有価証券報告書-第109期(2022/01/01-2022/12/31)

【提出】
2023/03/29 16:08
【資料】
PDFをみる
【項目】
152項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
① 企業理念「キッツ宣言」
当社は、ゆたかな地球環境と持続可能な未来を創造することが、社会に対して果たすべき使命であると考えています。そのために、創業以来培ってきた流体制御技術と材料開発をさらに磨き上げ、社会インフラを支え続けてまいります。
0102010_001.png
② 長期経営ビジョン『Beyond New Heights 2030 「流れ」を変える』
2030年にありたい姿
テクノロジー/ソリューション
・「流す」「止める」「絞る」のあらゆるニーズに、オンリーワンの技術とユーザーの
期待を超える提案力で挑戦し続ける
コアビジネス/成長ビジネス
・情報化社会、サステナブル社会に向けて、コアビジネスの基盤を強化し、同時に
成長ビジネスへの参入を、リスクを恐れず加速させる
事業を通じた環境保全
・環境にやさしい商品・材料の開発や製造プロセスを追求し、持続可能な未来に
貢献することにより、社会から信頼される
多様な人財の活躍
・性別、年齢、国籍、文化等を超えて、社員一人ひとりがプロフェッショナルとして、
最高のパフォーマンスでいきいきと働いている
③ 行動指針「Do it KITZ Way」
Do it True (誠実・真実)
Do it Now (スピード・タイムリー)
Do it New (創造力・チャレンジ)
(2)経営戦略等
①長期経営ビジョン『Beyond New Heights 2030「流れ」を変える』
イ.目指す経営構造と定量目標
2030年に向けて、定量目標としては、平均売上高成長率4%以上・ROE(自己資本利益率)10%以上を目標に、2030年度には連結売上高2,000億円規模、親会社株主に帰属する当期純利益100億円規模を達成する会社を目指します。
その定量目標を達成するために、コア事業を基盤とした成長領域へビジネス領域を拡張させるとともに、成長と投資収益性を重視した両利き経営の経営構造を目指します。
0102010_002.png
ロ.ビジネス領域
コア事業と成長分野で収益をあげられる両利きの経営を目指す
○デジタル化・脱炭素化を背景とした成長分野・地域への積極的リソースの投入
○投下資本収益性(ROIC)を重視した事業展開
0102010_003.png
ハ.サステナビリティ経営への取り組み
長期経営ビジョンでは、サステナビリティ経営を経営戦略の中核に据えています。2021年12月には、取締役会で決議のうえ、全社サステナビリティ推進委員会を設立しました。サステナビリティ経営重点テーマやKPI(重要業績評価指標)をグループ全体で共有し、目標達成に向けた進捗管理を行い、グループ全社員が一丸となって事業を通じた社会課題の解決に取り組むとともに、企業として非財務情報のパフォーマンス向上及び積極的な情報開示に努めてまいります。
■サステナビリティ基本方針とサステナビリティスローガン
サステナビリティ経営の拠り所となるサステナビリティ基本方針を新たに策定し、2021年12月の取締役会で決議いたしました。サステナビリティスローガンは、変化の激しい世の中において変わること及び守ることの重要性を意識し実践していくための社員の道しるべです。
●サステナビリティ基本方針
キッツグループは、企業理念である「キッツ宣言」の実現に向けて
1.事業を通じた社会課題の解決に取り組み、企業価値と社会価値の向上を図る
2.効率的で、公正かつ透明性の高い企業経営を実現し、社会から信頼される企業となる
3.あらゆるステークホルダーとの対話により、強固な信頼関係を構築する
●サステナビリティスローガン
つくる未来 のこす未来 Create the Future/Preserve the Future
つくる未来
キッツグループは、「誠実」に行動し、そして「変革」を恐れずチャレンジし、地球と人にやさしい循環型社会の実現を目指して、新しい未来を創造します。
のこす未来
キッツグループは、限りある地球資源と人の暮らしを守り続け、私たちが次の世代にのこすことのできる社会の実現に努めます。
0102010_004.png
●サステナビリティ経営重点テーマ
サステナビリティ経営重点テーマ社会課題具体的取り組み2030年度定量目標SDGsとの
関わり
環境
(E)
カーボンニュートラル
資源循環
・脱炭素社会への移行
・資源の枯渇
・廃棄物の増加
環境長期ビジョン「トリプルゼロ」実現に向けた取り組み
①CO2ゼロ
②環境負荷ゼロ
・ウォーターニュートラル(節水、循環、涵養の推進)
・ゼロエミッション(3Rの推進、鋳物砂再生利用の推進他)
③リスクゼロ
・環境事故ゼロ(環境汚染)
・労働災害ゼロ(重大事故、休業度数率)
・火災事故ゼロ(火災、爆発事故)
CO2削減率 △90%
廃棄物埋立処分率1.0%未満
水資源排出量 △100% ※1
(2013年度比)
※1 バルブ等の製造に係る工程水を対象とする。
0102010_005.png0102010_006.png0102010_007.png0102010_008.png0102010_009.png0102010_010.png0102010_011.png
イノベーション・イノベーションによる経済成長
・脱炭素社会への移行
・水資源の枯渇
脱炭素/水素社会を支える流体制御技術の開発
環境負荷低減に貢献する材料や製品の開発
限りある水や流体に関する社会課題を解決する取り組み
社会
(S)
社員エンゲージメントの持続的向上・生産年齢人口の減少
・人権尊重
・多様な人財の活躍
・働きやすい制度、環境
・働きがいのある風土
企業理念・長期経営ビジョンの浸透化
D&Iの推進とコラボレーション文化の醸成
グローバル経営を支える人財育成と制度改革
社員がいきいきと働く職場環境の実現
社員エンゲージメントスコア※1
「働きがい」56pt
「働きやすさ」55pt
女性管理職比率 20%※2
総実労働時間 1,870時間
男性育児休業取得率 100%
※1 2024年度目標
※2 管理職:部門長職に就いている社員
0102010_012.png0102010_013.png0102010_014.png
持続可能なサプライチェーンの構築・自社を取り巻くサプライチェーンにおける責任CSR調達の重視
安定的な原材料や部品調達システムの構築
ガバナンス
(G)
コーポレート・ガバナンス
リスクマネジメント
コンプライアンス
・持続可能な企業経営
・企業の不正、不祥事
経営意思決定の更なる透明性向上
リスク低減と機会創出双方に着目したリスクマネジメント
サステナビリティ経営に資するグローバル・コンプライアンス
0102010_015.png

