訂正有価証券報告書-第73期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2022/06/27 9:09
【資料】
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【項目】
151項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「創造:工夫による前進と誇りうる品質のために創造しましょう。奉仕:顧客の利益と住みよい社会の建設のために奉仕しましょう。協力:私達の幸福と堅い心の結びつきのために協力しましょう。」という経営理念の実現を事業目的とし、「世界に、そして未来に誇れる企業を目指して」をビジョンとして掲げております。
また、当社グループは、「世界に、そして未来に誇れる企業」となるために、「企業が社会や人との調和の中に生かされている存在」との認識のもと、地域社会・国際社会発展への貢献と地球環境の保全に役立つ事業活動を推進し、全てのステークホルダーの期待に応え、企業価値を最大化することを経営方針としております。(タダノグループ「CSR憲章より」)
(2) 経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、設備投資や輸出は低迷し、景気は極めて厳しい状況が継続しました。海外においても、新型コロナウイルスの感染の再拡大や点在する地政学的リスクもあり、景気は引き続き極めて厳しい状況となっております。
私どもの業界は、日本では、2020年4月の緊急事態宣言発令に伴う建設工事中断等により需要は減少、その後稼働率は持ち直しつつあるものの、回復には至りませんでした。海外では、各国政府のロックダウン等の影響を受け、すべての地域で需要が減少、本格的な回復時期については不透明な状況が続いています。
このような経営環境の中、当社グループは、売上確保に努める一方、徹底的な諸経費削減、たな卸資産の適正化に取り組みました。
また、2020年10月8日、ドイツ子会社タダノ・デマーグGmbHとタダノ・ファウンGmbHが、現地法に基づく事業再生手続きを進めることを決定し、現地裁判所に手続きを申請しました。その後、2020年12月23日に再生計画を提出し、2021年3月31日をもって現地裁判所から最終承認をいただき、公的支援である防護的保全手続き(Protective Shield Proceeding)が終了いたしました。なお、再生計画の実行にあたり、欧州事業の司令塔となるタダノ・ヨーロッパ・ホールディングスGmbHは2021年1月から事業を開始しております。今後は再生計画に沿って欧州事業の再生をスピーディに進め、タダノグループの長期成長につなげたいと考えております。
2020年に入って以降、世界的な広がりを見せている新型コロナウイルス感染症は、経済及び事業活動に広範な影響を与える事象であり、当社グループの経営環境もその影響を大きく受けております。
なお、2020年1月から2021年3月までの建設用クレーンの地域別需要については、次のとおりであります。
【建設用クレーン地域別需要(対前年同期比)】
地域2020年2021年
1-3月4-6月7-9月10-12月1-3月
日本-7%-24%-39%+13%-24%
中東-12%-28%-42%-4%-14%
北米-16%-47%-47%-46%-25%
欧州-9%-23%-7%-24%-15%
中南米-15%-34%-44%-12%+24%
アジア-1%-26%-43%-21%-15%
その他-16%+5%-22%-1%+47%

※上の表に中国およびクローラクレーンは含んでおりません。
また、2021年4月末現在での地域別の足許の状況については、次のとおりであります。
【地域別の足許の状況】
地域足許の状況
日本大型工事を中心に稼働は順調だが、一部コロナ影響による工事の延期なども発生。全体として商談は増加傾向。
中東各国でのワクチン接種開始、原油価格の回復による資源関係大型プロジェクトの発表等から、需要回復を期待。
米国バイデン政権による経済対策や原油価格回復を背景にしたクレーン稼働上昇もあり、市場マインド回復の兆し。


地域足許の状況
欧州EUによる景気刺激策などで市場マインドは回復の兆し。域内のコロナ感染状況は国により乖離が大きく回復はまだら模様。
アジアインフラプロジェクトに絡む需要増が期待されたインドネシア及びフィリピンにおいて、未だ感染拡大に歯止め掛からず、本格回復への兆しは見えない。
その他豪州:経済対策プロジェクト及び天然資源価格上昇により稼働堅調。

