有価証券報告書-第163期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 15:07
【資料】
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【項目】
162項目
③戦略
企業理念を実現し、社会課題解決への貢献とNSKグループの持続的成長を両立していくためには、多様な人材の活躍が不可欠です。当社は「人材方針」で、経営姿勢で謳う「社員一人ひとりの個性と可能性を尊重する」(注)ことを明確にするとともに、従業員一人ひとりが企業の貴重な財産であるという考えに基づき、「多様な人材の活用」「成長に資する機会と場の提供」「いきいきと働き続ける職場づくり」という3つの柱で公平で個を活かす活力ある職場づくりを掲げています。
『中期経営計画2026』の経営課題の一つである「経営資源の強化」の主要施策の一つが「人的資本の価値最大化」です。経営戦略を確実かつタイムリーに実行していくためには、明確なKPIを伴った人材戦略との連動が不可欠です。当社は人的資本の価値の最大化は、多様な人材一人ひとりが個性を最大限に発揮し、さらには可能性を広げ成長し続けられる状態が生み出されることによって実現できると考えており、次の目指すべき3つの姿を掲げて取り組みを推進しています。
(注)社員とは、NSKグループで働くすべての人を指します。

1.多様な人材が集まる会社
当社の人材戦略のキードライバーは多様性です。性別、性自認・性的指向、年齢、国籍、生活様式、価値観、キャリア(知見・経験)など、多様なバックグラウンドを持った従業員がそれぞれの力を発揮し、互いに刺激し合うことで、新たな視点や考え方、アイデアが生まれ、競争力の強化やリスクの回避にも繋がっていくと考えています。特に意思決定層における多様性を重要視するとともに、女性活躍推進を経営課題の一つと捉え、各階層で取り組みを進めています。2023年からは若手女性社員が事業所を超えて先輩社員(ロールモデル)に話を聞き、それを記事として社内に発信する取り組みを開始しました。女性の係長層やその候補層を対象にしたキャリア・アドバンスメント研修も継続して実施しており、キャリア形成を支援しています。
2.多様な人材がスキル/能力を伸ばし成長できる会社
働き方やキャリアに対する考え方は多様化し、個々人の自律志向が拡大しています。個の成長・自己実現と企業の成長の相関関係が強くなり、従業員と企業は選び、選ばれる、より対等な関係になってきています。当社では、まず管理職を対象に、ロール型人事制度の導入に向けた準備を進めています。ロール型人事制度とは、従業員一人ひとりが担う役割や責任を明確にし、自らが能動的に未来志向の高い目標の達成に向けて挑戦することを求めていく人事制度です。個々の役割を「ロールディスクリプション(役割記述書)」として人材要件を明確にすることで、従業員は個々のキャリアを描きやすくなり、一人ひとりが自身の成長に向け、「自分で考え、自分で行動する」ことが可能になります。
また、早期育成施策としての若手育成ローテーションから始まり、経営人材候補を継続的に輩出するキャリア開発プログラムを構築しています。基幹ポストへの登用に関しては、人材委員会を最上位機関として、経営人材の後継者計画及び人材投資計画を承認しています。基幹ポストの定義を明確化することで、グローバルに融和性のある後継者管理を実現し、海外人材を含めた年齢、性別、国籍を問わない人材抜擢や戦略的登用を実施しています。
加えて、事業ポートフォリオ及び収益構造の転換のため、DXを推進しており、その中心となるデジタル人材の育成を進めています。デジタル変革本部が中心となり全社的な研修を実施、2023年にはレベル別に設けた育成プログラムの種類を増やし、より実践的なトレーニングや専門チームのハンズオン支援による現場適用を進めています。
3.安全で健全な職場
従業員のこころとからだの健康は事業活動の全ての基盤です。2022年に効果指標や経営課題への結びつきを可視化し、より効果的に施策を推進するため、健康経営戦略マップを見直しました。さらに、「健康宣言」、「健康取組3本柱」なども一部見直し、取り組みをステップアップさせています。健康意識向上のため、eラーニングや健康フェア、ストレスチェック後の組織診断結果説明会、禁煙推奨デーの呼び掛けなど、様々な活動を継続的に実施しています。また、これら施策の進捗や成果の第三者評価として、健康経営優良法人(ホワイト500)の認定継続を目標にしています。
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