ニ.DXに向けて(Business Transformation by Digitalization)
業務革新活動との連携によるビジネス変革(BX)
□経営ビジョン実現に向け、既存事業の徹底した効率化と経営リソースの可視化・流動化を図り、顧客志向の機動的な組織へと転換することを目指す。
0102010_016.png
② 第1期中期経営計画2024(2022年度~2024年度)
イ.経営基本方針
コア事業と成長分野で収益をあげられる両利きの経営を目指す
○デジタル化・脱炭素化を背景とした成長分野・地域への積極的リソース投入
○投下資本収益性(ROIC)を重視した事業展開
ロ.定量目標(財務・非財務KPI)
(単位:億円)
財務KPI
(重要業績評価指標)
2021年度実績
(参考)
2024年度目標
(2022年2月公表)
2024年度目標※
(2023年2月公表)
売上高1,3571,5001,700
営業利益89120130
ROE(自己資本利益率)6.4%8%以上9%以上
連結配当性向36.2%35%目途35%目途

※2022年2月に公表いたしました第1期中期経営計画2024において設定していた「定量目標(財務)」について2023年2月に一部見直しを実施しております。
非財務KPI※1
(重要業績評価指標)
2021年度実績
(参考)
2024年度目標
(2022年2月公表)
CO2削減率
(2013年比、国内グループ)
△28.1%△80%
社員エンゲージメントスコア働きがい48pt56pt
働きやすさ43pt55pt
女性社員全体比率21.7%23%
女性管理職※2比率3.4%10%
男性育児休業取得率29.0%50%

※1 CO2削減率を除きキッツ単体
※2 管理職:部門長職に就いている社員
ハ.事業別中期経営計画
■事業別中期計画
a.バルブ事業
バルブは、配管内の流体(水・空気・石油・ガスなど)を流したり、止めたり、流量をコントロールする機能を持つ「流体制御機器」の総称です。バルブ事業は、水やエネルギーなどの安定供給を支え、安心して暮らせる環境を創造します。当社グループは、あらゆるフィールドに多彩な商品を提供する総合バルブメーカーとして、青銅・黄銅やステンレス鋼、鋳鉄、鋳鋼などの様々な材質や形状のラインナップを有し、私たちの生活空間から産業分野まで、グローバルに製品を提供してまいります。
バルブ事業の中長期ターゲット市場を8つの市場区分に整理し、現行コア市場を基盤に成長分野・新規分野への資源移動を進め、収益構成を変えていきます。
●市場別戦略
<コア市場>1.建築設備
基本方針
事業環境
国内の住宅着工戸数は減少傾向も、ASEAN中心に海外市場の成長は継続
先進国では簡易施工のニーズが増加。世界的にはデータセンター需要が急拡大
主要施策■データセンター市場の需要取り込み
・短納期ニーズへの対応:製品の在庫化など
■簡易施工に対応した接続方式の製品開発
■配管方法・材質の変化と自動化・スマート化に対応した製品の開発

2.石油化学
基本方針
事業環境
COVID-19からの回復に伴い、世界の石油需要は新興国で増加見通し
先進国ではクリーンエネルギーへシフトしつつも、石油化学需要は堅調
主要施策■クリーンエネルギー化や環境対策などのユーザー動向に追従した製品開発
■日系を中心としたキーアカウントユーザーに対するサービスとMRO受注率の向上
■キッツ予兆診断システムの導入率向上
■グローバル規格や顧客認証への対応

3.水処理
基本方針
事業環境
世界の水インフラ需要は増加も、価格帯と認証制度が参入障壁
半導体需要の高まりにより、純水/超純水プラントへの投資は拡大
主要施策■純水プラントメーカーや純水装置メーカーに密着したマーケティング活動
■金属イオンの溶出厳禁対応や樹脂系製品の開発
■水インフラ分野へのソリューション提供
・造水装置(ピュアキレイザー、アクアレスキューなど)

4.機械装置
基本方針
事業環境
RoHS・REACH対応やグリーン冷媒対応など、高度化する機械装置分野の環境対応ニーズを的確に捉え、新たな顧客価値を提供する
主要施策■機械装置営業部の新設
■機械装置の小型軽量化と自動化に対応した製品の開発と市場への導入
■RoHS・REACHなど環境規制への対応製品拡充
■次世代(グリーン)冷媒への切替え需要の取り込み

<グロース市場>5.半導体装置
基本方針
事業環境
堅調な半導体市場拡大を背景に、半導体装置向けクリーンバルブの生産能力を拡大するとともに、研究開発体制の整備をすすめる
主要施策■生産能力増強:キッツエスシーティー新田SC工場新棟建設
■生産DX(自動化・省力化)投資
■研究開発体制の強化

