有価証券報告書-第162期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/23 12:46
【資料】
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【項目】
152項目
31.後発事象
(1) 退職給付信託の一部返還について
当社は、将来の退職給付に備えることを目的として株式による退職給付信託を設定していますが、近年、退職給付信託を含む制度資産が退職給付債務に対して大幅な積立超過の状況にあり、今後もその状況が継続することが見込まれるため、退職給付信託の一部返還を受けました。なお、当連結会計年度(2023年3月期)に当該退職給付信託へ拠出した株式の一部が売却されています。
①当該事象の発生年月日
2023年4月20日
②返還日
2023年4月28日
③返還額
35,000百万円
④当該事象による影響
返還に伴い、2024年3月期の連結損益計算書への影響はありません。なお、連結財政状態計算書においては現金及び現金同等物が35,000百万円増加し、退職給付に係る資産が35,000百万円減少する見込みです。
(2) ステアリング事業の「合弁契約書」の締結について
当社は、2023年5月12日に、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第参号投資事業有限責任組合(以下「JIS」)との間で、当社のステアリング事業をグローバルに統括する連結子会社であるNSKステアリング&コントロール株式会社(以下「NS&C」)がJISを割当予定先としてNS&Cの議決権の50.1%に相当する種類株式を第三者割当の方法により発行すること(以下「本第三者割当」)、当社及びJISがNS&Cを共同運営すること、並びに、本第三者割当の実行に先立ち、NS&Cが当社に対して特別配当を行うこと(以下、本第三者割当及び特別配当の一連の取引を総称して「本取引」)等を内容とする契約(以下「本契約」)を締結しました。本取引に伴い、NS&Cを含むステアリング事業の連結子会社は当社の連結対象から外れ、持分法適用会社となる予定です。
①本契約の背景・目的
近年、自動車業界は100年に一度と言われる大きな変革の中にあります。そして、新型コロナウイルス感染症の拡大、半導体等部材のサプライチェーン問題、ウクライナ情勢を含む地政学的リスク、更には、世界的なインフレも加わり、極めて困難な事業環境が続いています。当社は、そのような環境下で、2022年5月13日に公表した『中期経営計画2026』のとおり、ステアリング事業の業績回復に向けた事業構造改革を推し進め、同時並行で、外部パートナーとの提携等についても検討を進めてきました。その結果、当社はNS&Cに係る本契約をJISとの間で締結することを決定しました。
JISは、自動車部品を含む複数の日本の製造業において経営改善の実績と経験を持ち、それらを踏まえた知見や情報ネットワークを有しています。当社としましては、先行きが不確実な事業環境の中で、ステアリング事業の改善施策を、これまで以上に可及的速やかに進めるには、このタイミングでJISをパートナーとすることが、最適という判断に至りました。具体的には、以下を含む様々な施策の検討をJISと共に進めていきます。
•収益性改善に向けた更なる構造改革の推進
•スタンド・アローン化の推進(ガバナンス構造・プロセスの見直し)
•ストラテジック・パートナーとのアライアンスの検討
•モニタリング体制の強化
②本契約の取引の概要
NS&Cは、第三者割当の方法により種類株式(以下「本種類株式」)10,041株(注)を発行し、その全株式をJISが、20,000百万円で引き受ける予定です。本第三者割当の実行に先立ち、NS&Cは当社に対して、特別配当を実施することを予定しています。本取引の結果、NS&Cの株主構成及びその保有比率は次のとおりとなります。なお、所定の条件を満たした場合、本取引によりJISが引き受けた本種類株式を当社が買い取ることがあります。また、当社は、現時点では上記のとおり本取引において本第三者割当を実行することを予定していますが、市場環境の大幅な変化等により、本第三者割当の実行が当社業績に大きな影響を与える恐れが生じた場合には、JISの合意を得た上で、本第三者割当に代えて、NS&Cが発行する本種類株式10,041株のすべてを一旦当社が引き受けた上で、その本種類株式のすべてを当社からJISに対して譲渡する取引を行う可能性があります(この場合も株主構成及び保有比率は同様です)。
当社:49.9%
JIS: 50.1%
(注)株主総会及び本種類株式の株主のみを構成員とする種類株主総会のいずれにおいても、本種類株式の株主は
1株につき1個の議決権を有します。
本取引の結果、NS&Cを含むステアリング事業の連結子会社は当社の持分法適用会社となる予定ですが、当社は引き続き株主として、NS&Cの持続的な成長と企業価値の向上をサポートしていく方針です。なお、2024年3月期より、ステアリング事業を非継続事業に分類する予定です。これにより、非継続事業からの利益は、連結損益計算書上、継続事業と区分して表示する予定です。本取引実行以降は、持分法適用会社として開示される予定です。また、2024年3月期よりステアリング事業の資産、負債を売却目的保有に分類する予定です。
③異動(本取引の実行)の日程
2023年7月3日(予定)
④今後の見通し及び業績に与える影響
本取引が、当社の連結業績に与える影響については、現在精査中です。なお、本取引の一環として行われる予定の特別配当は、資本剰余金を原資として行われる資本取引であるため、損益に対する影響は軽微です。
<参考情報>2023年3月期のステアリング事業実績
売上高 161,300百万円
(3) 自己株式の取得について
当社は、2023年5月12日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項について決議しました。
①自己株式の取得を行う理由
株主還元の充実及び資本効率の向上のため
②取得に係る事項の内容
取得対象株式の種類: 当社普通株式
取得し得る株式の総数: 25百万株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合4.8%)
株式の取得価額の総額: 22,000百万円(上限)
取得期間: 2023年5月15日~2023年6月30日
取得方法: 東京証券取引所における市場買付
(自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付けを含む)
③取得結果
当該決議に基づく自己株式の取得は、2023年6月16日に終了しました。
取得対象株式の種類: 当社普通株式
取得した株式の総数: 25,000,000株
株式の取得価額の総額: 21,712,533,110円
取得期間: 2023年5月15日~2023年6月16日
取得方法: 東京証券取引所における市場買付
(自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付けを含む)