有価証券報告書-第73期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 9:29
【資料】
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【項目】
150項目
(2)戦略
戦略検討は主要なリスク・機会を抽出した後、シナリオ分析を実施しました。シナリオは、IPCCの第6次評価報告書やIEAのWEOを参照して1.5℃および4℃シナリオを想定し、2030年時点における各シナリオ下での事業環境と対応策を検討しました。なお、検討は毎年度実施しており、開示内容は社内外の環境・情報の変化を踏まえた検討結果となります。
IPCC:気候変動に関する政府間パネル
IEA :国際エネルギー機関
①リスク・機会の抽出
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②シナリオに基づく評価と対応策
想定したシナリオ
・1.5℃シナリオ(IPCCのSSP1-1.9シナリオやSSP1-2.6シナリオ、IEAのNZEシナリオを参照)
世界のCO2排出量ネットゼロを達成するために、厳しい規制や技術革新が行われ、脱炭素社会への移行に伴う市場や顧客嗜好変化が事業に影響を与える環境を想定
・4℃シナリオ(IPCCのSSP3-7.0シナリオやSSP5-8.5シナリオ、IEAのSTEPSシナリオを参照)
世界の気候変動対策の取り組みに差があるため、規制や技術革新は大きなものにならない一方で、気温上昇・降雨などの気候変動による社会の変化が事業に与える環境を想定
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③財務インパクト評価、④対応策設定
シナリオ分析による主要なリスクと対応策
リスク財務インパクト対応策時間軸
炭素税の導入1.5℃シナリオ下では炭素税が課される可能性があります。生産におけるGHG排出量は企業成長に伴って増加するため、炭素税が課された際には減益インパクトが大きくなります。
当社は、環境長期目標「Green Plan 2030」を掲げており、自社の生産におけるGHG排出量を2030年時点で50%削減することを目指しております。具体的なGHG排出量の削減策として、太陽光発電設備の導入や再エネの利用拡大、電気自動車・ハイブリッド車への入替え等を行い、気候変動の緩和に貢献していくと同時に炭素税導入時のコスト抑制を図っております。
短~長期
浸水被害等による
物流寸断・生産停止
ハザードマップによる想定最大規模での浸水想定と洪水被害想定のシミュレーションを用いて、被害額を算定しています。1.5℃/4℃シナリオ下ともに2030年度時点での気温上昇は1.5℃と予測され、このときの洪水発生頻度は約2倍と予測されていますが、自社拠点の被災よりもサプライチェーン寸断リスクの可能性が高いと想定しております。
自社拠点においてはBCP対策として設備のレジリエンス強化や部品の共用化を進めつつ、サプライチェーン寸断リスクに対しては主要部品の内製化を推進することで部品供給体制の強化を図ってまいります。
短~中期

抽出したリスクについて検討した結果、当社事業において気候変動関連の対応が困難なリスクは見つかりませんでした。炭素税に関しては、当社はScope1およびScope2を把握し、ポイントとなるGHG排出源を特定しております。現在は、環境長期目標とその達成に向けたGHG削減策をISO14001に落とし込むことで高い実効性の下、取り組みを推進しております。サプライチェーン寸断リスクに関しては、物流拠点の整備や主要な生産部品の内製化に向けた投資を実行しており、リスク低下に繋げております。
シナリオ分析による主要な機会と対応策
機会財務インパクト対応策時間軸
降雨強度増加による
販売機会の増加
2030年度時点における日本の降雨強度変化は1.1倍と予測され、日本国内ではBCP対策等の適応策に貢献する製品売上が増加する可能性があります。既存の製品ラインアップと、これまで積み重ねてきた知見に基づくソリューション提案による案件獲得に向けた活動を進めるとともに、顧客ニーズの多様化に対して製品開発やサービス・サポート体制の拡充などを行ってまいります。また、経済成長が見込まれる海外市場においても気候変動の影響や市場トレンドを把握し、売上拡大を目指してまいります。短~長期
電源構成の変化による販売機会の増加電力分野についてはネットゼロに向けた化石燃料に依存した発電の減少が予想される一方で、地熱・バイオマス発電への真空ポンプ需要や太陽光発電に付随する雨水調整池への水中ポンプ需要の増加が想定されます。また、CCUやCCUSといった新技術での需要を見込んでおり、関連する市場を注視してまいります。短~中期

日本国内をはじめとして官民ともにBCP対策のための水ポンプ需要は大きくなると考えられます。また、発電分野においては、CCUやCCUSといった新技術の中で当社製品の需要が高まる可能性があります。このように気候変動による水災害リスクの増加やカーボンニュートラルに向けたCO2削減技術の進展は、気候変動への緩和策・適応策としての当社製品のニーズを高め、大きな事業機会になることがわかりました。これらの動向を注視して機会の最大化を目指してまいります。
0102010_008.pngリスクおよび機会の分析結果から、1.5℃および4℃シナリオのいずれにおいても、当社は高いレジリエンスを有していると判断しております。
⑤人的資本への取り組み
当社は2030年度に向けたマテリアリティとして、“従業員の成長と働きがいの向上”を掲げております。鶴見製作所として価値を創出する根源は“人”であると考えており、従業員の成長意欲を高めながら、働きがいのある職場環境を整備してまいります。
・自律型人財の育成
職務遂行に必要な「意識」と「スキル」を段階的に高めることで、当社の持続的な発展を担う基幹人財を中長期的に育成・輩出していく方針です。さらに管理専門職に必要な多面的視点を養うため、若手・中堅社員におけるジョブローテーションを積極的に展開してまいります。
具体的には、市場と価値観の変化に応じたテーマで視座を高め、ディスカッションを通して交流を促す「階層別研修」と各職種それぞれの専門知識を高める「技術・生産系教育」を軸に、システム要員向けのデジタル研修、資格取得や自己研鑽を促す通信教育、豊かな人生設計を啓発するDC継続教育など各種プログラムを織り交ぜる形で、1人1人の「成長を動機づける」人財育成に取り組みます。
・エンゲージメントの向上
当期より「上司の部下に対する働きかけ」を測定し、働きかけが少ない可能性がある上司に対してフォローアップ研修を実施しております。また、自発的な意思を尊重した人事異動を目的として社内公募制度を開始するなど、適材適所かつ機動的な人財運用によりエンゲージメントの向上を目指してまいります。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
当社グループが継続的に発展していくため、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを重要な課題と捉え、働きがいも含めた職場の価値を高める活動として女性活躍の推進・ワークライフバランスの実現・障がい者雇用等を推進しております。
具体的には、女性活躍の推進として女性社員が就業意欲をもって長く働き続け、その個性と能力を十分に発揮できるような組織を整備することで、女性活躍推進法に基づく行動計画の実現を目指します。
また、ワークライフバランスの実現として、社員がやりがいを感じながら職務を果たす一方で、子育て・介護・地域社会、自己啓発等との両立をサポートするため、次世代育成支援対策法に基づく行動計画の実現を目指します。
さらには、2021年4月1日に設立した特例子会社ツルミテクノロジーサービスのビジネスサポート部に、様々な業務に従事できる環境を整備することで、障がい者の自立と社会参加をより確かなものとする雇用推進に努めております。

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