6.半導体材料(フィルター)
基本方針
事業環境
旺盛な半導体需要を背景に、半導体フォトレジスト用フィルター(ポリフィックス)も堅調な成長を見込む。需要拡大に対応するため、生産能力を拡大する
主要施策■ポリフィックス等工業フィルターの生産能力拡大
■半導体sub-nano対応次世代膜の開発
■精密フィルターの他分野(レジスト用以外)への用途開発

7.機能性化学
基本方針
事業環境
主要顧客である化学各社は高付加価値な機能性化学分野に注力
高度化するプロセス要求に対応する製品ラインナップを拡充し、収益拡大を図る
主要施策■高クリーン性・易メンテナンス性の要求に応える製品ラインナップの拡充(ダイヤフラムバルブなど)
■ファインケミカル専属の営業・技術横断組織の組成(キッツエスシーティーとのシナジー追求)
■ファインケミカル/装置・機械メーカー等とのプロセス技術・生産技術ネットワークの構築・強化

8.水素・低炭素
基本方針
事業環境
脱炭素社会に向け、水素エネルギー関連の市場ポテンシャルは急拡大
社会実装が進む水素サプライチェーンへの参入を図り、事業拡大を目指す
主要施策■パッケージユニットによる水素ステーション市場攻略及び小規模な地産地消型グリーン水素エネルギーチェーン事業参入
■液化水素大型実証プラント(出荷・受入基地、運搬船)、水素航空機市場参入に向けた研究開発(NEDO事業)の遂行
■水素発電、水素パイプライン等、新たな水素エネルギー需要の攻略
■海外向けLNG用超低温バルブのラインナップ拡充/販売強化

●グループ戦略の骨子
0102010_017.png
●エリアビジネス戦略
1.北米市場
重点ターゲット市場建築設備、石油化学、機能性化学
水処理、半導体装置、水素・低炭素
事業機会産油国アメリカにおける石油・石油化学・ガス市場の拡大
環境規制強化の動き(脱炭素・鉛フリー化など)
主要
施策
市場
戦略
■米国拠点をオイル&ガス向け市場戦略のコントロールタワーへ位置付ける
■化学市場への参入:廉価ボールバルブの開発・上市を狙う
工業弁■3ピース型トラニオンボール弁やハイパフォーマンスバタフライ弁の拡販
汎用弁■コマーシャル弁市場の売上拡大
・汎用弁市場に対応した代理店網構築
・鉛フリー弁:地域で要求されている規格を満足した製品を提供

2.中国市場
重点ターゲット市場建築設備、石油化学、半導体装置、機能性化学
水処理、機械装置
事業機会「新基建(新型インフラ)」政策を背景としたデータセンター市場等の拡大
石油産業の政策誘導(化学シフト)に伴うエチレン等生産能力の拡大
政策的な半導体国産化による市場の拡大
主要
施策
建築設備
石油化学
機能性化学
汎用弁■設計・生産・販売の一貫体制を積極活用:市場要求スピードへの対応力を強化
工業弁■中国生産工場を活用し市場規模の大きい工業系の販売を拡大
自動弁■中国生産拠点での組立検査体制を構築
半導体装置■現地生産能力の増強と販売の拡大

3.アセアン・インド市場
重点ターゲット市場建築設備、石油化学、水処理
機械装置、機能性化学、水素・低炭素
事業機会都市インフラをはじめとした新興国中間層マーケットの成長に伴うMiddle-Zone経済の拡大
日系ユーザーの進出に伴うキーアカウントマーケティング機会の拡大
主要
施策
アセアン■日系ユーザーを中心としたキーアカウント網の構築
■地域密着マーケティングによる売れ筋商品の見極めと現地一貫(開発・生産・販売)供給体制の整備
■地域ブランドとUnimech社との協業による収益最大化
インド■内国生産政策に対応したリージョン完結の地域戦略確立

b.伸銅品事業
黄銅棒は、各種機械、建築資材などに幅広く使用されています。当社グループは、黄銅棒及び黄銅加工品(切削品及び鍛造品)の製造・販売を行う伸銅品事業を展開しています。伸銅品事業の戦略的取り組みは、以下の通りです。
基本方針既存領域は縮小傾向も、成長分野(自動車、半導体等)の開拓、サプライチェーン見直しに伴う加工品の需要取込み及び継続的コストダウンで収益力を高める
事業環境(機会)
リサイクル性を求めたメタル回帰による需要増
サプライチェーン見直しによる二次・三次加工の国内回帰
(リスク)
住宅関連市場の縮小
銅価格高騰による材料代替リスク
主要施策■成長分野への参入・拡販
・自動車、建機/重機、半導体分野等
■二次加工・三次加工への取り組み
・鍛造、切削、ロウ付け
■製造コストダウン・リサイクル推進
■DX等による業務効率化

c.その他
その他としては、ホテル事業及び不動産賃貸等があります。
基本方針Withコロナ下での収益確保に向け、個人客&近県商圏をターゲットに営業政策を転換。環境変化を契機にサービス生産性の抜本的改革と定着化を図る
事業環境県内などの近隣地域内での観光(いわゆるマイクロツーリズム)の割合が増加
旅行種別では個人旅行の割合がさらに増加
主要施策■個人客重視によるサービス付加価値向上
・上層階和室を和モダン客室へリニューアル
・夕食付プラン比率の向上
■多能工(マルチスキルワーカー)の育成
・外注役務の内製化による労働生産性の向上
・スキル管理/マイスター制度/閑散期の短期異動
■館内施設(客室・浴場等)のバリアフリー対応強化

