強化するとともに、デジタル事業を通じた高付加価値化、エンジニアリング事業の収益改善を進め、3事業の技術・顧客基盤を相互に活用することで、既存市場の深耕と成長市場への展開を両輪として売上・収益の拡大を目指してまいります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
①試験機事業
試験機事業では、重工業・鉄鋼・自動車等の主要顧客を中心に、当社グループのコア技術とカスタマイズ対応力が評価され、オーダーメイド製品の受注が堅調に推移しました。試験機製品の外部顧客への売上高は前年同期の1,056,886千円から1,454,184千円へ増加しました。一方、試験機修理の売上高は前年同期を下回ったものの、事業全体では増収となり、営業利益は前年同期を上回りました。ASTOM R&D社のCAE解析技術等との連携を通じ、開発・設計段階からの提案力を高め、高付加価値化を進めております。特に、社会インフラ、エネルギー、モビリティ、先端材料等では、安全性・信頼性の確保に向けた試験・評価ニーズが重要であることから、長年蓄積してきた試験・計測ノウハウと個別対応力を活かし、顧客の研究開発・品質保証プロセスに深く関与する提案型営業を強化してまいります。
以上の結果、試験機事業の売上高は1,885,642千円(前年同期比24.2%増)、営業利益は334,999千円(前年同期比21.2%増)となりました。
②エンジニアリング事業
エンジニアリング事業では、主要顧客の設備投資動向の影響を受け、締結部材の外部顧客への売上高が前年同期の225,596千円から183,643千円へ減少しました。減収および売上構成の変化により、前年同期の営業利益20,318千円から当中間連結会計期間は営業損失8,850千円となりました。今後は、新規販売ルートの開拓、既存顧客への深耕営業および原価・収益管理の徹底により、収益改善に取り組んでまいります。一方、社会インフラの維持・更新や電力関連設備等では、中長期的に安全性・信頼性を支える締結部材・ばね製品への需要が見込まれることから、重点市場への提案活動を強化しております。具体的には、電力・鉄塔・社会インフラ関連への販路拡大、当社グループの顧客ネットワークを活用した新規商談の創出、既設製品の点検・修理・交換部品等のアフターサービス需要の取り込み、規格品等の販売チャネル拡充に取り組んでおります。さらに、案件ごとの採算管理を徹底するとともに、仕入先・外注先を含めた原価低減を進め、受注量の確保だけでなく収益性を重視した事業運営への転換を図っております。大型案件については、受注・納入・検収時期を適切に管理し、着実な売上計上につなげるとともに、中長期の案件パイプラインの積み上げを進めてまいります。
以上の結果、エンジニアリング事業の売上高は183,643千円(前年同期比18.6%減)、営業損失は8,850千円(前年同期は20,318千円の営業利益)となりました。
③デジタル事業
2025年3月に子会社化したASTOM R&D社を中心とするデジタル事業では、売上計上が主に1~3月に集中する季節性のある収益を当中間連結会計期間では6か月分取り込んだことに加え、受託開発売上が248,300千円となりました。成長領域への具体的な取組みとして、2026年8月に公表したフィジカルAI関連新規事業では、生産工場ラインのデジタルツイン化、簡易高速構造解析、コンサルティングの3テーマについてミニ試作・技術検証を進め、顧客への価値提示を通じて有望テーマを絞り込み、PoC(概念実証)および事業化につなげる取組みを開始しております。特に、生産技術分野では㈱東京衡機試験機との協業も想定しており、試験・計測のリアルデータとASTOM R&D社のCAE・AI・デジタルツイン技術を組み合わせることで、製造業・エネルギー分野等における新たな顧客課題の解決と収益機会の創出を目指しております。
加えて、ドローン用テストベンチ「FFT GYRO」では、ドローン実機を安全に動作・評価できる環境を提供し、モータ故障シミュレーション、機体特性の同定、SITL連動飛行等の活用デモを公開するなど、ドローン開発・検証分野への技術展開を進めております。デジタル事業の外部顧客への売上高は379,038千円となり、セグメント間の内部売上高を含む売上高は402,078千円となりました。商品販売・保守、受託開発等の既存事業に加え、試験機事業との連携を進め、実測データとCAE解析を融合したデジタルツインソリューション等の高付加価値提案を通じて、収益機会の拡大に取り組んでおります。ASTOM R&D社単独の事業拡大に加え、㈱東京衡機試験機の実測・評価技術とCAE・AIを組み合わせることにより、グループとして提供できる価値の領域を拡張し、従来の製品販売・受託解析から、より高付加価値なソリューション・サービスへ展開していくことを目指しております。売上高の増加により、当中間連結会計期間は営業利益77,839千円へ改善しました。引き続き、試験・計測の実測データとCAE・AI等のデジタル技術を組み合わせたソリューションの開発・提案を進め、グループ全体の付加価値向上につなげてまいります。これらは現時点では技術検証・事業化に向けた取組みを含むものでありますが、既存のCAE・受託開発事業の拡大と並行して、グループの技術資産を活用した新規事業の創出を進め、中長期的な収益基盤の拡充を図ってまいります。