(3) 中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標と対処すべき課題
当社グループは、2008年度以降、事業領域を「抗重力・空間作業機械=Lifting Equipment(LE)」と定め、「LE世界No.1」・「海外売上比率80%」・「安定的高収益企業(平時の営業利益率20%)」の3つを長期目標としております。
世界の人口動態を考えれば、LE業界は長期的には成長産業であり、今後のポテンシャルは高いと考えております。しかしながら、短中期的には市場変動が激しい事業特性を有しています。
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するために、3年毎に中期経営計画を策定しており、2020年4月に「中期経営計画(20-22)」を発表しました。しかし、数値目標については、新型コロナウイルスの感染拡大が事業活動及び経営成績に与える影響により、適正かつ合理的な算定が困難であることから、開示しておりませんでした。
このような状況の中、コロナ禍での経営環境の変化が収束後も大きな影響を与えることを見据え、「中期経営計画(21-23)」として見直すこととしました。
2021年度をスタートとする「中期経営計画(21-23)」は『誇れる企業を目指して、赤い矢印に集中』『「目の前の闘い」と「時代との闘い」を同時に制する』を基本方針として、5つの重点テーマ実現のために、9つの戦略に取り組んでまいります。
・「誇れる企業」とは、「強靭な企業であること」、「進化し続ける企業であること」、「顧客と社会のお役に立てる企業であること」、「世の中から支持される企業であること」そして、「社員が誇りを持てる企業であること」この5つを満たす企業です。
・当社グループでは、「市場:需要・為替(=青い矢印)」というコントロールできない環境の中で、事業に対する「自助努力(=赤い矢印)」に集中し、これに「投資(=黄色い矢印)」の成果を加えたものが、「業績(=黒い矢印)」と位置付けております。「中期経営計画(21-23)」では、「誇れる企業」になるために「赤い矢印」に集中することを基本方針としたものです。
・「目の前の闘い」とは、足許の景気経済や需要変動に対応し乗り越えていくこと、競合他社との競争に打ち勝つことです。また、「時代との闘い」とは、高速・複雑・極端に変化する「変化の時代」の中で、技術革新や需要構造の変化に対応することです。技術的には急速に広がるIoTやAIの活用への対応、電動化・自動化への対応が必要であり、需要構造においては、大型化、世界的な化石燃料からクリーンエネルギー(風力等)へのシフトが進む中、クレーン業界の需要構造の変化にも対応していく必要があります。この「目の前の闘い」と「時代との闘い」を同時に制し続けていくことにより、企業として持続的に成長し、企業価値を高めていきたいと考えています。
・重点テーマ
①グループシナジー最大化
②耐性アップ
③競争力強化
④ESG・SDGs推進
⑤DX・GX への取組み
・戦略
①市場ポジションアップ
②四拍子強化
③グローバル&フレキシブルものづくり
④ライフサイクル価値の向上
⑤電動化と AI の実用化
⑥財務体質健全化
⑦グループ&グローバル経営基盤の強化(欧州事業再建とインド事業育成)
⑧DX・GX への取組み
⑨人財活用
(4) 優先的に対処すべき課題
①グループシナジー最大化
グループシナジー最大化へのキーワードとして、当社グループでは「ONE TADANO」を掲げております。「ONE TADANO」とは、「グループ全体が共通の価値観を持った一つのチームになる」ということです。世界の様々な地域で、ローカルでの活動を強化する中で、グループとして統一した理念・価値・方針をしっかり共有・実践し、グループの総合力が十二分に発揮できるよう各自が考え、一つになることが重要となります。価値感の共有、課題・ゴールの共有、仕事の仕方の共有、部門最適ではなく全体最適での判断と行動、グループ会社間のシナジー発揮等、この「ONE」にはグループ全員が一丸となって世界各地で戦っていこうという思いがこめられております。
②耐性アップ
外部環境、市場、具体的には需要・為替・原油価格がジグザグ走行することに耐えられるだけの企業にならなければなりません。タダノグループが目指す「翌期に需要が半減しても利益が出せる会社」からはまだ程遠い状況にあります。「ふところ深く」「身軽に」「柔軟性」「分散」「俊敏」「質の向上」の6つの鍵の一つひとつに、具体的な取組みを行います。その総和がタダノグループの耐性を高め、黒い矢印をなだらかに、かつ右肩上がりにしてくれるものと考えております。
③競争力強化
競争は相対的なものです。競合メーカーよりも付加価値の高い商品・サービスを提供し、顧客に選ばれる・選ばれ続けるメーカーになる必要があります。そのために「商品力・製品品質・部品を含めたサービス力・中古車流動性」の四拍子そろったメーカーとなり、価格競争に巻き込まれることなくシェアを拡大していけるようになりたいと考えております。
特に、製品品質とサービス力はタダノのコアコンピタンス。その前後を商品力と中古車流動性の二つで挟み込みたいと考えています。四拍子のそれぞれが、磨き込み・獲得に長期の時間を要します。だからこそ四拍子がバランスよく揃うことにより、強い競争力を持てることになると考えます。
一方で、四拍子そろったメーカーを目指す中で、競合他社との相対的な競争に注力しすぎて、気が付いたら世の中の流れから取り残されていたということがないよう留意しておく必要があります。競合メーカーとの競争に打ち勝つと共に時代との競争も制していかなければならないと考えております。
④ESG・SDGs推進
当社グループは「次なる100年」を見据え、「誇れる企業」を目指して、企業活動のアウトプットである製品・サービスを中心に、「創る・造る・届ける・サービスする」というバリューチェーンを通じて、持続可能な環境・社会づくりに貢献していきます。2020年度においては、グループの活動推進を統括する「SDGs推進委員会」と実行専任組織である「SDGs推進グループ」を新設し、タダノグループとしてSDGsの各ゴールへどのように貢献していくのか、具体的な検討を開始しております。
なお、ESG・SDGs推進に際し、当社グループとして「2050年カーボンネットゼロ」を目指し、その過程として、「2019年度比で、2030年に事業活動における CO2 排出量25%削減、製品における CO2 排出量35%削減、事業活動における産業廃棄物排出量50%削減」を長期環境目標とします。また「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明しております。
⑤DX・GX への取組み
DX・GXともに時代の大きな変化であり、これらに対応し企業として変革していかなければ、世の中に取り残され、企業として存続することができなくなります。まさに「時代との闘い」を制していくための取組みです。
タダノグループでは、Internal(内向き:社内目線での取組み)とExternal(外向き:ステークホルダー目線)の両面から、これらへの取組みを進めていく必要があると考えております。
具体的には、今後、デジタル・AI・通信技術を活用したソリューション提供と業務革新、電動化など環境に配慮した製品・サービスの展開、欧州技術研究所の設立などに取り組んでまいります。

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