■デジタル・トランスフォーメーション(DX)
a.業務革新活動との連携によるビジネス変革(BX)
0102010_018.png
b.DX中期計画コンセプト
「オペレーション比率低減」×「付加価値業務へのシフト」
1.設計・開発
・ナレッジマネジメントによる技術伝承
・技術コンテンツ拡充・サービス提供
・設計業務標準化・自動化(RPA)
2.生産・品証
・工場ITインフラの構築
・標準化とデータづくり
・MES(製造実行システム)の確立(トレーサビリティ/効率化)
3.マーケ・販売・CS
・顧客ニーズの収集と活用(CRM)
・顧客タッチポイントの強化
-Web×リアルチャネル連携
-セールス&サービスエンジニア育成
4.バックオフィス
・データ・ファクト重視の経営管理基盤構築
-連結計画・予測システムの機能強化
-事業別採算性の可視化と施策への展開
・グループ人財DBの構築
・LMS(Learning Management System)の導入
・DX人財の育成
■財務戦略・資本政策
財務戦略及び資本政策は、最適資本構成の視点をベースに積極的な戦略投資と株主還元の両立を図ってまいります。詳細につきましては、「④2023年度経営計画 ニ.財務戦略・資本政策」をご参照ください。
③ESGの取り組み
イ.環境(E)
気候変動が持続的な社会に影響を及ぼすことを認識し、サステナビリティ経営重点テーマの一つとしてカーボンニュートラル/資源循環を掲げています。その対策として、自社のCO2排出量削減と資源・エネルギーの効率的な利用が重要であると考えています。環境長期ビジョン「3ZERO(トリプルゼロ)」の取り組みをさらに強化するとともに、TCFD提言に基づいた情報開示を進めています。また、長年培ってきた流体制御技術や材料開発を基盤に、脱炭素や水資源をキーワードにしたイノベーションの創出を強化しています。
■カーボンニュートラル/資源循環
a.環境長期ビジョン「3ZERO(トリプルゼロ)」の推進
当社は、創業以来、お客様にバルブを中心とする高品質な商品を迅速かつ継続的に提供するため、素材からの一貫生産体制を基本としています。中でも鋳造は高度な生産技術と大規模な設備を要する重要工程である一方、エネルギー及び廃棄物あるいは社員の安全にかかわる様々なリスクを内包しています。そのため、環境や安全に配慮したモノづくりが必要不可欠であることから、2021年12月に策定、公表した環境長期ビジョンでは「3ZERO(トリプルゼロ)」を掲げ、取り組んでいます。
0102010_019.png
ⅰ.CO2ゼロ
2024年度末までに国内グループ会社で使用する電力を再生可能エネルギー化することにより、中期環境目標として2030年までに2013年比で90%以上の削減、長期環境目標として2050年までにはカーボンニュートラルとなることを目指しています。
なお、CO2削減を資金調達面から推進するために、2022年9月にCO2排出量削減率をSPT(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット)に設定したサステナビリティ・リンク・ボンド100億円を発行いたしました。
ⅱ.環境負荷ゼロ
従来の大量消費型のモノづくりから持続可能な循環型社会に貢献するモノづくりに転換すべく、2022年度より資源循環推進タスクフォースを設置し、水資源、廃棄物、プラスチック、有害物質等を対象に取り組みをスタートしています。特に水資源については、2030年にウォーターニュートラルをKPIとして掲げ、節水、循環、涵養を推進してまいります。
また、廃棄物に関しては、埋立処分率をKPIとして掲げ、ゼロエミッションを進めます。
ⅲ.リスクゼロ
公害防止、労災防止及び火災防止活動を通じて、安心・安全なモノづくり、安定した操業の維持に取り組んでいます。
b.気候変動への対応(TCFDに沿った開示)
当社は、気候変動が事業活動に与える財務上の影響について情報開示を段階的に進化させていくため、2021年12月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。TCFD提言の4つの開示項目(ガバナンス、戦略、リスクと管理、指標と目標)に沿って、以下では開示概要について示します。
ⅰ.ガバナンス
環境長期ビジョンの主要項目に対する進捗と実績については、執行役員で構成する経営会議において確認し、方向性、課題及び特に重要な施策についての意思決定を行っています。特に重要な事項については取締役会において審議・決定しています。また、年2回開催している全社サステナビリティ推進委員会では、気候変動をはじめとするサステナビリティ経営に関わる課題の共有と方向性について審議を行っています。
ⅱ.戦略
気候変動に関する戦略については、IPCC※報告書で示された社会経済シナリオに基づき、以下のような主要なリスク・機会等の特定と財務的影響分析、これらを踏まえた戦略の柱を整理しました。この戦略に沿って取り組みを推進してまいります。
※IPCC:気候変動に関する政府間パネル
0102010_020.png※想定される財務的影響度を「大」「中」「小」でカテゴリ分け
●戦略の柱
①自社のCO2排出量削減と資源・エネルギーの効率的な利用により、気候変動の緩和に貢献する
②自社の製品を通じたCO2排出削減の推進により、気候変動の緩和に貢献する
③地域社会と連携した気候変動緩和策に取り組み、持続可能な未来の創造に貢献する
ⅲ.リスクと管理
●気候変動に関するリスク評価・管理体制
気候変動に関するリスクを継続的に低減させていくため、グループリスクマネジメントの基本的考え方に基づき、進捗管理ツールを用いてリスク評価・管理を行っています。
●気候変動に関するリスク評価・管理するプロセス
0102010_021.png経営会議において、全グループにおける気候変動に関するものを含むさまざまな事業活動に係る想定リスクの中から重要リスクの特定を進めています。また、特に重要なリスクについては、取締役会において、対応方針を審議・決定しています。
ⅳ.指標と目標
戦略の柱①である「自社のCO2排出量削減と資源・エネルギーの効率的な利用により、気候変動の緩和に貢献する」については、2030年までに自社のCO2排出量を2013年比で90%以上削減、2050年までにカーボンニュートラルとする目標(環境長期ビジョン「3ZERO(トリプルゼロ)」の推進)を掲げ、その達成に向けた取り組みを行っています。
0102010_022.pngその他の戦略の柱②及び③については、今後の取り組み状況を踏まえ、指標と目標を設定していく予定です。
■イノベーション
a.機構改革の実施
2023年1月より役員直轄として水素事業部及び環境ソリューション事業部を新設し、環境関連事業の強化を図ります。水素事業部では、企画段階から顧客のための提案を積極的に実施し、水素ステーションを始めとする水素関連技術の開発や製品の販売体制の強化を図り、また環境ソリューション事業部では、今までグループ各社で個別に展開していた水処理関連技術や人財を集約してシナジーの最大化を図ってまいります。
b.技術ロードマップの策定・取り組み
企業理念、長期経営ビジョン及び第1中期経営計画2024に基づき、「2030年に市場やお客様に提供する価値」や、その価値を実現する「技術のありたい姿」を明らかにしたうえで、製品・生産技術・技術サービスの道標となる「技術ロードマップ」を策定し、関係部門のアクションに落とし込んでまいります。環境負荷を低減する材料や製品の開発などに、グループ各社が連携してイノベーションを生み出すことにより、社会課題の解決に持続的に貢献してまいります。
ロ.社会(S)
長期経営ビジョンにおいては、性別・年齢・国籍・文化等を超えて、社員一人ひとりがプロフェッショナルとして、最高のパフォーマンスでいきいきと働くことを目指しています。そのため、社員エンゲージメントの持続的向上をサステナビリティ経営重点テーマの一つに掲げ、取り組みを進めています。また、自社のみならず、サプライチェーンにおいても、人権・環境・労働等に配慮した持続可能な体制の構築に向け取り組んでいます。
■社員エンゲージメントの持続的な向上
a.人財に関する取り組み
当社グループは、長期経営ビジョンにおいて、2030年にありたい姿・目指す姿に「多様な人財の活躍」を掲げています。性別、年齢、国籍、文化等を超えて、社員一人ひとりがプロフェッショナルとして最高のパフォーマンスを発揮できる組織づくり、環境づくりを行うとともに、あらゆるステークホルダーから選ばれ続ける企業を目指して参ります。
b.多様な人財の活躍に向けた取り組み
ⅰ.エンゲージメント調査
当社は、サステナビリティ経営重点テーマの一つに「社員エンゲージメントの持続的な向上」を掲げており、社員エンゲージメントのスコアを「多様な人財の活躍」における重要なKPIとして位置付け、組織風土の現状を把握することを目的として、2021年度より、エンゲージメント調査を開始しました。
具体的には、社員の会社に対する共感度合いや、業務に対する熱意を測る「働きがいスコア」と、社員を活かす環境がどの程度組織や職場に備わっているのかを測る「働きやすさスコア」で構成されています。それぞれのスコアをKPIとして定め、毎年定期的に調査を実施し、社員の声を経営や職場環境の改善に活かすための仕組みとして活用してまいります。
なお、エンゲージメント調査の結果については、経営層への報告に加え、各職場へのフィードバックを実施し、組織風土の現状を確認・分析するとともに、具体的な行動計画と目標値を設定し、各職場での活動につなげています。
〈エンゲージメントスコアの推移と目標〉
2021(実績)2022(実績)2024(目標)
単体働きがい48pt48pt56pt
働きやすさ43pt44pt55pt