以上の結果、デジタル事業の売上高は402,078千円、営業利益は77,839千円となりました。
なお、デジタル事業の前中間連結会計期間における同社の損益は3か月分のみであり、前年同期との比較可能性が損なわれるため、前年同期比は記載しておりません。
(2) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末における総資産は4,957,685千円となり、前連結会計年度末に比べ79,557千円減少いたしました。
流動資産は3,432,632千円となり、前連結会計年度末に比べ221,893千円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が32,453千円、仕掛品が90,259千円増加した一方、受取手形及び売掛金が398,606千円減少したこと等によるものであります。
固定資産は1,522,029千円となり、前連結会計年度末に比べ139,312千円増加いたしました。これは主に、建物及び構築物が68,827千円、建設仮勘定が67,598千円増加したこと等によるものであります。また、社債発行費3,023千円を繰延資産として計上しております。
流動負債は1,534,489千円となり、前連結会計年度末に比べ61,207千円減少いたしました。これは主に、契約負債が198,966千円増加した一方、電子記録債務が278,249千円減少したこと等によるものであります。
固定負債は1,417,950千円となり、前連結会計年度末に比べ121,120千円減少いたしました。これは主に、社債が80,000千円増加した一方、長期借入金が195,478千円減少したこと等によるものであります。
純資産は2,005,244千円となり、前連結会計年度末に比べ102,770千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益の計上等により利益剰余金が76,309千円増加し、非支配株主持分が16,743千円増加したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の34.0%から36.1%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ14,453千円増加し、1,260,947千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローの増加は313,284千円(前年同期は426,299千円の増加)となりました。これは主に売上債権の減少574,774千円、棚卸資産の増加136,129千円、仕入債務の減少280,994千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローの減少は175,286千円(前年同期は104,089千円の減少)となりました。これは主に定期預金等の預入による支出18,000千円、有形固定資産の取得による支出155,247千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローの減少は123,544千円(前年同期は372,807千円の増加)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出211,228千円、社債の発行による収入100,000千円等によるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は次のとおりであります。
対処すべき課題
近年、顧客ニーズの高度化、国際競争の激化、そしてデジタル技術の急速な進展を背景に、従来の「製品販売中心のビジネスモデル」から「ソリューション・サービス型ビジネス」への抜本的な転換が不可欠となっており、2025年3月には、CAE分野に強みを持つASTOM R&D社を子会社化し、試験機とCAE解析を融合した新たなソリューションを提供できる体制を確立いたしました。これにより、グループ全体でのシナジー創出を実現し、技術・人材・顧客基盤の融合を通じて持続的成長を目指してまいります。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、5,937千円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。