有価証券報告書-第71期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 13:04
【資料】
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【項目】
152項目

対処すべき課題

当社グループの事業分野は、機械産業およびエレクトロニクス産業の世界的な成長に伴い、工作機械や半導体製造装置向けをはじめとした幅広い業種において需要は着実に拡大するものと見ております。さらに、地球温暖化防止という世界的な潮流を背景に、機械装置の小型化・省力化ニーズに応える製品群は、成長性の高い事業分野であると考えております。
当社グループといたしましては、軸受等の製造販売を通じて、世の中から信頼され、必要とされ、さらに存在感のある企業グループとして発展していくために2018年4月より3年間の「IKO中期経営計画2020(CHANGE & CHALLENGE ~Next Stage ―ACCOMPLISH―)」を策定いたしました。持続的な成長と収益構造の強化に向け、今後高い成長性と収益性が見込まれる注力領域に経営資源を集中的に投入するとともに、当社グループのコア技術を最大限に活かした製品とサービス開発により、高い付加価値を世の中に提供してまいります。
(1) 販売活動につきましては、「お客様から真っ先に相談していただける会社」を目指し、お客様が抱える問題やビジョンをしっかりと理解したうえで、営業部門のみならず技術・製造・管理部門が協働してソリューションを提案できる販売体制を確立してまいります。特に、IoTやスマートファクトリーへの流れが加速するなか、市場のニーズは高度化・多様化していますが、ユニット製品等によるソリューション提案力を強化することでお客様へ提供する付加価値を高めてまいります。また、従来とは異なる新しい形でIKOブランドの高い技術力を発信し、グローバル市場での認知度向上に努め、より効率的・効果的に販売拡大できる体制を築いてまいります。
(2) 製品開発につきましては、IoT・ビッグデータ・AI・ロボット等、テクノロジーの進化による経済社会構造の変革が進むなか、産学官のオープンイノベーションも視野に入れ、新領域に向けた製品開発に注力し、新しい価値を社会に提供してまいります。同時に、世界各地域のニーズを見極め、お客様が求める価値観を共有し、当社グループの持つ高い技術力を駆使してお客様の視点に立った製品開発・市場開拓に取り組んでまいります。
(3) 生産活動につきましては、全社販売戦略に確実かつタイムリーに対応できる生産供給力の実現に向け、工程改善・自動化・新工法の確立に取り組み、生産改革を強力に推進してまいります。材料や部品等についても、最適なグローバル調達を実施するほか、設計規格の見直しやモジュール化等、上流からの抜本的な改革にも着手し改革の効果を高めてまいります。国内外生産拠点のそれぞれの利点を最大限に活かした最適地生産や的確な役割分担により、品質・価格・納期それぞれの面で競争力の強化を図ってまいります。
(4) 社会の信頼を得ながら、当社グループが引き続き発展するためには、法令遵守や社会貢献についての取り組みも重要な課題のひとつとして捉えております。環境面では、国際規格「ISO14001」に基づく保全活動の継続のほか、当社グループの環境保全への取り組みを象徴する「オイル・ミニマム(Oil Minimum)」をキーワードとした積極的な環境負荷低減製品の開発を推進しております。また、社会から信頼される体制整備のため、内部統制システムの整備・運用等を、引き続き推進してまいります。