ⅱ.企業理念・長期経営ビジョンの浸透化
「多様な人財の活躍」には、目標に向けた貢献意欲や帰属意識の醸成による「働きがい」が欠かせません。そして、「働きがい」は理念やビジョンの共感によって高まるものと、当社は考えます。そこで、長期経営ビジョンの社内への浸透とグループ一丸となった目標達成に向けて、「KITZ Group Engagement Forum」を実施しています。2022年度は、グループ会社を含め、37回の開催で728名の社員が参加しました。
ここでは、社長をはじめ経営陣と当社及びグループ会社の社員が、長期経営ビジョンについて対話形式で議論を行っています。社員が経営陣からのメッセージを直接受け取って自分ごと化し、また経営陣が社員の意見を直接聞いて経営に反映させる等、対話を通じて共通の価値観を醸成する機会としています。この取組みを通して企業理念・長期経営ビジョンの浸透を図って参ります。
ⅲ.ダイバーシティ&インクルージョン推進
当社は経営上の重要な戦略の一つとして、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。社員を会社の財産(人財)と捉え、多様な属性(年齢・性別・国籍・職種・役職・働き方等)や価値観を持つ社員の「個」を尊重し、互いに認め合い、それぞれの力を発揮する環境を整えることが会社の使命であると考えています。また、社員自身にも感性や理性を磨いて自己を高めるとともに、多様な他者を認め、互いに助け合うことを求めています。
このような「個の尊重と受容(インクルージョン)」への取組みは、社員が仕事に対するやりがいを感じられることに繋がることに加えて、多様な価値観や意見がぶつかることで個の創造性が高まり、「組織力の最大の発揮」に結び付くものと考えています。一例として、2022年度には、LGBTQの理解促進のため、部門長を対象としたe-ラーニングを実施しました。
c.多様性を測る指標
ⅰ.女性社員比率/女性管理職比率
長期経営ビジョンで「女性社員比率及び女性管理職比率」等について、2030年度までの目標を掲げています。現在は女性管理職比率が3.4%であり、管理職をはじめとする意思決定を行う地位への登用において男女差があります。当社はこれを課題として認識し、女性管理職比率を2030年度までに20%まで段階的に引上げる目標を定めており、そのために採用・教育・環境整備の施策を着実に強化してまいります。
ⅱ.男性育児休業取得率
ダイバーシティ&インクルージョン推進の一環としてキッツは、育児をしながら安心して会社で働き続け、最大限に能力を発揮できるよう、諸制度の整備に取り組んでいます。
2022年度に対象者となった女性社員の育児休業取得率は100%、男性社員は35.3%となっています。当社は現在、特に男性社員の育児休業取得を強く推奨しており、男性の育児休業取得率を2024年に50%、2027年には100%にすることを目標に掲げております。
ⅲ.男女間賃金格差
男女間で発生している賃金の差異については、上位役職者数が少ないこと、及び平均勤続年数が男性より短いことが主な理由となっております。当社はこれを課題として認識し、引続き、現在注力している女性の活躍を推進し、多様性の確保を図ってまいります。
d.人財育成方針
キッツグループは、様々な材質や形状の製品ラインナップを有し、総合バルブメーカーとして、私たちの生活空間から産業分野まで、あらゆるフィールドに多彩な製品を提供しています。
また、国内のみならず、アジア、アメリカ、ヨーロッパ各地に製造・販売拠点を持ち、世界規模で事業を展開するグローバル企業でもあります。キッツがバルブ業界において、世界有数の企業グループに成長することができたのは、総合バルブメーカーとしての地位を築いてきたことにあります。
市場の幅広さや変化に対応して発展を続ける上で、我々が目指す人財像は、働きがいをもって自律的な成長を続け、スピード感を持って挑戦し続ける人財です。そうした人財を輩出するため、多様な社内教育により“やる気・やる腕・やる場”づくりを支援し、「個人能力の発揮」及び「組織能力の発揮」を両輪に人財育成に取り組んでいます。
例えば、階層別教育、職掌・職種別専門教育、特別選抜教育及び自己啓発支援などの人財育成プログラムを充実させるとともに、「チャレンジ目標制度」を運用し、「育成」を「評価」と「処遇」に連動させることにより、高いモチベーションを保つことができる仕組みを整備しています。今後人財育成の効果を定量的に把握するため、人財育成費用を人財育成におけるKPIとして定期的に捕捉し、今後は、全社的な人財育成の強化・マネジメントに努めてまいります。
また、当社独自の取り組みとして、高い技術知識を有する社員を「バルブマイスター」として社内資格認定しています。バルブマイスターは、当社が世界有数の「総合バルブメーカー」として、バルブに関する高い技術知識をもって、お客様に更なる価値を提供し、業界全体の知識や技能の向上に寄与する目的で導入しました。現在、バルブマイスターの資格取得者は58名(2022年3月時点)です。2022年からは本制度を新たな技術研修カリキュラムに改訂して、知識レベルのさらなる向上を図っております。また、社内のみならず、業界においても高い専門性を持つ社員を資格認定し、処遇していくことの検討に着手しています。これら2つの独自の取り組みを通じて、一層の差別化に繋げます。
e.社内環境整備方針
キッツは、創業からの伝統を守りながら多様な人財が認められるよう、「今までのやり方が当たり前」から「常に新しい方法を」へと意識の変革を促す活動を行っています。そのために、自由闊達で風通しのよい職場環境により、社員が安心して働き続けられるよう、仕事と生活面の両立ができる環境づくりを推進しています。
