有価証券報告書-第70期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

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2016/06/22 10:13
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有報資料

印刷産業は日米欧の先進国では印刷需要が下げ止まり、緩やかな回復傾向にあります。また、新興国では人口の増加や中間所得層の拡大に伴い景気変動の影響を受けながらも着実に印刷需要は伸びています。一方で最大市場となりつつある中国では経済成長率が鈍化しており先行きの不透明な状態が続いています。このようなビジネス環境のなか、「事業構造変革」、「営業の業態変革」及び「モノづくり革新」の推進が喫緊の課題となっております。
これらの課題に対処するため第5次中期経営計画を平成28年4月にスタートさせました。本中期経営計画では、第4次中期経営計画の基本骨子である「事業構造変革」と「営業の業態変革」の2つの「変革」を一段と前進させ、当社が持つリソースの有効活用を促進し、さらに継続的な「モノづくり革新」の推進及び財務戦略の具体化を図ることにより企業価値を高めてまいります。
「事業構造変革」ではコニカミノルタ社と共同開発したデジタル印刷機Impremia IS29及びイスラエルのランダ社と共同開発中の次世代デジタル印刷機Impremia NS40の市場投入と当社独自のビジネスモデルの構築を図ってまいります。また、オフセット印刷、デジタル印刷、証券印刷、及びPE(プリンテッドエレクトロニクス)の技術・ノウハウの融合によるシナジー効果の創出により、従来のオフセット印刷機事業中心の事業構造からより複合的な事業構造への転換を進め、収益の拡大を目指してまいります。
「営業の業態変革」ではPESP事業として印刷機械の周辺装置・資材及び印刷会社の生産性向上を支援する情報共有プラットフォームであるKP-Connect等の開発・販売、並びにアップグレードなどの計画工事を通じて、お客様の生産性と収益性の向上に資するソリューションを提案してまいります。また、印刷市場の変化と印刷会社の経営環境変化に対応した販売・サービス体制の整備とアカウントマネジメントの推進により、お客様とのパートナー関係を発展させ、継続的取引に基づいた安定的収益構造への転換を促進いたします。
「モノづくり革新」では、つくばプラント(茨城県つくば市)、小森マシナリー(山形県東置賜郡)、小森机械(中国江蘇省南通市)の3工場体制においてモノづくり革新活動を推進し、魅力ある商品を生み出す開発・生産体制を実現させてまいります。また新生産方式の導入による多品種・変量生産への対応を図り、もっとも効率の良い生産体制を追求し、生産リードタイム短縮と製造コスト低減に取り組んでまいります。
財務戦略の具体化では、資産・資本効率向上を意識した財務リソースの戦略的活用により成長戦略及び株主還元等を推進してまいります。
これらの課題に経営資源を重点的に投入し全社一丸となって取り組むことで、持続的安定成長を実現する経営基盤を構築し、企業価値向上とともに優良企業への転換を図ってまいります。
株式会社の支配に関する基本方針
1.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念をはじめ当社の財務基盤や事業内容等の企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないと考えております。
上場会社である当社の株式は、株主の皆様による自由な取引が原則であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方についても、当社株式の自由な取引により決定されることを基本としております。従いまして、当社株式の大規模な買付行為等についても一概に否定するものではなく、買付提案に応じるか否かの判断は、株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、明らかに濫用目的によるものや、株主に売却を強要するおそれのあるもの、その目的等からみて企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、対象会社の取締役や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役が代替案を提案するための十分な情報や時間を提供しないもの等、不適切なものも少なくありません。
このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大規模な買付等に対し、これを抑止するための枠組みが必要不可欠と考えます。
2.会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み
当社では、多数の株主及び投資家の皆様に長期的に当社への投資を継続していただくため、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、以下のような施策を実施しております。これらの取組みは、上記1.基本方針の実現にも資するものと考えております。
(1)当社の経営理念及び企業価値の源泉
当社は大正12年の創業以来、90年以上に亘り印刷機械システムのメーカーとして品質と信頼を至上とするものづくりの原点にこだわり、世界各国へ高品質・高性能な印刷機械とサービスを提供することにより、印刷文化の発展に寄与してまいりました。
当社の経営理念は、「顧客感動企業の実現」であります。「顧客感動企業」とは、高い「経営品質」の実現を目指して、絶えず「顧客感動創造活動」を推進し、世界中のお客様に満足と感動をもたらす企業になることであり、具体的には「KANDO-PROJECT」を通じて次の3つの項目を推進しております。
① 「KOMORI」ブランドの創造活動と維持管理を実施する
② 知覚品質管理活動を徹底し、顧客満足を高める
③ ソリューションビジネスを推進し、顧客の利便性を高める
これら顧客を起点とした事業活動のプロセスにより築き上げられた顧客との信頼関係が当社の企業価値の源泉であります。
(2)中期経営計画を軸とする企業価値ひいては株主共同の利益向上への取組み
当社は、企業価値ひいては株主共同の利益向上のため第5次中期経営計画を平成28年4月にスタートさせました。本中期経営計画の趣旨は、第4次中期経営計画の基本骨子である「事業構造変革」と「業態変革」の2つの柱を基本的には踏襲するものですが、当社の中核事業であるオフセット事業をより強化するとともに、第4次中期経営計画で策定し一部実施した戦略や施策をより具体化し成果を顕在化させること、当社の持つリソースを有効に活用しその潜在価値を可能な限り発現させることにあります。
第5次中期経営計画の主要戦略は以下の7項目です。
① 収益構造変革(営業業態変革・PESP [プリント・エンジニアリング・サービス・プロバイダー]事業の拡大)
消耗品(K-Supply等)、周辺機器(Apressia等)、計画工事、それらを統合するソリューション(KP-Connect
Cloud Solutionを含む。)の提供と事業拡大
② モノづくりの抜本的改革(開発・製造)
新生産方式等の導入による多品種・変量生産への対応とリードタイム・在庫水準・コストの改善
③ DPS(デジタル印刷機)事業のビジネスモデル構築・事業化
コニカミノルタ株式会社と共同開発中のインクジェット印刷機ImpremiaIS29、イスラエルのランダ社開発のナノテ
クノロジーと当社の技術を融合した次世代デジタル印刷機ImpremiaNS40の市場投入と拡販及び当社独自のビジネ
スモデル構築
④ 事業間のシナジー効果創出による差別化強化
オフセット、デジタル、証券印刷、PE(プリンテッドエレクトロニクス)等の技術・ノウハウを融合した当社独自
の付加価値の高いソリューションの開発と提供
⑤ 人材育成・採用の強化、海外人材の活用
事業の複線化・役割変更に伴いスキルの向上、グローバル人材育成、マネジメント人財開発を行い、組織機能の合
理化とともにスリムで機敏な組織体制を構築
⑥ 間接業務の効率化・SGA20(販売費及び一般管理費の削減)