いきいきと働ける風土づくりの一環として社員が生活をより良くし、より安全に、より健康に働くことができる企業を2030年に目指す姿とし、「キッツグループ健康経営宣言」及び「健康経営 取り組み方針~5つの柱~」に従って、様々な施策を進めております。主要KPI(重要業績評価指標)として、健康経営優良法人認定を2022年度より取得しております。また2027年度にはホワイト500認定取得を目指しております。
また、労働関連法規の遵守徹底に加え、労使一体となって長時間労働の抑制やサービス残業の禁止、年次有給休暇の取得促進に取り組んでいます。併せて、毎年、コンプライアンス教育に係るセミナーを開催するなど、コンプライアンス風土の醸成、ハラスメント等の防止に努めております。
また、メーカーとして、安全は不可欠との考え方の下、「キッツグループ安全衛生基本理念」及び「キッツグループ安全衛生基本方針」を定め、労働安全衛生の推進体制のもとに様々な取り組みを強化しています。
当社は、製造・開発・営業等の各現場で培われた経験に基づく技能や知識こそが、「個」ならびに会社としての財産と考え、長く安心して働ける会社であることを大切にしております。この考え方を実践する上で、新入社員全員にメンターを配置してのケアや、安全と品質を向上させるアドバイザー制度の運用等により定着率を高めています。
グループ全社員の安全と健康を確保し、快適な職場環境を形成することは、社員の安定雇用やモチベーションの向上にもつながり、生産性や業績の向上に結び付く重要な問題と認識しています。社員がいきいきと働く職場環境を実現する上で、総実労働時間の削減、離職の防止及び労働安全の確保に重点を置き、これらを具体的に示す指標をKPIとして定期的に捕捉し、今後、全社的な社内環境整備の改善に努めてまいります。
■持続可能なサプライチェーンの構築
当社調達方針に基づき、サプライヤーに遵守していただきたい事項をまとめたサプライヤー・ガイドライン及び地球環境に配慮した調達活動の考え方を集約したグリーン調達基準を策定しています。また、サプライヤー・ガイドライン及びグリーン調達基準に基づいたサプライチェーンデューデリジェンスを実施しております。
a.調達方針
当社グループは、より良い商品・技術・サービスを世界の人々に提供することを通して、人間の生活を
ゆたかにすることに貢献します。その実現のため、以下の方針のもと、調達活動を行います。
1.お取引先様との関係は、共存共栄を基本とし、ビジネスパートナーとして、公平公正な取引を通じて相互の信頼関係を築くとともに、一体となって成長・発展することを目指します。
2.高い倫理観と社会的良識のもと、各国の法令及び社会規範を遵守し、人権尊重、労働安全衛生確保、環境保全、情報管理・保護などの社会的責任を果たします。
3.適正かつ安定的な品質・価格・納期のみならず、常に環境負荷を考慮し、その低減を意識した調達活動を展開します。
b.サプライヤー・ガイドライン及びグリーン調達基準
当社グループでは、上記方針に沿った調達活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています。サプライチェーン一体となって取り組んでいくため、お取引先様に遵守いただきたい要請事項を「サプライヤー・ガイドライン」として定めています。また、「グリーン調達基準」に基づいて環境負荷の少ない原材料等を積極的に採用・調達してまいります。
c.サプライヤーデューデリジェンス
サプライヤー・ガイドライン及びグリーン調達基準に準じた継続的な取引を推進するため、その重要性をご理解いただき認識を高めていくための働きかけとして、主要なサプライヤーを対象に当該ガイドライン及び調達基準に基づいた自己評価を実施していただいております。当社とサプライヤーが一体となり、サプライチェーン全体で持続可能な社会の実現に取り組んでおります。
ハ.ガバナンス(G)
■コーポレート・ガバナンス/リスクマネジメント/コンプライアンス
コーポレート・ガバナンスについては、透明・公正かつ迅速果断な経営の意思決定を可能とする経営体制の構築を追求するとともに、非財務情報等あらゆるステークホルダーにとって有用性の高い情報の開示に取り組んでまいります。リスクマネジメントについては、リスクを「将来の不確実性」と捉え、「脅威」の回避・低減のほか、発生し得る「機会」にも着目した取り組みを進めてまいります。また、コンプライアンスについては、人権・腐敗防止等の社会課題にも注目し、グループ一丸となってグローバル水準の体制構築を推進してまいります。詳細につきましては、「2 事業等のリスク」及び「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
④2023年度経営計画
イ.2023年度経営方針
”ROIC × ESG”経営
■ROIC
・ROICツリー展開により、社員全員が自分の役割と会社への貢献を実感できる
・資産効率を考え、在庫や債権回転日数の最小化と利益の最大化を目指す
・不採算製品を抽出して改善する(コストダウン、製品統合、値上、廃止)
・成長分野に積極的に投資し、スピードをもって成果を刈り取る
■ESG(サステナビリティ経営)
・「トリプルゼロ」で地球環境を守り、環境分野のビジネスを攻める
・人を資本と考え、能力向上とエンゲージメント向上のための環境づくりを行う
・合理的なリスクを取りつつ、許容を超えるリスクに対し適切に低減を図る
・透明性が高くかつ迅速に意思決定ができる経営体制を構築する

※トリプルゼロとは「CO2ゼロ、環境負荷ゼロ、リスクゼロ」の取り組みを指します。
ロ.定量目標
a.連結業績
(単位:百万円)

2023年度計画
(2023年2月公表)
売上高167,000
営業利益11,900
経常利益12,300
親会社株主に帰属する当期純利益8,600
ROE(自己資本利益率)9%以上
連結配当性向35%目途

b.セグメント別業績
(単位:百万円)

外部売上高営業利益
バルブ事業134,70016,400
伸銅品事業30,000400
その他2,30070
調整額-△4,970
合計167,00011,900

ハ.事業別計画
■バルブ事業
a.市場別
バルブ事業では、ターゲット市場を8つに区分し、当社グループが得意としている建築設備、石油化学、水処理及び機械装置市場をコア市場と位置づけ、その基盤をさらに強化して確固たる土台を築く一方、成長分野・新規分野である半導体装置、半導体材料(フィルター)、機能性化学及び水素/低炭素市場をグロース市場と位置づけて積極的にリソースを投下し、収益構造を変化させてまいります。
0102010_023.png
<コア市場>
市 場施 策
建築設備データセンター向け販売の強化
配管工法・材質の変化・自動化に対応した製品の開発及び販売拡大
石油化学北米での規格認証製品のラインナップ拡大及び国内外でのメンテナンス事業の拡大
水処理グループの技術・人財を集約した環境ソリューション事業部の立ち上げによる地下水浄化装置などの環境対応製品の販売強化
機械装置環境規制物質の管理強化及び環境規制対応製品の拡充による環境に配慮した製品の販売拡大

<グロース市場>
市 場施 策
半導体装置生産能力増強のための国内新工場の稼働開始及び海外での販売強化
半導体材料
(フィルター)
生産能力増強のための工場新設及び微細化対応の技術確立とユーザー認証の取得促進による販売拡大
機能性化学主要顧客の投資拡大に対応した新製品の開発・市場投入
水素/低炭素水素事業部の立上げによる水素ステーション用パッケージユニット、水素用バルブの販売力強化及び積極的な研究開発の推進

b.地域別
地 域施 策
北米各種認証品の市場投入、データセンター及び一般化学市場への販売拡大
中国中国向け製品の開発、生産及び販売拡大による地産地消戦略推進
アセアン/インドセカンドブランド品の本格投入によるミドルゾーンの販売拡大

■伸銅品事業
材料費低減のための設備投資を進めるとともに、高付加価値製品の成長市場への拡販を進め、収益性の向上を図ります。
ニ.財務戦略・資本政策
経営の基軸を「中長期的な投下資本収益性の向上」に置き、対外的には「ROE(自己資本利益率)」、社内では「ROIC(投下資本利益率)」を主要KPI(重要業績評価指標)として目標管理を実施し企業価値の向上を目指す一方で、将来の成長・ROE向上に向けた戦略投資の実行及び必要な資金調達を実施いたします。
0102010_024.png
ホ.2023年度サステナビリティ重点取り組み
重点テーマ2023年度重点取り組み
「カーボンニュートラル/資源循環」と「イノベーション」
E「トリプルゼロ」の推進
(CO2,水資源排出,廃棄物)
■CO2フリー電力、燃料LNG化、太陽光パネル導入推進
■工場の水資源循環の取り組み推進
環境関連事業の拡大■水素事業部・環境ソリューション事業部の立上げ・強化
■環境規制に対応した製品開発(装置市場分野)