ICT(情報通信技術)、自社業務の外部委託等の活用による業務の効率化とSGA20推進による収益性の向上
⑦ 財務戦略・M&Aの具体化
財務リソースの積極的な戦略的活用による資産・資本効率向上と成長戦略の推進及び配当・株主還元等資本政策
の見直し
(3)コーポレート・ガバナンスの強化への取組み
当社は全てのステークホルダーの期待に応え、責任を果たし、企業価値の最大化を追求していくことが、経営の最重要課題の一つであると認識しております。その実現のためにはコーポレート・ガバナンスの確立が不可欠であると考えます。
当社では、「経営の透明性の確保」、「経営の意思決定の迅速化」、「コンプライアンスの確保」及び「経営のチェック機能の強化」を図ることを、コーポレート・ガバナンスの基本としております。この基本に従って経営の監視を含む諸問題に関して、コーポレート・ガバナンスが十分機能するよう取り組んでおります。また、取締役会の透明性を高め、監督機能の強化を目的として、当社は、取締役8名のうち社外取締役を2名選任しております。社外取締役を置くことにより、監督機能のより一層の客観性・中立性の確保が図られているものと考えております。
今後も、コーポレート・ガバナンスの強化・充実に努め、企業価値ひいては株主共同の利益を追求してまいります。
3. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、平成28年4月28日開催の当社取締役会において「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下、「本プラン」といいます。)の継続を決議し、平成28年6月21日開催の当社第70回定時株主総会(以下、「本株主総会」といいます。)において、本プランの継続につき承認を得ております。
本プランの対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいいます。
本プランにおける、大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関する一定のルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)は、①事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、②必要情報の提供完了後、対価を現金のみとする公開買付けによる当社全株式の買付の場合は最長60日間、その他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価・検討等の取締役会評価期間として設定し、取締役会評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始する、というものです。
本プランにおいては、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。ただし、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合、遵守しても当該大規模買付行為が、当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断する場合には、必要かつ相当な範囲で、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置を講じることがあります。
対抗措置を講じる場合、その判断の合理性及び公正性を担保するため、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役または社外取締役や社外有識者から選任された委員で構成する独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は対抗措置の発動の是非について、取締役会評価期間内に勧告を行うものとします。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。ただし、独立委員会が対抗措置の発動について勧告を行い、発動の決議について株主総会の開催を要請する場合、株主の皆様に本プランによる対抗措置を発動することの可否を十分にご検討いただくための期間を設定し、株主総会を開催することがありますが、大規模買付行為は当該期間の経過後にのみ開始できるものとします。当社取締役会は、株主総会において対抗措置の発動または不発動について決議された場合、当該株主総会の決議に従うものとします。
なお、本プランの有効期限は平成31年6月に開催予定の当社第73回定時株主総会の終結の時までとします。本プランは、本株主総会において継続が承認され発効した後であっても、①当社株主総会において本プランを廃止する旨の株主の一定割合の意思表示が行われた場合、②当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議等が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。
本プランの詳細につきましては、当社ホームページ(http://www.komori.co.jp/hp/)に掲載しております。
4.本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
当社取締役会は以下の理由から、本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものでなく、かつ当社役員の地位の維持を目的とするものでないと判断しております。
①買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しております。
また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。
②企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目的としていること
本プランは、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様がご判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるという目的をもって継続されるものです。
本プランの発効は、株主の皆様のご承認を条件としており、株主の皆様のご意向により本プランの廃止も可能であることは、本プランが株主共同の利益を損なわないことを担保していると考えられます。
③株主意思を反映するものであること
当社は、本株主総会において本プランに関する株主の皆様の意思を確認させていただくため、議案としてお諮りし原案通りご承認いただきましたので、株主の皆様のご意向が反映されたものとなっております。
また、本プラン継続後、有効期間の満了前であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様のご意向が反映されます。
④独立性の高い社外者の判断の重視
本プランにおける対抗措置の発動は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に適うように本プランの適正な運用を担保するための手続も確保されており、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
⑤デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと
本プランは、当社株主総会で選任された取締役で構成される取締役会によりいつでも廃止することができるものとされており、当社の株式を大量に買い付けようとする者が、自己の指名する取締役を当社株主総会で選任し、かかる取締役で構成される取締役会により、本プランを廃止することが可能です。従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
また、当社は取締役の任期1年間としておりますので、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する防衛策)でもありません。

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