「社員エンゲージメントの持続的向上」と「持続可能なサプライチェーンの構築」
S社内情報開示強化による
企業風土向上
■経営陣との直接対話を含めたビジョンや会社状況の共有
■社員から上がった要望への対応とフィードバック
多様性があり働きやすい
職場づくり
■多様な人財が活躍できる基盤づくり
■ワークライフバランス充実のための仕組みづくり

「コーポレート・ガバナンス」、「リスクマネジメント」と「コンプライアンス」
G■経営の透明性確保と迅速な意思決定が両立したコーポレート・ガバナンス体制の構築
■地政学リスク・情報セキュリティリスクなどの重大リスクへの対策
✓グローバル地域分散型生産体制の推進

(3)経営環境
当社グループを取り巻く事業環境は、かつてない速さで変化してきております。新型コロナウイルス感染症拡大によりライフスタイルや働き方は大きく変化し、また地球温暖化を背景とする脱炭素化などの持続可能な社会の実現への取り組みが求められております。
そのような中、当社グループは、2022年2月に企業理念である「キッツ宣言」を改定、長期ビジョン『Beyond New Heights 2030「流れ」を変える』及び第1期中期経営計画2024を策定し、社内外に発信いたしました。そして、社会課題である「デジタル化」と「脱炭素化」を成長領域として捉え、現状のコア市場から成長分野・新規分野へのリソースのシフトを進めつつ、戦略的に投資を実行して収益構造を変化させていくという方向で事業を進めてまいります。そのため、経営の基軸を「中長期的な投下資本収益性の向上」に置き、対外的には「ROE(自己資本利益率)」、社内では「ROIC(投下資本利益率)」を主要KPI(重要業績評価指標)として目標管理を実施してまいります。また「ESG(環境・社会・ガバナンス)」についても、社会の要請に応えていくべく取り組みを進めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
バルブ事業においては、中長期ターゲット市場を8つの市場に区分し、市場別にメリハリの利いた資源配分を行ってまいります。また、コア市場を基盤にデジタル化や脱炭素化を背景とした成長分野・新規分野(グロース市場)への資源移動を進めて、収益構造を転換してまいります。グループ戦略としては、グローバル製品戦略、エリアビジネス戦略、グループシナジーの創出、ユーザーとの接点強化の4つを柱に事業展開を図ります。
伸銅品事業においては、既存分野の他、自動車や半導体などの成長分野への参入・拡販を進めるとともに、サプライチェーンの見直しによる加工品の拡販強化及び継続的なコストダウンで収益力を高めてまいります。
その他では、ホテル事業において、ポストコロナでの収益確保に向け、お客様に「感動」と「居心地の良い時間」を提供し、一人でも多くのリピーターを増やしてまいります。
事業戦略の土台となる経営資本については、組織・人的資本の面では、業務革新・DX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトにおいて「オペレーション比率低減と付加価値業務へのシフト」をテーマに、グループ内の価値連鎖(開発・生産・販売と間接機能)をデジタルの力で強化し、顧客と従業員双方の体験価値を高めるビジネス・トランスフォーメーションを目指します。また社員エンゲージメントを継続的に測定し、個々の組織人事施策が社員エンゲージメントに及ぼす効果を検証する一方、サステナビリティ経営の面では、ESG視点の取組強化を掲げ、一層の経営基盤強化を目指します。さらには、資本コストを意識した経営や積極的な成長投資を織り込んだ財務戦略・資本政策にも取り組んでまいります。
なお、詳細につきましては、「(2)経営戦略等 ②第1期中期経営計画2024(2022年度~2024年度)及び④2023年度経営計画」に記載の通りであります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
①第1期中期経営計画2024(2022年度~2024年度)
(単位:億円)
財務KPI
(重要業績評価指標)
2021年度実績
(参考)
2022年度実績2024年度目標
(2022年2月公表)
2024年度目標※
(2023年2月公表)
売上高1,3571,5991,5001,700
営業利益89110120130
ROE(自己資本利益率)6.4%10.0%8%以上9%以上
連結配当性向36.2%34.6%35%目途35%目途

※2022年2月に公表いたしました第1期中期経営計画2024において設定していた「定量目標(財務)」について2023年2月に一部見直しを実施しております。
非財務KPI※1
(重要業績評価指標)
2021年度実績
(参考)
2022年度実績2024年度目標
(2022年2月公表)
CO2削減率
(2013年比、国内グループ)
△28.1%△66.2%※3△80%
社員エンゲージメントスコア働きがい48pt48pt56pt
働きやすさ43pt44pt55pt
女性社員全体比率21.7%22.0%23%
女性管理職※2比率3.4%3.4%10%
男性育児休業取得率29.0%35.3%50%

※1 CO2削減率を除きキッツ単体
※2 管理職:部門長職に就いている社員
※3 2023年3月29日時点における暫定値
②2023年度計画(2023年2月公表)
財務指標(単位:百万円)
2023年度計画
売上高167,000
営業利益11,900
経常利益12,300
親会社株主に帰属する当期純利益8,600
ROE(自己資本利益率)9%以上
連結配当性向35%目途

セグメント別売上高及び営業利益(単位:百万円)
外部売上高営業利益
バルブ事業134,70016,400
伸銅品事業30,000400
その他2,30070
調整額-△4,970
合計167,00011,900

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。